J. Cole、Wiz Khalifaらが“好きなものを好きなときにリリースする”動きを見せている。かつてインターネットとミックステープ文化を武器にヒップホップシーンを席巻した『Blog Era』が再燃か。その意味とは？

どんな相手でも崩れないスタンスがJ. Coleの魅力だ。

<p>Drake（ドレイク）のニューアルバム『For All The Dogs』収録の「First Person Shooter」にフィーチャーされたことで、自身のキャリア史上初となるBillboard Hot 100での1位を獲得したJ. Cole（J・コール）。</p>
<p>ノースキャロライナ州ファイエットビル出身で独学で音楽の知識を身につけた彼は稀代のリリシストとして多くのラッパーに愛され、フィーチャリングの誘いが絶えることはない。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Drake - First Person Shooter (Audio) ft. J. Cole" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/sRs2o36a1Us?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>アルバムリリース無しで驚きの仕事量</h3>
<p>J. Coleはソロ名義のリリース量が多いラッパーではない。コンピレーションを合わせればそれなりと言えるが、ソロアルバムのリリースは2021年『The Off-Season』、その前は2018年の『KOD』となっている。にも関わらず今年だけを見ても彼のフィーチャリング曲は数多くヒットしていて、さらにそのメインアーティストも幅広い。</p>
<p>Stray Kids（ストレイ・キッズ）がリミックスで参加したことも話題のLil Durk（リル・ダーク）との「All My Life」から、BTSのメンバーJ-HOPE（J・ホープ）とは「On The Street」でコラボ。ヒップホップだけでなくR&amp;BではSummer Walker（サマー・ウォーカー）、そしてアフロビーツ界のヒットメーカー、Burna Boy（バーナ・ボーイ）の最新アルバムにも参加している。これは全て今年だけ（さらに曲数はあるが）の彼のフィーチャリングワークで、その仕事量には改めて驚かされる。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Lil Durk - All My Life ft. J. Cole (Official Video)" width="500" height="375" src="https://www.youtube.com/embed/Z4N8lzKNfy4?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
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<h3>どんなコラボでも崩れないスタンス</h3>
<p>使い古された言葉ではあるがJ. Coleのラップは“リアル”だ。言い換えれば人間味を感じる。大金を見せびらかせてフレックスするようなラップではなく、ポジティブなバイブと、ネガティヴな感情の両方を受け取ることができる。過去に憧れのNas（ナズ）を落胆させたとし「Let Nas Down」という曲までアルバムに収録していたこともあるほどだ。</p>
<p>と思えばヒップホップ界のレジェンドグループ、Gang Starr（ギャング・スター）の「Family and Loyalty」に参加した時は「痛みが賢さをもたらし、自身に投資すること」などをラップ。反骨精神の塊のようなラップを聴かせてくれる。</p>
<p>初期の代表曲「Work Out」では恋愛もネタにし、Drakeとの「First Person Shooter」では「俺とDrakeとKendrick Lamarがラップ界のビッグスリーだ」と豪語。ラッパーとのビーフも避けることなく、堂々と渡り合う。本当に隙の無いラッパーだ。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Gang Starr - Family and Loyalty (feat. J.Cole)  [Official Video]" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/iMsdzxuldQM?start=6&feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<p>J. ColeのフィーチャリングワークはDrakeのような全米1位確実!! というアーティストだけでなく、Big K.R.I.T.（ビッグ・クリット）やRapsody（ラプソディー）のようなチャート上位でなくとも確実に人気のある個性的なラッパーも多い。</p>
<p>間違いなく現代のフィーチャリング・キングの1人と言っていいだろう。</p>
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DrakeからJ-HOPEまで。J. Coleのフィーチャリングリストの幅広さ

J. Coleは「ビートを世界中に共有している全てのプロデューサーに感謝したい」とコメント。ニューアルバム『It’s a Boy』もリリース間近か？

<p>2021年にリリースした『The Off-Season』以来のニューアルバムを現在制作中と噂されているラッパーのJ. Cole（J・コール）が突如ニューシングル「procrastination (broke)」をサプライズリリースした。しかもその曲はJ. Cole名義のオフィシャルリリースではなく、YouTube上で見つけた“J. Cole Type Beat”を使用したものという事でネット上では話題となっている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="J. Cole - procrastination (broke)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/KcTz_hpRNGY?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>自らタイプビートを検索</h3>
<p>タイプビートとはその名の通り「〇〇っぽいビート」のことで、有名ラッパーをイメージして作られたものを指す。YouTubeで楽曲を検索する際に、アーティストの名前を打ってタイプビートが検索結果に出てきた経験がある人も多いだろう。J. Coleも例に漏れず、スタジオに通う中でインスピレーションを欲していた時に「J. Cole type beat」と検索してみたそうだ。</p>
<p>Bvtman（バットマン）というプロデューサー名で投稿していた彼のトラックを1番初めに見つけて、そのまま曲を書いたというJ. Cole。さらにはその曲をレコーディングしたのちにBvtman本人にプレゼントしたというのも、J. Coleの人柄が表れているエピソードだ。ちなみにBvtmanのチャンネルでは他にもKendrick Lamar（ケンドリック・ラマー）やNipsey Hussle（ニプシー・ハッスル）をイメージしたタイプビートも投稿されている。</p>
<p><div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" title="Kendrick Lamar x Nipsey Hussle Type Beat &quot;Czar&quot; || [NEW 2023]" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/h8x7qeefNfo?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe></div></p>
<h3>世界中のタイプビートメーカーを勇気付けるJ. Cole</h3>
<p>YouTubeでビートを探しレコーディングしているアーティストは他にもいるが、自分のものにせずプロデューサーにそのままあげてしまう事は、J. Coleクラスのアーティストでは今まで聞いたことがない。さらにJ. Coleは「ビートを世界中に共有している全てのプロデューサーに感謝したい」ともメッセージを送っている。続けて「自分のようにハングリーで毎日メロディーやバースを求めている人間がいるんだ」と書かれていて、これはどんなプロデューサーでもチャンスがあることを意味しているだろう。</p>
<p>このテキストメッセージはJ. Coleのマネージャーを通してBvtmanに送られたもので、彼はその時に車を運転していたが何が起こったか信じられなかったとInstagramでコメントしている。J. Coleは今年に入ってから自身のInstagramページの全ての投稿を削除しており、リリースが期待されている中での今回の出来事。もしかするとアルバムにはまだ無名のプロデューサーが参加している可能性もあるかも？</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="en" dir="ltr">J. Cole has cleared his Instagram 👀 <a href="https://t.co/R1KfZzIZDQ">pic.twitter.com/R1KfZzIZDQ</a></p>
<p>&mdash; Rap Favorites (@RapFavorites) <a href="https://twitter.com/RapFavorites/status/1610095651953737729?ref_src=twsrc%5Etfw">January 3, 2023</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>今のところJ. Coleのニューアルバムのタイトルは『It’s a Boy』になるだろうという以外に情報は出ていない。</p>


J. ColeがYouTubeで見つけたタイプビートでレコーディング! 楽曲はビートを制作した無名プロデューサーにプレゼント

一体誰の責任なのか？Wiz Khalifaのやりすぎた行為は各地のDJ達にとってもショックだった。

<p>「See You Again」の世界的ヒットで知られるラッパーのWiz Khalifa（ウィズ・カリファ）。7月末に4年ぶりとなるニューアルバム『Multiverse』をリリースし勢いに乗りたいところだったが、自らの行為で思わぬ足踏みとなりそうだ。</p>
<p>ロサンゼルスのナイトクラブでDJに対して彼がとった態度が波紋を呼んでいる。</p>
<p><iframe loading="lazy" src="https://open.spotify.com/embed?uri=spotify%3Aalbum%3A1Y0BUOx2nMBDL3uj4JM0IR" width="300" height="380" frameborder="0" allow="encrypted-media"></iframe></p>
<h3>俺の新しい曲をかけろ!!</h3>
<p>その日、ニューアルバムのリリースイベントという名目でクラブに訪れたWiz Khalifaは、DJブースの横でマイクを握ると喧嘩口調でDJを罵った。</p>
<p>彼の言葉から察するにリリースしたばかりのアルバムから曲がかかっていなかったのだろうが、一概にDJの責任とは言い切れない。もちろんリリースイベントなのでDJが曲を用意しているものと思うだろうが、Wiz KhalifaのマネージャーやイベントプロモーターがDJと話し合っていたかも疑問だ。</p>
<p>責任が誰にあろうと、Wiz Khalifaのとった態度はやりすぎで最終的には手でDJを押しのける様子も撮影されている。クラブという場所はDJが音楽をかけてこそ成り立つ場所であるし、いかに有名ラッパーといえど目に余る行為だとSNSではWiz Khalifaを非難する声があがっている。</p>
<p></p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true">
<p lang="en" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/wizkhalifa?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#wizkhalifa</a> Goes off on DJ Mike Danger and MC Tron for being “horrible” at their jobs and offered up the fade to them at Poppy night club in LA <a href="https://t.co/dqPVGil3ZG">pic.twitter.com/dqPVGil3ZG</a></p>
<p>&mdash; No Jumper (@nojumper) <a href="https://twitter.com/nojumper/status/1553812906654871552?ref_src=twsrc%5Etfw">July 31, 2022</a></p></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<h3>ヒューストンでは出入り禁止にも？</h3>
<p>Wiz Khalifaの行動は瞬く間にSNSで広がり、ついにはベテランDJ達もSNSでコメントを投稿。ヒューストンを拠点とするDJのOG Ron C（OG・ロン・C）は別のDJが投稿した「Wiz Khalifaの曲をプレイするのをやめよう」という投稿をリポストし賛成の意を示した。</p>
<p>またレジェンドDJのKid Capri（キッド・カプリ）は最近のインタビューで「DJに対してのリスペクトが欠けている」とシーン全体に対して指摘。Wiz Khalifaの行為についても「あの場でDJをディスすることは馬鹿げている」とコメントした。</p>
<p><iframe class="instagram-media instagram-media-rendered" id="instagram-embed-0" src="https://www.instagram.com/p/Cgwzq9XLBSU/embed/captioned/?cr=1&amp;v=12&amp;wp=1080&amp;rd=https%3A%2F%2Fnewadmin.block.fm&amp;rp=%2Fnews%2F8336#%7B%22ci%22%3A0%2C%22os%22%3A294678.15999999584%7D" allowtransparency="true" allowfullscreen="true" frameborder="0" height="832" data-instgrm-payload-id="instagram-media-payload-0" scrolling="no" style="background: white; max-width: 540px; width: calc(100% - 2px); border-radius: 3px; border: 1px solid rgb(219, 219, 219); box-shadow: none; display: block; margin: 0px 0px 12px; min-width: 326px; padding: 0px;"></iframe> <script async="" src="//www.instagram.com/embed.js"></script></p>
<p>実際にWiz Khalifaとともにクラブにいた人間の意見としては「DJがWiz Khalifaのパフォーマンスを台無しにした。あの行動を取ったのには理由がある」と擁護するが、それでもやりすぎだという意見が多い。DJとラッパーの違えはあれど同じヒップホップの仲間としてお互いにリスペクトを持つことが必要だろう。今のところWiz Khalifaからのコメントは発表されていない。</p>


Wiz Khalifa、自分の新曲がかからないことに怒りクラブでDJをディス

Yanatake

渡辺志保

<p>ディレクターYANATAKEがお送りする block.fm の人気ヒップホップ専門番組！2015年7月より毎週放送！渡辺志保とYANATAKEがナビゲーターを務めてお送りします。</p>


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ヒップホップの一時代「Blog Era」が再燃？J. Cole、Wiz Khalifaらが切り開く“レーベルに縛られない”新たな流れ

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