Kendrick Lamar、The Weekndらと戦う孤立無援のDrake。アンサーソングが巧みすぎて優勢に転じる?


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多勢に無勢。でも情勢はDrake(ドレイク)に傾いている?
Future(フューチャー)とMetro Boomin(メトロ・ブーミン)のコラボ作『We Don’t Trust You』に収録され、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)が参加した楽曲「Like That」が、3週連続でビルボード1位を獲得した。理由はやはりDrakeとJ. Cole(J・コール)に対するディスだろう。
「Like That」に対し、J. Coleはサプライズリリースしたアルバム『Might Delete Later』に収録された「7 Minute Drill」でKendrick Lamarにアンサーを返したが、その後謝罪とも思われるコメントと共に曲を削除。現在ストリーミングサイトでは聴くことができなくなってしまった。
そしてこの一連のディスの応酬に、ついにDrakeがアンサーソングとして「Push Ups (Drop & Give Me Fifty)」を発表した。
https://www.youtube.com/watch?v=W_IliNlzL9Y
Kendrick Lamarに対するDrakeのアンサー
4分弱、たった1曲の中でDrakeは、自分に対して牙を剥いたアーティストを片っ端から相手にしている。まずはKendrick Lamarだが、曲のタイトル「Push Ups」だけでも、腕立て伏せをしている動画を以前投稿したKendrick Lamarをいじっていると思われる。さらにサブタイトル「Drop & Give Me Fifty」は、Kendrick Lamarが所属していたレーベルTDEがKendrickの楽曲からの収益を半分持っていっているという噂に対してだ。曲の中でDrakeは「Maroon 5(マルーン・5)、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)と曲をやった時の契約書を見せてみろ」と煽っているのも、取り分が50:50であるというネタに絡んでいる。
その後、「Like That」におけるKendrick Lamarの「Big 3ってなんだよ、Big Meだけだろうが」というリリックに対しても、「Big 3にもお前は入っていない。SZA(シザ)も、Travis Scott(トラヴィス・スコット)も21 Savage(21・サヴェージ)も、お前より売れてるぜ」とアンサーを返すDrake。
そして「Like That」におけるもうひとつのパンチライン「Prince(プリンス)はMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)よりも長生きしたぜ」。これは、DrakeがMichael Jackson、KendrickがPrinceという例えだが、Drakeは「PrinceってMichael Jacksonの子供だろ」と、実際の息子の名前であることを引き合いに出し、「お前は俺の子供だ」というアンサーに仕上げた。
「Kendrick Lamarのディスは弱すぎる。この争いは今に始まったことじゃない」と、自分に火が付いたことも提示しているDrake。KendrickとDrake、どちらが上かという判断は人それぞれだが、ディス慣れしているDrakeの巧みさが出たアンサーだ。
FutureとMetro Boominにはあっさりとお返し
Drakeのアンサーはまだまだ続く。「Like That」の中で「お前は俺たちのNo.1ファンなんだろ」とディスしてきたFutureに対し、「俺は誰かのNo.1ファンになったことはない。お前のNo.1は俺のお陰だけどな」と返すDrake。これは2人がコラボした「Way 2 Sexy」で、Futureが自身初のビルボードHot100の1位を獲得したことについてのラップだ。既成事実過ぎてこれは強すぎる…。
Metro Boominはラッパーではなくプロデューサーであるため、自身の口からDrakeをディスしたわけではないが、自分が舵を取るアルバムの中での曲であり、ディスしているのと変わりない。そんなMetro Boominに対しては一節だけ「Metro、黙ってドラムを打ってろ」 以上。しつこく言い回すこともなくストレートなリリックに、個人的にはチームを組んでディスしたMetro Boominサイドが不利に傾いたのではと感じる。
対Drake戦、新たにThe WeekndとRick Rossも乱入
『We Don’t Trust You』に続いてリリースされた、FutureとMetro Boominの続編コラボアルバム『We Still Don’t Trust You』には、The Weeknd(ザ・ウィーケンド)も参加。収録されている「All to Myself」でThe WeekendはDrakeに対し、「俺はDrakeのレーベルと契約しなくてよかった」とも取れるリリックで口撃している。
それに対しDrakeは、「お前のマネージャーは俺のボディーガードの雑用係だった奴だろ? しかもお前の稼ぎを無駄遣いした奴だな」と、The Weekndだけでなくレーベルに対してもアンサー。The Weekndがレーベルの話をするなら俺もそうすると言わんばかりの巧妙なリリックだ。
そしてRick Ross(リック・ロス)。彼はFutureとMetro Boominのアルバムに参加しているわけでもなく、この争いに参加したのも驚いたが、「Like That」を車内で聴いている動画をSNSに投稿し自分の立ち位置を示していた。
これにはDrake本人も「お前が参加したのには驚いた。チャートに入った曲は全部俺絡みだろ」と、自身がヒットメーカーであることを誇示している。
ちなみにDrakeはThe WeekndとRick Rossどちらとも仲間愛を歌った名曲があり、この微妙になってしまった関係性は寂しい。
一体、何人とビーフ中?
前回の記事でも書いたが、個人的には行き過ぎないビーフに留め、スキルの争いで終わって欲しいと一連の流れを見て願っている。しかしDrakeはまだ他にも喧嘩中の相手が…。同じく『We Still Don’t Trust You』に参加したA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)、2018年にディスの応酬を繰り返したPusha T(プッシャ・T)、一時仲直りしたもののやはり嫌いだった様子のKanye West(カニエ・ウエスト)などなど。
今は関係が修復されているMeek Mill(ミーク・ミル)や、かつてはJay-Z(ジェイ・Z)ともビーフを展開し、その多くのシーンでディス曲におけるクラシックも生み出してきたDrake。争いを好むタイプでは無さそうだが、舌戦に関しては他のラッパーに引けを取ることもない。
相手側に翻ってしまったJ. Coleに対しては、「あいつが何を考えていても気にしない」とだけ触れたDrake。強弱の付け方が絶妙。
次は誰がこの争いに参戦するのか?動向を見守りたい。



