Written by Jun Fukunaga昨年11月から12月初頭にかけての来日も記憶に新しいダンスミュージックシーンきっての人気フィメールDJ/プロデューサーのNina Kravizが、現在主宰しているレーベル「трип」に続く新レーベルを設立することを発表した。海外音楽メディアFactによれば、新レーベルは、「GALAXIID」という名称となり、「трип」のサブレーベルとして始動するとのこと。また、新レーベルは「трип」とは異なるコンセプトを持ち、エクスペリメンタル、アンビエント、サイケデリックといったジャンルの音源をリリースしていくものになり、今後は音源のリリースだけでなく、書籍の販売や、レーベルパーティーなども仕掛けていくそうだ。
すでに新レーベルからのリリース第一弾としてロシアのベテラン電子音楽アーティストであるSpecies of FishesとアイスランドのアーティストBiogenの音源のコンピレーションのリリースが予定されており、Biogenは「трип」からもアルバムをリリースすることが発表されている。ちなみにBiogen、これまでに「трип」から発売され、Aphex Twinの別名義AFXの90年代初期音源が収録されたことでも話題になったコンピレーション「When I Was 14」にも音源が収録されているNina Kravizが信頼を置く、長いキャリアを持つアーティスト。なお、新レーベルからの作品リリース日は、今のところ明らかになっていないが、今後レーベルでは、70年代のロシアや日本のサイケデリック・ミュージックをリリースしていく予定をしており、3/25には、ロンドンで、新レーベル初となるイベントを、彼女とともに昨年来日した「трип」所属のBjarkiや、808 State、Luke Vibertを招き行う。
また、このレーベルの音楽的テイストのヒントになる音源は、昨年Nina Kraviz自身がパーソナリティーを務めたロンドンの人気ネットラジオ局NTSの番組アーカイヴで聴くことができるとのことで、実際に筆者が聴いてみたところ、レーベルからのリリースが決まっている先述のSpecies of Fishesや、ロシアン・サイケデリックやアンビエントだけでなく、J Dillaの音源などもプレイしており、彼女の幅広い音楽的趣向が色濃く現れた内容となっていた。Nina Kravizは、テクノのイメージで一般的に知られているが、有名なヴァイナルジャンキーでもあり、生粋のディガー。世に知られていない新たな才能はもちろん、世に埋もれた音源を発掘するその才能にも定評があり、それは近年の「трип」関連作品で証明されているだけに、このアヴァンギャルドなコンセプトの新レーベル「GALAXIID」も、コアな音楽ファンを中心に支持を集めることになるだろう。【この記事に関連するおすすめはこちら】Block FMではオールジャンルに世界中から集めたまだ発売されていないエクスクルーシヴチューンや、これからのクラブフロアを賑わすであろう最新キラーチューン等を紹介する番組を配信中。▶︎TCY Radio by ☆Taku Takahashi , Takeru John Otoguro*毎週金曜日21:00-22:30放送中http://block.fm/program/tcyradio/