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大比良瑞希インタビュー|カワムラユキに語る、アルバム『Little Woman』で示す現在地
“都会に生きる女性”をテーマに自身の表現を一新させたというアルバム制作について、プロデューサー/作詞家のカワムラユキが話を訊く。
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“都会に生きる女性”をテーマに綴った楽曲を収録した最新アルバム『Little Woman』をリリースしたシンガーソングライターの大比良瑞希が、カワムラユキがナビゲートするblock. fm番組「shibuya OIRAN chill out Radio」にゲスト出演。2人の出会いから最新アルバムの制作についてまで、たっぷりとトークした。
番組のアーカイブ視聴はこちら。

カワムラユキ:前回のアルバムのときは緊急事態宣言中だったので、リモートでのラジオ出演だったんですよね。今日はスタジオで一緒に収録できるのがすごく嬉しいです。
▶大比良瑞希インタビュー アルバム『IN ANY WAY』には“次に進もう”の思いを込めて
大比良瑞希:私も楽しみにしてきました。
カワムラユキ:今日は最新アルバム『Little Woman』についてもいろいろお話しをしていきたいんですが、「33歳のエンディングノート」のMV、素晴らしかったね。
大比良瑞希:ありがとうございます。私のMVの中でも特に新しい雰囲気の作品になって、観ていただいた方からも「新鮮だった」という感想をたくさんもらえたんです。疑似家族とのふれあいから始まる、生きていくことについて考え直すような、フラッシュバックのようでもあり、未来のようでもある作品になりました。
カワムラユキ:2022年って、特に転換期じゃない。この年に何をやるか、今後どう生きていくか、過去をどう弔ったり、過去とどう付き合っていくかっていう、起点になる大事な1年だと思っていて。だからこの楽曲をリリースしたことが、「大比良瑞希、ミュージシャンとしてすごく高みに行ってるな」と感じました。
大比良瑞希:ありがとうございます。
カワムラユキ:私たち、最初の出会いは瑞希ちゃんのライブのときなんだよね。瑞希ちゃんのライブにゲスト出演する七尾旅人が、出番前にしぶや花魁に遊びに来てくれて。「瑞希ちゃんのライブ観たいな」と思って遊びに行って、瑞希ちゃんにご挨拶させてもらってね。
大比良瑞希:そうですね。あの時がはじめましてでしたけど、私も一方的にユキさんのことを知っていたので。ライブの日に会えて、ライブも観てもらえてすごく嬉しかったです。
カワムラユキ:その日は鍵盤でshowmoreの井上くんも出演していて、根津さんも来ていたので。showmoreも大比良瑞希ちゃんも両方会えた日でした。
大比良瑞希:井上くんはずっと一緒にやってくれているメンバーなんですけど、洋服を交換したことがあって。以前、ユキさんがshowmoreの2人をインタビューしていたときの写真を見たら、私が交換した洋服をそのインタビューで井上くんが着ていたりして。私の中でも色々とつながった日でした。
▶showmoreインタビュー “傷つけ合うような愛”すら歌った『too close to know』
カワムラユキ:最近出たshowmoreの新曲「I」もやばかったよね。
大比良瑞希:はい。私のアルバムと同じ日にリリースだったんですけど。この時代に“急遽リリースしたい”っていう気持ちもすごく音楽してて。音楽で何ができるかを改めて私も考えさせられるような1曲だったと思いました。
K:2022年春、「33歳のエンディングノート」と「I」が、同世代ミュージシャン2組のアイコニックな1曲というか、そういうのを見せてくれた気がして。これからも大比良瑞希とshowmoreがずっと繋がっていく仲間、共に生きてくというか、そういう風に感じているから。その側にいて、そういう瞬間を見られてすごくいいなと思いましたね。
大比良瑞希:ありがとうございます。
カワムラユキ:ここからは、編集部からの質問もいくつか訊いていきたいと思います。“都会に生きる女性”をテーマに楽曲を作ることにしたきっかけはありましたか?
大比良瑞希:私自身も東京出身で東京で生きてきたということと、自分が女性だということを改めてこの2,3年間、考える機会が多かったんです。都会ってどこか冷たくて、みんな生き急いで、普段は仕事に追われていたりとか、そういうイメージがあって。居場所が少ない感じがする中で、コロナになってからより孤独に追い込まれたような部分があったんじゃないかなと感じたので、都会で生きる人たちにももっと寄り添える作品にしたいなと思ったんです。あとは、女性ならではの焦りや悩みをもっと表現していくことで救えたり、共感できたり、そのことによって女性に生まれてきたことを喜ばしく思うことができたらいいなという思いで作りました。
カワムラユキ:私、瑞希ちゃんの言っている言葉が、リアルにそういう女の子たちに届いているなっていう瞬間を経験していて。しぶや花魁のお客さんで、大比良瑞希ちゃんの大ファンの女の子が2人くらいいるんですよ。アパレルで働いてるのかな、すごくおしゃれな子で。彼女たちと恋バナをしていると、瑞希ちゃんの歌に救われてるっていう感じのお話をしてくれてることが多くて。
大比良瑞希:嬉しい。私もそこにいたかったです。
カワムラユキ:20代後半かな?だから瑞希ちゃんよりちょっと下の子たちにも届いてるし、響いてるんだなって思いました。続いての質問。その“都会に生きる女性”を“Little Woman”と表した意味は?特に“Little”とした理由が気になっています。
大比良瑞希:七尾旅人さんの『リトルメロディ』っていうアルバムがあるじゃないですか。私、すごく好きで影響を受けた1枚なんですけど。“リトルメロディ”っていう言葉自体がすごく心に届くというか、いろんな意味があっていい言葉だなと思って。だから“Litttle Woman”には、私も世界単位で見たらすごく小さなひとりだけど、どこまでできるのか、どこまで自分の曲が届くのかっていう意味があります。あとは女性一人ひとりが生きている中で、全員の感情はそれぞれ正しいものだし、肯定されるもの。そういう小さな“Little Woman”、一人ひとりに届けたいなという思いで、このタイトルをつけました。
カワムラユキ:すごくシンパシーを感じます。瑞希ちゃんの大事な、自分のリアルな言葉が詰まってると思うし、必ずアルバムごとに現在地を表現してくれている、そこが旅人にも通じるところがあると思いました。このアルバムを作るにあたって影響を受けたアーティストや作品、出来事等はありますか?
大比良瑞希:私がずっと影響を受けてきたアーティストに、Lianne La Havasというエレキギターを弾き語りする女性アーティストがいます。
大比良瑞希:あとはFeistというアーティスト。この2人には今回も影響を受けていますね。
大比良瑞希:今回のアルバムでは、showmoreやShin Sakiuraくん、Yaffleさんなど全曲違うアレンジャーさんにお願いしていて。そういう意味でコラボアルバム的でもあるんですが、エレキギターを生かしていくという軸はLianne La HavasとFeistの影響です。あとは昔から聴いてきた人でいうとBeckとか、なんでも取り入れて自分の音楽にしていく、オールジャンルを入れたい気持ちを持っているアーティストにも影響を受けた気がします。
カワムラユキ:ピアノで作られた曲というよりかは弦の力というか。よくインスタライブでもギターの弾き語りをやっているじゃないですか。だから、弦と大比良瑞希がとっても近いんだなっていうのは今回の作品から感じましたね。だからいろんなミュージシャンとコラボレーションしても、大比良瑞希色がしっかり示されていて。
カワムラユキ:ちなみに「33歳のエンディングノート」をプロデュースされたYaffleさんとの制作はどうでした?
大比良瑞希:すごく楽しいアレンジの時間でした。いつもエレキギターで弾き語りをしてデモを作るんですけど、何曲かデモがあったんです。それをYaffleさんのスタジオに持っていって、まず一人で弾いて歌ってみて。何曲か持っていった中で1曲目の曲で進めてみようとすぐに決まり。どんどんリズムがついてアレンジが進んで、30分くらいの中で形になりました。
カワムラユキ:そうなんだよね。まとまらないものは何時間かけてもまとまらないし、まとまるときは30分でまとまるんだよね。特に2020年以降、さらにそれが明確になってると思います。また次の質問です。歌詞を読んでいると、自分自身や誰かに対する気持ち(主観)を書いているのにとても俯瞰的な印象で、だからこそ“どこか影のある、愛情と諦観が同居した人物”が浮かんできて、とても魅力的に感じました。歌詞を書く上でなにか軸としていたものはありますか?
大比良瑞希:今回、歌詞はアルバムの中でも一番こだわったというか、今までの私の中でも一新できたところが多いんじゃないかと思っているんです。今まで私はどちらかと言うと、音楽的に伝えられるものを追求してきたんですけど、今回は言葉自体でどこまで寄り添えるかっていう部分を意識して。コロナになってからはより歌詞に注目するようになって、いろんな人にヒントをもらったりする中で、今回は初めてコライトに挑戦しました。田中秀典さんという作詞家の方と一緒に、テーマや視点などを深掘りしていって、言葉を何回も組み立て直したり、時間を惜しまずに細部まで問いかけ続けて、聴いてくれているみんなが楽曲のストーリーをどれだけ自分のストーリーにできるか、というところに力を入れて作りました。なんだか短編小説集のような感じで、9曲、映画を見るような感じで味わってもらえたら嬉しいなと思っています。
カワムラユキ:田中さんの作品もすごく好きだし、大比良瑞希ちゃんとのタッグがすごく新鮮で、素敵なマッチングだなと思いました。田中さんにもいつかお会いしてみたいですね。どんなときに歌詞やメロディーなど楽曲のアイデアが浮かんでくることが多いですか?
大比良瑞希:お風呂入ってるときが多いです。これ、みんな言いますよね。忘れないようにお風呂の中で録音したりもするんですけど。それで1回、iPhoneを湯船に落としたことがあります(笑)。
カワムラユキ:アイデアと引き換えにiPhoneを水没させるという、ミュージシャンですね(笑)。
大比良瑞希:あとはライブを観てるときとか、自分自身が音楽を聴いたり、映画を観たり、自分が感動したときも多いかもしれないですね。
カワムラユキ:恋愛は?
大比良瑞希:恋愛は傷ついたときこそ大きいかもしれないですね。
カワムラユキ:私、以前はそうだったんだけど、最近変わりました。傷つかないと仕事できないと思っていたときもあったんだけど、そうじゃないのもありなんだなって。
大比良瑞希:素敵な気づきですね。
カワムラユキ:そう。いろんな景色のシーンチェンジみたいなものが、人生の中で女性として起こっていくんだなって。
大比良瑞希:同じ曲も違って聴こえるようになったり、今まで好きじゃなかった曲を好きになったり。
カワムラユキ:そう。それが、音楽というものと触れ合ってきて、生きてきてよかったなと思うことのひとつだと思うんだよね。例えばちょっと自分がささくれてたときは「こんなラブソングはうざったいな」と思っていたのが、自分が幸せだったら、その相乗効果で幸せを感じられる曲になっていたり。そういうことはあるよね。
大比良瑞希:あります。より感情が膨らんでいく。
カワムラユキ:だから大比良瑞希の楽曲たちも、そういう風に現代を生きる女性たちに聴いてもらいたいなと思うし、もちろん男性にも聴いてもらいたいですね。
【リリース情報】
大比良瑞希3rdアルバム『Little Woman』CD
UXCL-275/\ 2,500 (税抜価格 \ 2,273)
発売日:2022年3月30日(水)
CD URL:https://lnk.to/lw_cd
配信 URL:https://lnk.to/littlewoman
-
33歳のエンディングノート
作詞:大比良瑞希、田中秀典 作曲:大比良瑞希、Yaffle
編曲:Yaffle
Produced by Yaffle -
遠回り
作詞:大比良瑞希、田中秀典 作曲:大比良瑞希
編曲:Shin Sakiura
Produced by Shin Sakiura -
ダージリン#アルバム・ヴァージョン
作詞:大比良瑞希、田中秀典 作曲:大比良瑞希、野村帽子、ZIN
編曲:野村帽子
Produced by TyaPaTii -
HOLIDAY( feat. Michael Kaneko)
作詞:大比良瑞希、田中秀典 作曲:大比良瑞希、Michael Kaneko
編曲:Michael Kaneko
Produced by Michael Kaneko
Michael Kaneko appears by the courtesy of origami PRODUCTIONS -
How many
作詞:根津まなみ 作曲:大比良瑞希、井上惇志
編曲:井上惇志
Produced by 井上惇志 -
NIGHT LINE
作詞:大比良瑞希、田中秀典 作曲:大比良瑞希
編曲:Chocoholic
Produced by Chocoholic -
見えないブルー
作詞:根津まなみ 作曲:大比良瑞希
編曲:伊藤修平
Produced by 伊藤修平 -
見えないブルー(SUGAR HILLS REMIX)
作詞:根津まなみ 作曲:大比良瑞希
編曲:伊藤修平
Remixed by SUGAR HILLS -
ダージリン(Bousi Studio Remix)#アルバム・ヴァージョン
作詞:大比良瑞希、田中秀典 作曲:大比良瑞希、野村帽子、ZIN
編曲:野村帽子
Remixed by Bousi Studio
【プロフィール】
大比良瑞希
東京出身。2015年、ミニアルバム『LIP NOISE』でソロ活動をスタート。
『アロエの花』『Real Love』『見えない糸』の連続配信が人気を博し数々のプレイリストに選ばれ話題を呼び、これまでFUJI ROCK FES.、SUMMER SONIC、GREENROOM FES.等大型フェスにも出演。
2020年、七尾旅人、tofubeats、蔦谷好位置らが参加した名盤2ndアルバム『IN ANY WAY』リリース。
2021年、2月Shin Sakiuraプロデュース『遠回り』、3月SIRUP擁するSoulflexのメンバー、ZINをコーラスに迎えた『ダージリン』、6月Michael Kanekoとのデュエットによる『HOLIDAY』、10月盟友showmore井上惇志プロデュース、showmore根津まなみ作詞による『How many』を配信。
2022年2月配信の『ダージリン (Bousi Studio Remix)』を含む先行配信曲にYaffleプロデュースのリードトラック『33歳のエンディングノート』等未発表曲を加えた全9曲、約1年9ヶ月ぶり、様々なアーティストとのコラボレーションによる待望の3rdアルバム『Little Woman』を3月30日にリリース。
そのクールネスとパッショネイトが交錯するスモーキーな歌声と、まるでジェフ・バックリーのようにエレキギターを爪引きながら歌うスタイルは、明るくも物憂げな唯一無二の世界観を醸し出し、弾き語りからバンド編成まで、縦横無尽にソウルフルかつオルタナティヴに新時代のシティ・ポップを紡ぐまさにサブスクリプション・ストリーミング時代を体現する次世代型シンガーソングライターとして注目を集めている。
●オフィシャルHP: https://ohiramizuki.com/
●Twitter:https://twitter.com/mimimizukin
●Instagram:https://www.instagram.com/mizuki_ohira/
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