『ゴッド・オブ・ウォー』『ニーアオートマタ』… 年末年始に遊びたい、音楽で選ぶおすすめゲーム作品

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2022年も残すところあとわずか、お正月、お家で何をしようか悩んでいるblock.fm読者のみなさんの為に、ゲーム内容はもちろん、素晴らしい楽曲を味わえるゲームをご紹介する。荘厳なクラシックから、激しいバンドサウンド、イケてるヒップホップや最高のEDMを味わいながら、ゲームの世界に没頭してほしい。
2022年最も優れたゲーム音楽の賞を受賞!『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』
対応ハード:PS4/PS5
世界最大級のゲームの祭典「The Game Awards 2022」にて最も優れた楽曲を収録したゲームに送るBest Score and Music賞を受賞した1作。
強くたくましいが、寡黙で不器用な父、クレイトスとその息子、アトレウスを中心に、さまざまな神々との戦いを描く本作は、2018年に出た『ゴッド・オブ・ウォー』の続きにはなっているものの、その圧倒的な世界観と楽しいアクションにより、本シリーズを初めて遊ぶ方でも楽しめること間違いなし。
前作『ゴッド・オブ・ウォー』では、サポートキャラのような形でクレイトスの後ろについていたアトレウスが、今作では一気に成長、ゲームでも、クレイトスとアトレウス、2人のキャラクターを操作することになる。
楽曲面では、その仕様に合わせアトレウスのテーマ曲「A Son's Path」を制作。敢えてオーケストラを使わずに弦楽器をメインにし、北欧の楽器ハーディングフィーレを使ったタイトな仕上がりながら、父であるクレイトスのテーマとされている「God Of War」の対となるように作られた軽快な楽曲だ。
また、楽曲にはアイルランド出身のミュージシャン、Hozier(ホージア)も参加しており、「The Game Awards」ではオーケストラとともに生でパフォーマンスを披露、見たい方はこちらをチェックだ。
本作は、優れた楽曲賞だけでなく、物語・操作性・アクション・声優・オーディオなど、あらゆる分野での賞を受賞しているまさにAAA級クラスの作品。神話を舞台にした圧倒的スケールのストーリーと最高級のアクション、それを盛り上げる最高の楽曲たちをぜひ楽しんで欲しい。
国産RPGながら世界でも高く評価!『NieR: Automata(ニーア オートマタ)』
対応ハード:Nintendo Switch/PS4/Xbox One/PC
『ドラクエ』、『FF』のスクウェア・エニックスと『ベヨネッタ』『メタルギア ライジング リベンジェンス』のプラチナゲームズが手を組んで制作したアクションRPG。
ディレクター、シナリオは、『ドラッグオンドラグーン』、そして本作と同じ世界設定を持つ『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』を手掛けたヨコオタロウ氏が担当。ヨコオ氏のジャンル、概念に囚われないゲームスタイルや、決して明るくはないが確かな儚さを持つストーリーが存分に取り入れられている。
一見、暗いストーリーで複雑なゲームスタイルだと、とっつきにくいと思われるかもしれないが、それを取っ払っているのが、デザイン含め素晴らしいキャラクターと、世界観を明確に表している楽曲だ。楽曲のほとんどには歌が盛り込まれており、それがこの作品の哀愁感を際立てているのである。
楽曲のクオリティは国内外問わず高く評価されており、発売年の「The Game Awards」Best Score and Music賞の受賞や2021年に行われた東京オリンピックの開会式でも流れていることからも、名だたる楽曲が並ぶスクウェア・エニックス作品の中で、近年の作品であるにも関わらず、高いポテンシャルを持っていることがわかるだろう。
また、2023年1月には、TVアニメ『Nier: Automata Ver1.1a』の放送も控えており、遊ぶタイミングはまさに今!ヨコオ氏の独自の世界観と、その世界観をさらに拡張する素晴らしい楽曲を楽しもう!
大量の音楽ジャンルを詰め込んだ爽快感あふれる傑作!『ソニックフロンティア』
対応ハード:Nintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series S|X/PC
おなじみ音速ハリネズミ、ソニックシリーズの最新作。本作は初のオープンフィールドを採用した作品となっており、謎解き、バトル、アスレチックなどが盛りだくさんのフィールドを走り回る。
盛りだくさんなのはフィールドだけではない。バトル、アスレチックなど各パートごとに違うジャンルの楽曲が収録されており、先日発売されたサウンドトラックの曲総数はなんと150曲!時間にすると約6時間の超特大ボリュームだ。詳しくはこちら。
疾走感あふれるエモ・ハードコアなバンドサウンドが流れる戦闘は思わずテンション爆上がり間違いなし!アスレチック「電脳世界」で流れるテクノ、ドラムンベース、フューチャーベースなどさまざまなジャンルのダンスミュージックも言わずもがな最高。
特にこのゲームを遊んでもらいたいのは20~30代の音楽好きな方たち。その年代を象徴とするジャンルの楽曲がゲームを彩るので、遊んで思い出に浸りながらも、ハイスピードなアクションで、気分をリフレッシュ!すっきりした気持ちで新年を迎えられるかも?
イケてる車と音楽でストリートの人気者に!『Need for Speed Unbound(ニード・フォー・スピード アンバウンド)』
対応ハード:PS5/Xbox Series S|X/PC
老舗レースゲーム『ニード・フォー・スピード』シリーズ最新作。映画『ワイルド・スピード』シリーズのような過激なストリートレースが楽しめるゲームとなっている。
本シリーズ最大の魅力は、障害物にぶつかってもアクセルベタ踏みで突っ走るアドレナリン全開のゲームプレイが出来ることにある。『グランツーリスモ』や、『Forza』のようなリアリティ重視のゲームでは絶対に味わえない、違法改造レースの楽しさや爽快感を体験できるのだ。
本作ではその要素に加え、よりストリートカルチャーに寄ったデザインとなっており、馴染みやすいアニメ調のトゥーンレンダリングや、グラフィティのようなエフェクトがプレイヤーを虜にする。また、Vans、Champion、PUMA、FILAなどのファッションブランドの服をゲーム内で着ることができるのも、ストリートファッション好きにはたまらない要素だろう。
そしてストリートカルチャーと言えば音楽も重要な要素だ。本作で流れる音楽は、A$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)のオリジナル曲「Shittin' Me」をはじめとする、世界各国のHIPHOP・ダンスミュージックから70曲が選抜。日本からもTohji、Loota、JP THE WAVY、なかむらみなみなどが選ばれており、その並びは大型フェスに勝るとも劣らない内容となっているだろう。(もしかしたら、勝ってるかも?)
ゲームの中でストリートの"今"を味わえるのは、本作だけ!イケてる音楽を流してアドレナリン全開のレースを楽しもう!
ゲームはめっちゃおバカなのに、楽曲はめっちゃ"わかってる"『Saints Row(セインツ・ロウ)』
対応ハード:PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series S|X/PC
オープンワールドクライムアクション『Saints Row』シリーズ最新作にして、リブート作。ギャングの成り上がりをテーマに、アメリカ南西部の架空都市「サント・イレソ」で大暴れ。
本作最大の魅力は、バカバカしさにある。サント・イレソでできるアクティビティには、車両の強奪や強襲作戦に始まり、保険金詐欺と称して走ってる車に激突する"当たり屋"行為や、敵勢力の持つ店舗のレビューに低評価、小銭稼ぎのゴミ漁りなど、並べているだけでバカバカしくなるラインナップ。
ギャングのリーダーで主人公である"ボス"のキャラメイクでは、肌の色を金色や緑色にすることもできるし、体のカスタマイズでは、局部のサイズまで調整できるおバカっぷり。レベルを上げることで覚えられるスキルも、パンツの中にグレネードを仕込むものや、拳に炎を纏わせてパンチするなど、ぶっ飛んだスキルがたくさん仕込まれており、他のクライムアクションとは一線を画している。
そんなおバカな本作、他のクライムアクションのように、ゲーム内ラジオが聴けるようになっているのだが、各ジャンルの有名曲をばっちりピックアップしており、ハズレがない。
どのジャンルもいい曲ぞろい、HIPHOPで言えばM.O.P.、ロックバンドで言えばModest Mouse(モデスト マウス)のような"わかってる"チョイスがたまらない。筆者的には、Disclosure(ディスクロージャー)とSlowthai(スロータイ)の「My High」や、The 1975の「People」の選曲なんかも思わず唸ってしまう。「Grand Theft Auto」なんて曲が入ってるのも、同タイトルの人気クライムアクションゲームシリーズを彷彿とさせ、このゲームなりのユーモアがあふれていて面白い。
また、ゲーム内のスマートフォンから楽曲のプレイリストを作ることも可能。バカでふざけたミッションに、めちゃくちゃカッコいい曲を合わせればちょっとはスタイリッシュに見えるかも?
Metal: Hellsinger
対応ハード:PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series S|X/PC
メタルをガッツリ取り入れたゲームとして、2022年に出た"音楽とゲーム"に関連づいたもので、本作を超えられるものはないだろう。
ゲームの内容はいたってシンプル、ステージ中に湧いてくるデーモンをさまざまな武器で蹴散らすFPSなのだが、ここに音ゲーの要素を注入、流れるメタルのリズムに合わせて射撃をすることで強力な攻撃となるのである。
ここで注目したいのが、参加しているアーティスト陣、System of a Down(システム・オブ・ア・ダウン)や、Lamb of God(ラム・オブ・ゴッド)などの超有名メタルバンドのボーカルたちが楽曲に参加している。
この並びを見ただけで、メタラーのみなさまはテンション爆上がりなのだが、そこにさらに盛り上げる要素を追加。それが、"敵を倒すことで曲が壮大になるシステム"である。
ステージを開始した直後は、曲のリズム部分だけが静かに流れているのだが、リズムに乗って敵を倒していると「憤慨ゲージ」の溜まりによって曲が壮大になっていく。2倍で少し盛り上がり、4倍、8倍になると楽器が入り一気に曲が大きくなり、16倍になるとボーカルが入ってテンションは一気に最高潮!敵をめちゃくちゃになぎ倒す爽快感と曲のカッコよさが相乗して、最高のゲームプレイを生み出しているのである。
メタル好きにはもちろんのこと、爽快感のあるゲームを遊んでみたい方や、日ごろのストレスをゲームでぶっ飛ばしたい方には間違いなくおすすめの本作。PC版ではMODを導入し、好きな楽曲を流して遊ぶ事もできるので、EDM: Hellsingerや、HIPHOP: Hellsingerもできるぞ。
年末年始は、最高の音楽と最高のゲームで!
今回の紹介は以上になるが、他にも素晴らしい音楽を収録した作品は多く残っている。今年はグラミー賞にゲーム音楽部門が新設されたこともあり、音楽も素晴らしいゲーム作品を見つけやすくなったのではないだろうか。昔はあくまでBGMとして捉えられていたが、近年このような動きもあり、ゲームと音楽のかかわりは年々深くなっていくばかりだ。筆者は、『Grand Theft Auto』で洋楽を知り、YouTubeなどでお気に入りの楽曲を調べ、聞き漁った経験があるので、このような動きは大変うれしい事だ。
連休でゆっくりとできるこのタイミング、ゲーム業界もあわせてPlayStationストアやSteamでセールを行っている。年末年始はゲームするのにこの上ないチャンス。音楽をきっかけにプレイするゲームを選んでみるのも面白いかもしれない。
Text:払う