Ice Spiceを越えるのは誰だ?? NY出身の注目フィメールラッパーたち

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ニューヨークといえばヒップホップが誕生した街であることは言うまでもない。Lil Kim(リル・キム)やRemy Ma(レミー・マー)、Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)にCardi B(カーディ・B)と常に時代を代表するラッパーを生み出している。そして今年、しばらく続いていたCardi B政権を脅かすニューヨーク出身のフィメールラッパーが続々と頭角を現した。
ラジオやクラブでも大人気のアーティスト
まずは8月にリリースした「Munch (Feelin’ U) 」がラジオなどでヘビープレイされ、一躍時の人となったブロンクス出身のIce Spice(アイス・スパイス)。Nicki MinajやCardi Bといった地元の先輩たちに影響を受けてラップを始めたIce Spiceだが、まだキャリアとしては2年目のルーキー。一発屋具合が心配されてはいるが、まだまだ伸び代があると言っていいだろう。
続いて「Munch (Feelin’ U) 」の後にニューヨークのラジオでこぞってプレイされている曲が、ブルックリン出身のLola Brooke(ローラ・ブルック)による「Don't Play With It」。MVはコーナーストアやストリートで大勢の仲間とたむろするシーンが使われており、そうしたハードコアなスタイルがブルックリンはもちろん、ニューヨークのファンにとってはツボだっただろう。そして同じくブルックリン出身のBilly B(ビリー・B)がフィーチャーされている点も、これからのニューヨークを背負って立ちそうな雰囲気を感じる。
クラシックネタをサンプリング!!
近年のヒップホップでは2000年前後の曲をサンプリングした曲が目立っているが、ニューヨーク出身の彼女たちも例外ではない。2021年にFabolous(ファボラス)のクラシック「Can't Let You Go」をサンプリングした「You know My body」をリリースしたブロンクス出身Dream Doll(ドリーム・ドール)も注目すべき1人。テレビ番組への出演などですでに認知度を獲得していた彼女は、2020年にはFivio Foreign(フィヴィオ・フォーリン)ともコラボしており、ドリルサウンドも積極的に取り入れている。
クイーンズ出身のKyah Baby(カイア・ベイビー)はこれまでに紹介した3人の中ではいち早くラジオでプレイされていたが、今ひとつブレイクまで辿り着かなかったアーティスト。しかし現在、Jay-Z(ジェイ・Z)「Do It Again (Put Ya Hands Up)」をサンプリングした「New Energy」がニューヨークのラジオでも欠かさずプレイされており、再び存在感を表している。ニューヨーク出身ラッパーがニューヨーク・クラシックをサンプリングすることは当たり前の流れのようだが、リスナーとしては嬉しさを隠せないのが本音。
ここで紹介したフィメールラッパーの他にも多くのタレントを抱えている今のニューヨークシーンは、過去数年において最も盛り上がっている時期と言ってもいいだろう。2023年にはどんなラッパーがブレイクするのか楽しみだ。