グライム、USとも違う新世代のUK Hip Hopとは?


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今年に入ってからUKGレジェンドのCraig Davidの復活や、イギリスのグラミー賞であるマーキュリー賞をグライムMCのSkeptaが受賞するなど、UKG/グライムシーンが再び注目を集め、また、2015年のブリットアワードでのKanye Westのステージに先述のSkepta率いる「Boy Better Know」クルー、Novelist、Stormzyが登場、Drakeが「Boy Better Know」と契約、A$AP Mobの面々がグライムに対して強い関心を示すなど、USを中心としたHip hopのメインストリームともこれまで以上に強く結びつくといったシーン同士の交流もあってか、今年5月のSkepta来日時のBoiler Roomでは、日本を代表するラッパーのKOHHが出演するなど、昨今のHip Hopと、UKG/グライムの蜜月ぶりは目を見張るものがある。
そんな状況の中、今、イギリスではグライムともUSとも違う新世代の「UK Hip Hop」がにわかに注目を集めており、海外カルチャーサイトDAZEDでは、このUK Hip Hopについての特集を行い、耳の早い音楽ファンから注目を集めているようだ。
それによると、UK Hip Hopは、80年代にニューヨークと同じようにラップ、DJプレイ、ブレイクダンス、グラフィティといったHip Hopカルチャーがアメリカからロンドンに伝播したことをきっかけに生まれたようで、Massive attackの前身として有名なTHE WILD BUNCHとともにイギリスのHip Hop黎明期を支えたLondon Posse、Rodney Pらを輩出。彼らはアメリカのHip Hopマナーを借用しながらも、自分たちの声を届けるロンドンという都市での生活をテーマにリリックを作り上げ、USのものとは違ったカリブ海や多文化の影響を受けたイギリスらしいスタイルを作り出した。
しかしながら、UK Hip HopはTrip Hopというサブジャンルほど世界的な注目を受けることなく、ローカル音楽としてこれまで続いてきたが、ここに来て、独自進化を遂げた、まさに”イギリスのHip Hop”として確立されてきているようだ。
また、このジャンルの特徴は、Boom Bap、Jazz、Soulの要素を持ち、イギリス文化、Hip Hopカルチャーをラップすることで独自性と革新性を確立しているという。ただその中でもさらに独自性を打ち出しているものはどことなく、IDM的なグリッチさを感じさせるもの、極限までミニマル化したもの、ロック、ベースミュージックをサンプリングしたものなども存在し、BPMやビートフォームも様々でバラエティに富んでいると言える。そんなシーンで今注目されているアーティストを以下で紹介していこう。
▶︎THE AGE OF L.U.N.A
ジャジーなサンプリングトラックと、MCとシンガーを交えたスタイルで注目を集めており、最近の作品“Freddie”は90年代のFugeesを彷彿とさせる。
▶︎808INK
代表曲“Crooked. Bad”なんと、Arctic Monkeys、James Blakeなどの曲をサンプリングネタにした独自のセンスが話題になった曲だ。
▶︎OCEAN WISDOM
様々な独自要素を持つ個性的なアーティストが多い新世代UK Hip Hopシーンの中においても異端視されるアーティストで、彼らのホームであるロンドンよりもブライトンにルーツを持つ。機知に富んだ言葉遊びと超高速のリリックで注目を浴びている。
▶︎LOYLE CARNER
感情的かつ内省的なリリックで人気を集め、今のイギリスで最も有望な若手ラッパーと言われている。またジャジーなトラックも人気を集める理由のひとつ。
▶︎JESSE JAMES SOLOMON
Disclosure、Jessie Wareらのリリースで知られるPMR Recordsからリリースするラッパー。ジャジーさだけでなく、時にブロークンビーツ、ベースミュージックの要素を取り入れた独自のトラックワークでも注目を集めている。
このようにまさにグライムでもなく、US Hip Hopでもない、独自進化した新しい世代のUK Hip Hopが、世界的なブレイクを果たす日が来るのもそう遠くないかもしれない?
Written by Jun Fukunaga
