2023年上半期、アメリカでアナログレコードの売り上げが22%上昇

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アナログレコードの人気はまだまだ続きそうだ。音楽業界のセールスデータを集計しているサイトLuminateが今週発表した調査結果によると、アメリカでは2023年上半期のアナログ盤LPの売上が前年同期比で21.7%増加し、近年アルバムの売上を独占してきたフォーマットに対する確固たる信頼を示した。
レコードフォーマットの売り上げは2022年に17年連続で上昇しており、2023年もその記録が続くことが予想される。
US vinyl sales up 21.7% for first half of 2023, report finds https://t.co/SpJjDCmZ7X
— Guardian culture (@guardianculture) July 12, 2023
パンデミック後の驚異的な成長率を維持
2022年は前述した通り17年連続の上昇を達成したが、同期比として上半期を見てみるとたった1%の上昇率に留まった。これは感染症のパンデミックによって隔離生活を余儀なくされたことにより2021年に108%の増加を引き起こしたのち、マーケットは自然に停滞するだろうと考えられていた通りとなった。しかし通常生活を取り戻した2023年になって20%以上の上昇率は予想以上にレコードへの熱心な関心がさらに拡大していることを示す。
さらにLuminateのデータからリスナーの購買形態が変化したこともわかる。ファンはアーティストのサイトから直接音源を買う傾向が強まり、D2Cでのレコードの売り上げは26%上昇。今年上半期に販売されたレコードの9枚に1枚はアーティストのサイトから直接購入されたものだと発覚した。
Taylor Swiftが牽引するレコード市場
2023年上半期のレコードLPの売り上げトップ10を見てみるとやはりTaylor Swift(テイラー・スウィフト)の人気が強く、1位に『Midnights』、3位に『Folklore』がランクイン。『Midnights』は昨年10月のリリースからビッグヒットとなっているので驚くことではないが、25万1000枚の売り上げは2位に倍近くの差をつけている。
the Beatles(ビートルズ)やMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)らのアルバムが上位に入ることが続いていたが、2位に着けたLana Del Rey(ラナ・デル・レイ)や6位のBoygenius(ボーイジーニアス)らの台頭が目立つ上半期のランキングとなった。
2022年のデータではあるが、アメリカでのレコード購入者の半数がレコードプレイヤーを所持していないというデータも出ている。レコードにはストリーミングで音楽を楽しむ以上にビジュアルとしての価値が高いということだろう。
また、2023年上半期はCDの売り上げもわずかながら上昇。CDもグッズ化している傾向があるとアメリカのメディアは取り上げている。