異例の月曜日にリリースされた、Tyler, the Creatorの新アルバム『CHROMAKOPIA』。その理由とは?


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ラッパーのTyler, the Creator(タイラー・ザ・クリエイター)が2019年のアルバム『Call Me If You Get Lost』以来となる新作『CHROMAKOPIA』を10月28日(月)にリリースした。アメリカなどの音楽業界では通常金曜日にアルバムやシングルがリリースされることが多く、今回月曜日にリリースされたことは“異例”とも言える。
なぜ月曜日にリリースしたのか、その理由とともにアルバムの内容を紹介していこう。
より積極的に音楽を聴いてもらうために
リリースに合わせてTyler, the CreatorはInstagramにて「アルバムを聴く前に、期待せず、テキストやSNSをチェックせず、他の人の意見に惑わされずに全てを聴いて欲しい」と投稿した。金曜日にリリースする理由としては、週末に聴く時間がある、クラブやラジオでのプロモーションが効果的、などの理由が挙げられるが、Tyler, the Creatorはこれに疑問を感じていたという。
2015年までは火曜日にアルバムをリリースするのが常識的だったことも踏まえ、昨年11月のインタビューでTyler, the Creatorは「もう一度火曜日に戻すべきだ。週末はパーティーに行ったりジムに行ったり、受け身で音楽を聴く時間が多くなるだろう。それは本当に聴いているとは言えない」と話していた。
であれば、平日の生活リズム内、通勤通学やその後の1人の時間の方が、積極的に自分から音楽を聴く機会が多いという考えだろう。
過去に音楽ジャンルとして「アーバン」という用語が、ヒップホップやR&Bなどをまとめて表していることについても苦言を呈していたTyler, the Creator。その後グラミー賞は「アーバン・コンテンポラリー」部門を改名するなどの措置をとったことからも、彼の言動は業界に大きく影響を与えるものだ。今回の月曜日リリースについては、他のアーティストも賛同するかもしれない。
新たな魅力を感じられる豪華なフィーチャリング勢
リリースの数日前にはSNSで、フィーチャリングがいないような投稿をしていたが、蓋を開けてみればDaniel Caesar(ダニエル・シーザー)、Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)からクラブヒットを飛ばし続けるGloRilla(グロリラ)、Sexyy Red(セクシー・レッド)、Doechii(ドーチー)といったラッパーまで幅広く参加。
しかしながら、リリックからプロデュース、クリエイティブなディレクションまで自身が手がけているとあって、どのアーティストもTyler, the Creator色に染まっていて新たな魅力を感じることができる。なんというか“ソロ”アルバムらしいアルバムとして仕上がっているのだ。
アートワークのマスクの意味は
上記したGloRilla、Sexyy Red、そしてLil Wayne(リル・ウェイン)も加わった「Sticky」から、アルバムは次の曲「Take Your Mask Off」へと流れていく。この曲でTyler, the Creatorは人々が被っている様々な“マスク”、リリックで言うならば中流家庭の人々がその幸せを手放し、悪く振る舞い不測の事態に直面する。そんな願望を表す“マスク”を外すよう勧めている。
フックでは「自分自身を見つけるんだ、マスクを外せることを願うよ」と歌い、最後のバースでは自分自身に話しかけるように「マスクを外して真実を語るんだ」と締めくくる。この1曲だけでも聴いていて心が軽くなる。そんな曲だった。
アートワークのマスクに関しては、2020年に亡くなったラッパーのMF Doom(MF・ドゥーム)への追悼の意もあるだろう。今年第10回を迎える主催フェス「Camp Flog Gnaw Carnival 」ではMF Doomのトリビュートイベントも開催されると発表された。
Tyler, the Creatorはニューアルバム提げてLil Yachty(リル・ヨッティー)とのアリーナツアーも来年2月からスタートさせる。






