Boys Noizeらの楽曲を使ったDJミックスがNFTでリリース! プロデューサーへの公平なロイヤリティ支払いが目的

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フランス人DJ/プロデューサーのMaelstromが、NFT音楽プラットフォーム「Sound.xyz」を通じて、NFT DJミックスをリリースした。
公正な報酬を得るための新しいモデルケースにすることが目的
今回のリリースは、NFT DJミックスがプロデューサーにとって、自分の音楽で公正な報酬を得るための新しいモデルケースになることを証明することが目的だ。
3月24日にリリースされたNFT DJミックスでは、Boys Noize、Surgeon、Space Dimension Controllerといったアーティストの楽曲がフィーチャーされており、販売価格は0.1 ETH。150エディションが用意されたが、現在は完売している(現在はこちらのリンク先で再生のみ可能)。
NFT DJ Mixの販売収益は、DJ Mixでプレイされた各アーティストに5.71%ずつ分配されるほか、キュレーション料としてMaelstromに15%、この企画の実現に協力したDiscoard上にある暗号資産(仮想通貨)関連のクリエイティブ系コミュニティ「FWB(Friends with Benefits、)」に5%という形でシェアされる。また、全ての支払いはブロックチェーン上で自動的に行われる。ちなみに今回用意されたNFT DJミックスが完売した場合、トラックを提供した各アーティストは、約2000ポンド(約32万円)受け取ることになるそうだ。
スポットライトが当たるのはDJ、プロデューサーはほとんどお金ももらえない
Maelstromは、「DJが自分の曲をプレイしてくれるのは嬉しい」としつつも、「DJでプレイされる音楽を作ったプロデューサーが誰一人として報酬を得られないにも関わらず、誰かが5桁の報酬を得ているのを見ると不思議な感覚を覚えます。もちろん、キュレーションは重要です。また、DJはクリエイティブな仕事であり、スキルや才能が必要ですが、それと同様に音楽も必要になります。しかし、スポットライトが当たるのは、99%の確率でDJであり、そこで使われる曲のプロデューサーのことは話題にもならず、彼らにはほとんどお金も入りません」と述べている。
また、今回のNFT DJミックスがDJとプロデューサーの関係が相互依存的なものとして見直されるきっかけになることに期待しており、「コミュニティは、ローカルでもグローバルでも健全でクリエイティブなシーンを存続させるための鍵になります」と述べている。
最近では、Apple MusicがDJが作成したミックス音源から、正しくすべての権利者に直接ロイヤリティの支払いができるようにするシステムを開発するなど、DJとプロデューサーの収入格差を埋める取り組みにも注目が集まっている。
NFT DJミックスは、そのような取り組みを加速させることになるのだろうか? その可能性はまだまだ未知数だが、今後はこのような業界の既存の慣習を変えるWeb3的な取り組みが増えていくことになるはずだ。さらなる展開に注目していきたい。