なぜ?今、EDMシーンでドラムンベースが流行る理由。DJ AKiとSAKOが考察!


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DJカルチャーを深堀りするオリジナル番組「IN DJs WE TRUST」。第4回目は「ドラムンベース特集」として、日本のドラムンベースシーンで長く活動するDJ AKiとSAKOの2人がゲストで登場。
MCのTJOが以前から気になっていた「なぜ今EDMシーンでドラムンベースが盛り上がっているのか?」という疑問を2人にぶつけてみたところ、それぞれの経験値から様々な角度で語ってくれた。
ラジオのアーカイブ視聴はこちらから。
TJO:なぜ今、EDMシーンでドラムンベースが盛り上がっているのか。僕は元々ドラムンベース大好きっ子なんですけれども、今僕はEDMシーンでDJをやっていて。フェスや現場で必ずEDM DJがドラムンベースをかけるようになったんですよ。一体いつからこういう流れになってきたのか、実際ドラムンベースの現場で活躍されているお二人にお聞きしたいなと思ったんです。
DJ AKi:自分自身としては、EDMシーンでドラムンベース来てると思ったことが、正直1回もないんですよ。ただ、EDMのトップDJたちがセットの最後に2、3曲ドラムンベースをかけてるのは、SNS見てれば目にするし。逆に「こんな曲かけてるんだ」みたいなのを映像で見たりはしていて、なんでなのかなとは思ってたんです。おそらくコロナ以降ですよね、こういう現象が起きるようになったのって。
それで、Futureboundっていう<Viper Recordings>の親玉を06Sで招聘した時に、この話になったんです。彼に理由を訊いたら「イギリスでレーベルを20年間やってきて、今UKは過去イチ、ドラムンベースのシーンがでかいんだよ」って言うんです。それで「他のジャンルで言ったらどのくらいの大きさなの?」って訊いたら、「UKハウスと同じぐらい」と言ってましたね。それぐらい、今ドラムンベースシーンが大きくなっちゃって。過去にないほどの流行…って言ったら変ですけど、シーンが拡大しちゃってる。
それは当然ヨーロッパにも派生してるから、それだけドラムンベースに対する理解と知識をお客さんが備えちゃったみたいなんですよね。だから、EDMシーンの感度の高いトップDJたちは、そういうお客さんに向けてドラムンベースをかけてるんだって聞いたときに、なるほどと腑に落ちたんです。
TJO:興味深い。そのきっかけはあったんですか?
DJ AKi:いや、ただ単に流行ってるのはあると思うんですけど。個人的な見解としては、4×4のビートを多分に持ってるドラムンベースが、ここ3、4年すごく増えてきたと思うんです。 SAKO君が招聘してたKanineの「Get Down」とか、Dimensionの「Offender」とか。あの辺から急に、ちょっと4ビートの雰囲気を持ってるドラムンベースが出てきて。
DJ AKi:大御所たちは今、そういう4×4のフレーバーをちゃんと加味した上で新構成として曲を作ってる。それ以前のドラムンベースはもっとブレイクビーツの要素が強かったから、4ビートが好きな人にはちょっと入りづらかったのは正直あると思うんですね。でも、そういう分かりやすさみたいなものをドラムンベースが持ったことで、入ってきやすくなったと思うんですよ。だからヨーロッパとかUK、アメリカにもシーンが広がっていったのかな。
※ブレイクビーツの強いドラムンベースの例
DJ AKi:だって4×4なんて、はっきり言ってハードコアとかと変わらないじゃないですか。ハードコア好きな人も、4ビートのパート聴いて「かっこいいじゃん!」って入って、そのまま同じBPMでドラムンベースのビートに持っていかれちゃう、みたいな。そういうのも、EDMでドラムンベースがきてるひとつの要因なのかなって自分は思います。
TJO:なるほど。ちなみにSAKO君はどうですか?
SAKO:僕は別の観点で考えたんですけど、3つぐらい要因があるかなと思っていて。ひとつは、 EDM大国アメリカでドラムンベースアーティストが増えたこと。Justin HawkesやREAPERのような北米出身のアーティストが、アメリカのEDCとかのでかいフェスでフィーチャーされて。そこからアメリカのアーティストにドラムンベースが広がったのかなと。もうひとつは、コロナ禍でYouTube、TikTok、Instagramなどのソーシャルメディアが広がって、そこからショート動画でバズったりするようになったこと。YouTubeで「Rampage」や「Let It Roll」のようなでかいドラムンベースのフェスが、動画でたくさん回るようになったり。あと今だと「DnB Allstars 360°」の動画がバズったりとかも1つの要因かなと。
SAKO:もうひとつが、僕は自分のイベントに海外アーティストを呼ぶプロモーターとしてもやってるんですけど。UKのドラムンベースの超有名アーティスト、Sub FocusやDimensionの所属していたエージェントがアメリカのエージェントに買収か合併かされて、アメリカの超大手エージェントのロースターに入ってる状態で、ブッキングしやすくなっている。それで彼らのアメリカツアーが開催されたりして、 アメリカ、EDMシーンでドラムンベースが広がったのもあるのかなと、個人的には思います。
TJO:めちゃめちゃ裏の話ですね。
DJ AKi:今、日本で一番、海外のアーティストを招聘してるSAKO君じゃなきゃ言えない話だね。
TJO:間違いない。曲だけじゃなくて、アーティストもフックアップされやすくなったんですね。ちなみに、ドラムンベースがEDMシーンに来てるなと思ったきっかけの曲はありますか?
DJ AKi:逆にジョンさんに聞きたいんですけど、EDMのガチのアーティストがドラムンベースの曲作ってリリースとか、実際あるんですか?
TJO:誰かいるかな…。TiëstoがHedexと組んでとか、大御所がちゃんとしたドラムンベースのアーティストを呼んで一緒に作るパターンはありますけど、単独名義はあんまり聞いたことないですね。
DJ AKi:ですよね。だからあまり実感がないのかなって気はしますね。ただ最近、John SummitとSub Focusとか、EDMじゃないのかもしれないですけど。 ああいう現象は、このテーマに少し似てるのかなと思いました。
TJO:「Go Back」。すごく良くできた曲ですよね。しかもすごいコラボレーションというか。
DJ AKi:すごく良い曲。セットの最後に必ずかけちゃいます。
TJO:SAKO君はどうですか。
SAKO:曲というか、日本でドラムンベースがまた盛り上がってるのを肌で感じたのが、今年Kanineを呼んだときで。AKiさんはまた違うかもしれないんですけど、ドラムンベースのイベントは他のダブステップとかに比べると、お客さんを入れるのが僕らとしてはなかなか難しくて。ちょっと苦戦してたところがあったんです。でもKanineのときは、今までで最高の人数のお客さんが入ってくれて、日本でもドラムンベースが広まってるなと感じました。
TJO:なるほど。僕個人的になんですが、2010年代でそれこそPendulumなのかなって思ったんです。
DJ AKi:大きな波は確実に彼らでしょうね。Pendulumさえブッキングすれば絶対1000人は軽く超える、みたいな時代がありましたから、06Sは。
TJO:すごかったですよね。WombにPendulum呼んで。
DJ AKi:3回ぐらい呼んだのかな。こんなに盛り上がったのは過去イチだったんじゃないかなと、今でも思いますね。
TJO:ですよね。そこから来たのと、さっきAKiさん仰られてた通り、EDMシーンのフェスカルチャーの中で、ハードスタイルとかハードコアって一気に火をつける1番のきっかけになる曲、すごいパワーのある曲をかけるじゃないですか。 それが割と今、ハードコアからドラムンベースに移り変わってきてるなという。みんなハードコアをかける代わりにドラムンベースをかけるような感じがあったので、さっきのFutureboundの話含めて僕はすごく腑に落ちました。この話がすごく聞きたかったので、今日聞けて良かったです!
【番組情報】
IN DJs WE TRUST

40年前に誕生した「DJ」という表現。機材やプレイスタイルが進化する中で、DJたちはどんなことを考え、何を感じているのでしょうか?
この番組では、時代を築いてきたDJたちの思考とプレイの裏側に迫ります。
MC:TJO
配信日時:金曜日21:00~
番組ページ:https://block.fm/radio/idjwt


