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世界のトップマスタリングエンジニア、Stuart Hawkesインタビュー公開

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Disclosure、Aviciiらを手がける彼が語るマスタリングとは?
2016/04/18 20:30
admin
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Written by Jun FukunagaAmy Winehouseなど世界のメジャーアーティストからDisclosure、Avicii, Katy B、さらには日本のトップクラブミュージックプロデューサーの音源のマスタリングを手がける世界のトップマスタリングエンジニアに、彼が思う「マスタリング」について block.fmスタッフがインタビュー。昨今のbandcampなどでのセルフリリースが誰でも可能になった現在の音楽環境への彼の意見や、ジャンルによる「マスタリング」に対するクライアントからのオーダーの違い、日本のダンスミュージックについてなど、プロエンジニアとしての視点から来る貴重な考え方は作り手でなくともダンスミュージックファンのあなたなら気になるはず。

*Stuart Hawkesがマスタリングを手がけた作品の一部
◼︎Stuart Hawkes Block.fm Interview1.現在では機材、インターネットの発達により、アマチュアでも知識とセンスがあれば、誰でもそれなりにbandcamp などでセルフリリースができるようになり、そこでのヒットを出すことも可能です。そうするとこれまでのような音源リリースの準備の必要がある意味なくなるのですが、プロのマスタリングエンジニアの意見としては、それでもプロのマスタリングは必要かと思いますがどうお考えですか?セルフリリースできることはすごく良いと思う。それがみんなの音楽制作のモチベーションを上げることになるし、自分の音楽をすぐに広めていけるし、レーベルに所属する必要もない。だからBandcampのようなサイトは音楽活動をする上では良いと思う。みんなが参加できるしね。そして、プロのマスタリングについて。まあ、リリースするときはヒットになるかはわからないし、そうなるように願うしかない。なのでマスタリングは自分の音楽をベストな状態に持ち上げることだと言える。そこで「プロにマスタリングしてもらうか、もらわないか。」、それはアーティストが判断しなければならない部分だね。もちろんプロデューサーもだよ。私はプロデューサーやアーティストと、もう何年か一緒に働いているけど、彼らは自分たちより私が音源を良い状態にすることができると思っているし、彼らから自分が信頼されていると言える。アーティスト側以外に初めてそれを聴いて意見できる人がいると良いね。だからプロマスタリングはすごく必要だと思う。もちろんお金もかかるけど、そしてみんながその費用を捻出できるわけでもないけど、それにお金を使って誰かにマスタリングしてもらうのは自己判断の領域だよ。2.海外、日本問わずPops, Dance Musicのマスタリングを手がけておられますが、ジャンルや国ごとによって、依頼してくる側の好みの特徴はございますか?ジャンル毎の好みの特徴は絶対にあるね。まあ、いつも色々なリクエストがでてくるよ。間違いなく、EDMやDubstepやDrum and BassやDance musicをやってると、音が大きい、ラウドな感じに仕上げる必要がある。なぜなら聴く側の注意を引かないといけないからね。それにダンスフロアでもうまく機能させるようにしないとね。こういうダンス系の方は「ダンスミュージック」に必要なことをしなければならない。それと他のジャンル、例えばFolkやWesternの曲だと、また必要なものが変わってくる。一個一個のジャンルを違うようにいじっていくんだ。これまでの経験でなんとなく、どのようなプロセスが必要か把握できるようになったよ。例えばマスタリングする曲全体のボリュームやベースの音量の配分がどのくらい必要かわかってくる。例えばロックだったら低域を増やすより、中域に比重を置く。でもレゲエのアルバムをマスタリングする時はその逆で低域に重きを置くんだ。だからジャンルによって、曲に対するアプローチが変わってくるよ。う〜ん、国毎の違い。。。どこの国もなんとなく似ているかな。でもやっぱり聴く側の注意を引くことが肝心なんだよね。例えば、君たちのラジオでも日本のトラックを流しても、次のトラックがアメリカのものだったり、フランスのものだったり、イギリスのものだったりするよね?。そういう点で言えば国毎のリクエストに特別な違いというものはなく、ただジャンル毎のリクエストというものがあるというのが答えだね。
3. Block.FMでも番組を持つ、DJ AkiらによるユニットASY(エイシー) "#Zero_ASY”のマスタリングを手がけられておりますが、日本のダンスミュージックに対してどんな印象をお持ちですか?大沢伸一が一番最初に依頼を受けた日本人のアーティストで印象的だったよ。それにTei Towaもね。私は彼らのプロダクションや想像力、細部に至るまでの色々な点にすごく関心したもんだ。それらはすごく計算され尽くしたプロダクションだったんだよ。それが私にとって一番の日本の音楽に対する意見であり、印象かな。本当にプロダクションがよくできてるし、想像的な部分が沢山含まれている。プロダクションツールの使い方もスマートで、色々なテクニックを持っているから大好きさ。そういうものをマスタリングするのはすごくおもしろいと思っているんだ。4. もしマスタリングのことを知らない人に簡単に説明するとしたらどのように説明するとわかりやすいですか?その答えは「クオリティーコントロール」かな。送られてきたマスターテープを流して、私はこれのクオリティーを改善できるか、例えば低域のヘビーさ、全体のボリューム、そういったものをミックスして洗練させることができるかどうかを考えることから作業が始まるんだ。そして、ごくたまにだけど、すごくクオリティーが高くて、聴きながら「私が手を加える部分はあまりないかな」と思ったりするものがあったりすると、後は私がそれに対して何ができるかをチェックするんだよ。その場合は例えば「ここが良かった。そこが良かった。ここを少しいじったほうがいい、でもほとんど完成してる」みたな感じでクライアントにフィードバックする。そして次に「これが必要、それが必要。コンプレッシングが必要、他に何々が必要」みたいな感じで必要なものが何かを指摘していく。こういう過程がマスタリングするトラックのクオリティーを出来うる限りの最高のものしていくんだよ。そして、それがアルバムの一部だったら、アルバムのトラック全てをまとめてあげて、1つのアルバムとなるように統一性を持たせるようにする。それがマスタリングエンジニアの仕事かな。そしてその必要がある理由は、もしかしたら依頼してきたアーティストにはプロデューサーが2人、ミックスエンジニアが3人くらいいて、彼らがそれぞれ思うがままに、どこかの過程でボリュームを上げたり、下げたり、低域部分を足してみたり、広域部分を抜いたりしないように管理するためだ。だから一番良いバージョンになるように、そしてその制作フローをコントロールすること。それが「マスタリング」というものを1番シンプルに説明する言い方かな。
いかがだっただろうか?Stuart Hawkesの更に詳しい情報が気になった人は下記リンクをチェックしてみては?http://www.thisismetropolis.com/mastering-engineers/stuart-hawkes/【このインタビューに関連する作品はこちら】

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