グラミー賞に新設された「ゲーム音楽部門」、初の受賞は『アサシン クリード ヴァルハラ:ラグナロクの始まり』!


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第65回グラミー賞にて、今年最も優れたゲーム音楽を称える部門「Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media」を『アサシン クリード ヴァルハラ:ラグナロクの始まり』が受賞した。
「Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media」は今回のグラミー賞から新設された部門で、今までグラミーではほとんど取り扱われなかったゲーム音楽を称える初めての試みだ。
今回の賞のノミネートはこちらから確認できる。
そんな栄誉ある賞を受賞したのは『アサシンクリード ヴァルハラ』のDLC『ラグナロクの始まり』のサウンドトラック。授賞式では作曲者のStephanie Economou(ステファニー・エコノム)が登壇し、ゲーム音楽に携わるすべての人たちに感謝を述べた。
歴史あるシリーズの実験的な楽曲制作
『アサシンクリード ヴァルハラ』は、9世紀のヨーロッパを舞台にヴァイキングのリーダーとして定住地を見つけるという、実際の歴史を基にした物語だが、そのDLC『ラグナロクの始まり』は神話を基にしたストーリーなっており、北欧神話の神々と対峙するという壮大なコンテンツだ。サウンドトラックもそれに合わせ、シリーズで最も野心的な挑戦をした作品となっている。
作曲者のStephanie EconomouはゲームメディアGamesHubのインタビューで、「神話を基にした物語を作るには新たなジャンルとサウンドを追求する必要があると考え、ブラックメタルのジャンルを追求することにした」と語っており、それを実現するためにプログレッシブ・メタルバンドWILDERUN(ウィルデラン)に参加してもらい楽曲制作に臨んだという。
またサウンドに関しても、北欧の楽器を取り入れながらも、ヴィエール、マンドリン、ラップハープなどのさまざまな楽器や特徴の違うボーカルを楽曲に採用。この挑戦に関して「あえて洗練されていない楽器を使うことにより新たな発見を得ることができた」と語っている。
『アサシンクリード ヴァルハラ』以前のStephanie Economouは、映画、ドラマの音楽を担当する作曲家として活動しており、Netflixドラマ『ジュピターズ・レガシー』や、実写版『ムーラン』、映画『MEG ザ・モンスター』などトーンやスタイルの違う作品に携わったことも、本DLCの挑戦的な楽曲制作に多いに役立っているのだろう。
新設「ゲーム音楽部門」は多くの作曲者たちの希望になるかも?
Stephanie Economouは、今まで音楽賞の受賞経験がなく、Twitterのプロフィールでも「受賞歴のない作曲家」と自身を紹介していた。
(2023年2月6日にキャプチャ)
彼女のキャリアの中で、ゲーム音楽を作曲するのは『アサシンクリード ヴァルハラ』が初めてだが、今回の受賞を経て、今後も様々な作品で彼女の音楽を聴けることを期待したい。
そして今回の受賞は、同じように受賞歴のない作曲家にも希望を与えることになるだろう。ゲーム音楽の主要な賞として「The Game Awards」の「Best Score and Music」があるが、2022年には『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』が受賞、その他ノミネートも、『エルデンリング』、『ゼノブレイド3』など世間での注目度が高い作品のノミネートが多い。
それと照らし合わせてみると、「Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media」では、『Old World』や、『エイリアン:ファイアーチーム エリート』などそこまで大きな話題にならなかった作品も選出されている。また受賞した『アサシンクリード ヴァルハラ』自体は人気作品だが、今回受賞したのは追加コンテンツのサウンドトラックとなっているところから、「The Game Awards」とは違う評定基準を持っていることがわかる。
ゲームの専門家たちの審査によって選ばれる「The Game Awards」だけでなく、音楽業界のプロによって構成されるレコーディング・アカデミー会員の投票で選出されるグラミー賞がゲーム音楽を評価することにより、今までとは違った視点でもっと多くのゲーム音楽が注目されることだろう。
それと同時に、今までゲーム業界で活躍してきた多くの作曲家たちにもグラミーの受賞を目指せるチャンスが到来している。リスナーと作曲家、お互いに盛り上がれる機会ができたという点でも今回の部門新設は、ゲーム音楽史にとっても大きな一歩となったはずだ。
その記念すべき一歩目において、見事栄光を勝ち取ったStephanie Economouと『アサシンクリード ヴァルハラ ラグナロクの始まり』は、今後も高く評価されるはずだ。本当におめでとう!


