グラミー賞でのヒップホップ50周年を記念したステージに、ヒップホップのパイオニアKRS-Oneが苦言を呈す


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2023年はヒップホップの50周年を記念して様々なアワードでスペシャルパフォーマンスが開催された。
2月に開催されたグラミー賞でもThe Roots(ザ・ルーツ)のQuestlove(クエストラブ)が指揮をとり、Run-DMC(ラン・DMC)からNelly(ネリー)、Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)らが登場し、過去現在未来を表現した素晴らしいパフォーマンスが行われたが、そんなグラミー賞のステージに苦言を呈しているラッパーがいる。ヒップホップ生誕の地、サウスブロンクス出身のパイオニア、KRS-One(KRS・ワン)だ。
49年間無視してきたグラミーに対しての憤り
KRS-Oneがグラミー賞のステージに現れなかったのは意図的だ。先日のインタビューでグラミー賞の司会を務めたLL Cool J(LL・クール・J)から直接オファーを受けたものの「49年間無視してきたのに、50周年だからってオファーするのか?」と出演を断っていたことを明らかにした。
ヒップホップ界では古くから「ティーチャー(教師)」の愛称で親しまれているKRS-Oneには彼なりのこだわりとプライドがある。元々ホームレス生活もしていた彼を救ったのもヒップホップであり、先駆者としての自負もある。“50周年だけ”というのは彼にとってあまりに調子のいい話なのだ。
ヒップホップ・ヒストリー・マンスと言われる11月の最後にKRS-Oneは「50 More Years Of Hip Hop」という曲をリリースしている。ヒップホップの4大要素に触れようとしないグラミー賞を含めたアワードのやり方、現在のシーンに対して触れたリリックには他のラッパーにはない説得力を感じる。
賛同するアーティストのコメントも
こうしたKRS-Oneの考えに対して同じ意見だというアーティストももちろんいる。90年代に主に活躍したプロデューサーのPete Rock(ピート・ロック)は「不完全なヒップホップ50周年ライブだった。本当の歴史を知る人間は感謝すらしていない」とコメント。
またベテランフィメール・ラッパーのNikki D(ニッキー・D)も「ヒップホップはカルチャーであってラッパーのことではない」とコメントした。確かに4大要素あってこそのヒップホップ。欠けていたものは多いだろう。
もちろんKRS-Oneらは出演したアーティスト、あるいはオファーしてきたLL Cool Jに対して怒っている訳ではない。しっかりとリスペクトがあり、マナーに沿っての意見だということは理解しておきたい。
50周年が盛大に盛り上がったので次は100周年?という考えもあるが、ヒップホップは日々進化していく。50周年を“機に”毎年8月11日がヒップホップを讃える日であり、愛のあるイベントが開催されることを期待したい。


