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インタビュー|八木海莉⚡️電音遊戯 異色の3人が奏でる、“音で遊ぶ”ダンスミュージックとその素顔

2025/08/27 18:00
block.fm編集部
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PHOTO: Ki Yuu
異なるバックグラウンドを持つ八木海莉、藤田聖史、市原太郎によるユニット・八木海莉⚡️電音遊戯。待望の1st EP『ACTION』の制作秘話から、3人の音楽観や意外な素顔までを掘り下げる。

ポップでキャッチー。不思議な中毒性があって、気づいたらいつも口ずさんでいる。

そんな、新しい潮流を感じさせるダンスミュージックを生み出す、新進気鋭のユニット・八木海莉⚡️電音遊戯が待望の1st EP『ACTION!EP』をリリースした。

シンガーソングライターとして10代から活躍する八木海莉と、ジャンルレスな音楽性で話題を呼んだオルタナティブ・ロックバンド鋭児のキーボード、藤田聖史。そして同じく鋭児からドラムス、市原太郎。異なるフィールドで活動してきた3人が集まり、ジャンルの垣根を超えた“音で遊ぶ”音楽を届けるプロジェクトだ。

個性もバックグラウンドも異なる彼らが、どのようにして出会い、音を重ね、化学反応を起こしていったのか。

前半はユニット結成のきっかけやEP制作の裏話を、後半はトピックごとに自由に語ってもらう座談会形式で、電子音楽に出会ったきっかけや最近ハマっていることまでたっぷりと話してもらった。

個性あふれる3人が“音で遊ぶ”。ユニット・八木海莉⚡️電音遊戯の幕開け

ーユニット結成のきっかけを教えてください。

八木:もともと1人で音楽を作っていて、その中でいろんな人とコラボする機会はありました。ただ、誰かと継続して一緒に音楽を作ってみたいと思っていたんです。自分ひとりではできない音楽を一緒にできる仲間はいないかなと探していたときに、お二人に出会いました。

藤田:初めて会ったのは名古屋で、たまたま八木さんのライブを見て挨拶させてもらったときです。その後は2年くらい会わなかったんですが、「一緒にやろうよ」と声をかけてもらって、電音遊戯としての活動が始まりました。嬉しいお誘いでしたね。

市原:八木ちゃんのソロでサポートをしている共通の友達がいて、よく車で曲を聴かせてくれてたんです。「歌詞も面白いし、めっちゃいい曲なんだよ」って言って。その後ライブにも誘ってもらったので見に行き、3人で初めて揃って会ったときに色々お話して、ぜひ一緒にやろうということになりました。

ー八木さんは、市原さんと藤田さんのバンド・鋭児のことをご存知でしたか?

八木:知っていました。かっこいいなと思っていたんですが、自分と一緒にやったらどうなるのかは全く想像できなかったですね。でも実際に話してみたら、音楽の印象とは違ってすごく話しやすい人たちで、安心してスタートできました。

ー楽曲制作はどのように役割分担していますか?

八木:セッションのように3人で集まってゼロから作るパターンもあれば、2人がトラックを持ってきてくれて、そこにメロディーを乗せたり、一緒にメロディーも作ったりと、いろんなやり方があります。基本的には2人がトラックを作り、私が歌詞を書く流れが多いですね。

ー曲の方向性はどうやって決めているんですか?

八木:電音遊戯を始めるときに、それぞれ「どんな曲が合うだろう」というリファレンスをまとめていました。その中から作ることもあれば、新しい提案からスタートすることもあります。

藤田:「最近こういう曲を聴いてる」「こういう曲があったらいいよね」と常にシェアしています。週1回は必ず集まって、自分が作ったものを持ち寄って聴いてもらうんですが、いつもちょっとドキドキします(笑)。

八木:発表会みたいだよね(笑)。

藤田:そう。反応良いと「よかった〜!」って思うし、また頑張って作ろうっていうやる気が出ます。その流れで制作するのはすごく楽しいですね。

ーちなみに、ユニットとして一番最初にできた曲は?

市原:ライブではすでに披露していますが、まだリリースしていない曲です。今後を楽しみにしてもらえると嬉しいです。

ー「ACTION!」はTVアニメ『真•侍伝 YAIBA』のEDテーマということで、普段の制作となにか違ったことはありましたか?

八木:みんなで原作を読んで作るのは初めてでしたね。土曜の夕方に流れる曲なので、よりポップさを意識しました。

藤田:トラックは僕が作ったんですが、主人公の男の子と一緒に冒険している気持ちで、1曲の中に様々な要素を詰め込みました。聴く人が一緒に旅をしているような気分になれる曲です。

市原:歌詞についても、「こういうストーリーを入れたほうがいいんじゃない?」とみんなで話し合い、かなり時間をかけて作りました。

八木:そう。どれが一番良い形なのか探すのが大変でしたね。

ーアニメのテーマソングだとTV尺は90秒だと思うんですが、その90秒の中にストーリーを入れ込むことも大変そうだなと、今聞いていて思いました。

藤田:確かに難しかったです。一人ではたどり着けなかったと思います。みんなでアイデアを出し合いながら完成させていきました。制作自体が旅のようでしたね。

八木:なんかかっこいい!(笑)

ー1st EP『ACTION』について、まとまった作品を作る上で、特に重要だった楽曲について教えて下さい。

八木:ライブの後に「こういう曲が足りないな」と気づき、その感覚を反映して制作しました。中でも「ラブレター」は、EP全体の中でも良い抜け感を与えてくれていると思います。

藤田:僕は「フロアソング」。これまで作ったことのない陽気なリズムの曲で、ラテンっぽい軽快さがありつつ、ビートはストイックでかっこいいダンスミュージックになりました。

市原:「八木海莉⚡️電音遊戯のテーマ Vol.1」ですね。レコーディングのときに3人でブースに入り、「とにかくなんでもいいから叫ぼう!」と言って叫んだり適当なことを録音して、それをトラックに詰め込みました。このユニットの“遊戯”の部分が詰まった、印象的な曲です。


ーこのユニットにしかできないことがあるとしたら、どんなことだと思いますか?

八木:ソロもやっていますが、名前の通り「音で遊ぶ」部分が、このユニットの大きな魅力だと思います。

藤田:僕と市原はオルタナティブ・ロックバンド出身で、クセのある面白いことを色々やってきました。そこに八木さんがリリックやメロディを乗せると、毎回化学反応が起きるんです。その化学反応が本当に楽しくて、その空気を楽曲やライブでそのまま伝えられたらと思っています。

市原:楽曲は打ち込みで作っていますが、ライブではリズムのヨレや音圧のダイナミクスを3人で、生楽器や生音で出せるのが強みだなと思っています。音源を緻密に再現するよりも、その瞬間だけの空気を作りたいと思っています。

ー最後に、このユニットとしての目標はありますか?

八木:たくさんライブをして、大きいステージにも立ちたいです。

藤田:日本はもちろん、海外にも行きたいですね。

市原:この3人だけでなく、さまざまな音楽仲間と関わっていきたいです。

藤田:まだ知らない世界に3人で行きたいですね!

▼インタビューを動画で観る

***

前半でたっぷり語ってもらった結成エピソードや制作の裏話。

ここからはテーマを変えて、よりラフな座談会タイムに突入!音楽のルーツから最近ハマっていることまで、3人のキャラクター全開でお届け。

■電子音楽ってかっこいい!と思ったきっかけのアーティスト

八木:小さい頃から聴いていたのはPerfumeさんと、平沢進さん。学生時代にボカロも聴き始めて、それからずっと好きです。

藤田:僕も八木さんも広島出身で、Perfumeは僕らの大先輩だよね。中学の体育の授業で「チョコレイト・ディスコ」を踊ったこともあって、あれで「踊るの楽しい!」って感じられたのかも。

市原:テレビで流れていて、あそこまでダンスミュージックがメインの曲って他にあまりないよね。

藤田:そう。大人になって改めて聴くと、音の部分でもかっこいいところがたくさんあって。

八木:ずっとかっこいいよね。

市原:でも八木ちゃんが平沢進好きなの、ちょっと意外。

八木:映画『パプリカ』で知って、ライブ映像も観て「かっこいい!」って思って。そこからずっと聴いてます。

藤田:かっこいいよね。僕が電子音楽を好きになったきっかけは、Radiohead(レディオヘッド)の「Kid A」。高校1、2年のときに、あのフワフワしたシンセサイザーの音を初めて聴いて、それまで聴いていたバンドとは全然違う音楽で。当時は「これを聴くのがかっこいい」と思ってた部分もあったけど(笑)、聴いているうちにどんどん好きになっていきました。

市原:僕はコロナ禍で家にこもって音楽を聴き漁っていて、アンビエントを聴いていたらJan Jelinek(ヤン・イェリネック)というドイツの音楽家を知って。彼はレコードのノイズとかを曲にするんだけど、「こんなノイズも音楽になるんだ!」って衝撃を受けました。そこからかっこいいと思うようになって、意識的に聴くようになりました。

■ユニット活動を通して知ったお互いの意外な一面

八木:もう会ったときからずっと意外でした!太郎ちゃん(市原)は見た目ハーフか外国の人かなって思ったら純日本人だし、聖史くん(藤田)は無口そうって思ったらすごいおしゃべりだし(笑)。

市原:八木ちゃん、聖史といると最近ずっと笑ってるもんね(笑)。

藤田:笑顔っていうか、ヘラヘラしてるっていうか…(笑)。僕からすると、八木さんは、会う前はクールなイメージでした。でも実際はよく笑う人で(笑)、制作のときも和気あいあいだよね。

太郎とは付き合いが長いんですが、このプロジェクトで「太郎ってこういう曲も作るんだ」と、バンドでは見えなかった一面が見えるようになりました。お互い成長できてるなと感じます。

市原:切磋琢磨できてるよね。僕から見た意外な一面は、八木ちゃんがあまり寝ないこと。制作で集まると、毎週のように「昨日2時間しか寝てない」とか言ってる。

八木:いや、違う…。

市原:え?違うの?

八木:寝ないのはかっこいいと思ってるけど(笑)。寝なければ他の人より強くなれるって思ってるから。

藤田:今、令和だぞ(笑)。

八木:制作のときの「寝てない」は、みんなが色々と楽曲の案を持ってくるのに、自分も何か持っていかないとと思って、ギリギリまで考えてるからで。だから、みんなに会う前は極限に眠い(笑)。

市原:そういうことか。

藤田:みんなでガッツリやるときって、お昼頃に集まって、終電間際までやるんですよ。その間、八木さんはずっと歌ってる。フルでずっと。体力すごいなっていつも思ってます。

■今気になっているダンス・ミュージックのジャンル

市原:さっき話に出たJan JelinekがやってるIDMっていうジャンル。Aphex Twin(エイフェックス・ツイン)とかAutechre(オウテカ)が有名ですね。偶発的に生まれた音を音楽にしていく感じがかっこよくて、今後はそういう要素を電音遊戯に取り入れられないかなと考えています。

藤田:尖ったアプローチだね。僕は80年代のシンセ・ポップ。若い頃に無作為に聴いていたときはジャンル感を意識してなかったけど、電音遊戯で制作していて改めて聴くと、音色に年代の特徴が出ていることに気づきました。最近はHoward Jones(ハワード・ジョーンズ)を勉強も兼ねて聴いていて、シンセやドラムの音使いを研究しています。

市原:ドラムの音が一番時代感出るよね。80年代は特に特徴的。

藤田:リバーブ感とかね。あと最近太郎が教えてくれたEspecia。

八木:あれ良かったよね。

市原:大阪のガールズグループなんですが、曲がすごく良くて。ジャンル的にはVaporwaveで、2人に聴いてもらったら気に入ってくれたんですよ。それで聖史がすぐに自分なりに解釈してトラックを作ってくれました。

藤田:Vaporwaveの成り立ちを調べたら、80年代の音楽をサンプリングしていると知って、そこから掘り下げてHoward Jonesにたどり着いた感じ。

市原:ユニットとしてはまだまだ手探り状態だからこそ、何でも試せる雰囲気がすごく楽しいよね。

■休日の過ごし方

八木:めちゃくちゃインドアなので、家で気ままに好きなことをして過ごしてます。

市原:何やってるの?ゲームとか?

八木:そう。趣味が多くて、ゲームや漫画、アニメを観たり。あと粘土でいろいろ作ったり、絵を描いたりもする。

藤田:僕も似たような感じ。猫を飼っていて、猫をお腹の上に乗せてずっとアニメ観たり。あと、ずっと家にいるのは良くないと思って、1日3回散歩の時間を設けてます(笑)。

八木:3回も?すごくない?

藤田:1回10分、日光を浴びて帰って来る(笑)。健康に気を使ったインドア生活です。

市原:そう言われると、僕も基本は家にいる。散歩を意識的にするぐらい。休みの日は意外と音楽も聴かないかも。

八木:何してるの?

市原:食べるのが好きだから、ご飯を食べに外出することはある。でも何も予定がない日は、寝っ転がって天井を見てるだけで2時間くらい余裕で過ごせます。結構“無”になるのが好きで(笑)。一番スッキリする。

■今ハマってる意外なもの

市原:毎朝の納豆卵かけご飯。

八木:やっぱ食べることが好きなんだね。

市原:急にハマっちゃって。朝と夜に納豆を食べてます。

八木:私はナチュラルローソン。見たことないお菓子とか、気になるものがいっぱいあって。気づいたらかごがいっぱいになってる。最近の楽しみです。

市原:海外のものもいっぱいあるよね。

藤田:僕も近いかも!この2ヶ月くらい主食がクリーム玄米ブランになってて…。

市原:近いか…?(笑)

藤田:夏って食欲なくなったり、作るのも面倒なことあるじゃないですか。そういうときにずっと食べてたら、気づいたら1日3食クリーム玄米ブランになってて。

八木:たしかに、昨日も食べてた。

藤田:3食はよくないよね…(笑)。

■これから挑戦したいこと

八木:Blenderっていう3DCGを作るソフトに興味があって、やりたいなとずっと思ってます。

市原:めっちゃ難しそう。

八木:知り合いがやってるのを見て、「なんかできそうかも」って思って、とりあえずインストールだけはしました(笑)。

市原:ライブでVJとかもやれちゃうんじゃない?

八木:いや、それは考えない(笑)。趣味の範囲で。

藤田:かっこいいね。僕はDIYが好きで、前の家は築60年の一軒家を自分で直して住んでました。25〜26歳の頃で、そのとき音楽はほぼやめてた状態だったんですけど。悩んでたとかではなく、家具とか部屋を作るのが楽しすぎて。そうしたらアーティストの友達に、「その年齢で音楽にちゃんと向き合わずに逃げてたら、本当に終わりだよ」って言われて。そこから怖くなって(笑)、DIYを辞めて今は音楽をやってます。

八木:じゃあ本当はDIYがやりたいんだ。音楽やめたら困るよ(笑)。

藤田:10年後くらいにね(笑)。音楽といいバランス感でやっていきたい。

市原:僕はダンスをやってみたい。

八木:へぇ!いいじゃん。

市原:八木ちゃんダンスできるし、踊れる人ってかっこいいし音楽にも活きると思う。ドラムやってるのもあって。知り合いのダンサーに「運動神経悪くてもダンスはできるよ」って言われたから。

八木:始めるのに早いも遅いもないしね。

市原:八木ちゃんにもちょくちょく教えてもらおうかな(笑)。

■電音遊戯として一番テンションが上がるとき

八木:トラックが届いたとき、歌詞がハマったとき、曲が完成したときです。

藤田:僕も、自分の作ったトラックにメロディーや歌詞を乗せてくれたとき。「こんな感じになるんだ!」って、予想外のものが来たときはテンションが上がります。この間も八木さんから朝6時くらいに送られてきて。聴いた瞬間「めちゃくちゃいいじゃん!」って。で、「八木さん、朝までこれやってたんだな」って思って。朝まで頑張ったものがすごく良かったって、なんかめちゃくちゃいいですよね。

八木:直接会ったときも「めちゃ良かった!」って言ってくれてたよね。

市原:僕も同じかな。スタジオで完成した曲を聴いて、聖史が踊りだして、僕もそれに乗っかって。気づいたら八木ちゃんも踊ってる。あの瞬間が一番楽しいです。

■ファンにメッセージをお願いします

八木:これからもたくさん曲を出して、いろんな姿が見せられると思います。まずはEPをたくさん聴いてください!

藤田:八木海莉⚡️電音遊戯としての活動はまだ始まったばかりなので、たくさんの人に届いてほしいです。めちゃくちゃ良いEPができたので、聴いてください。

市原:僕らなりの踊れる音楽を作ってるので、ぜひライブにも遊びに来てほしいです。

▼座談会トークを動画で観る

Photo by Ki Yuu

【リリース情報】


CDパッケージ『ACTION!EP』
[初回仕様限定盤]  KSCL-3610~3611 ¥3,630(税込)
初回仕様:オリジナルデザインアニメ絵柄ワイドキャップステッカー付き

-CD-

  1. ACTION!
  2. (完)無理!
  3. 八木海莉⚡電音遊戯のテーマ Vol.1
  4. フロアソング
  5. ラブレター
  6. B2B

-Blu-ray-

  1. “猫ダッシュ” MUSIC VIDEO
  2. “MEMOして” MUSIC VIDEO
  3. “ACTION!” MUSIC VIDEO
  4. BEHIND THE SCENES OF “ACTION!”
  5. KAIRI YAGI ELECTRIC-PLAY SPECIAL INTERVIEW VIDEO

配信リンク:
https://kmu.lnk.to/ACTION_EP

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