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YOSA & TAAR、大沢伸一のスペシャル対談。プロフェッショナルだからこそのDJマインドと裏話

2024/05/22 19:00
JG
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PHOTO: PHOTO BY AI TERADA
YOSA & TAARがオーガナイズするパーティー「MODERN DISCO」が、2024年5月31日に渋谷WOMBにて開催される。2015年以来続く歴史のあるパーティーだが、初の日本人ゲストとして彼らが敬愛する大沢伸一が登場。これを記念して、YOSA & TAARと大沢伸一の特別対談が実現した。現在のクラブシーン、DJプレイへの心持ち、大箱の果たす役割など興味深い話がたくさん聞けた。

大型クラブ、いわゆる“大箱” 、小さなDJバーのようなクラブ、俗に言う“小箱 ”、 あなたはどちらが好きだろうか ? どちらもそれぞれに魅力があるが、近年、特に東京から大箱が減ってしまい寂しい想いをしているクラバーもたくさんいるだろう。 その東京の数少ない大箱を代表するWOMBにて、「MODERN DISCO」が2024年5月31日に開催される。「MODERN DISCO」は、YOSA & TAARがオーガナイズするパーティーで、2015年に今はなき大箱、SOUND MUSEUM VISIONにて産声を上げた。しかし、VISIONの閉店により、2023年に現在の会場であるWOMBへと移転する。その歴史も長く、今や東京を代表するパーティーと言っても過言ではない。FKJ、Purple Disco Machine(パープル・ディスコ・マシーン)、Darius(ダライアス)といった海外アーティストをいち早く招聘し、東京のダンスミュージックシーンの活性化に一役を買ってきた。そして、なんと今回はパーティー史上初の日本人ゲストとして、YOSA & TAAR(ヨサ&ター)がリスペクトしてやまない大沢伸一が登場する。今回はそれを記念して、YOSA & TAARの二人と大沢伸一のスペシャル対談が、「MODERN DISCO」の会場となるWOMBにて実現。東京のクラブシーンについての想いや、自身のDJの話。さらに、大箱での経験が豊富で、そこで長きに渡り活躍してきた彼らだからこそ感じる大箱の存在意義など、ここだけの貴重な話が聞けた。

その曖昧さが強み ? 東京のクラブシーンの特異性

YOSA かれこれ15年ほど東京のクラブシーンで活動していますが、今が一番カオスな状況になっていると感じています。小箱、中箱ぐらいのところが盛り上がっている一方で、大箱が減ってきていて。さらに、インバウンドのお客さんが凄く増えている一方で、日本のDJがかつてないくらい海外の舞台に躍り出て活躍していたり。様々な状況が入り混じっていると思いますが、東京のクラブシーンについて大沢さんはどう感じていますか?

大沢 僕はラッキーなことに、WOMBのような大きな場所も小さな場所もプレイする機会がもらえているので、どちらの景色も見られるんですよ。正にそれが、東京のシーンを表していると思うんです。小さい所でも大きい所でもDJできるというのは、他の国や都市ではあんまりないと思う。例えば、Tiga(ティガ)がロンドンのFabricでやった後に、ライオン(不眠遊戯ライオン。以下、ライオン)みたいな小さなDJバーでやるかと言うと、多分やらないんじゃないかな。でも僕らはそれができている。そういう状況は東京っぽいと思います。リアルな話をすると、ギャランティの事ですね。大きな所にお客さんがたくさん入って、ある程度の金額を頂くのと同時に、小さな所で、「お金関係なくやりたいです ! 」っていう、両方のシチュエーションをみんなが許すじゃないですか。例えばWOMBの人が、「ライオンでそのギャラでやってるのに、ウチではそのギャラでやってくれないんですか?」って言わない。そういう話は90年代から言われて来なかった。これが東京のいいところかなって思います。いい意味で曖昧な良さは感じていますね。

TAAR 曖昧という事でいうと、東京はトレンドがあるようでなくて、みんなが各々に表現をしているなと感じます。それが同じ場所にたまたま集まることが多いなと。VISIONでMODERN DISCOを始めた当初、今となっては僕もYOSAも同じようなジャンルでやっていますが、そもそも全く違いました。でも、それが1つに集まった時に、みんなで答えを出して音楽性が決まっていったような感じでした。

大沢 音楽のシーンって、例えば1人が物凄いことをやろうぜと言って動くものではないですよね?それがグループや集団になってもそんなに大きく影響もしなくて。自然に始まって、自然に変わっていくものだと思うんです。それが20年以上この東京で過ごしてきて分かったこと。要するに、シーンの移り変わりを故意に、意図的にコントロールはできなくて。だとしたら、クリエイター、DJ、アーティストはどうあるべきか、どうすべきかというのを考えています。

Osawa

DJは観光業 ? インバウンドで栄える東京のクラブの現状

YOSA 最近は、どこのクラブに行っても外国人のお客さんがフロアの半分を占めているような状況で、すごくありがたいと思う反面、観光業をやっているんじゃないか ? って思う時もあるんです。もちろん、自分のプレイスタイルを曲げてそこに合わせたりはしないんですけど、これはパフォーマンスというよりも“おもしてなし”をしているのでは ? って。観光客の方は全力で楽しみにきてくれているので、DJとしてはとてもありがたいのですが、その場がただ盛り上がって、「良かったね」で終わらせると、全く次に繋がらないと思うんです。その方々に何か持って帰ってもらわないと意味がないんですよ。例えば、国に帰って、「あのDJヤバかったから呼ぼうよ ! 」 くらいの感じまで突き刺さらないとダメなんじゃないかと。だから、いま東京で活動するアーティストにとっては凄くチャンスでもあるし、真価が問われていると思います。特にWOMBのような日本が世界に誇るクラブでプレイさせていただいている我々は、強く意識しなくてはいけないなと。

大沢 凄く良くわかります。2022年のハロウィンにここ(WOMB)でやらせて貰ったんですけど、日本人がまだコロナの影響で戻り切っていない時で、7割くらい外国人でした。その時に恐怖を感じたんです。この人たちは俺のお客さんでもないし、今までのWOMBのお客さんでもない。誰のお客さんでもない人で埋まっちゃって。 それで、その人達の前では何をやっても大丈夫なんですよ。「これって何なんやろ ? 」と。彼らに何か インパクトを与えて何を起こしていくかが、これから問われるような気はしますね。それは多分ね、大きい箱でも小さい箱でも同じです。

YOSA 小さな箱でもインバウンドの影響が凄いですもんね。

TAAR 僕らが所属しているからかもしれませんが、東京ってサウンド面でのイメージがない気がするんですよね。都市ごとにサウンドのイメージってありますよね ?

大沢 ありますよ。ベルリンとかね。

TAAR 同じように東京のサウンドのイメージが外国の人に定着しているのかが気になりますね。

大沢 多分ね、それができていないんですよ。時間の問題だとは思っています。 僕らみたいに音楽をクリエイトするタイプのDJと、DJだけをやる人の2つのタイプがいて、クリエイトする人がどんどん増え、自分の曲をリリースする状況になって、自分の曲でDJをやるっていうカルチャーが定着すれば、“東京の音” が固まってくると思います。
YOSA

DJ大沢伸一、プレイスタイルの真髄

YOSA 大沢さんはDJの時に自分の曲をかけることに対して、以前から特に意識的だと感じています。自分の曲は当然かけるし、他の人の曲をかける時もエディットしていますよね。やっぱり、ずっとそこは意識的にやっているんですか ?

大沢 そうですね。その背景を言いますと、2006年くらいにソニーミュージックからavexに移籍したタイミングで、MONDO GROSSO(モンドグロッソ)のアルバムを作らなかったんですね。レコード会社を移籍すると、どっちの現場で作ったか分からないから、しばらくはリリースを控えるという紳士協定があるんですよ。それでやることが無かったから、SHINICHI OSAWAっていう名義を使って、いろんな人のエディットをやってたんです。Christopher Just(クリストファー・ジャスト)の「Popper」とか。そういうエディットをMy Spaceとか色々なところで発表していたら、それを使わせて欲しいってたくさん連絡が来て。KitsuneとかBoys Noize(ボーイズ・ノイズ)からの依頼もありました。Abletonで曲を作り出したのも、エディットが先。エディットを始めて、機材のサンプラーじゃなくて、Abletonの方が楽しいよねって移行した経緯があります。今でも新しい曲をゲットしたら、余計なことはしないけど、自分的なアプローチを加えています。

TAAR そのDJ用にエディットするっていうのは、いわゆる構成を組み替えたり、ループさせることプラス、音を足したり引いたりもするんですか ?

大沢 それもしますね。だから長く使っている曲は、少しずつ違うエディットを加えて行くんです。うなぎ屋のタレみたいに。そうすると、原型がわかんない曲も出てくるんですよ。これ、違う曲としてリリースしても良いんじゃないかってレベルで。

YOSA もはやサンプリングの次元に入ってきているんですね。

大沢 そういうことをやっているんで、エディットっていうのは僕のDJセットの一部みたいなものです。

TAAR そのエディットはダンスミュージックとしてリリースされているものをエディットしているんですか ?

大沢 色々あります。別のジャンルの物も。最近だと、クール・ファイブ。

YOSA  SoundCloudに上がっているやつですね。あれをDJでかけるんですか ?

大沢 自分がアンカーの時はあれを最後にかけるんです。自分のセットが終わって、みんながワーって帰ろうとしている時に。

YOSA 僕は、大沢さんの曲はキックとハットだけで大沢さんの曲ってわかるんですが、DJでもそうなんですよ。「このDJは大沢さんだな ? 」って。それは多分エディットの影響が大きいかもしれないですね。

大沢 そうですね。一番軽いエディットの例で言うと、僕の中ではBPM120の曲を132でかけることは、もうエディットなんです。だから、あらかじめ曲をテンポアップしてバウンスします。それだけでも曲の聞こえ方が全然違ってきます。

YOSA 最近、僕らもエディットやマッシュアップを積極的にやっているんですよ。先ほどの、外国人に何かを持ち帰ってもらおうという話にも繋がりますが、普通のDJじゃないことが、お客さんに明確に伝わると思うんです。他の人と違う、個性を出すっていう部分では、一番即効性があると思うし。それはもっとやっていきたいと思っています。

大沢 絶対にやった方がいいよ。僕もできるだけその割合を増やしていて、1時間のセットだったら60%くらいは自分の曲やエディットでやっています。でも問題は、毎回同じセットになりがちなんで、どうやって変えていくかですね。エディットも使うと、8割くらいはいけると思うんですよ。

YOSA アーティストDJとしては理想的な形ですね。

TAAR

大箱の可能性とMODERN DISCOの使命

TAAR リエディットは明確で、人に伝わり易いという点で、輸出し易いという側面もあると思うんです。その輸出を手伝うという意味でも、大箱でイベントをやる意義がある気がします。

大沢 そうね。やっぱり一度にたくさんの人に見てもらえるしね。

TAAR そうです。それと海外以外に、国内の他のコミュニティーの人たちにも、自分たちの音楽を輸出する機会になり易いと思うんです。例えば、バンドとかシンガーソングライターの人達とか。そういう可能性を大箱は持っていると思うんです。

大沢 そうですね。例えば僕の近い所で言うと、大森靖子ちゃんとかライブハウスが多いのですが。すごくライブは面白いんだけど、そういうライブって夜中に見られないでしょう。ZEPPとかって、完全に形態がクラブとは違って、分かれていると思うんですよ。その分断された状態を超えるために、バンドであったり、DJではないアクトがもっと深夜帯にパフォーマンスできるイベントが増えたらいいなと思ってます。

YOSA いいフリを頂きました(笑)そこでMODERN DISCOです ! 我々は元々、デイタイムのライブと、ナイトタイムのDJカルチャーをミックスさせるというコンセプトがありまして。ここ最近は少なくなっているんですが、それはずっと根底にあります。今回も結構早い時間帯ですが、メインフロアでどうしてもライブを見せたいというのがあって。ライブアクトとして、Adee A.(アディー・エー)にオープンDJの後に、メインフロアでライブをしてもらいます。その後にまたDJが続くという、あんまりそういうのないじゃないですか。

大沢 ない ! 東京のクラブの初期、それこそMONDO GROSSOが一番最初にライブをやったのが、YELLOW(SPACE LAB YELLOW)で。夜中2時とかですよ。夜中2時にどこかのクラブに行ったらバンドやってるとか、今あまりないじゃないですか。多分、今あったら痺れると思います。

TAAR クラブって、元々バンドが夜通し演奏してた場所ですしね。The Beatles(ザ・ビートルズ)が演奏してたThe Cavern Clubとか。ディスコも、元々はバンドサウンドであったりして、そういうところも含めてMODERN DISCOは、DJを初めとするダンスミュージックカルチャーと、バンド等の他の音楽カルチャーとの架け橋にもなればいいなと思っています。

3shot

ーー 実際にどんなプレイをしたいとか、当日の展望などはありますか ?

YOSA 大沢さんには、その時大沢さんがやりたいことをぶちかまして欲しいなと思っています。世界中のレーベルからリリースもしている、Stones Taro(ストーンズ・タロー)さんっていう京都のアーティストのDJもすごく楽しみですね。僕の中では、今までの「MODERN DISCO」よりも少しストイックな感じになるかと思っています。それでも、僕らのお客さんはしっかりついて来てくれるだろうし。とにかく僕は大沢さんが自分のパーティーでプレイしてくれるのが嬉しくて、とても楽しみです。

TAAR 「MODERN DISCO」として今までやってきた空気感みたいなものがあるので、それと大沢さんのプレイが混ざり合って生まれる景色もあると思う。それを見た後に、僕らは締めとしてプレイします。その景色の中で、フルスイングで打ち返せるようにしっかり準備したいです。

大沢 僕は「MODERN DISCO」という哲学に対して、何ができるかを考えてやりたいですね。音楽的なジャンルの縛りもないようなので、「MODERN DISCO」で思い浮かべるようなものを仕込んでいきます。あと、今日は4月25日(対談当日)でしょ。イベントまであと1ヶ月くらいあるしオリジナルを一緒に作ろうよ。

YOSA & TAAR おぉ !

YOSA いいんですか ! ?

YOSA & TAAR キタァ !

ーー 勿論、その曲もプレイされますよね ?

大沢 一回ずつかけようか。

TAAR 2回聴ける ?

YOSA それも楽しみにして頂きたいです。

見事にこの約束は果たされた。YOSA & TAAR × Shinichi Osawa 「Lost in Modern Disco」が、SOUNDCLOUDで公開されたのだ。ディスコとアシッドが混ざり合った楽曲で、途中に“Modern Disco”のボイスも登場し、イベントのテーマ曲のような楽曲だ。

この他にも、大沢伸一は、クラブデビューにはWOMBはぴったりのクラブであるとも語っている。正にこの言葉通り、多くの人に開かれた場であるのが、大箱であり、この対談を読んで少しでも気になった人は、ぜひ気軽に「MODERN DISCO」へ遊びに行ってほしい。そして、対談は終始和やかな雰囲気の中で行われ、最終的には共作の話も飛び出すほど盛り上がった。果たして当日、「Lost in Modern Disco」がプレイされるのか大注目だ。現在、お得な前売りチケットは、下記リンクから購入可能だ。

MD

5.31 Fri START 23:00
@ WOMB

◆MAIN FLOOR
GUEST DJ:
SHINICHI OSAWA
STONES TARO

UTO, YOSA & TAAR

◆GUEST LIVE:
ADEE A.

VJ: SAC0KCHANG

4F VIP FLOOR
FELINE, R1KU, SEKITOVA

1F WOMB LOUNGE
HAS, JUDGEMAN, RIO FROM QPLO, SHOGO&AKKO, U NGSM

https://block-fm.zaiko.io/item/363844

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