昨年、11月に41歳の若さで亡くなった有名デザイナーであり、DJとしても活動していたVirgil Ablohを偲ぶ巨大壁画が彼の地元シカゴで公開された。

60フィートの高さにも及ぶ壁画を手がけたのはシカゴ拠点のグラフィティ・アーティスト

60フィート（約18メートル）の高さにも及ぶ「‘VIRGIL ABLOH “WILD STYLE” GRAFFITI TRIBUTE MURAL’」と題された壁画は、シカシカゴにあるTime Out Marketの階段の吹き抜け部分に描かれたもの。制作はこれまでにもMF DOOMやプリンスなどの壁画やストリートアートをシカゴ周辺で制作してきたシカゴ拠点のグラフィティ・アーティストのRahmaan Statikが担当している。

Rahmaan Statikは、Fox 23 Chicagoのインタビューで「自分と同じ年代のアーティストで、若くしてキャリアを中断されることを余儀なくされた人をを見ると、深く影響される」、「彼が創造的な1人の人間として提供しなければならなかった他のものを世界は見逃すことになる」などと語っている。

またこのプロジェクトを監督したLevar Hoardは、Complexに「Virgilは最期の時までずっとコミュニティに手を差し伸べていた人物だった」、「彼と同じくらい稀有な存在であり、同じレベルに達しているような黒人男性、黒人クリエイターのロールモデルの例はそう多くない」と語っている。

ファッション業界だけでなく音楽業界にも多大な影響を与える

実際にVirgil Ablohは、ファッションデザイナーとして輝かしいキャリアを築き上げただけでなく、グラミー賞にもノミネートされたJay-ZとKanye Westによるコラボ作『Watch the Throne』のアートディレクターを務めたほか、アルバムアートワーク関連では、Kanye Westの『Yeezus』、『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』、Kid Cudi『WZRD』、Lil Uzi Vert『Luv Is Rage 2』、A$AP Rocky『Long.Live.A$AP』、Westside Gunn『Pray for Paris』、Pop Smoke『Shoot for the Stars, Aim for the Moon』なども手掛けている。

また、2019年にはPioneer DJとコラボしたCDJ-2000NXS2とDJM-900NXS2のコラボ機材セットアップをシカゴ現代美術館にて展示するほか、その後、自身のファッションブランド「Off-White」とコラボしたDJコントローラー「DDJ-1000-OW」を全世界台数限定でリリースするなど、クラブシーンでもその存在は際立っていた。