全世代のチップチューンミュージシャンの土台を築き、過去40年間で最も愛された音楽作品のひとつとして評価。

近年ますます注目を集めるゲーム音楽。グラミー賞とThe Game Awardsでノミネートされた作品の違いとは？

<p>11月16日、第65回グラミー賞のノミネート作品が明らかになり、その中で「Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media」のノミネート作品も発表された。</p>
<p>これは、期間内にリリースされたゲーム音楽およびインタラクティブメディアの楽曲の中から優れた作品を称える賞で、今年のグラミーから新設された部門のひとつ。</p>
<p>近年ゲーム音楽の評価は高まりつつある中、権威ある音楽賞においてゲーム音楽を表彰する部門ができたことは大変喜ばしい。前回の第64回グラミー賞にて『星のカービィ スーパーデラックス』のBGMをアレンジした楽曲が最優秀インストゥルメンタル編曲賞を受賞したことも記憶に新しいだろう。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Meta Knight&#039;s Revenge - Fusion Big Band version ft. Button Masher GRAMMY WINNER 2022" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/EIP3HdFl-JM?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>ゲーム音楽で初めてグラミー賞を受賞したプロデューサーの作品が再びノミネート</h3>
<p>今回「Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media」にノミネートされたのは以下の5作品。</p>
<blockquote>
<p>『コールオブデューティー：ヴァンガード』<br />
『アサシン　クリード ヴァルハラ ラグナロクの始まり』<br />
『エイリアン：ファイアーチーム エリート』<br />
『マーベル ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』<br />
『Old World』</p>
</blockquote>
<p>『エイリアン：ファイアーチーム エリート』のAustin Wintory（オースティン・ウィントリー）は、アドベンチャーゲーム『風ノ旅ビト』のサントラを手掛け、第55回グラミー賞にてテレビサウンドトラック部門にノミネートされた作曲家。映画『エイリアン』の世界を舞台とした本作のサントラは映画のイメージを尊重した、非常に緊張感のある作品に仕上がっている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Aliens: Fireteam Elite - Full OST with text commentary" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/Yz3fh1baT_g?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>また、『Old World』のChristopher Tin(クリストファー・ティン)は、ストラテジーゲーム『Sid Meier's CivilizationⅣ』のオープニング「Baba Yetu」を手掛け、第53回グラミー賞の最優秀ヴォーカル入りインストゥルメンタル編曲賞にて、ゲーム音楽で初めてのグラミー受賞を果たす快挙を達成した人物。</p>
<p>今回楽曲を手掛けた『Old World』は、『Sid Meier's CivilizationⅣ』のゲームデザイナーでもあり、Christpher Tinの友人のSoren Johnson（ソーレン・ジョンソン）が開発した作品だ。ゲーム音楽で初めてグラミーを取ったこのタッグが再度グラミーを受賞できるのかというところにも注目したい。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Christopher Tin - War Elephant (Carthage)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/XQ5KlAki41k?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>グラミー賞とは異なる作品が選出されたThe Game Awards 2022の音楽カテゴリ</h3>
<p>グラミー賞ノミネートの発表とほぼ同時期に、ゲーム業界の業績を称える祭典「The Game Awards 2022」のノミネート作品も発表された。その中で優れたゲーム音楽を表彰する「Best Score and Music」では、以下の5作品がノミネート。</p>
<blockquote>
<p>『エルデンリング』<br />
『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』<br />
『ゼノブレイド3』<br />
『プレイグ テイル：レクイエム』<br />
『Two Feathers, Metal: Hellsinger』</p>
</blockquote>
<p>ここで気になるのは、グラミー賞とThe Game Awardsで選出されたタイトルに大きな違いがあるところ。これはグラミー賞がサウンドトラックアルバムとして評価しているのに対し、The Game Awardsは、ゲームの中で流れる音楽に対する評価であることが大きいだろう。</p>
<p>また、グラミー賞のノミネート作品はミュージシャンやプロデューサーなど音楽業界のプロによって構成されるレコーディング・アカデミー会員の投票で選出され、一方The Game Awardsのノミネート作品は、世界のメディアとインフルエンサーからなる審査員団によって選出される。</p>
<p>それぞれの賞の選出に関わる人々の音楽に対する視点や知識にも違いがあるはずなので、その辺りを加味すると選定に大きく違いが出るのも納得だ。その違いをわかったうえで楽しむのも、アワードの魅力だと言えよう。</p>
<p><iframe style="border-radius:12px" src="https://open.spotify.com/embed/album/7xKNqPHLV26veGfERWwAxc?utm_source=generator" width="100%" height="380" frameBorder="0" allowfullscreen="" allow="autoplay; clipboard-write; encrypted-media; fullscreen; picture-in-picture" loading="lazy"></iframe></p>
<h3>『COD』『ゴッドオブウォー』の作曲家　Bear McCrearyに注目</h3>
<p>ここでチェックしておきたいのが、グラミー賞にノミネートされた『コールオブデューティー：ヴァンガード』とThe Game Awardsにてノミネートされた『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』の作曲家が同じであるということ。</p>
<p>彼の名はBear McCreary（ベアー・マクリアリー）、『ゴッド・オブ・ウォー』『リーグ・オブ・レジェンド』などの音楽にも携わっており、映画音楽の世界などでも活躍している作曲家だ。</p>
<p><iframe style="border-radius:12px" src="https://open.spotify.com/embed/album/7LmeRZOi905AochW9J9FAA?utm_source=generator" width="100%" height="380" frameBorder="0" allowfullscreen="" allow="autoplay; clipboard-write; encrypted-media; fullscreen; picture-in-picture" loading="lazy"></iframe></p>
<p>2つのアワードでノミネートされたことに対しTwitterでは、「素晴らしい作曲家のみなさまと共にノミネートされたことを誇りに思う」と発言。また、「ゲーム音楽にとってなんて素晴らしい年なんだ！」と興奮している発言も見られた。</p>
<p>『コールオブデューティー：ヴァンガード』のレコーディング映像とコメンタリーもTwitterにて公開しているので、2冠の可能性を持つ、優れた作曲家の姿と大がかりなレコーディングをぜひ見て欲しい。</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="en" dir="ltr">Working with <a href="https://twitter.com/bearmccreary?ref_src=twsrc%5Etfw">@BearMcCreary</a>, Composer of the Call of Duty: Vanguard original score, was the experience of a lifetime. We&#39;re proud to see this hard work recognized with a <a href="https://twitter.com/hashtag/GRAMMYs?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#GRAMMYs</a> nomination! <a href="https://t.co/DE1Lr1amSp">pic.twitter.com/DE1Lr1amSp</a></p>
<p>&mdash; Sledgehammer Games (@SHGames) <a href="https://twitter.com/SHGames/status/1592972170530983937?ref_src=twsrc%5Etfw">November 16, 2022</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>このようにグラミー賞とThe Game Awardsを比較してみるのも、通常とはまた違ったゲーム音楽の楽しみ方ができる。</p>
<p>The Game Awardsの授賞式は2022年の12月9日、グラミー賞の授賞式は2023年の2月6日に開催予定。今回のノミネートを機に、ノミネートされたゲーム作品に触れてみるのもおすすめだ。</p>


第65回グラミー賞で新設「ゲーム音楽部門」のノミネート作品が発表。「The Game Awards 2022」音楽カテゴリ選出作品との違いに注目

また、調査結果によると格闘ゲームの音楽が最も人気であることも判明した。

<p>ポップスやエレクトロニックミュージックにも多大な影響を与えてきたゲーム音楽だが、その中でも90年代のゲーム音楽が最も人気があることがわかった。</p>
<h3>最も人気のあるゲーム音楽は『モータルコンバット』のメインテーマ</h3>
<p>この調査を実施したBestCasinoSitesは、CNET、levelskip、NME、Collider、CBR.comの記事を参考に、ゲーム音楽のベスト60曲リストを作成。そのリストを元にYouTube再生回数を調査しており、現在はその<a href="https://docs.google.com/spreadsheets/d/1fyddiWWdCDTDUyF0qDzE0kctVGmMoferDvdwxMXZvzs/edit#gid=0" title="データ">データ</a>を公開している。</p>
<p>調査によると、90年代のゲーム音楽の総再生数は2億2089万2769再生となり、1億4174万1111再生を記録した1992年の『モータルコンバット』のメインテーマ「Techno Syndrome」が最も人気がある曲だった。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Mortal Kombat Theme Song Original" width="500" height="375" src="https://www.youtube.com/embed/EAwWPadFsOA?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>続く2位は、4303万9999回再生されている2007年の『Portal』の「Still Alive」。しかし、1位の「Techno Syndrome」とは再生回数で大きな開きがあることもわかった。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Portal - &#039;Still Alive&#039;" width="500" height="375" src="https://www.youtube.com/embed/Y6ljFaKRTrI?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>最も人気のあるゲーム音楽の年代　2位は2000年代</h3>
<p>またゲーム音楽で最も人気のある年代は、2位が2000年代、3位が2010年代、4位が80年代となり、音楽がよく使われているゲームのジャンルでは、「格闘」「アドベンチャー」「パズル」が上位3位を占めていることもわかった。ちなみに「格闘」の楽曲再生回数は、1億6562万0231回となり、このチャートの1位になっている。</p>
<p>なお、今月は人気オンラインゲームの『フォートナイト』で星野源のバーチャルライブが行われたが、Z世代はゲームを通じて音楽を発見しているという<a href="https://mixmag.net/read/gen-z-music-video-games-gaming-news" title="調査結果">調査結果</a>もこれまでに発表されている。</p>


90年代のゲーム音楽が最も人気のゲーム音楽であることが判明！

BBC Proms初となるゲーム音楽に特化したプログラムがイギリスのロイヤル・アルバート・ホールにて行われた。

<p>イギリスの放送局BBCによるクラシック音楽コンサート・シリーズ「BBC Proms」の一環として、ゲーム音楽をオーケストラで再現するコンサート「Gaming Music at the Proms」が行われた。</p>
<h3>『キングダムハーツ』、『ゼルダの伝説』、『ポケモン』などゲーム音楽をオーケストラで再現!</h3>
<p>BBC Promsは、毎年BBCが夏に行なっているコンサートシリーズで、これまでにはダンスミュージックをオーケストラでカバーするコンサートなども行われている。</p>
<p>今年8月1日にロンドンの名門コンサートホールのロイヤル・アルバート・ホールにて行われた「Gaming Music at the Proms」では、ロンドンを拠点とするロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の協力のもと、80年代と90年代のゲーム音楽をフィーチャー。『キングダムハーツ』、『ゼルダの伝説』、『ポケモン』、『ファイナルファンタジー』など有名ゲームの音楽がオーケストラによる演奏で再現されている。</p>
<p>また、同公演では受賞歴のある作曲家のHildur Guðnadóttirと作曲家/プロデューサーのSam Slaterが、昨年リリースされたゲーム『Battlefield 2042』の音楽を披露している。</p>
<p>「Gaming Music at the Proms」の模様は、現在、BBCの動画/ラジオ配信サービス「BBC iPlayer」で公開中だが、残念ながら日本では視聴不可。しかし、BBC Promsの公式FacebookやTwitterでは<a href="https://fb.watch/eP6UYeI7SY/" title="公演の一部を切り取ったクリップ">公演の一部を切り取ったクリップ</a>が公開中だ。気になった人はそちらで公演の様子を確認してほしい。</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="en" dir="ltr">Watch the first ever Gaming Prom on BBC Four tonight at 8pm 🎮🎶</p>
<p>Here’s a clip of what’s in store, a piece from &#39;Dear Esther/So Let Us Melt – I Have Begun My Ascent; The Leaving&#39; by Jessica Curry, beautifully played by <a href="https://twitter.com/rpoonline?ref_src=twsrc%5Etfw">@rpoonline</a> under the baton of <a href="https://twitter.com/robertamesmusic?ref_src=twsrc%5Etfw">@robertamesmusic</a> <a href="https://t.co/3yppFIDUyq">pic.twitter.com/3yppFIDUyq</a></p>
<p>&mdash; BBC Proms (@bbcproms) <a href="https://twitter.com/bbcproms/status/1555567054429863936?ref_src=twsrc%5Etfw">August 5, 2022</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<h3>Skreamもダブステップセットを披露したロイヤル・アルバート・ホール</h3>
<p>なお、「Gaming Music at the Proms」が行われたロイヤル・アルバート・ホールは、2021年春にロンドンの有名クラブ・fabricによる動画配信シリーズ「London Unlocked」の舞台のひとつとして使用されている。その際に出演者の1人だったダブステップシーンのレジェンドで現在はハウステクノ系に転向しているSkreamは、今となっては珍しいダブステップセットを披露している。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="London Unlocked: Skream at Royal Albert Hall" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/F1AYy9ht49I?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>また今年のフジロックにも出演したBonoboも最近、ロイヤル・アルバート・ホールにて5日間のライブ公演を行なっており、オルガニストのAnna Lapwoodをフィーチャーした「Otomo」（Bonoboのアルバム『Fragments』収録曲）の特別な即興演奏も披露されている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Bonobo &amp; Anna Lapwood perform Otomo live at the Royal Albert Hall" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/AdyAF9M3XVw?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div></p>


ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が『キングダムハーツ』『ゼルダの伝説』『ポケモン』などゲーム音楽をオーケストラで再現!

ANI（スチャダラパー）

セク山

KASHIF

<p>スチャダラパーからANIと、普段から交流の深いセク山がお送りする、題して「ANI &#038; セク山の京浜ネバーランド」！おやすみ前の素敵な音楽とおしゃべりでネバーランドにお連れします。<br />
京浜ネバーランドでは皆さまからのお便り募集中！採用された方には番組特性ステッカーをプレゼント！10枚GETでいいことがあるかも！住所・氏名・ペンネームを忘れずに明記の上、こちらのアドレスにお送りください→&#8221;<a href="mailto:keihinneverland@gmail.com">keihinneverland@gmail.com</a>&#8220;</p>


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OTAQUEST

<p>日本のオタクカルチャー、サブカルチャー、ポップカルチャーを海外に配信するメディア「OTAQUEST」によるマンスリーミックスショー。OTAQUEST編集長のEddie Leheckaが今紹介したいDJをキュレーション！<br />
<a href="https://www.otaquest.com/">https://www.otaquest.com/</a></p>


「オタク」の概念を覆すプログラム

OTAQUEST Radio

<p>4月12日、アメリカ議会図書館が『スーパーマリオブラザーズ』の「地上BGM」を収蔵すると発表した。</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="en" dir="ltr">A video game theme song, probably the most recognizable in history, is also a first for the <a href="https://twitter.com/hashtag/NatRecRegistry?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#NatRecRegistry</a>. The Super Mario Bros. theme by Koji Kondo helped establish the game&#39;s legendary status &amp; proved that the Nintendo sound chip was capable of vast musical complexity. <a href="https://t.co/RHPaXV1WLs">pic.twitter.com/RHPaXV1WLs</a></p>
<p>&mdash; Library of Congress (@librarycongress) <a href="https://twitter.com/librarycongress/status/1646131632280092672?ref_src=twsrc%5Etfw">April 12, 2023</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<h3>全世代のチップチューンミュージシャンの土台を築いた楽曲として評価</h3>
<p>アメリカ議会図書館とは、アメリカ合衆国事実上の国立図書館とされており、その中にある全米録音資料登録簿では、音楽、ラジオ放送、演説などといったアメリカの社会において文化的、歴史的、芸術的に重要で後生に残すべき録音を、発表から少なくとも10年以上が経過しているものの中から、毎年25作品選定している。</p>
<p>過去には N.W.Aの「Straight Outta Compton」や、Jay-Zの「The Blueprint」なども収蔵されており、2023年現在の収蔵数は600以上にも及んでいる。2023年は1,100以上の候補の中から、Irena Cara「Flashdance…What a Feeling」、Madonna「Like a Virgin」、Mariah Carey「All I Want for Christmas Is You」などが選出。その中で、近藤浩治氏が手掛けた『スーパーマリオブラザーズ』の「地上BGM」が選定されることとなった。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="2023 Library of Congress National Recording Registry" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/uSzijZSdcPQ?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>ゲームBGMとしてはアメリカ議会図書館に収蔵されるのは初めてのほか、アメリカの歴史として重要な録音ということを考えれば、日本人が作曲した音楽が収蔵されることも非常に稀なケースだろう。</p>
<p>アメリカ議会図書館は、「この曲は、5チャンネルのNESサウンドチップが膨大な音楽的複雑性と創造性を持つことを証明し、多くのチップチューンミュージシャンの基礎を築き、世界中のオーケストラで演奏されるなど、この40年間で最も愛された楽曲のひとつといえるでしょう」とコメントしており、『スーパーマリオブラザーズ』がゲーム史だけでなく、音楽史の上でも重要ということがよくわかる。</p>
<p><module-adv></module-adv></p>
<h3>ゲーム音楽の父、近藤浩治氏</h3>
<p>『スーパーマリオブラザーズ』の作曲を担当した近藤浩治氏は、『マリオ』シリーズだけでなく、『ゼルダの伝説』シリーズや『スターフォックス64』の作曲も手掛けた「ゲーム音楽の父」。『スーパーマリオブラザーズ』を担当した時は入社1年目で任天堂初の音楽スタッフとしてBGMを担当したという<a href="https://www.nintendo.co.jp/n10/interview/mario25th/vol5/index2.html" title="とんでもないエピソード">とんでもないエピソード</a>の持ち主だ。</p>
<p>アメリカ議会図書館の<a href="https://newsroom.loc.gov/news/national-recording-registry-inducts-music-from-madonna--mariah-carey--queen-latifah--daddy-yankee/s/5a91b115-3825-4a5f-a702-35940b4de958" title="サイト">サイト</a>に掲載されている近藤氏のインタビューでは、「音楽と効果音に使えるデータ量が極端に少なかったので、当時の音楽とプログラミングの工夫を駆使して、とても革新的なものにしなければならなかった」と語っており、ゲームオーバーになったプレイヤーに再挑戦を促すジングルや、ゴール達成を祝福するファンファーレ、残り時間が短くなるとスピードアップ、など今のマリオシリーズにも継承されているシステムがこの時点で既に完成されていることがわかる。</p>
<p>近藤氏が過去に行った<a href="https://game.watch.impress.co.jp/docs/20070308/kondo.htm" title="講演">講演</a>では、マリオの動きに音楽のリズムを合わせるため、何度もデモ版をプレイし、マリオが走る姿やジャンプしている時間を、感覚的にとらえたことで、BGMを作りあげたと語っている。</p>
<p>また講演の最後には、「ゲーム音楽はいろいろなジャンルの音楽を作れるし、いろいろなアイデアを盛り込めるところが本当に楽しいと思っている。ゲーム音楽は映画やテレビ番組などの単なるBGMではなく、リアルタイムにプレーヤーの状況によって変化する音楽。特有なゲーム音楽ジャンルを確立できるよう、皆さんも一緒に頑張っていきましょう」と発言しており、流石「ゲーム音楽の父」だ…と言わざるを得ないほど、ゲームと音楽に対する理解度の高さと後世に残るゲーム音楽の作曲家に対する優しさを存分に感じられる人柄に心が打たれる。</p>
<p>そんな近藤氏だが、日本では4月28日に公開予定の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でも作曲家として参加しており、ゲーム版『マリオ』と違った映画ならではのゴージャスさを存分に味わえるサウンドを手掛けた。ゲーム音楽を黎明期から支えてきた近藤氏の現在地点を映画館で楽しめるはずだ。</p>
<p><iframe loading="lazy" src="https://open.spotify.com/embed/album/3QITNyRzvTqn0t9tLmS1Vd?utm_source=generator" width="100%" height="152" frameBorder="0" allowfullscreen="" allow="autoplay; clipboard-write; encrypted-media; fullscreen; picture-in-picture"></iframe><br />
<module-adv></module-adv></p>


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