ついにスーパーボウル・ハーフタイムショーのステージへ。30年間R&Bシーンのトップに君臨するUsherの功績を振り返る


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全米で最も注目度の高いイベントであるNFLの優勝決定戦スーパーボウル。そのハーフタイムショーはアーティストならば誰もが憧れるステージであり、2024年はR&BシンガーのUsher(アッシャー)が出演する。
2023年12月にはBTSのJUNG KOOK(ジョングク)「Standing Next to You」のリミックスに参加し、その後公開されたパフォーマンス映像では45歳とは思えぬダンスも披露。BTSファンはもちろん、世界に強烈なインパクトを残した。
2024年はUsherがデビューから30周年を迎える節目の年。このタイミングで彼のキャリアとレガシーを振り返ってみよう。
教会の聖歌隊からMichael Jacksonとの共演まで
Usherは幼い頃から母親が監督を務める教会の聖歌隊のメンバーとして歌っていた。1993年、Usherが15歳の頃にアトランタに引っ越すと、地元のタレントショウに出演。そこにTLCらも契約したことのある「LaFace Records」のA&Rが居合わせ、すぐさま契約に結びつくと、翌年の1994年にはデビューアルバム『Usher』をリリースした。プロデューサーにはPuff Daddy(パフ・ダディ、現: Diddy)も参加している。
当時のPuff DaddyといえばThe Notorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.)を世に送り出し、Mary J. Blige(メアリー・J・ブライジ)やTLCも手がけるなど絶好調の時期。そこでデビューアルバムをリリースした Usherがどれだけ期待されていたかは想像に容易い。
『Usher』もゴールドディスクに認定されるほどのヒットではあるが、1997年リリースのセカンドアルバム『My Way』はそれを優に上回るほどのメガヒットとなり、リードシングル「You Make Me Wanna…」はUKチャートで初の1位を、「Nice & Slow」ではビルボードチャート1位を獲得した。このアルバムではPuff Daddyと並び、ヒップホップ・R&Bの歴史的プロデューサーと称されるJermaine Dupri(ジャーメイン・デュプリ)が参加。デビューから3年で両雄とのコラボを果たす。
そして2001年にサードアルバム『8701』をリリースすると、「U Remind Me」、「U Got It Bad」が全米1位、「U Don’t Have To Call」は日本のクラブでもヘビープレイされ、グラミー賞やビルボード・アワードを受賞。『My Way』の頃から「次のキング・オブ・ポップだ」と言われてきたUsherは、この年Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)のソロデビュー30周年を祝うイベントにも出演。Mya(マイア)、Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)とともに「Wanna Be Startin’ Somethin’」を披露した。
「Yeah!」の世界的ヒット
Usherを語る上で外せないのがLil Jon(リル・ジョン)とLudacris(リュダクリス)がフィーチャーされている「Yeah!」だろう。2004年リリースのアルバム『Confessions』に収録されており、20年経った現在でもラジオやクラブで毎日のようにプレイされている。レゲトン界のスーパースター、J Balvin(J・バルビン)が「Dientes」で大胆にサンプリングしたのが2023年のこと。それだけの歴史的ヒット曲なのだ。「Yeah!」はスーパーボウルの開催1ヶ月前に公開されたトレイラーでもBGMに使用された。
https://www.youtube.com/watch?v=QcRLTbQxgcI&pp=ygUGdXNoZXIg
ヒップホップ系の「Yeah!」だけでなく「Burn」や「My Boo」といった聴かせるメロウなR&Bもアルバムからヒット。歌えて踊れるUsherの完成系が表現された作品となった。
ポップスシーンでも圧倒的な人気
EDMが盛り上がる2010年。この前後にはChris Brown(クリス・ブラウン)やNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)などR&B、ヒップホップ勢もポップス寄りのアップテンポな曲を多くヒットさせているが、Usherも例外ではない。2010年にリリースされたアルバム『Raymond v. Raymond』にはヒップホップ、R&Bファンに向けた曲とともに、Black Eyed Peas(ブラック・アイド・ピーズ)からwill.i.am(ウィル・アイ・アム)をフィーチャーしたアップテンポな「OMG」を収録し大ヒット。2011年にハーフタイムショーを務めたBlack Eyed PeasのゲストとしてUsherも出演し「OMG」を披露している。
そして『Raymond v. Raymond』の続編的な作品としてリリースされた『Versus』では「DJ Got Us Fallin’ In Love」が「OMG」に続きポップスファンにも受け入れられ、今ではYouTubeでの再生回数が3億7000万回まで到達。
ジャンル分けすることに意味があるかは置いておいて、Usherが憧れたMichael Jacksonが「キング・オブ・ポップ」であるならば、「OMG」と「DJ Got Us Fallin’ In Love」によってUsherはその地位に一歩近づいた、キャリア的に重要な曲であると思う。
DiploやSwedish House Mafiaらとコラボ、ダンスミュージックシーンとも接近
初期からPuff Daddy、Jermaine Dupriとヒップホップ・R&B界の大物プロデューサーとコラボしてきたUsherは、2012年にDiplo(ディプロ)による「Climax」、Swedish House Mafia(スウェディッシュ・ハウス・マフィア)との「Euphoria」をリリースしている。
これらのコラボが収録されたアルバム『Looking 4 Myself』はUsherが「これまでで最もリスキーな作品で自分への挑戦だ」と語っていた通り、タイトルにもその想いが込められている。
ハーフタイムショー最大の難関
ここまで紹介した通り、輝かしいキャリアを持つUsherにとってハーフタイムショーのパフォーマンスで最も頭を悩ませる問題が、“13分”という限られた時間に30年間のレガシーを詰め込むことだろう。このことに関しては過去に出演したアーティスト全員が抱えた悩みで、昨年素晴らしいパフォーマンスを魅せたRihannaも例外ではない。そんなRihannaはUsherのハーフタイムショーに対して「アドバイスすることはない、彼は天才だから」とエールを送り、Usherも感謝の気持ちを送り返している。
Rihannaのハーフタイムショーはエミー賞を獲得することとなったが、それを監督したJay-Z(ジェイ・Z)もまたUsherを「この時代で最も素晴らしいパフォーマーのひとりだ」と評しており、ファンの期待を高めてくれている。ちなみにJay-Z自身もハーフタイムショー出演に対して前向きで、「いつか、もしかしたらね」ともコメントを残した。
Usherはスーパーボウル当日に2016年の『Hard II Love』以来約8年ぶりとなるニューアルバム『Coming Home』もリリースする。最新アルバムの曲も披露するのか、ゲストに誰かを呼んでいるのか。楽しみなことだらけのスーパーボウルは2月11日(現地時間)に開催だ。







