TohjiとLootaとの『KUUGA』もサプライズで実現!ジャンルを超越するBrodinskiのDJプレイがヤバすぎた


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ドープなトラップからエクスペリメンタルなヒップホップビーツ、さらにはダークなレゲトン、エネルギッシュなクドゥーロまで…。ジャンルを超越するヒップホップの革新者は、やはりヤバかった。5月3日、ZEROTOKYOに降臨したBrodinskiのDJプレイは、それくらい興奮を覚えるものだった。
フランス出身のBrodinskiは、2000年代後半からラップとエレクトロを自在に行き来するスタイルを先駆けて確立した人物だ。新世代のDJとして多くのアーティストたちのロールモデルとなった。2010年代には自身のレーベル「Bromance」を設立し、ヒップホップとエレクトロの両面でフランスの新たな才能を世界に紹介。さらに自身もプロデューサーとして、Kanye Westのアルバム『Yeezus』に参加するなど、本格的にヒップホッププロデューサーとしてのキャリアをスタートした。それ以降は、移住先であるアトランタを拠点に多くのUSのラッパーとコラボを果たしている。
また、2020年代に入ってからは、日本人ラッパーのTohjiやLootaとのコラボアルバム『KUUGA』を発表したことで、日本のヒップホップシーンからもそのプロデュース能力に大きな注目が集まった。
そんなBrodinskiが出演したのは、今や東京を代表する大箱クラブとなったZEROTOKYO。この夜は同クラブのオープン1周年記念パーティーの一環として行われた。
今や日本のヒップホップシーンとも縁が深いBrodinskiをヘッドライナーに迎えたこのパーティーでは、その先鋭的なヒップホップサウンドと共鳴する日本の人気ラッパーやDJが集結。メインフロアでは、KiriとShioriyBradshawがDJとして、イベント前半戦をウォームアップしていった。


時刻が午前2時を過ぎた頃からは、ラッパーによるライブタイムがスタート。最初にステージに登場したのはJUMADIBAだ。浮遊感のあるトラックが印象的な「Fontaine」や「Naiya」などを披露し、次に登場したralphにバトンを繋いだ。そのralphは、リリックもサウンドもドープなドリル曲「POP KILLERS」などを披露したほか、サプライズでゆるふわギャングをステージに招き入れ、コラボ曲の「Cho Fast」を披露。さらにライブの最後には先ほどステージを沸かせたJUMADIBAとともに「Get Back」で盛り上げた。


そして、Brodinskiの盟友でもあるLootaは、この日別のフロアでDJとして出演していたGliiico、Brodinskiとのコラボ曲「The Light」や「Usual Suspects」だけでなく、現在、日本のヒップホップ曲として最も人気があるアンセム「チーム友達」の自身のリミックスも披露。さらには代表曲「It G Ma」でフロアを爆発的に盛り上げ、最後はこの日3度目の登場となるJUMADIBAとともにコラボ曲「Don’t Look Down」でライブを締め括った。

そして、時刻が午前3時を過ぎた頃、ついにヘッドライナーのBrodinskiが登場。この日は盟友Lootaが同じイベントに出演することもあって、どこかのタイミングで共演が実現することを期待していた。しかし、その期待は良い意味で裏切られた。なぜなら、BrodinskiのDJセットはLootaだけでなく、もうひとりの日本の盟友であるtohjiをステージに招き入れるかたちでスタートしたからだ。そう、初っ端からこの3組のコラボアルバム『KUUGA』からの曲が披露されたのだ。

3人はマイクチェック時の発声の音が印象的な『KUUGA』収録曲「Oni」からライブをスタートすると、そこから「Iron D**k」、「Tob」を続けて披露。この最高のサプライズに会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。

しかし、Brodinskiの勢いはここでは止まらない。サプライズでのショットライブ後は、いきなりヒップホップではなく、ファンキーかつエネルギッシュなクドゥーロ(アンゴラで生まれた音楽ジャンル)風のトラックをプレイ。この速いテンポで駆け抜けるようなビートをエクスペリメンタルな『KUUGA』曲の後にチョイスするBrodinskiの選曲センスには、正直なところとても驚いた。同時にこの強烈な緩急の付け方に、以前からヒップホップとエレクトロやテクノを織り交ぜるスタイルを得意としてきたBrodinskiらしさを感じるとともに、同じダンサブルな曲でもクドゥーロをチョイスするところに彼のDJプレイにおける最新モードを感じずにはいられなかった。

その後もBrodinskiは、Lootaとのエクスペリメンタルなコラボ曲「Hokuto」やドープなトラップ、さらにはダークなレゲトン、バイレファンキ、そして先述したクドゥーロなどを織り交ぜながら多彩なDJプレイを展開。多くの日本のクラバーが体験したことがないであろう斬新な選曲でフロアを最後まで盛り上げ続けた。この圧倒的な選曲センスから彼のDJプレイが唯一無二であることがしっかりと伝わってきたことは言うまでもない。

そして、今回の来日公演を終えたBrodinskiからのメッセージも届いた。
「ZEROTOKYOは本当に素晴らしいと思います。超未来的な雰囲気があって、大きくて、クレイジーなLEDもある。それに良い感じの人たちもたくさん遊びに来ていましたね。ここでプレイできて良かったです。今回、初めて新宿でプレイしましたが、普段は他のエリアでプレイすることが多いので、このエリアでプレイできたのは本当に良かったと思います。
それと観客の反応もクールでしたね。みんな、本当に興味深そうに聴いていましたが、今夜はラッパーやいろいろな音楽を取り入れたので、普段とはちょっと違ったことができました。ZEROTOKYOにとっても新しいサウンドになったはずですし、そういうものを提供すれば、これまでとはまた違ったものを生み出せると思います。それに新しい取り組みを始めるときは、興味を持ってくれる人が集まってくるので、クラブにとってもすごく良いことだと思います。
あとGliiicoのDJセットを見れたし、ralphのライブも、Shioriyのパフォーマンスもみんな最高でした。それに今夜はLootaもいて、Tohjiがゲストで来てくれたのは本当に嬉しかったです。みんなと話せたし、バックステージの雰囲気も最高で本当にクールでした。
日本が大好きだから、また来日できる日を楽しみにしています。いつも呼んでくれて本当にありがとう。日本の人たちの優しさにいつも感動しています」
Brodinskiの言葉からは、ZEROTOKYOの環境やこの日の観客への高い評価と、日本への深い愛着が感じられる。そんな彼を迎えられたことは、ZEROTOKYOにとっても大きな喜びであったことだろう。サプライズゲストの登場や圧倒的な選曲センスのDJプレイでこの日フロアに集まったクラバーを十分に魅了したBrodinski。その言葉どおり、また近いうちに来日してくれることに期待したい。
そして、Brodinskiのような世界的に活躍するアーティストを招聘できるのも、ZEROTOKYOの努力と実績があってこそだろう。同クラブは、この1年にわたり、国内外のエッジィーなDJたちのブッキングだけでなく、最新のサウンドシステムと照明&映像による演出システム、ホスピタリティで日本のクラブシーンに新風を吹き込んできた。それだけに今後も日本のクラブシーンにおいて、新たなクラビングの価値や楽しさを提示し続けてくれるはずだ。これから始まる"2年目のZEROTOKYO"にも大いに期待したい。



