まずはMF Doom（MFドゥーム）の謎のマスクについて説明しよう

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<h3>まずはMF Doom（MFドゥーム）の謎のマスクについて説明しよう</h3>
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<p>ヒップホップ界のアンダーグラウンドで熱狂的な支持を集めるMF Doom。彼が被るマスクは、マーベルコミックスの悪役、「ドクター・ドゥーム」をモデルに創られたものだ。ドクター・ドゥームとは「ファンタスティック・フォー」や「スパイダーマン」などに登場する、物語の枠を超えた超悪役なのである。</p>
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<h3>MF Doomがマスクを被るまで</h3>
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<p>MF Doomの本名はダニエル・ダミール、1971年1月9日生まれである。有名アーティストが音楽性やコンセプトの違う別活動をする際などに、素性を隠すため覆面を被ることが多いが、MF Doomは本名を明らかにしている。イギリス、ロンドンで、トリニダード出身の母親とジンバブエ出身の父親との間に生まれたMF Doomは、その後家族と共にアメリカ、ニューヨーク州ロングアイランドに移住することとなった。</p>
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<p>1988年、「Zev Love X」名義で弟のDJ Subrocを含めた3人で「KMD」を結成。1991年には1stアルバム「Mr. Hood」をリリースし、これが評判になった。明るい未来の兆しが見えた瞬間であったが、これからわずか2年後、MF Doomの頭上に暗雲が垂れ込め始める。1993年、KMDの2ndアルバム「Black Bastards」がリリース直前に発売停止になったのだ。理由は、刺激的なアルバムジャケットのせいだった。絞首刑台に吊られた黒人の絵が、過激すぎると避難を浴びたのである。これは、自らも黒人であるMF Doom（Zev Love X）が、黒人がおかれている社会の現状、人種と差別の問題などを絡めて、世の中への風刺と警鐘を鳴らす為に敢えて選んだデザインだった。そのせいでお蔵入りになるとは、皮肉なものである。これによりレーベルからも見放され、悲嘆にくれるMF Doomを最大の悲劇が襲った。弟のDJ Subrocが、交通事故死したのだ。グループの活動はフェイドアウトし、MF Doomはヒップホップ界から姿を消してしまった。</p>
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<h3>MF Doomがマスクを被ってから</h3>
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<p>MF Doomが消息を絶ってから再びシーンに登場するまでの間、「マンハッタンを根城にホームレスをしていた事がある」という以外、明らかではない。艱難辛苦の末、MF Doomが再び表舞台に現れるのは1997年の事だ。ニューヨークのカフェで、女性もののストッキングを被り、フリースタイルを披露したのだ。本人もこの扮装を「あんまりだろ」と思ったのかどうかは定かでないが、ここから鉄仮面の悪役マスクを被るスタイルへと進化する事になる。キャラ好き、設定好きといったMF Doomワールドが繰り広げられて行くのだ。この悪役マスク、マイナーチェンジを重ねた末に、2000年公開の映画「グラディエーター」を参考にしたものに落ち着く事になる。</p>
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<p>まずは2003年、MF Doomは別キャラ「King Geedorah」名義でアルバム「Take Me to Your Leader」を発売。読み方は（キングギドラ）。そう、日本を代表する特撮映画のスター、ゴジラと闘ったキングギドラである。アルバムのコンセプトは「もしキングギドラが人間だったら」。世界に蔓延る人種問題や差別に人間のキングギドラがどう対峙するか、という重いメッセージが込められているが、コミカル色も強い。次は「Viktor Vaughn」（ヴィクトル・ヴォーン）というキャラだ。2003年発売のアルバム『Vaudeville Villain』から登場している。主人公Viktor Vaughnが、空間を超えてやって来た地球で奮闘するというSFモノである。</p>
<p>過去にインタビューでマスクを被る理由を訊かれたMF Doomは、「見た目よりも音にこだわりたいし、こだわって欲しいから、俺は顔を隠す」という内容の答えを返している。これが「悪役マスクを被っている」という見た目のインパクトのメリットを重々承知した上での発言であるなら、それすら最早「キャラ設定」なのである。</p>
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<p>ちなみに、MF Doomの悪役マスクは、コスプレアイテムとして日本でも通信販売で買う事ができる。余興の小道具にひとついかがだろうか。</p>
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<p>Photo:<a href="https://www.facebook.com/pg/MFDOOMOfficial/phot">https://www.facebook.com/pg/MFDOOMOfficial/phot</a></p>
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<p>Written by 編集部</p>
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悪役マスクのラッパー、MF Doom（MFドゥーム）が創る「キャラ設定」が面白い

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