向井太一「遠くの人を気にするより、近くの人を支える音楽を」。楽曲参加の☆Taku Takahashiに語った、セカンドアルバム『PURE』に込めた想いとは?

11月28日にセカンドアルバム『PURE』をリリースした向井太一。収録曲「Break up」で楽曲参加した☆Taku Takahashi(m-flo)との特別対談が実現した。アルバム制作に影響を与えたある出来事とは?☆Takuが楽曲参加に至った背景から、アルバムリリースにおけるこだわりまで、幅広く語ってもらった。
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2018.12.26 03:00


 向井太一

 シンガーソングライター。幼少期より家族の影響でブラックミュージックを聴き育つ。その後、地元の音楽高校へ進み、卒業後、2010年に上京。ジャズとファンクをベースとしたバンドにボーカルとして加入し、東京都内を中心にラ イブ活動を経て、2013年より柔軟に音楽の幅を広げる為、ソロ活動をスタート。2018年11月28日に、セカンドアルバム『PURE』をリリース。収録曲である「Break up」は☆Taku Takahashiがプロデュースを手がけた。


知らない人の声を気にするよりも、自分を支持してくれる人を支える楽曲を作りたい。


☆Taku Takahashi(以下T): まず最初に『PURE』という最新アルバム、そのコンセプトはずっと構想として持っていたんですか?それとも何かのキッカケがあった?


向井太一(以下M):ファンから「あるニュースがキッカケで自分の価値を見出せなくなった」といった内容の手紙をもらって、すごく衝撃を受けたんです。そのニュースに対して全部わかってるわけではないんですけど、人としてすごくびっくりして。ちょうどその時、いろんなアーティストがSNSなどでメッセージを出していて。僕ももやもや感や怒りを感じていたんですけど、それをSNSを通して言うことができなくて。そのことに対してももどかしさがあったんです。「僕は表現者としてこんなことさえ言えないのか、じゃあなんのために曲を発表しているんだ」と言う気持ちになって。


今までは遠くの人、知らない人の声が気になって言いたいことが言えなかったんですが、自分を支持してくれる人を助けるような曲をもっと作りたいと思って、アルバムタイトルにもなった「Pure」と言う曲ができました。収録曲の「Haters」にも繋がるんですけど、遠くの知らない人のことよりも、もっと近くで自分を大切にしてくれている人をハッピーにさせようと。それが今回のアルバムのコンセプトにもなったので、このことはとても影響を受けた出来事でしたね。


T: SNSでリアクションするのも今のアーティストの形かもしれないんですけど、曲にしてるっていうのがすごく大事なことだと思うんですね。それを実践しているのがすごい。でも、100回絶賛されたとしても、1回批判されると凹んだりしませんか?


M:めっちゃします(笑)。僕すごく“気にしい”なんで。すぐ落ち込むし。でも前よりは強くなりました。僕はすごく人が好きなんで、近くにいるバンドメンバーとかチームメンバー、ファンの皆さんに対して、いつも応援してくれることがありがたいなと思うし、今までよりもっとポジティブに「ヘイトとかは売れてきた証拠だ」って、言い聞かせるようにしてます。


「Gimme」って曲にも書いたんですけど、みんなに気に入られるなんて無理だから、それはしょうがないことかなって。気にしてしまうけれども、絶対にどの職業でもあることだし。受け入れて…いや、受け入れてはないな(笑)。見ないようにしてます。


T: SNSは結構見てるんですか?


M:割と見てる方ですね。だから…いやなことも目に入りますね(笑)。


T:アハハ(笑)。エゴサするタイプですか?


M:自分のライブの後とかにするようになりました。まだ良いことしか…(笑)。まぁでも普通にしますね。



ネガティブな気持ちも、自分にとっては大切な原動力。


T:リリースしてみんなに聴いてもらって、心境が変わったとかありますか?


M: 自分の悩みや怒りも含め、言いたいことを言うのはすごく大切だなと思いました。僕もネガティブからポジティブに変えるパワーみたいなことをずっと歌っているので。完全にハッピーなタイプというよりは、根本的なコンプレックスや、自分の発信できなかったもどかしさを発信していく力に変えていくという、そういう逆の力?みたいなものの強さって、人間にとってすごく大切なものだと思っていて。


だからヘイトの気持ちなんかも自分にとってはすごく大切な原動力というか、作品に対しての糧になっているなと感じました。だから思いの強さも、曲のバリエーションも幅が広がって、より中身のある作品になったかなと。


T:単純に曲を作るだけでも大変なのに、そこに自分の気持ちを投入するって、さらに命を吹き込むような作業だと思うんです。今回は詞も全部自分でやろうと思って臨んだ中、自分の言いたいことが溜まっていた分簡単に書けたのか、それとも難産だったのか…。


M:「Pure」を作るときはすごく考えました。最初はもっと直接的に怒りとか相手に対するヘイトをダイレクトに書いてたんですけど、よく考えたら、遠くの人や知らない人を変えるのって絶対無理だなと思って。それより近くの人に対して歌いかけなきゃいけないと思って、ガラッと方向性を変えました。


僕の先生で、「ハートの順番」っていうのを歌っている人がいるんです。遠くの人に気に入られるためには、周りのスタッフだったりとか、その人たちに愛を伝えて愛をもらって、それがどんどん広がって、最終的にファンがつくっていうことをずっと言っていて。まさにその通りだなと。僕も身近な人に感謝の気持ちを伝えていくうちに、少しずつファンの人たちに広がってるのを感じていて、それは曲にも通じることかなって。元になったニュースに対して歌っているというよりかは、それも含めつつ、それによって傷ついた人に、自分を好きになれなくなった人たちに向かって歌う曲になりました。


T:人って違う考えを持つのは自由だと思うんですよ。人と違う意見を持つのは自然なこと。さっき向井さんがおっしゃってたように、全員をハッピーにすることができないのは、全員が同じ考えじゃないから。僕が日本の中で時々憤りを感じるのは、みんな自分の言いたいことを言わない、それを提示しない、言うこともタブーだ、みたいな空気があること。でも、誰かを変えようとするんじゃなく、違う考えが存在することをオープンに伝えることで、相手の価値観を知れるんじゃないかなって思うんです。


とは言え、日本のアーティストが日本でそれをやるのって、すっごくリスクがあるのかなって。その中でとても勇気を持ってやられたな、と僕も感じました。この「Pure」が一番最初にできた曲なんですか?


M: 「Pure」はどちらかと言うと結構後半ですね。僕はアルバム関係なく制作はいつもやっていて、それこそ前作『BLUE』をリリースしたすぐ後にできた曲もあったりします。


T:でもアルバムを聴くと、ありのままを出す感じがすごくでている感じが。


M:コンセプトができる前に、自分のマインドがどんどんそういう方向に向かっていったのが一番の理由だと思います。それに後で気付いたというか。コンセプトどうしようってなったときに、ファンレターのこともあったし、製作した曲に共通項を見つけられた気がして。これだ!って、コンセプトはすぐ決まりましたね。




自分の中のルーツでもあり、ヒットも飛ばしている。だから☆Takuさんにお願いしたかった。


T:では僕らが作った「Break up」という曲についての話を。どうやって僕とやるって流れができたのか。どういう流れで☆Taku Takahashiになったのかをお伺いしてもいいですか?


M:基本的には自分で「この人にお願いしたいです」って言ってるんです。前回までは自分の周りのアーティストだったり、同世代の人を起用していました。セカンドアルバムでまた何か新しいことができるかもしれないと考えたときに、元々自分が学生の頃からずっと聴いてきたアーティストさんやプロデューサーさんにお願いしたいなと思って。


その中で、自分の中にあるルーツ的な音楽かつ、J-POPシーンでしっかりと音楽をやられている方にお願いしたいということで、Takuさんと一緒にやりたいなと。別曲のKREVAさんもそうですが、しっかりとルーツミュージックというか、音を知ってる人でありつつ、ヒットも飛ばしている人にお願いしたかったんです。


T:向井さんは福岡出身でしたっけ?


M:はい。


T:福岡はロックが主流だってお話がありましたけど、海外のヒップホップも日本のヒップホップも両方好きだっていうのは、クラスの中では割とマイノリティだったんですか? 


M: 中学生まで音楽好きの友達は全然いなかったです。高校は芸能コースっていう特殊なコースに通っていたので、高校で初めてできた感じです。仲良くなった友達は、音楽きっかけが多かったですね。いまだに仲良い人も、僕が教室でDOUBLEさんを聴いてたらそれに反応してくれた人で(笑)。


T:なるほどね。さみしい思いをしながら…。


M:でも、それがかっこいいと思ってた自分もいて。人と違うのが(笑)。


T: アハハハハ。違うもん聴いてるぞ、と(笑)。


M:バス通学だったんですけど、ヘッドフォンから漏れ出すベース音がかっこいいと思ってたり(笑)。そういうタイプだったんで、ある意味では寂しくなかったんですけど。そういう意味でも自分の中でのルーツミュージックみたいなのって、すごく大切だなって思います。


T:ということは、中学・高校で僕らの作品を聴く機会はありました?


M:ありました。6つ離れた兄がいるんですが、その兄がゴリゴリのヒップホップ好きだったので。


T:お兄さんがゴリゴリのヒップホップ好きだったら、m-floはちょっと違いますよね? 


M:でもDOUBLEさんとかCrystal Kayさんとかも兄の影響で聴いてたんです。ベースはビギーとか2パックとかだったんですけど、まだその頃ってジャパニーズヒップホップ、R&Bってジャンルがわかりやすく確立していて。


T:ジャンルが生まれたてぐらい?


M:そうですね。だからそれをやっている人たちは、売れていようがマイナーだろうが、かっこいいものはかっこいいって言って聴くって人でしたね。



トレンドを感じさせながらもポップスであることが自分にとっての理想。




T:今回の曲のリクエストは「2ステップ的なものを」というオーダーでしたけど、それはLISAがいた頃のm-floなのか、それともCrystal Kayとやった頃の作品なのかなって。制作前に訊くことができなくて。


M:LISAさんの時の影響もあったんですけど、結構聴いていてドンピシャなのがCrystal Kayさんとの時期のもので。ポップスと、ある意味でのエグみみたいなもののバランスがすごく好きだったんですよね。自分の楽曲でもそのバランスをすごく重視しているので、それが表現できたらいいなと思ってて。


サウンド的に感度の高い人も引っかかるオントレンド感かつ、歌謡的でいたいというのがm-floさんの楽曲には感じられますよね。ハウス好きの人もヒップホップ好きの人も聴くし、色んなジャンルを巻き込みつつ、かつポップスである、っていうのは自分にとっての理想だし、自分のやりたいことでもあるので。


T:ありがとうございます。すごく言わせちゃった感あるけど(笑)。


M:全然!(笑)。いやでも最初はすっごく緊張しました。


T:チームと一緒に、どんなリクエストをしよう?って決めたんですか?


M:僕の中で、昔のR&Bとか、海外のアーティストでも 90年代、00年代のR&Bの匂いを感じさせるような楽曲がすごく増えていて、自分の制作の内容もちょっとそっちに向かっていたんです。だから少し懐かしいテイストを感じさせつつ、新しいものを作れたらいいなというざっくりとしたイメージはありました。


T:向井さんは広いなぁと思うのが、Kan Sanoさんともやってるし、yahyelとも仲良いし。元々はR&BとヒップホップはUSのものがめちゃくちゃ好きだったりとか。今は日本で活動してるじゃないですか。US、ヨーロッパ、韓国に台湾、色々チェックしてる中で、国によってポップスの概念って違ったりしませんか?日本の場合はどんなところがポップなのかって考えたりします?


M:日本人が一番特徴的だと思うのは、リズムとか音で聴くというよりは、歌詞で聴く人種だなって思ってます。例えば、ものすごく洋楽的でトレンドのものを作っていても歌詞が頭に残らなかったら、たぶん日本ではずっと聴き続けられないんだなと思ってて。だから歌詞が引っかかるようなものが一生残る楽曲なのかなって。だからそういう歌謡的な部分が日本でのJ-POPなのかなって思ってます。


T:歌詞の部分での、世代に届くメッセージ。


M:はい。


T:向井さんは僕がデビューしたての頃から日本の音楽を聴いてるじゃないですか。メロディのトレンドって変わって来たと思います?


M:新しいものは入ってきてるけど、ずっとあるものはずっとあると思います。東京で活躍してる周りのアーティスト、特にラッパーとかはフロウにすごく多様性がある。一方で、J-POPシーンではこういうのあるよねっていうメロディもあるし。


T:同感です。


M:でもトレンドは少なからずあると思います。僕も新しい海外の、例えばちょっと前だったらトラップの三連とかを取り入れようとしてるし。トレンドになっているかは別として、新しいものを取り入れようとしているアーティストはすごく多い気がします。



アートワークも含め、自分でやりたいものが完全に決まっている。

                                 

T:ご自身でSoumdcloud上に楽曲を発表したり色んなことされてるじゃないですか。最近は音楽をチェックする手段は何が主流ですか?


M:今はSpotifyとかサブスクが多いですね。前は直接CDショップに行ったりしてたんですけど、今は手軽に今日出たものをチェックするとなると、Spotifyが多いです。


T:ちょっと面白いことがあって、今日Spotifyで向井さんの曲をレコメンドされました(笑)。


M:アハハハハ、光栄です(笑)。


T:しかも僕それ参加してるし、みたいな。


M:僕としてはすごい嬉しいです。


T:僕も嬉しかったです。


M: Spotifyはプレイリストとかレコメンドとか、新しい音楽との出会いへのアプローチが面白いなと思いますね。


T:今はSpotify、Apple Music、LINE MUSIC、AWA、Amazon Musicもあるし、色んなサービスが出てるじゃないですか。それで一曲一曲聴けてしまう。昔よりプレイリスト文化も強くなってるし。そういった中でアルバムをリリースするこだわりはありますか?


M:デジタルに移行するのは時代の流れとしてしょうがないというか、当然のことかなと僕は思っていて。どっちかというと、CDとしてのアルバムは、物販的な意味合いで出してる感じがあります。


T:ほんとに熱量の強いファンの人たちに持っていて欲しいものとして…。


M:そうです。持っていて欲しいもの。アルバムだけを盤で出して、あとはデジタル配信なんですけど、物販としての強みみたいなものもすごく考えていて。衣装・アートワークのコンセプトも全部自分で組みたいし。


前回もそうでしたが、今回もフォトグラファーやヘアメイクから全部自分で指定していて、手で持っていたいもの、物販を作るっていう感覚で作ったんです。デジタルの流れは全然否定しないんですけど、それとはまた別のものとしてずっと作っていたいなって。


T:印象的なのが、アルバムジャケット。背景の模様と、衣装の模様がアルバムのキャッチになっているんじゃないかなって。そういうディスカッションはされたんですか?




M:ディスカッションはしてないんですけど、自分がやりたいものが完全に決まっていて。これで行きます!みたいな。


T:頭の中で出来上がっていた?


M:はい。今回ウィリアム・モリスの壁紙を使っているんですが、僕自身が彼の作品がすごく好きで、「これが使いたいです!」ってスタッフさんに買ってきてもらってスタジオに貼り付けて…(笑)。ごちゃっとしつつも上品な感じが、僕の中の気分だったので。実は僕、アートワークはあんまり音楽とリンクしなくていいかなって思っていて。


T:ほぉー。


M:というのも、「ビジュアルと音楽性にすごいギャップがあるね」ってデビュー前からずっと言われ続けていて。それが自分の強みかなとも思っているんです。あと、昔はもっと尖ったこと、ある意味聴きにくい音楽をやっていたので、その音楽へのハードルを下げる役割になるかなとも。


T:ジャケットにもその役割が。


M:自分のビジュアルも含めなんですが。実際に僕のファンの人も、今までR&Bとかブラックミュージックを聴いたことがない人たちだったり、僕以外のアーティストだとロックミュージシャンが好きですって人がいたり。


音楽への入り口は違ったとしても、最終的に僕の音楽に行きついて、好きになってもらえたらいいなって思っていて。その一つの方法が、アルバムのアートワークとか PVのビジュアル面なんです。


T:それを聞いてすごく不思議なのが、このジャケットとアルバムの音がすごくマッチしてるなって気がするんですけど。


M:ありがとうございます。そう言っていただけると(笑)。


T:でも意識的に合わせようとしたわけじゃないんですもんね?


M:全く。ただ自分のやりたいことをやったっていう(笑)。まぁでもずっと思ってるのは、携帯に表示されても恥ずかしくないものとか、あと情報量を極力少なくするとか…。僕、物販とかも全然自分の名前を入れてなくて。モノとして持っていてちょっと自分の気分の良いものを作りたいなというのが…。


T:出てますねぇ、すごく。向井さんって、R&BとかヒップホップがDNAに刻まれているというか。すごくいろんな表現があるなぁと思っていて。ジャケットもカラフルなんだけどちょっとシックで、その絶妙なバランスがアルバムとすごく共通してるなと思います。


M:ありがとうございます。


T:僕がデビューした頃は、アーティストがここまで考えることってなかったと思うんですよ。


M:あぁー、なるほど。


T:今いろんな人にチェックしてもらえてる人って、自分をいかにプロデュースするかが大事、ということを理解している。ファンとのインタラクションもアーティストが考えたり。向井さんはいつから、ジャケも含めてアルバム全体を全て自分でプロデュースしようと思っていたんですか?


M: 1枚目の自主制作のEPからですね。仕切りたがりなんですよ、すごく。学級委員長にすぐなれるタイプ(笑)。班長やります!みたいな。


T:アハハハハ。でも東京に来てからデビューするまで自分で色々考えてたんですか?


M:そう言われるとバンドが大きなきっかけだったかもしれないですね。自分より年上の30代の人たちとジャズだったりファンクだったりをやっていて、そのうちにどんどん自分のやりたいことや方向性が確立していって。それがきっかけでソロ活動を始めたんですけど、その時ぐらいが改めて色々やりたいなと思ったときかもしれないです。我が強いっていうだけなんですけど(笑)。


T:  (笑)。いやいや、アーティストですから。ちゃんと自分を出してなんぼだし。でも向井さんの場合、ちゃんと自分のやりたいことを持ちながら、チームで色々話し合ってやっているんだなって思います。


M:僕は自分のやりたいことをとにかくやっていって、軌道修正してくれるのがチームかなと思っていて、そこはすごく信頼してますね。


T:すごくいいチームですよね。



全曲シングルカットできるほど、想いの詰まったアルバムになった。




T:曲の作り方は、アルバム用の曲を作るときとシングル用の曲を作るときでどのくらい変わります?


M:どちらも結構全力投球でやっています。一時期「アルバム曲はちょっと力の抜けたものを作るのがいい」みたいなことも言われていたんですけど、今回の『Pure』はすごく中身の詰まったアルバムなので、想いとしては全曲シングルにできるようなものを作っていたつもりです。


T:全く同感です。どの曲を聴いてもシングルになりそうなものばっかりです。


M:ありがとうございます。デジタルだと制作からリリースまでの期間がぐっと短くなるので、その分トラックのギミックを入れやすくなりました。ビートの音色とか、今自分がやりたいことをそのまま鮮度を保って出せるのはすごくやりやすいなぁって。Soundcloudで毎月新曲をあげてた時にも思ったんですけど、サブスク、デジタルの時代になって、自分としては一番良かったことだと思います。


T:今は色々とインスタントに曲を楽しめるじゃないですか。向井さんの音楽性がカラフルな分、アルバムで通しで聴いてほしいっていう思いはありませんか?


M:あります。シングル単位でポンポン出せるっていうことは、トレンド感も出せるし、知ってもらうためにもとても良いとは思うんですけど、アーティストとして残るのが難しくなったと思っていて。楽曲としては残るけど、このアーティストが好き!っていうのが、前より少なくなったかなって印象があります。僕はそういう意味でも、アルバムを出すのはアーティストとしてこうありたい、どう見られたいかっていうスタンスの提示なのかなと。シングルだと曲単位で聴けちゃうから、なかなか難しいかなと思うんですけど。


前作『Blue』の時も、自分がアーティストとしてどうありたい、どう見られたいかっていうことをもとに作ったんですけど、今回の『Pure』も、改めて今どうありたいかを見つめ直す機会になっていて。だからアルバムって、そこを考え直して提示するものなのかなって思います。




向井太一 公式サイト:http://taichimukai.com/

向井太一 Twitter:https://twitter.com/taichi313/


☆Taku Takahashi Twitter:https://twitter.com/takudj


written, edited by block.fm編集部

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