TuneCoreとGrimesが新たなパートナーシップを締結。これによりTuneCoreに登録するアーティストがGrimesのAI音声ツール「Elf.Tech」を使って作成したAI Grimesとのコラボ曲を主要ストリーミングプラットフォームで配信可能になった。

TuneCore経由でAI Grimesとのコラボ楽曲の配信・収益化が可能に

今年5月、GrimesはCreateSafeの協力のもと、自身の新しいAIプロジェクトを開始。「Elf.Tech」のベータ版を公開し、原盤使用料の50％を分配する代わりに、他のアーティストやファンがAIによって生成されるGrimesの声を使って楽曲を作成できるようにしている。

今回のパートナーシップはロサンゼルスに拠点を置くデザイン・開発スタジオのCreateSafeおよびGrimesとTuneCoreとの間で締結されたもの。現在スタートしているパイロットプログラムでは、アーティストやファンがElf.Techを使って、録音済みのア・カペラをアップロードしたり、自分のオリジナルのボーカルトラックを録音して、「GrimesAIの声紋（GrimesAI voiceprint）」に変換できるるようになる。また、GrimesAIをメインまたはフィーチャリングアーティストとした楽曲をTuneCoreにアップロードし、Grimesとクリエイター間で50％ずつロイヤリティを分配することができる。

We are excited to announce our partnership with category-defining AI development studio CreateSafe & Grimes! This groundbreaking new pilot program allows for enhanced creativity along with the potential to increase fan engagement & artist revenues.

🔗: https://t.co/eWHzbKRqJB pic.twitter.com/7nJHPRg7AK

— TuneCore (@TuneCore) June 12, 2023

ファンのエンゲージメントとアーティストの収入を増加させる可能性とともに、創造性を高める

TuneCoreは今回のGrimesとのパートナーシップについて、「この画期的な新しいパイロットプログラムは、ファンのエンゲージメントとアーティストの収入を増加させる可能性とともに、創造性を高めることを可能にします」と説明。

またパートナーシップをについてGrimesは、「CreateSafeとTuneCoreと協力して、ユーザーがGrimesAIとのコラボレーションを主要ストリーミングプラットフォームに配信できるようにすることに非常に興奮しています。このユニークなパイロット・パートナーシップを通じて、他のクリエイターのリリースにおける私の声の使用に同意し、収益を共有し、みんなの作品を簡単に配信することができます。新しいことに挑戦することにワクワクしています！」と述べている。

一方、TuneCoreのCEOであるAndreea Gleesonは次のように述べている。

「AIの活用により、アーティストは創造性を高めることができます。それによって、ファンとの関係を深め、共創を通じて新たな収益源を見出すことも可能です。また音楽制作がより簡単になることで、音楽クリエイターの数も増えていくことでしょう。TuneCoreは、GrimesとCreateSafeとの協力により、この分野での先駆者となりました。私たちはアーティストに具体的な価値を提供し、同意、コントロール、収益分配をスケールさせる革新的で合理的なAIテクノロジーのプロセスを提供します。今後も私たちはアーティストに代わって同様の革新的なイニシアチブを探求していきたいと考えています」

今回のTuneCoreとGrimesの取り組みは、Elf.Techを使って、GrimesAIとのコラボ曲を合法的に収益化させたいDIYアーティストにとっては朗報ではないだろうか？