ヒップホップ界に激震。UsherやThe Notorious B.I.G.を世に送り出したプロデューサー・ラッパー、Diddyの自宅が強制捜査を受ける


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プロデューサー・ラッパーであり、The Notorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.)やMary J. Blige(メアリー・J・ブライジ)らが所属し、90年代後半、ヒップホップ界に旋風を巻き起こしたBad Boy Recordsの創設者でもあるDiddy(ディディ)。彼の所有するロサンゼルスとマイアミの自宅が、国土安全保障省の捜索を受けたと報じられた。
2023年11月から、Diddyは性的暴行や売春、人身売買などの疑いがあり、今回の家宅捜査もその一環と見られている。
業界におけるDiddyの立ち位置
元々はPuff Daddy(パフ・ダディ)、P Diddy(P・ディディ)と名乗り、現在はDiddy(ディディ)として知られる彼は、80年代後半から90年代前半にかけてヒットを生み出したレコード会社、Uptown RecordのA&Rとして業界に参入。その後自ら、Bad Boy Recordsを立ち上げ、西海岸を中心に盛り上がっていたギャングスタラップから一転する、ラグジュアリーなスタイルで、The Notorious B.I.G.らを売り出し成功を収めた。
The Notorious B.I.G.の死後も、Usher(アッシャー)のファーストアルバムのプロデュースや、オーディション番組からR&Bグループをデビューさせたりなど、多くのアーティストを世に送り出した功績を持つ。
またウォッカブランド“Ciroc” に代表されるアルコール事業や、“ REVOLT” といったメディア会社など、音楽以外のサイドビジネスも展開してきたビジネスマンでもある。
その手腕から業界内での信頼度も高く、昨年のMTV Video Music Awardsでは、ヒップホップ50周年も兼ねて、Diddyの関わった楽曲をメドレー形式で繋げた、スペシャルパフォーマンスも行われたほど。同じ時代を切磋琢磨してきたJay-Z(ジェイ・Z)とは今も親交が深く、パーティーなどでも度々同席する姿が見られている。
11月から続く訴訟問題
捜査後、Diddyの弁護士は、武器を携帯した強制的な家宅捜査に対し「過度に力と敵意を示したもので、Diddyの無罪を証明するために戦い続ける」と声明を発表。しかし当局による捜査ということで、一連の事件に対して再び容疑がかけられることは逃れられない。
ことの発端は2023年末、元恋人であるシンガーのCassie(キャシー)を含む数人の女性が、Diddyを性的および身体的虐待で告発したことに遡る。民事訴訟となったこの件に関してはすぐに和解。詳しい内容は明らかではないが、Cassieに対しては3000万ドル(約3500億円)が支払われたとの噂もある。
さらに2024年2月、今度はDiddyのアルバムにも参加しているプロデューサーのRodney Jones(ロドニー。ジョーンズ)が告発。2022年9月から2023年11月まで、彼はDiddyと一緒に暮らし、行動を共にしていたが、その期間に、DiddyがRodney Jonesにセックスワーカーを調達させたり、望まない性行為を強要したり、自宅でのパーティーの参加者に、薬物入りのアルコールを配っていたことなどを訴えた。訴状には、証拠となるビデオや音声を所持していることも書かれている。パーティーの参加者には著名人や政治家、アスリートに加えてイギリス王室のヘンリー王子の名前もあったと報道され、関与が疑われている。
ヒップホップ界隈に流れる不穏な空気
家宅捜査の際にDiddyは在宅しておらず、数日前からプライベートジェットで移動していることが明らかになっている。捜査の行われた月曜日には、マイアミの空港で姿が目撃された。この一連の動きについては、捜査から逃れるための国外逃亡ではないかと疑われていたが、彼は現在もマイアミに滞在しているようだ。
Diddyは捜査から逃げているような印象であり、SNSを中心に陰謀論が飛び交う。容疑が濃厚である場合、親交の深いアーティスト、特にJay-Zにまで飛び火するという意見も散見される。兼ねてから、Diddyに対し嫌悪感を抱いている50 Cent(50・セント)は、ここぞとばかりに揶揄する投稿を繰り返しているが、いずれも立証される内容ではない。
ミュート運動は起こらず
性犯罪を起こしたとされるアーティストで言えば、現在裁判中のR. Kelly(R・ケリー)の件が記憶にも新しい。R. Kellyの曲を聴かない、放送しない、あるいは販売しないという、いわゆる「ミュート運動」も全米を中心に起こった。だが今の所、Diddyに関しては、特定のラジオ局やメディアが楽曲を取り下げるような動きは見られていない。しかし、今後の捜査次第では十分にあり得ることだろう。
Diddyの自宅に捜査が入ってから数日、新たな証言(真偽は別として)が出てきたり、過去の映像やインタビューで事件の検証がなされている。気になるのは、Diddyを擁護するような意見が、音楽関係者やアーティストから出ていないことだ。もちろん、捜査中なので口を閉ざしているだけかもしれない。これも捜査が進めば状況が変わるだろう。
だが、ヒューストンのベテランラッパー、Slim Thug(スリム・サグ)は自身のInstagramでこう発言している。
*「何もないところからビリオネアまで辿り着いた黒人男性が失墜していくのは見たくない。Kanye West(カニエ・ウエスト)がすでにやられたじゃないか。あとビリオネアといえば誰だ、Jay-Zだけじゃないか?」
「誰がDiddyの失敗を見たいかっって、彼の周りの人間だけだ。笑い飛ばして”Diddy Dit It”なんて新たなスローガンまで立ち上げている。俺は誰かが落とされるのを見たくない」
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