再生数を違法操作?DrakeがKendrick Lamar「Not Like Us」を巡り、UMGとSpotifyを訴える準備を開始


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Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)のニューアルバム『GNX』がリリースされてすぐのことだ。ビーフでは引けをとってしまったDrake(ドレイク)が、その勝敗を決定づけたKendrick Lamar「Not Like Us」を巡って、ユニバーサル・ミュージック・グループ(以下: UMG)とSpotifyに対し訴訟を起こす準備を開始したことが明らかとなった。Drakeは、Kendrick Lamarサイドに内部告発者がおり、その人物が情報源だとしている。
人為的な再生数の操作、リスナーへの誘導を行なっていた?
DrakeチームはUMGが組織犯罪法であるRICO法に違反していると主張。その内容は、ボットや賄賂を使い「Not Like Us」の楽曲再生数やMV視聴数を大きく見せているというもので、ここにSpotifyも関係してくる。UMGはSpotifyに対し通常よりも低い金額でライセンスを供与し、Spotifyではユーザーが無関係なワードで検索をかけても「Not Like Us」に誘導されるよう仕向けたというのだ。
さらにAppleに対しても、ユーザーがSiriでDrakeのアルバム『Certified Lover Boy』を再生するよう話しかけると「Not Like Us」に誘導されるとして訴訟を考えている。これは「Not Like Us」のリリック「Certified Lover Boy?/Certified pedophile」という部分が該当してのことだろうが、Drakeとしては自分をディスしている曲なだけに、訴えたい気持ちにもなるだろう。
UMGも声明を発表
UMGの広報担当はDrakeからの申し立てに対し、「UMGが所属アーティストの成功を妨げるような行為を行うという考えは攻撃的であり事実無根のこと。UMGはマーケティングやプロモーションに関して最も倫理的な手段を採用している。この不自然かつ不条理な申し立ては、ファンが自ら選んで楽曲を聴いているという事実を覆そうとしているものだ」と声明を発表。
UMGとDrakeは2022年に多額の契約を結んだが、アルバム『For All The Dogs』収録の「Away From Home」などの曲でUMGのCEOを名指しで批判しているなど、関係は悪化している。UMGはKendrick Lamarが所属する(していた?)レーベルInter Scopeと、Drakeが所属するRepublic Records、ふたつの会社のトップカンパニーでもあり、複雑な内部事情もあるようだ。
ラジオ局への賄賂も?
Drakeチームはまた、UMGがラジオ局に対しても賄賂を渡し「Not Like Us」の再生頻度を高くし、インフルエンサーも雇って拡散させたとしている。この件に関してはSpotifyの検索機能やAppleのSiriとはまた別の観点で見ていこう。
ラジオ局には昔からペイ・トゥ・プレイ(プレイされるために支払う賄賂)という言葉が悪き慣習として残っている。もちろんラジオDJたちは否定するだろうが、ニューヨークのヒップホップラジオ局「Hot97」のDJ/ミュージックディレクターであるFunkmaster Flex(ファンクマスター・フレックス)がDrakeの主張をサポートした。
Flexは「Drakeが100%正しい。実際に賄賂をもらってアーティストの曲をプレイしているDJもいる。インディペンデントアーティストがトップに立てない理由だ」とXに投稿。賄賂の具体的な金額までも提示した。
FlexはKendrick Lamarを相手取って意見している訳ではなく、あくまでラジオ局に対する賄賂の件ではDrakeの主張をサポート。かつてはJay-Zらのレーベルからも賄賂のオファーがあったことを、過去のインタビューで明かしている。これが事実ならラジオ局(特にヒップホップ系の)は改めるべきだろう。
現時点では訴訟ではなく事前申し立てであるが、もし正式に訴えを起こすとなれば、UMGだけでなく音楽業界全体に影響する事態になる。



