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インタビュー|カメレオン・ライム・ウーピーパイ流 “ダサかっこいい!?” サウンドが世界を踊らす

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PHOTO: Ki Yuu
国内外でリスナーを拡大する注目株・カメレオン・ライム・ウーピーパイが1stアルバム『Orange』をリリース。国内のみならず海外のフェスでも観客を踊らせる彼らのサウンドに詰まったこだわりを訊く。
2023/05/22 18:00
Moemi
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カメレオン・ライム・ウーピーパイが世界を踊らせにかかっている。オレンジ色の髪がアイコンのChi-を筆頭に、仲間にはWhoopies1号、2号。彼らの生み出す音楽は、年代やジャンルの壁を飛び越え、縦横無尽にリスナーの感性を刺激する。

日本の音楽シーンに突如現れ頭角を現した彼らだが、実はその原点はストリートにある。活動初期の約3年間、ほぼ毎日のようにストリートライブをやっていたと話すChi-は当時をこう振り返る。


「Whoopies1号、2号と3人で曲を作って、私がひとりストリートに立ってそれを歌う。最初から3人で作ったオリジナル曲を歌っていました。Whoopiesが作ったばっかりのデモ曲を送って来て、その場でスマホをアンプに繋いですぐに歌ってみたり。そのストリートライブの反応を見てアレンジを変えてみたり...という繰り返しでした。」

「秋葉原でもやっていたんですけど、近くで働いている人から『“食べてあげよう〜”って曲、歌ってよ。今うちの会社で流行ってて、みんな歌ってるんだよ』って声をかけてもらったり。そういう反応一つひとつが面白かったですね。」

ストリートで歌うのは想像以上にハードな面もあるだろう。心が折れたりすることはなかったかと尋ねると、Chi-は笑いながら「全くなかったです」と答えた。

「そもそも音楽を始めたときがどん底だったんです。人生の最後に好きなことをしようと思って始めたのが音楽だったので。今振り返るとストリートで歌うのは大変だったなーと思うけど、スタートが最悪の状態だったからこそ、全然楽しかったんです。想像ではもっとひどいことが起きると思ってたんですけど、意外と大丈夫でした(笑)。最近、その頃に書いたブログを発見したんです。“スターの人がよく下積み時代の話をするけど、今これが下積み中なんだとしたら全然辛くない。むしろ今までの人生より今の方が楽しい"って書いてあって。そんなふうに書いていたなんて自分でもすっかり忘れていたんですけど、そんなに楽しんでやっていたんだと改めて思い出したんです。」

その頃の経験で今活かせていることはあるかと訊くと、あるとすれば…と前置きした上でこう答えてくれた。

「“カメレオン・ライム・ウーピーパイは私が始めたことだから”という部分ですかね。これは自分がスタートしたこと。だからいろんな意見があっても、最後は自分の判断にする。人に任せるのも自分の意見を通すのも私の責任だと思ってやっています。自分の中のブレない部分はその下積みのおかげかもしれません。まぁ、もう一回やれって言われたら絶対に嫌ですけど(笑)。」

ストリート時代、Chi-の髪色は青や緑だった。それをオレンジに変え、1stシングル「Dear Idiot」をリリースした頃から、カメレオン・ライム・ウーピーパイを取り巻くあれこれが回りだしたという。

「カメレオン・ライム・ウーピーパイはオレンジから始まった感じが強いですね。私たちにとってのラッキーカラーで、今では私たちのアイコンにもなっている色。1stアルバムのタイトルもいくつか考えたんですが、最終的にシンプルに『Orange』にしようと。ジャケットにも文字すら入れず、潔くオレンジカラーの髪の毛だけを写して。“聴いたらわかるよ”という思いも込めてこのデザインにしました。」


2019年に1stシングルをリリース。彼らの楽曲は国内外で反響を呼び、2021年にはSpotifyが選出する躍進が期待されるアーティスト「RADAR:Early Noise 2021」に選出。そして2022年には日本を代表する音楽フェス、サマーソニックにも出演を果たした。

初の大型フェスでの舞台はどうだったかと尋ねると、「出るまではお客さんが全然いないんじゃないかと思って少しビビっていた」と、Chi-はまた“最悪”を想像していたようだ。しかし実際は出演したステージのエリアがパンパンになるほどの大盛況。配信の視聴者からもポジティブな感想がTwitter上で多数見られるなど、リアルもオンラインも大いに盛り上がっていた。

「以前に“出れんの!? サマソニ!?”のオーディションを受けて落ちたりもしていたんですよ。そのときにWhoopiesと3人でお客さんとしてサマソニを観に行って、『私たちが出たら盛り上がるだろうな〜』って勝手に想像していたんです。それが本当に現実になりました。目の前でお客さんが踊って歌ってくれて。フェスなので私たち目当てでなく、曲を知らない人もいたと思うんですが、想像以上にみんな楽しんでくれていました。嬉しかったですね。」


そして彼らのライブパフォーマンスは海を越える。今年、アメリカ・テキサスで開催された世界最大の複合フェス「SXSW 2023」に出演し、現地メディアVIBEでは、出演者総数1000組を超える中から「ベストパフォーマンスアーティスト10選」に選出されるなど躍進を果たした。

「SXSWでアルバムのリードトラック『Stand Out Chameleon』を初披露したんです。そこで、曲中にお客さんにしゃがんでもらって一斉にジャンプするっていうのをやったんですけど、私がタイミングを間違えて変なところで飛ばしちゃって(笑)。やっちゃった〜!と内心焦りながらも“もう一回いい?”って聞いてみたら、みんなが笑って“しょうがないな〜、もう一回やるか!”みたいな空気になって。そこでお客さんとの距離がぐっと近くなった感じがしたんですよね。」

日本では長らく声出しNGの状況が続いていたため、久しぶりの歓声ありライブがこのSXSWだったという。思い思いに歌い踊り開放感溢れる現地の観客に、ステージ上のChi-自身も共鳴した。

「『Love You!!!!!!』の間奏で、普段なら“今日はありがとうございました!”と締めの挨拶をするんですけど、その場の思いつきでコール&レスポンスを何度もやったんですよ。“もっと行けるよね!?”みたいな感じで。お客さんもそれに答えてくれてどんどんボルテージが上がっていって。観客席で観ていたヘアメイクさんに、”終わった後、お客さんがみんな肩で息してたよ”って教えてもらいました(笑)。そのくらい楽しませることができて、私たちも本当に楽しかったです。」

カメレオン・ライム・ウーピーパイという存在や楽曲を知っていても知らなくても、世界中どこでだって観客を揺らす彼らのライブ。

「一番大切にしているのが“踊らせる”ということ。そのために、ライブだからこそのパワー、エネルギーみたいなものを伝えたいんです。生で観ないと伝わらない熱ってあると思ってて。」

この“踊れる、踊らせる”というのは彼らが楽曲を作る上でも最も重要視している点だという。なぜ“踊れる”にこだわるのか、その原点はChi-がどん底の中で救われた音楽にあった。


「洋楽が好きだったんですが、辛いときはヘッドフォンで音楽を爆音で聴いて自分を守っていました。そういう追い込まれている状況のときって、歌詞を聴いてられないし歌詞に潰されそうになる感じがして。でも、踊れるトラックなら、聴いていれば自然と楽しくなれたんです。」

「今でも制作のときは歌詞よりもトラックを大事にして作ります。歌詞は曲にもっとグルーヴを出すことを意識して書いています。」

「SXSW 2023」の前に出演した香港のライフスタイルフェスでは、小さな子どもたちもカメレオン・ライム・ウーピーパイの音楽で楽しそうに踊っていたと教えてくれた。彼らが生み出す“踊れる”音楽に国境はなく、子どもから大人まで瞬時に虜にしてしまうのだろう。

グルーヴを強化する役割を担う歌詞について、1st EPをリリースした際のインタビューでChi-は「誰にでも感情の起伏がある。暗い感情だとしてもそれが音楽として昇華できれば、それは最高にポジティブな行為で、そういったことを自然に歌詞に書いている」と話していた。そのスタンスは今も変わらない。

「1stシングルから最新の曲まで、歌詞は全部ほぼ同じことを言ってるんです。人生最後に何かやってみようと私が音楽を始めた時のネガティブから一周回ってポジティブに移り変わるみたいな部分をずっと書いています。今はその考えでずっと生きているので、これからも変わらないんだろうなと今は思います。」

満を持して放たれる1stアルバム『Orange』には、初期の楽曲から新曲まで、まさに“カメレオン”を体現するかのごとく変幻自在の17曲が収録されている。選曲の基準は“自分たちらしさがある曲”だそうだ。

「もちろん収録できなかった楽曲にも私たちらしさはあると思うんですが、その中でも、今自分たちで聴いても大好きな曲を選びました。」

その“自分たちらしさ”を具体的に言葉にすると?と尋ねると、Chi-は「かっこつけすぎないこと」と答える。

「自分たちが本当にかっこいいと思うことを楽しんで作る。制作過程で起きるエラーを隠すのではなくそこを曝け出して自分たちで面白がってます(笑)。かっこ良くうまくやろうとすると予想外のものは出来ないので。」

そういえば、2nd EPをリリースした際のインタビューでも「90年代の“かっこいいけどちょっとダサい”みたいなバランスが好き」と話していた。

「“ダサかっこいい”が自分たちの中では“かっこいい”部分なんです。楽曲だけじゃなくアートワークやMVも、かっこつけ過ぎない。自分たちで後から観ても“ダサいな〜、これはダサダサい”って思うこともあるんですけど、それはそれでぽいなーって。へっぽこ感ある作品たちは全部愛おしいです(笑)。」


カメレオン・ライム・ウーピーパイらしさ=かっこつけてないのにかっこいい。そしてそれが新たなトレンドになっていく。彼らが発信する独自の世界観は、アルバムを引っさげ開催される待望の初ワンマンライブでも堪能できそうだ。

「ワンマンは最初から最後まで自分たちの時間なので、全ての瞬間を楽しんで貰えるように、いろんなアイデアを入れて作りたいと思っています。足を踏み入れたその瞬間から私たちの世界にどっぷりと浸かれるような空間を作れれば。」

「カメレオン・ライム・ウーピーパイっぽさが日本のメジャーシーンのスタンダードになること。音楽を始めたときからそれを目指しています。」

なんとも無敵感溢れる発言にワクワクさせられるが、それを口にするChi-は何も気負わず、いたって自然体。Chi-のアンテナがキャッチしたアイデアをWhoopies1号、2号とともに具現化させ、それが海を渡ってリスナーを踊らせる。彼らが巻き起こすこのオレンジカラーの渦は、今後もまだまだ拡張して世界を飲み込んでいきそうだ。

【クレジット】
Hair & Make Up - 清野和希 (cyez)
衣装 - RBTXCO
photo - Ki Yuu

【リリース情報】


1st アルバム『Orange』
発売日:2023年5月17日(水)
形態:CD
価格:¥3,300(税込)
品番:CLWP-1002
※ダウンロード & ストリーミングサイトも同日リリース

〈収録曲〉

  1. CHAMELEON LIME WHOOPIEPIE's THEME
  2. Stand Out Chameleon
  3. Mushroom Beats
  4. LaLaLa
  5. Burn Out
  6. Dear Idiot
  7. Dislike
  8. Where Is The Storm
  9. Love You!!!!!!
  10. scrap
  11. Skeleton Wedding
  12. Wonderful
  13. Unplastic Girl
  14. MANabUUUU
  15. Crush Style
  16. Indie Slime [CLWP×PARKGOLF]
  17. Whoopie is a Punkrocker (CLWP ver.)

【ライヴ情報】


カメレオン・ライム・ウーピーパイ 1ST ONE-MAN LIVE "Orange"

〈日程・会場〉
2023年7月2日(日)大阪・心斎橋 Music Club JANUS
2023年7月9日(日)東京・渋谷 WWW X

〈開場・開演時間〉
OPEN 17:00 / START 18:00
※開場/開演時間は変更の可能性がございます。

〈お問い合わせ〉
東京:CREATIVEMAN PRODUCTIONS 03-3499-6669(月水金12:00~16:00)
大阪:GREENS 06-6882-1224(平日12:00〜18:00)

〈チケット詳細〉
チケット代金:¥3,900-(税込)
▼チケット
[e+]
https://eplus.jp/chameleonlimewhoopiepie/
[ぴあ]
https://w.pia.jp/t/clwp-Orange/
[ローソン]
https://l-tike.com/clwp/

【プロフィール】


カメレオン・ライム・ウーピーパイ
Chi-によるソロユニット〈カメレオン・ライム・ウーピーパイ〉。
オレンジの髪が特徴的なChi-と、仲間にWhoopies1号・2号がいる。
楽曲制作やライヴ活動に限らず、MUSIC VIDEOやアートワークなどをはじめとした、自らの活動にまつわるすべてのクリエイティヴを3人のみで手がけている。
2019年12月に初めてリリースしたシングル「Dear Idiot」が、ノープロモーションながらも日本国内に留まらず海外でも大きな話題を呼ぶ。その後も定期的なリリースを重ね、リリースから半年で総再生回数100万回を突破。
2021年には、Spotifyの「RADAR:Early Noise 2021」に選出される。2022年8月に『SUMMER SONIC 2022』東京・大阪に出演。2023年3月には米国テキサス州オースティンにて開催された世界最大級の複合フェスティバル『SXSW 2023』にも出演を果たした。国内外のミュージシャンやプロデューサーからのラブコールも多く、国やジャンルを問わず様々なクリエイターとコラボレーションも積極的に行なっている。
エクレクティックな感性で、鬱屈とした時代の空気や感情を、カオティックにないまぜにしながら、誰も聴いたことのないポップ・ミュージックを産み出す——次世代型アーティスト、カメレオン・ライム・ウーピーパイが世界をマッドなオレンジ色に塗り替える。

【INFORMATION】
◉HP:https://clwp.jp/
◉オフィシャル Instagram:https://www.instagram.com/chameleon.lime.whoopiepie/
◉オフィシャル Twitter:https://twitter.com/chi_clwp
◉YouTube オフィシャルチャンネル:https://www.youtube.com/@CHAMELEONLIMEWHOOPIEPIE

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