11月23日にZEROTOKYOで開催の「Glitterbox Tokyo」。その予習として、Glitterboxを象徴するハウスサウンドが現代のヒット曲に与える影響、さらにイベント出演するハウスレジェンドのDavid Morales、The Shapeshiftersの代表曲を特集する。

2020年代生まれの"NEO TOWA TEI"な音楽について、提唱者である音楽ライター本人が解説。


<p>昨年あたりから“Y2Kリバイバル”なる現象がポップカルチャーシーンの至るところで見られ始めている。</p>
<p>Y2Kとは2000年代前後のことを指す言葉だが、ここ2〜3年の間に音楽シーンでも、その時期に流行したポップパンク人気が復権を果たしたほか、00年代のエモ/ポップパンク系のバンドやR&amp;B、ヒップホップ系のアーティストが一挙集結する&quot;あの頃をもう一度&quot;的なフェスの開催が注目を集めるなど、“Y2Kリバイバル”的な動きが見られるようになって久しい。</p>
<h3>近年、Y2Kや00年代の音楽に見られたテイストがリバイバル傾向にある</h3>
<p>2023年はその傾向がさらに加速してきた印象を受けるが、筆者は80年代生まれのY2K期に青春を過ごした1人であり、その頃に盛り上がりを見せたDaft Punkらに代表されるフレンチタッチを始め、NYのエレクトロクラッシュ、SNSの先駆けである「Myspace」とそこを起点に世界中に広がっていった00sエレクトロやブログまとめサイトから派生したブログハウスといった音楽カルチャーにどっぷりハマっていた口だ。それだけにY2Kや00年代のポップカルチャーがリバイバルするこのムーブメントに対する想いは当然ながら人一倍強い。</p>
<p>ちなみにY2Kリバイバルの起源に関しては諸説あると思うが、個人的にメインストリームの音楽シーンやクラブシーンでそのような動きが目に見える形でちらつき始めたのは2020年だったと考えている。</p>
<p>もちろん、それ以前からY2Kカルチャーに特化した情報を発信する<a href="https://twitter.com/PopCulture2000s" title="2000s">2000s</a>のようなSNSアカウントなどは存在したが、例えば、この年にDua Lipaは&quot;00年代風の80sリバイバル&quot;を思わせる野心的なアルバム『Future Nostalgia』をリリースし、それに呼応するかのように00年代初頭に再ブレイクを果たしたことで知られるKylie Minogueも近しいコンセプトのアルバム『Disco』をリリース。加えてLady Gagaは、事もあろうに当時としてはもはや&quot;古の音楽&quot;化していたフィルターハウスを感じさせる「Rain On Me」（渡辺直美のカバーも話題になった）をアルバム『Chromatica』に収録するなど、こういった現象が起きたことで、リアルタイムでY2Kを通過してきた、あるいは後追いでその頃の音楽カルチャーに想いを寄せていた人であれば、少なくともなんとなくはY2Kリバイバルのことを意識させられたはずだ。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Lady Gaga, Ariana Grande - Rain On Me (Official Music Video)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/AoAm4om0wTs?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>またその後、メインストリームの音楽シーンでは、ラッパーのMachine Gun KellyやWILLOWがY2K期に一世風靡したポップパンクリバイバルを打ち出し成功を収めているが、それがさらに加速したのは2022年のコーチェラだと筆者は考えている。このときは00年代のインディーロックの名曲のひとつであるThe Killers「Mr. Brightside」がDJでプレイされたり、カバーされたりしたのだが、その様子を見て、筆者は近いうちに本格的なY2K/00sリバイバルが到来すると確信。2023年現在は、その確信が現実となり、このムーブメントは見事に現行のポップカルチャーシーンを席巻している。</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="ja" dir="ltr">Emo Niteもキラーズのmr brightsideのフューチャーベースリミックスみたいな曲かけてた。実はこれ、今後のY2Kリバイバルブーム的なものにおいて非常に大きな要素だと思う。</p>
<p>というのも00sの自分が住んでたAusだとロック、ダンスクラブ問わず一晩に何回もこれがプレイされていた。（続く）</p>
<p>&mdash; Jun Fukunaga fka LC (@LadyCitizen69) <a href="https://twitter.com/LadyCitizen69/status/1515498894041686016?ref_src=twsrc%5Etfw">April 17, 2022</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="The Killers - Mr. Brightside (Official Music Video)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/gGdGFtwCNBE?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>ちなみに日本の音楽シーンにおいても今年は、東京を拠点に活動するアーティスト/クリエイターによるコレクティブのbalaが先述のフィルターハウス要素を取り入れた楽曲「barla」をリリースしており、今後、日本の音楽シーンでもY2Kリバイバルはさらに加速していくことが予想される。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="bala - barla（Official Music Video）" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/pZUHD7AOJww?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>あの頃のテイ・トウワがDJでプレイしそうな2020年代生まれの音楽＝「NEO TOWA TEI」</h3>
<p>今、挙げた例はあくまでメインストリームの音楽シーンの話だが、実はこのような傾向はよりアンダーグラウンド、もしくはマイナーなところでも確かに見られるのだ。そういった現象を反映したジャンルの細かい名称や明確な定義などはおそらくまだない。そして、仮にこれを言葉で表現するのであれば、大きな括りで&quot;Y2K/00sリバイバル&quot;としか言いようがないが、そのひとつの要素/ジャンルのカテゴリーとして、最近筆者は&quot;NEO TOWA TEI”というものを提唱している。</p>
<p>そう言うときっと「&quot;NEO TOWA TEI&quot;とは一体なんぞや?」ということになると思うので、ここで説明しよう。</p>
<p>要はY2Kや00年代頃のテイ・トウワが“DJでプレイ”しそうなテイストを持つ2020年代生まれのエレクトリックミュージックのことを筆者は&quot;NEO TOWA TEI&quot;的な音楽と呼んでいる。つまり、テイ・トウワ作品でいうと、1999年のアルバム『<a href="https://open.spotify.com/album/2pdl9LXwRxqQQVOAza4GrM?si=c7iALyKkSrCgCFaWq8trmQ" title="Last Century Modern">Last Century Modern</a>』やSweet Robots Against The Machine名義での『<a href="https://open.spotify.com/album/3EaYGyEAnBTsVWxUApVOI7?si=DBt61c-QQ2CVbs0cgYosKg" title="TOWA TEI">TOWA TEI</a>』、あるいはテイ・トウワ監修のコンピレーション『<a href="https://www.amazon.co.jp/MOTIVATION-FIVE-compiled-TOWA-TEI/dp/B000PITZG2" title="Motivation">Motivation</a>』に収録されているようなお洒落さとクラブミュージック要素が融合したエクレクティックな音楽性を持つ現行の音楽を&quot;NEO TOWA TEI&quot;なものとして、定義しているわけだ。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="&quot;BUTTERFLY&quot; TOWA TEI WITH AYUMI TANABE &amp; VIVIEN SESSOMS" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/_DmK6bPt0bE?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>筆者が考える&quot;NEO TOWA TEI&quot;的な音楽とは、具体的に言えば、ムーディーで洒落たラウンジ感のあるドラムンベースを始め、ジャングル、UKガラージ、2step、ハウス（特に乙女感のあるもの）、ブレイクビーツのことを指す。</p>
<p>しかし、そう言ってもイメージがつきにくい人もいると思うので、さらにわかりやすく説明するために筆者が公開しているプレイリスト『NEO TOWA TEI（style 2 modern stylish）』での選曲を例にどういった楽曲が&quot;NEO TOWA TEI&quot;的なものなのか見ていこう。</p>
<p><iframe title="Spotify Embed: NEO TOWA TEI（style 2 modern stylish）" style="border-radius: 12px" width="100%" height="352" frameborder="0" allowfullscreen allow="autoplay; clipboard-write; encrypted-media; fullscreen; picture-in-picture" loading="lazy" src="https://open.spotify.com/embed/playlist/2722omY8Qu2qGj4BR1puvf?si=5a97d2e460554586&utm_source=oembed"></iframe></p>
<h3>NEO TOWA TEIを構成する3つの柱</h3>
<p>例えば、Spotifyの人気プレイリスト『<a href="https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWW1XLSH8Oafp?si=10eb63bc23054de7" title="planet rave">planet rave</a>』では、ハイパーポップ経由のトランスやコンプレクストロな曲から洒落たジャングルやガラージ、プラスチックなエレクトロポップなどがセレクトされている。そういったプレイリスト、あるいはそこに選出されるようなアーティストの楽曲の中から、先ほど説明したテイ・トウワっぽい楽曲をサルベージし、再定義したものがNEO TOWA TEIを構成するひとつめの柱になっている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Alé Araya - Janet (Live Performance Video)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/-UqvXcilYt8?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>続いて、PinkPanthress以降の流れを汲んだ&quot;インディポップxドラムンベース&quot;、インディxUKガラージ&quot;といえるような曲をNEO TOWA TEIを構成するふたつめの柱としている。こういった曲の多くは主にTikTokを起点にZ世代の間で人気となり、先述の「planet rave」のようなプレイリストにセレクトされることでその認知度が広がっている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="YAZ - Anymore" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/RTwNBbXQMMg?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Strawberries" width="500" height="375" src="https://www.youtube.com/embed/t-n6diUJrZ8?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>余談だが、そのような曲の中にはTikTokで人気の&quot;sped up（早回し）&quot;、&quot;slowed+reverb（再生スピードを落としてリバーブをかける）&quot;化している曲も少なくない。</p>
<p>閑話休題。</p>
<p>そして、NEO TOWA TEIを構成する3つめの柱としているのが、近年ニューヨークでにわかに盛り上がりを見せていると伝え聞く&quot;ガラージ&quot;の新たなサブジャンル「NYCガラージ（NYC Garage）」だ。</p>
<p>このジャンルを牽引しているのは、今年2月にデビューアルバム『Back In The Day』をリリースし、現在、大きなバズを呼び起こしているSwami Soundというプロデューサーなのだが、筆者はSwami Soundとその周辺にいるプロデューサーやアーティストたちの音楽性もまた&quot;NEO TOWA TEI&quot;と呼べるものだと考えている。</p>
<p><iframe title="Spotify Embed: Back In The Day" style="border-radius: 12px" width="100%" height="352" frameborder="0" allowfullscreen allow="autoplay; clipboard-write; encrypted-media; fullscreen; picture-in-picture" loading="lazy" src="https://open.spotify.com/embed/album/7GO2u0PbT72fx53lxOotWz?si=BqDrDzyLRFy9QsPUNMx7ZA&utm_source=oembed"></iframe></p>
<p>なかでもFiFi ZhangというNYを拠点とするアジア系アーティストの音楽性はNEO TOWA TEI感が強い。特に「So Beautiful So Lonely」という曲は、現代版テイ・トウワ「Butterfly」と表現しても差し支えないだろう（それくらいあの頃のテイ・トウワ感に溢れている）。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="FiFi ZHANG - So Beautiful So Lonely (Official Video)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/6cMrPPuYsOk?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>また<a href="https://masterswami.bandcamp.com/" title="Swami Sound">Swami Sound</a>や<a href="https://fifizhang.bandcamp.com/" title="FiFi Zhang">FiFi Zhang</a>は、これまでにいくつかの有名アーティストの曲をガラージや2step化したリミックスをBandcampで公開している。</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="ja" dir="ltr">ダフトパンク「One More Time」ネタのスピードガラージやばすぎて情緒崩壊するくらいぶちアガる🔥 ⁰⁰“2023年の全人類のアンセム、これやろ！”感ハンパないって…。<a href="https://t.co/HSdNWZWPZI">pic.twitter.com/HSdNWZWPZI</a></p>
<p>&mdash; Jun Fukunaga fka LC (@LadyCitizen69) <a href="https://twitter.com/LadyCitizen69/status/1646666470536122373?ref_src=twsrc%5Etfw">April 14, 2023</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>筆者は、これを知って00年代にテイ・トウワがここぞというときにDJプレイしていたNelly「Dilemma」のドラムンベースリミックスのことを思い出した。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Nelly &amp; Kelly Rowland - Dilemma (Dnb Remix)" width="500" height="375" src="https://www.youtube.com/embed/0k-QeBmSle8?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>このように&quot;あの頃のテイ・トウワ&quot;がクラブでプレイしそうな音楽が、最近になってまた新たに生まれ出している。そして、それらの楽曲はリアルタイムでY2Kや00年代を通過してきた人にとっては懐かしく、若い世代にとっては見知らぬ新しい音楽として聴こえるはずだ。</p>
<p>もし、&quot;NEO TOWA TEI&quot;のことが気になったのであれば、ぜひとも最近block.fmで公開された筆者の「NEO TOWA TEI DJ Mix」と<a href="https://open.spotify.com/playlist/2722omY8Qu2qGj4BR1puvf?si=6a6d969f587c4ca5" title="プレイリスト">プレイリスト</a>をチェックしてほしい。きっと筆者が言わんとすることが伝わるだ。</p>


“知っている人には懐かしい、知らない人には新しい”。今、00年代のテイ・トウワがDJプレイしそうな音楽がゴリアツい

今夏リリースされたリミックスアルバムから感じる00年代的な要素を構成や収録曲から紐解いていく。

<p>Dua Lipaが今春リリースした2ndアルバム『Future Nostalgia』は、ABBA、Bee Gees、Olivia Newton-John、INXSなど80年代ダンスポップを引用しつつも、Kylie Minogue 『Fever』、Madonna『Confessions on a Dance Floor』といった00年代のメインストリームダンスポップの雰囲気を持っていることが特徴だ。そして、今夏リリースされたリミックスアルバム『Club Future Nostalgia』もまた、オリジナル同様にクラブミュージック側から80年代から00年代のシーンの歴史を辿るような内容になっている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/YvVonQ7LUJ0" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p><module-adv></module-adv></p>
<h2>『Club Future Nostalgia』に感じる00年代要素&nbsp;</h2>
<p></p>
<p>『Club Future Nostalgia』は、コロナ禍という非現実の産物であるステイホーム期間にファンがオンライン上で『Future Nostalgia』を楽しんだことを受け、それに励まされたDua Lipaからのファンへの恩返し的な意味で制作された作品だ。クラブシーンの人気DJ、The Blessed Madonnaとのコラボによって制作された本作には、Madonna、Missy Elliott、Gwen Stefani、BLACK PINKといった新旧のグローバル・ポップスターに加えて、日本からは星野源参加。そのほかにもMasters at Work、Larry Heard、Moodymann、Mark Ronson、Paul Woolford、Joe Goddard、Midland、Jayda G、Yaejiらベテランから若手まで錚々たるメンツがリミキサーとして参加するなど本格的なクラブ仕様になっていることが大きなウリになっている。</p>
<p></p>
<p><iframe loading="lazy" src="https://open.spotify.com/embed/album/3W04W2HfQ5kVeByxfjbu2C" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe></p>
<p></p>
<p>奇しくも今年は、メインストリームのダンスポップを見れば、Dua Lipa以外にも、Lady Gagaによるフレンチタッチなフィルターハウスを彷彿とさせる「Rain On Me」、Miley Cyrusのディスコパンク感のある「Midnight Sky」、00年代ディスコ回帰オリジネーターKylie Minogueの「Magic」など、80年代にインスパイアされた00年代初頭のダンスポップを感じる曲が続々とリリースされているが、クラブシーンでも、00年代エレクトロの傑作Mylo「Drop The Pressure」のリメイク曲が人気を博すなど、”00年代感”は、2020年の音楽シーンのトレンドに大きく関わっている。</p>
<p></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/AoAm4om0wTs" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/pgMhpFMA5Is" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p>実際に聴いてみると『Club Future Nostalgia』でも00年代感は作品における重要な要素になっているように感じるが、それはまさにDua Lipa自身が「Future Nostalgia』でテーマにしていた”新しくも懐かしい”要素だ。では、一体どの部分がそれにあたるのだろうか? アルバム構成や収録曲を振り返りながら探っていきたい。</p>
<p><module-adv></module-adv></p>
<h3>アルバム構成と収録曲に見る00年代らしさ&nbsp;</h3>
<p></p>
<p>近年のポップスターには珍しくリミックスアルバムでありながらノンストップのDJミックスという形態をとった本作では、ディスコ、プリープハウス、エレクトロ、チルウェーヴ、ボルチモアブレイクスなどアルバムのコンセプトに沿う形で、これまでのクラブミュージックのトレンドを取り入れたリミックスがシームレスにつながれていく。その中では特にJayda Gによる「Cool」のリミックスでのフィルターハウス感が、先述の『Fever』や『Confessions on a Dance Floor』のような00年代のメインストリーム・ダンスポップを彷彿とさせる。またDJミックス中、リミックスとマッシュアップされるNeneh Cherry「Buffalo Stance」、Gwen Stefani「Hollaback Girl」のような大ネタ使いも、2manydjsの『Radio Soulwax』シリーズのようで00年代を感じさせてくれる要因になっている。</p>
<p></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/ud2AD8JUJk4" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p>次に本作の構成にも筆者は、00年代感を感じている。LA Timesは、再構築されたリミックスをノンストップでミックスしていく本作の構成について、Madonnaの『The Immaculate Collection』を引き合いに出しているが、筆者はMadonna作品であれば、むしろ00年代のライブアルバム『The Confessions Tour』の方が頭に浮かぶ。なせなら『The Confessions Tour』ではエレクトロに再構築された「Like a Virgin」、「Erotica」のようなMadonnaクラシックやDonna Summer「I Feel Love」、The Trammps「Disco Inferno」のような大ネタ使いのマッシュアップがノンストップで繋がる構成は『Club Future Nostalgia』との共通項と言えるからだ。</p>
<p></p>
<p><iframe loading="lazy" src="https://open.spotify.com/embed/album/0tZyRisNOqyEjioXosI3Lm" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe></p>
<p></p>
<p>またMadonna関連で言えば、MadonnaとMissy Elliottを客演に迎えた「Levitating (feat. Madonna and Missy Elliott) [The Blessed Madonna Remix]」が収録されていることも筆者の00年代へのノスタルジーを掻き立ててくれる。その理由は、MadonnaとMissy Elliottのコラボ曲「Into the Hollywood Groove」をイメージできるからなのだが、00年代の音楽的系譜のことを考えるとおそらくこれは制作サイドからすると織り込み済みのオマージュのはず。特に00年代をリアルタイムで通過した世代であれば、きっと筆者が言わんとすることがわかるだろう（それにしてもGAPのCMが懐かしい）。</p>
<p></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/8989t_xRsls" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
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<h3>“Jacques Lu Cont”で深まる00年代感&nbsp;</h3>
<p></p>
<p>加えてリミキサー陣にJacques Lu Contの名前があることもやはり00年代へのノスタルジーを誘う。Jacques Lu ContことStuart Priceはプロデューサーの1人として『Future Nostalgia』にも参加しているが、彼はJacques Lu Cont名義やそれ以外の名義でも00年代には多くのメインストリーム・ダンスポップのクラブリミックスを残している。</p>
<p></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/oPTws4juI_o" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p>ちなみに今回、彼が手がけた「That Kind Of Woman」リミックスは、まさにその頃のムードをしっかりと踏襲したエレクトロハウス。安定のStuart Priceリミックス仕事に00年代を感じないわけがない。そんなわけで彼がThin White Duke名義で手がけたRöyksopp「What Else is There」のリミックスを聴いてみてほしい。</p>
<p></p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/7J3JVkcVDXs" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p>このように振り返ってみると『Club Future Nostalgia』には改めて00年代的な要素が随所に散りばめられていることがわかる。先述のとおり、今年は00年代を思わせる音楽がメインストリームのダンスポップでもクラブシーンでも注目を集めているがそのことを考えると『Club Future Nostalgia』は、まさに2020年の音楽シーンの雰囲気をパッケージした”新しくも懐かしい”作品になっていると言えるだろう。&nbsp;</p>
<p></p>
<p>Written by Jun Fukunaga&nbsp;</p>
<p></p>
<p>Photo: <a href="https://wmg.jp/dualipa/discography/23448/">wmg.jp</a></p>
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Dua Lipa『Club Future Nostalgia』から感じる懐かしくも新しい”00年代感”の正体を探る

ラッパー・Doja Catの経歴や魅力、さらにはTygaやSZAとのコラボ曲などヒットソングをご紹介する。

<p><module-adv></module-adv></p>
<h3>ラッパー・Doja Catと「Mooo!」</h3>
<p></p>
<p>ラッパーのDoja Cat（ドジャ・キャット）は、アメリカのLAを中心に活躍する女性ラッパーだ。シングル曲「Mooo!」をきっかけに、一躍注目を集めた。スモーキーとも評されるハスキーでスウィートな声で、巧みにラップを操る実力派でもある。さらにキュートでセクシーなMVは女性からも支持されている。人気急上昇のアーティスト、Doja Catについて紹介しよう。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/mXnJqYwebF8" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<h3>ラッパー・Doja Catの経歴</h3>
<p></p>
<p>ラッパーのDoja Catは1995年生まれで、アーティスト一家のなかで育った。子どものころから、ピアノや歌、ダンスなどを習い、兄もまたラッパーとして活動を行っている。Doja Catは確かな音楽性をもとに、ラッパー、シンガーとしてだけでなく、作詞作曲やプロデューサーとしても活躍中だ。</p>
<p></p>
<p>Doja Catは歌とラップを組み合わせた、いわゆるネオ・ソウルのスタイルをとっている。彼女が注目されたきっかけはYouTubeに投稿した「Mooo!」。「Mooo!」は、スローなテンポのトラックにゆったりとしたテンポでDoja Catがラップを披露している楽曲だ。セクシーかつキュートなMVも話題を呼び、再生数は5000万を越えた。</p>
<p></p>
<p>続いてDoja Catはアルバム『Amala』を、ソニー系のレーベルであるKemoabeよりリリース。プロデューサーとしてDoja Cat本人だけでなく、Rogét Chahayed（ロジェ・チャハイド）やDr. Luke（ドクター・ルーク）を迎えている。『Amala』は成功を収め大きな話題を呼んだ。アルバムのコンセプトは、R&amp;Bを取り入れながらDoja Catならではのキュートさやセクシーさを生かした内容となっている。</p>
<p></p>
<p>さらにアルバムのなかからシングルカットとして、「Go To Town」が発売された。 ハスキーで広がりのあるDoja Catのボーカルが遺憾なく発揮されている「Go To Town」のMVでは、ピンクや青などを多用したセットのなかでDoja Catのパフォーマンスが披露されている。</p>
<p></p>
<p>またデラックスバージョンには、女性ラッパーのRico Nasty（リコ・ナスティー）とのコラボレーション曲が収録。こちらは電子音を駆使したハードなサウンドになっており、叩きつけるDoja CatとRico Nastyのリリックが魅力的だ。キッチュなMVも必見の1曲である。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/pok8H_KF1FA" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p><module-adv></module-adv></p>
<h3>ラッパー・Doja Catの魅力は</h3>
<p></p>
<p>ラッパー・Doja Catの魅力は、彼女が注目されたきっかけである「Mooo!」に凝縮されている。ラッパー・Doja Catに興味を持った方は、まず「Mooo!」をYouTubeで見てもらいたい。自身のバストを「牛」に喩えながら、セクシーで挑発的な音楽世界が展開されている。魅力的なプロポーションを生かした、Doja CatならではのMVと言えるだろう。</p>
<p></p>
<p>一方で「Mooo!」ではラッパーとしてのDoja Catの確かな技術も遺憾なく発揮されている。サウンドは控えめで、テンポがつかみにくいミクシングがされている。そのサウンドの上に、Doja Catのローテンポなラップがうまくマッチしている。ハスキーボイスが全体のキュートさを引き締めており、女性だけでなく男性にも聞きやすい一枚だ。</p>
<p></p>
<p>挑発的でセクシー、かつキュートなDoja Catのアーティストの姿勢は、続くアルバムでも遺憾なく発揮されてきた。ポップでキュートな世界観が好きな女性に、特に聞いてもらいたいアーティストの1人である。また、リリックもセクシーでエロティックな内容が多い。「Mooo!」をはじめ、自身のセクシーさをアピールしたり、恋人との濃厚な時間を表した内容が多い。</p>
<p></p>
<p>ラッパーDoja Catの魅力は、どこまでもセクシーでキュートな世界観を、ハスキーな声で表現しているところにある。ローテンポな曲が多いので、恋人と過ごす時間にもぴったりではないだろうか。</p>
<p></p>
<p></p>
<h3>「Mooo!」以降のDoja Catの活躍</h3>
<p></p>
<p>ラッパーDoja Catは「Mooo!」の成功後、アルバム『Amala』を始め精力的に音楽活動を展開。 さまざまなアーティストともコラボレーションしており、2019年にはLunchMoney Lewis（ランチマネー・ルイス）とコラボ。「Make that cake」ではLunchMoney Lewisと正統派とも言うべきラップを披露しているので、MVとともにチェックしてもらいたい。&nbsp;</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/UI2XVGDEMEk" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p>さらに2019年にはアルバム『Hot Pink』がリリースされる。このアルバムはこれまでのDoja Catのスタイルであるスィートでセクシーなスタイルを踏襲しながらも、新たな音楽性にも挑戦。MVが公開されている「Bottom Bitch」では、80年代のLAスタイルを思わせるサウンドを取り入れた。さらにハスキーさをさらに強調することで、ノスタルジックな印象を与える1曲だ。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/ik0qg-O_2DM" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<p>同じく収録曲「Juicy」はDoja Catのボーカルとしての実力を堪能できる、メロウな楽曲となっている。またラッパーであるTyga（タイガ）とコラボレーションしており、見事なマッチングを見せているのも本作の特徴だ。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/VL4uXxlg8bM" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
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<p>Doja Catは女性ラッパーが好きなリスナーだけでなく、ヒップホップやR&amp;Bの初心者にもおすすめしたいアーティストである。また来日公演も行っているので、Doja Catの生歌を聞きたいリスナーは来日情報もチェックしておこう。</p>
<p><module-adv></module-adv></p>
<h3>SZAともコラボ</h3>
<p></p>
<p>2021年6月にリリースされたサードアルバム『Planet Her』から先行シングルであった「Kiss Me More」ではシンガーのSZA（シザ）ともコラボしている。どちらも日本国内で人気のアーティストとあって注目度も高い曲だ。惑星にたどり着いた宇宙飛行士が、エイリアン役であるDoja CatとSZAに出会う設定となっていて最後までご覧いただきたい作品だ。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/0EVVKs6DQLo" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
<p></p>
<h3>「Say So」の日本語カバー!?</h3>
<p></p>
<p>世界中で大ヒットしたDoja Catの代表曲「Say So」には日本語カバーが存在する。歌うのはYouTubeチャンネルの登録者数が116万人を超える、インドネシアのYouTuber・Rainych（レイニッチ）で、なんとDoja Cat本人の目にもとまっている。</p>
<p></p>
<p>そのかいあってか彼女は2020年10月2日に「Say So -Japanese version- tofubeats Remix」を配信リリースし、日本デビューを果たした。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/vIIBM_3Rhb0" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen=""></iframe></div></p>
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<p>written by 編集部</p>
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<p>photo:&nbsp;<a href="https://www.facebook.com/pg/DojaCat/photos/?ref=page_internal" title="https://www.facebook.com/pg/DojaCat/photos/?ref=page_internal">https://www.facebook.com/pg/DojaCat/photos/?ref=page_internal</a></p>
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「Mooo!」で注目、ラッパー・Doja Catとは?

<p>40年前に誕生した「DJ」という表現。機材やプレースタイルが進化する中で、DJたちはどんなことを考え、何を感じているのでしょうか?この番組では、時代を築いてきた DJたちの思考とプレイの裏側に迫ります。</p>


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