ナビゲーターやDJ、番組名、記事タイトル、文中ワードで一括検索することができます。

注目のキーワード

    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX
    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX
    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX
    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX
    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX
    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX
    XX
    XXXX
    XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX XXXXX

    Hudson Mohawke『Cry Sugar』レビュー:オールドスクールなレイヴ愛に溢れたパーティ・ミュージック

    2022/09/02 (Fri) 18:30
    Jun Fukunaga
    Jonnie Chambers

    7年ぶりの最新アルバムを引っ提げ来日する人気ビートメイカーのキャリアの軌跡を辿るとともに最新作をレビュー。

    この記事をシェア

    人気ビートメイカー/プロデューサーのHudson Mohawke(ハドソン・モホーク)が2022年8月に最新アルバム『Cry Sugar』をリリースした。2015年の『Lantern』以来の3rdアルバムとなる本作は、“パンデミックを経てついにクラブやライブイベントに戻ってくるすべての音楽ファンのモチベーションを高める音楽として、Hudson Mohawke特有のアンセミックなサウンドがアルバム全体に余すところなく展開している”との触れ込みどおりの快作だ。

    人気ビートメイカーのキャリアの軌跡を辿る

    “ハドモ”ことHudson Mohawkeは、イギリス・グラスゴー出身でエレクトロニックミュージックシーンで多大な影響を持つ人気レーベル「LuckyMe」の共同創設者であり、Aphex Twin、Squarepusher、Oneohtrix Point Neverなど先鋭的な音楽性で知られるアーティスト/プロデューサーたちが所属する名門レーベル「WARP」の看板アーティストの1人。

    ローティーンの頃からプレイステーションでビートメイキングを始め、DJ Itchyの名で活動していた15歳の頃にはDJバトル大会「DMCワールドDJチャンピオンシップ」で最年少ファイナリストに選出。その後、2005年にはヒップホップグループ「Surface Emp」の一員として、『LuckyMe』と題したEPをリリースしている。

    Hudson Mohawke名義でのソロ作品リリースは2006年から開始したが、この頃にはLuckyMeの共同設立者であるMike Slottと共にプロダクションデュオ「Heralds of Change」も結成。2007年にはこれまで多くの有名アーティストを輩出してきたRed Bull Music Academyに参加するなど、ソロでも頭角を表していたが、キャリアアップのきっかけは先述のWARPと2009年に契約したこと。そして、同年に同レーベルよりリリースされた鮮烈なデビューアルバム『Butter』での高評価だ。

    レイヴィーでネオンカラーのような鮮やかなシンセやエモーショナルでキャッチーなメロディ、チップチューン、J DillaやMadlibのようなビートなど、さまざまな音楽要素がブレンドされたそのマキシマリズム的な音楽性は、当時“ウォンキー”や“アクアクランク”と呼ばれ、同郷のRustieとともにこの新興ジャンルを牽引。代表的なプロデューサーの1人として、世界中の早耳リスナーの間で知られるようになった。

    またHudson Mohawkeのキャリアがさらなる飛躍を遂げることになったのは、2012年にカナダのプロデューサーでLuckyMeのレーベルメイトであるLuniceとともに結成したTNGHTでの成功だ。TNGHTによるセルフタイトルのEPの大ヒットは、エレクトロニックミュージックシーンにトラップが定着する大きなきっかけとなり、EDMフェス向けの“フェスティバル・トラップ”の誕生に貢献。

    その衝撃がヒップホップシーンにも伝わったことで、Kanye Westのコラボレーターに抜擢され、2013年にKanye Westの「G.O.O.D. Music」とプロデューサーとして契約。Kanye Westの『Yeezus』(2013年)や『The Life of Pablo』(2016年)のトラック制作に協力したほか、Drake、Pusha T、Lil Wayne、 A$AP Rockyなど数多くのUSの人気ラッパーのトラックを手がけるようになった。

    そして、2015年には2ndアルバム『Lantern』をリリースし、続く2016年にはANOHNIのソロデビューアルバム『Hopelessness』を共同プロデュースしたほか、ゲーム『Watch Dogs 2』のサントラも担当。

    それ以降もChristina AguileraやBanks、FKA twigsといったポップススターたちのプロデュースも手がけるなどしながら、2019年にはTNGHTを再始動させ、復活作『II』をリリースしたことも当時大きな話題となった。

    世界がコロナ禍に見舞われ音楽シーンが停滞を余儀なくされた2020年には、00sエレクトロブームの立役者であるTigaや、近年はDaft Punkを思わせるフィルターハウスを打ち出すDance Systemともコラボ曲をリリース。

    さらにこの時期のステイ・ホーム期間には、2000年代まで遡る過去のアーカイヴから掘り起こした未発表曲集『B.B.H.E.』、『Poom Gems』、『Airborne Lard』を配信リリースしている。

    また昨年はAzealia Banks、Danny L Harle、 Jimmy Edgarとのジャンルの垣根を感じさせないコラボを行い、迎えた今年、2022年6月末に最新アルバム『Cry Sugar』リリースを発表。同時に映像作家のkingcon2k11によるカオスな世界観の強烈な映像が印象的なアルバムのティーザー動画と先行シングル「Bicstan」を解禁し、音楽シーンへの帰還を告げた。

    “アメリカの退廃”を背景にした7年ぶりの最新アルバム

    Cry Sugar
    現在、自身が拠点とする“アメリカの退廃”を背景にした本作では、先述のティーザー動画のほか、マシュマロマンとジャックダニエルの瓶が描かれた奇妙なアートワークも印象的だ。プレスリリースでは、これを「我々はゴーストバスターズのマシュマロ・マンと腕を組んで、ジャックダニエルの瓶を片手に帰宅するところで、灰色の暴風雨という大惨事が近づきつつあるのを、ただじっと見つめている」と説明しているが、Hudson Mohawkeはインタビューで「イギリスからアメリカに移住してきた自分にとって、同国で感じた地元ではあり得ない“格差”を目の当たりにしたことで、長年魅力を感じていたメインストリームのポップス/ラップ/ダンスミュージックの発信源であるアメリカを見ていた自分の視点は、あくまで部外者の視点に過ぎなかったことに気がついた」と語っている。

    またそのような資本主義から生まれる歪な格差がありながらも、テレビ番組では大量消費を促す広告が平然と流されるアメリカについて、「ヨーロッパから来た自分にとって、アメリカの深みにハマるのは本当にカルチャーショックだ」と述べている。そんな現実を目にしたHudson Mohawkeによる“放蕩と黙示録の間の緊迫したドラマ”として描かれた『Cry Sugar』でも、アイコニックなハドモ節が効いた煌びやかでメロディック、かつソウルフルなシンセサウンドは健在だ。

    収録曲の至る所で見受けられるオールドスクールなレイヴ/ハードコアの影響

    しかし、同作ではそれだけにとどまらず、ハウス、UKガラージ、2ステップ、ゴスペル、ヒップホップ、映画音楽など、様々な要素が散りばめられたことで、これまでのマキシマリズム的なHudson Mohawkeの音楽表現がさらに進化している。しかし、その中でも特に印象的だったのは、収録曲の至る所で見受けられるオールドスクールなレイヴ/ハードコアの影響だ。

    例えば、「Bicstan」は、高速回転するハウシーなスタブのループやTB-303のアシッドなベースライン、破壊力のあるガバキックが鳴り響く“ハドモ流レイヴトラック”と言える仕上がりの曲だが、Hudson Mohawkeは過去に『Lantern』収録曲の「Shadows」でUKハードコアのレジェンド、Darren Stylesをサンプリング。

    また同シーンの人気プロデューサーのGammerとは、自身の楽曲「Chimes」やGammerの「Quit」でコラボするなど、レイヴ/ハードコア界隈との距離も近い。

    実際に先述の未発表曲集の中にはJ Dilla風のヨレたビート曲や00年代に流行したグリッチホップ風のビート曲に混ざって「All I Need」のようなレイヴ/ハードコアの影響が感じ取れる曲が収録されているが、今作でも「Dance Forever」でのフーバーサウンド風のフレーズや「Rain Shadow」でのアーメンブレイクスとともにこの界隈でも定番となっているLyn Collins「Think」と思われるブレイクビーツを使用している。このことからHudson Mohawkeがこのジャンルに強い影響を受けており、その要素を意識的に取り入れていることがわかる。

    “最高のダンスミュージックの多くはパーティ・ミュージック”

    またHudson Mohawkeは、『Cry Sugar』に込められた要素のひとつとして、イギリス人特有のユーモアのセンスを挙げている。その例として、“文化的、政治的な情報に精通しながらも、バカであることを恐れていなかった”イギリスのコメディドラマを挙げつつ、“奇妙なダンス・レコード”を作るなら、“陰鬱でシリアスでショッキングで深いものでなければならない”という、ステレオタイプを否定。「最高のダンスミュージックの多くはパーティ・ミュージックだし、自分が好きなダンスミュージックはたいていかなり簡潔で直接的だ」と述べている。そのことを考えると今作がエナジーフルで多幸感があるレイヴ/ハードコア要素を大胆に取り入れられていることも腑に落ちる。

    ちなみにHudson Mohawkeの故郷であるイギリスのクラブカルチャーをテーマにした青春映画では、ダンスミュージックが閉塞した現実を乗り切るために必要な“最低の中にある最高”なものとして描かれることが多い。

    今夏は日本でも多くの音楽フェスやライブイベントが開催されたが、未だに制約も残ることから、まだまだコロナ禍は収束したとは言えない状況だ。また新冷戦やその影響による世界的なインフレなどもあり、社会の閉塞感は以前よりも増しているように感じる。『Cry Sugar』は、そんなカオスな状況を乗り切るために必要なサウンドトラックだ。

    なお、Hudson Mohawkeは、コロナ禍で延期になっていた10月25日〜10月28日にかけて行われるSquarepusherの来日公演にゲストとして出演する。『Cry Sugar』を引っ提げての久々の来日ではDJセットを披露する予定だが、どんなプレイで会場を盛り上げてくれるのだろうか? 今から楽しみにしておこう!

    関連タグを見る:

    この記事をシェア

    あわせて読みたい

    関連する番組はこちら

    09/15 UPDATE
    KMが独自の視点で選曲、楽曲解説
    KMadd.some labels

    まもなくULTRA JAPAN 2022に出演!今月のKM beat Cypherは、自身のプロデュース楽曲や数々のフェスに出演した際の移動中に聞いていた曲、DJでかけた曲などを紹介していきます。

    2022/09/15 21:00
    |
    60 min
    09/23 UPDATE
    世界中から集めた最新チューンをどこよりも早く紹介
    ☆Taku TakahashiTJO

    今夜もたっぷり国内外の新曲を紹介🎵
    さらにULTRA JAPANの振り返りも🔥リスナーからの質問にもお答えしました!

    2022/09/23 21:00
    |
    60 min

    TOP NEWS

    09/23 UPDATE
    Alison Wonderlandによるエレクトロニックショー
    Alison Wonderland

    RADIO WONDERLAND #279
    エレクトロニックミュージックを中心に紹介して行く、DJ/プロデューサーAlison Wonderlandによるウィークリープログラム。ゲストコーナー「808s and Mates」には彼女に近しいアーティストが登場し、インタビューやゲストミックスをお届けします。

    2022/09/24 00:00
    |
    60 min
    09/23 UPDATE
    米テキサス発 DJユニットが日本人を躍らせたい!
    Wavedash

    Wavedash Radio Episode 11
    米テキサス州を拠点とするバンド/DJユニットのWavedashによるプログラム!今月は2000 年代初頭のオルタナティブから現行テクノ、ハウス ミュージックまでお気に入りの楽曲をセレクト!

    2022/09/23 23:00
    |
    60 min
    09/22 UPDATE
    Aiobahnが今のダンスミュージックとアーティストをシェア
    Aiobahn

    Aiobahn presents Blueprint.FM #002

    2022/09/23 22:00
    |
    min