Kendrick Lamarが新アルバム『GNX』を突如リリース。Drake, J. Coleとのビーフ、スーパーボウルについてもラップ

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来年のグラミー賞に7部門でノミネートされたニュースが飛び込んできたばかりのKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)が、ニューアルバム『GNX』をサプライズリリースした。直前の告知も一切無く、数分前に「GNX」のMV(1分ほどだが)を投稿しただけ。
アルバムとしては所属していたTop Dawg Entertainmentを離れてから初。前作『Mr. Morale & the Big Steppers』からは約2年半ぶりのリリースとなった。
Drakeとのビーフ。スーパーボウルについてもラップ
1曲目の「Wacced Out Murals」から3バース、5分を越える曲を持ってくるあたり期待を裏切らないKendrick Lamar。その1曲目では多くのリスナーが気になっているであろうポイントにも触れている。
まずは「Not Like Us」で終止符が打たれた形となっているDrake(ドレイク)とのビーフ。最初のリリックで「昨日誰かが俺の壁画を汚したみたいだ」とあるが、これはコンプトンに書かれたKendrick Lamarの壁画が9月に(おそらく)Drakeファンによって落書きされたことをラップしている。
それに続くリリックが「そのエネルギーがお前たちをヨーロッパに行かせるんだな」というもの。これはDrake自身がヨーロッパツアーを開催するとの噂が8月に出ていたことから。さらにアメリカでは政治的な不安から国外移住希望者が再度急増しており、そのことも重ねたリリックだ。
2バース目ではビーフを途中抜けたJ. Cole(J・コール)についても言及。「謝罪なんて意味がない」というリリックはJ. Coleが自分から発したディス曲「7 Minute Drill」についてKendrick Lamarに対して謝罪したことが背景。
来年2月に開催されるスーパーボウルのハーフタイムショーについては「『Tha Carter Ⅲ』はよく聴いていた。俺の頑張りがLil Wayneをガッカリさせる結果になってしまった」と触れている。次回のスーパーボウルはLil Wayne(リル・ウェイン)の地元ニューオーリンズで開催され、Lil Wayneは兼ねてから出演を願っていた。
またSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)がDrakeによるディス曲「Taylor Made Freestyle」を以前リポストしたことにも触れ、「事故であることを願った。ただ放っておくことしかできなかったよ」とラップ。この直後には「スーパーボウル出演を祝ってくれたのはNasだけだ」というラインもあるのだが、少し孤独感も感じつつあるのだろうか?と気になってしまった。
「Not Like Us」のMustard、そしてSZAも参加
気になるフィーチャリングには元レーベルメイトのSZA(シザ)が「Luther」、「Gloria」の2曲で参加。「Not Like Us」のプロデューサーであるMustard(マスタード)も「Hey Now」で参加している。
そして今作で暗躍しているのがRed Hearse(レッド・ハース)の3人。Jack Antonoff(ジャック・アントノフ)、Sounwave(ソーンウェイブ)、Sam Dew(サム・デュー)とプロダクション側としても有名な3人によるトリオ。Sam DewはSZAとともに「Luther」に参加しているほか、Sounwaveは全ての曲で、Jack Antonoffもまた「Peekaboo」以外の全ての曲でプロデューサーとしてクレジットされている。
アルバムリリースの数日前にDJ Snake(DJ・スネーク)がコメントしたことで話題となった、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)とのコラボ曲は残念ながら収録されていなかった。
『GNX』にはKendrick Lamarによる「The Heart」シリーズの6作目も収録。こちらでは「Black Hippyがうまく行かなかったのは自分のせいだ」と心情を吐露。Schoolboy Q(スクールボーイ・Q)、Jay Rock(ジェイ・ロック)、Ab-Soul(アブ・ソウル)とのスーパーグループにも触れていた。