Rolandのガジェットシンセ、音楽スケッチアプリ「Note」まで! 2022年音楽機材ニュース振り返り


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Text: Jun Fukunaga
2022年も音楽制作シーンでは、ハード、ソフト、アプリ問わずさまざまな最新機材が登場した。そこで今回は2022年の音楽機材動向のまとめとして、音楽クリエイターに大きなインパクトを与えたであろう最新音楽機材をピックアップして紹介する。
ハード機材:Rolandのガジェット機材や人気シンセ「OP-1」後継モデルが大きな話題に
近年、本格的なハード機材だけでなく、気軽に音楽制作が行えるガジェット系機材が人気を博しているが、2022年に大きな話題になったガジェット系機材といえば、Rolandの『AIRA Compact』シリーズだ。同シリーズは手ごろな価格ながら、Rolandが長年にわたって蓄積してきた電子楽器のノウハウと本格的なサウンドを凝縮して搭載されていることで注目を集めた。
AIRA Compactシリーズにラインナップされているのは、ビートマシン、コードシーケンサー、ボイストゥウィーカーの3機種。音を鳴らしながら直感的な操作でドラムやベースのフレーズを作り出せるビートマシン「T-8」では、Rolandが誇るリズムマシン「TR-808」「TR-909」「TR-606」と、ベース・シンセサイザー「TB-303」のサウンドを組み合わせて楽曲を構築できる。クリエイティブなコードシーケンサーと、往年のシンセサイザー「JUNO-60」の音色を組み合わせたコードシーケンサー「J-6」では、あらかじめ搭載された多彩なコードを選び、思いついたリズムでボタンを押していくだけでフレーズ作成が可能。マイクで入力した音声の声質や音程を変化させることが可能なボイストゥウィーカー「E-4」は、ボーカルエフェクトに加え、ライブ・パフォーマンスのためのルーパー機能を備えた優れもの。
AIRA Compactシリーズ3機種は個別でも使用できるが、組み合わせて使用することで作り出せる楽曲の幅を広げていくことも可能。またシンセやPC、スマートフォンなどの音楽制作アプリ、音楽ガジェットとの接続にも柔軟に対応するため、すでに所有している音楽機材と組み合わせることで、新たなアイデアやエレクトロニックミュージックの要素を取り入れることもできる。
また今年はかねてからプロアマ問わず多くの音楽クリエイターに愛されてきたteenage engineeringの人気シンセ「OP-1」の後継機「OP-1 field」の登場も大きな話題になった。
OP-1は、8ビットからFMまで多岐にわたるエンジン、内蔵マイクやFMラジオで気軽に使えるサンプラー、モーション・センサーでコントロール可能なエンベロープやエフェクターを搭載したシンセだが「OP-1 field」は、OP-1を大幅にアップデート。新しいカラー、24時間の長時間駆動、スリムな筐体など、Teenage Engineeringの特徴である美しいデザインを継承しており、「過去10年以上のアイデア、改良、改善が施された」100個の新機能が搭載されている。
OP-1 Fieldでは、新たに開発されたリバーブ「Mother」とシンセエンジン「Dimension」が搭載されたほか、内蔵マイクの改良やグラフィックを一新した全面ガラス製の高解像度ディスプレイ、パッシブドライバーを採用した新型スピーカーシステム、そして、サンプルスタッキングが可能な新しいドラムキットパック、20種類の新しいプリセットシンセパッチ、ズームイン・サンプルエディット、複数の録音フォーマットに対応する機能など、随所にハードウェアの改善が見られ、より高度な音楽制作が可能になっている。
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音楽制作のスランプ脱却に最適なプラグインや人気DJソフトに音源分離機能が追加!
ソフトウェアでは、Native InstrumentsがKONTAKTベースの新音源「PLAYBOX」をリリースした。PLAYBOXは、音楽制作のスランプから脱するための解決方法を提供してくれるツール。コード生成とサンプルのレイヤリング、ランダマイズ機能の統合により、指1本で演奏可能な個性的なサウンドを作り出すことができるという特徴を持つ。
PLAYBOXでは、サイコロを振ると、没入感の高い905のサンプル、224のコードセット、217のエフェクトプリセットがランダムにブレンドされる。これによりPLAYBOXは、新しい音楽アイデアをクリエイターに提供し、トラックを完成に導いてくれる。またシンセ、インストゥルメント、ベース、ボイス、ノイズなど多彩なサンプルをコード内の各音にレイヤーすることができ、複数サウンドの組み合わせからなる斬新なサウンドを作り上げることもできる。さらに自前のサンプルは最大450個までインポートできるため、ユーザーは自分のアーカイブに眠っている古いサンプルライブラリを新たに蘇らせて使うことも可能だ。
DJソフトでは、人気DJソフト「Serato DJ」が、昨今の音楽ソフト/アプリでトレンドになりつつある人気の音源分離機能を導入。独自の機械学習アルゴリズムを搭載した音源分離機能「Serato Stems」を発表した。Serato Stemsは、今後リリースされる次期モデル「Serato DJ Lite 3.0」および「DJ Pro 3.0」から標準搭載される予定だ。
Serato Stemsでは、他の音源分離システム同様にボタンをワンクリックするだけで既存のトラックからボーカル、メロディー、ベース、ドラムといったステムに分離することが可能。さらに、ボーカルエコー、インストゥルメンタルエコー、インストゥルメンタルブレーカー、ドラムエコーといったエフェクト類も用意されており、これらのエフェクトはデスクトップアプリから直接アクセスできるほか、対応するコントローラーのスライサーやサンプラーのパッドに割り当てることもできる。ちなみにこれまでの音源分離機能を搭載した音楽機材の多くはAIによる機械学習機能が活用されているが、Serato Stemsでは、AIを使わず音源分離処理のためのアルゴリズムを独自に開発している。
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楽曲制作の強い味方となる作曲支援系音楽アプリが話題に
2022年は音楽アプリにもユニークなプロダクトが登場した。そのなかでも特に大きな話題になったのは、人気音楽制作ソフト「Live」で知られるAbletonがリリースしたiOS向けアプリ「Note」だ。
音楽制作の初期段階向けに設計された、スケッチ用アプリであるNoteは、Liveのドラムキット/メロディー楽器/シンセを厳選して収録。ビートの作成やメロディーの構築から、サンプルの使用、演奏のキャプチャなど、"新たなアイデアを呼び起こす"機能が搭載されている。
その他にもNoteでは、パーカッシブなリズムをDrum Samplerに、また音をMelodic Samplerに録音して、独自のドラムやメロディー音源を作成することができるサンプラー機能や、サンプルをカット/フィルター/音程のパラメーター操作やエフェクトを使って音を加工する機能なども搭載。さらにAbleton Cloudを使うことで、アプリから離れることなくNoteで作成した「Noteセット」を直接Liveに送信できる。Liveに送信後は、Noteセットのサウンドをはじめ、サンプル、エフェクトがすべて配置された状態でLiveに表示されるため、Live上でつづけて編集することも可能だ。
音楽アプリでは音楽クリエイターの間で人気のサンプルプラットフォームのSpliceがリリースしたループジェネレーターアプリ「CoSo」も注目を集めた。CoSoは、Spliceが「音楽制作者に力を与えるものであり、音の発見のプロセスをひっくり返す」、「使用すると、何十億もの創造的な成果が得られる」と謳う、ランダムに割り当てられたSpliceのサンプルを重ねて短いループを作成できるAIを活用した作曲支援アプリ。iOS/Androidで使用できる。
ユーザーはアプリ上でジャンル、キー、テンポを選択後、ベースやドラムを始め、パーカッション、ボーカル、シンセなどさまざまなサンプルを重ねながらループを作成できる。またスワイプしてサンプルを削除したり、長押しして特定のサンプルをソロにするといった操作も可能。作成したループはURLを介して共有することもでき、SpliceからダウンロードすればDAWに取り込むこともできる。
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