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6年振りの来日公演を控えるFatboy Slim|今だから知っておきたい名曲や功績、偉業

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「FATBOY SLIM LOVES JAPAN」開催前に、彼がダンスミュージックシーンに与えた影響や功績を振り返る。
2023/09/26 18:30
Jun Fukunaga
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Fatboy Slim(ファットボーイ・スリム)ことNorman Cook(ノーマン・クック)が、今年10月に6年振りの来日公演を行う。

今回の来日公演でFatboy Slimは、10月6日(金)東京WOMB、10月7日(土)京都WORLDでのクラブ公演を行うほか、10月9日(月・祝)には、東京・お台場の都市型フェスティバル「ageHa THE FESTIVAL」3日目に開催される「FATBOY SLIM LOVES JAPAN」に出演。同イベントでは、Fatboy Slimと同じ英国出身、同じ年齢、ともにダンスミュージック界を牽引してきたレジェンド、"DJとしてもっとも神の領域に近い男"と称されるDJ Harvey(DJハーヴィー)と“おそらく”世界で初めての共演を果たす。

Norman Cookは、Fatboy Slimとして90年代後半にクラブシーンで起こった"ビッグビート"ムーブメントの立役者として、The Chemical Brothers、The Prodigy、Groove Armadaらとともにシーンを牽引。プロデューサー、DJとして世界的な知名度と人気を獲得した。それ以降もクラブシーンのトップDJとして活躍を続け、今ではシーンのリビングレジェンドのひとりに数えられる。今回は6年振りの来日公演を記念して、Fatboy Slimの名曲や功績、偉業を振り返りながらご紹介したい。

Fatboy Slim活動以前から数々のヒット曲を世に送り出してきたNorman Cook

Norman Cookは、1963年にイギリス・ロンドン南東郊ブロムリーで生まれる。ロンドン西郊サリー州レッドヒルで育ち、大学時代にイギリス南東岸ブライトンに移住。元々はバンドマンでベーシストだった彼は、1980年代にイギリスのインディーロックバンド・The Housemartinsのメンバーとして活動。同バンドは、R&B/ソウルグループ・Isley Brothersの分派グループであるIsley-Jasper-Isleyの「Caravan of Love」をカヴァーしてUKチャート1位を獲得しているほか、1988年の解散までにイギリスでデビューアルバム『London 0 Hull 4』など3枚のトップ10アルバムと6枚のトップ20シングルを残している。

The Housemartins解散後、1989年にNorman Cookはブライトンにてダンスミュージックバンド/ヒップホップコレクティブのBeats Internationalを開始。Beats Internationalとしては、1990年にUKチャート1位を獲得した「Dub Be Good To Me」やElvis Presley「In the Ghetto」をグラウンドビートスタイルでカバーした同名曲がある。ちなみに「Dub Be Good to Me」では、 The SOS BandやThe Clashの楽曲がサンプリングされており、このサンプリングによる巧みな楽曲制作スタイルは、この後にNorman Cookが名乗るFatboy Slimにも踏襲されている。

Beats Internationalの活動を終了後、Norman Cookはアシッドジャズ/ファンク系バンドのFreak Power、PizzamanやMighty Dub Katzといったダンスミュージックユニットとしても活動。またPizzamanでは「Sex on the Streets」(2023年8月にFatboy Slim Editがリリースされている)、Mighty Dub Katzでは「Magic Carpet Ride」など、この時期にもいくつかのヒット曲も残している。

そして、1996年より現在も名乗っているFatboy Slimとしての活動がスタート。現在までに『Better Living Through Chemistry』(1996年)、『You've Come a Long Way, Baby』(1998年)、『Halfway Between the Gutter and the Stars』(2000年)、『Palookaville』(2004年)の4枚のスタジオアルバムをリリースしている。特に今年でリリースから25周年を迎えたFatboy Slimの2ndアルバム『You've Come a Long Way, Baby』はビッグビートの名盤としてダンスミュージック史に刻まれており、その代表曲と言える名曲が多数収録されている。

では、ここでFatboy Slimの名曲をいくつかピックアップして見ていこう。

Fatboy Slimの名曲4選

Right Here, Right Now(『You've Come a Long Way, Baby』収録)

Fatboy Slimの名曲として、おそらく一番に名前が上がるであろう楽曲が「Right Here, Right Now」だ。同曲はUKアルバムチャート1位も獲得した先述の『You've Come a Long Way, Baby』のオープニング曲でもある。1999年にはシングルカットされ、UKシングルチャート2位を獲得しており、楽曲としても商業的成功を収めたビッグビートの金字塔的楽曲だ。英・ダンスミュージックメディアMixmagによる「WHAT IS THE GREATEST DANCE TRACK OF ALL TIME?」(2013年)という企画でも10位をマークしている。

ちなみに同曲で使用されている印象的な"Right Here, Right Now"というボイスサンプルは、1995年の映画『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』でのアンジェラ・バセットのセリフをサンプリングしたもの。同じく印象的なストリングスは、アメリカのバンド・James Gang「Ashes, the Rain and I」からサンプリングされている。同曲はこれまでにも多数のリミックスが存在し、2020年代に入ってからもテックハウスやハードハウス系のリミックスがリリースされている。

The Rockafeller Skank(『You've Come a Long Way, Baby』収録)

「Right Here, Right Now」と人気を二分する『You've Come a Long Way, Baby』収録といえば、「The Rockafeller Skank」。これぞ、ビッグビートな派手なブレイクビーツと "Right about now, the funk soul brother / Check it out now, the funk soul brother"と繰り返されるボイスサンプルが印象的な楽曲。このボイスサンプルはVinyl Dogs「Vinyl Dogs Vibe feat. Lord Finesse」でのLord Finesseのリリックがサンプリングされている。

またシングルはUKシングルチャートで6位を記録し、こちらも「Right Here, Right Now」と同じく商業的にも成功。ちなみに同曲は日本においてもテレビ番組やCMで使用されていたことから曲名は知らずとも一度は耳にしたことがあるという人も少なくないだろう。

Everybody Needs a 303(『Better Living Through Chemistry』収録)

Fatboy Slimのデビューアルバム『Better Living Through Chemistry』よりピックアップ。「Everybody Needs a 303」というタイトルどおり、Rolandのベースマシン「TB-303」のアシッドなベースラインが印象的な楽曲になっている。同曲にはカーニバル風ビートを取り入れた「Everybody Loves a Carnival」というセルフリミックスバージョンも存在するが、そちらはオリジナルバージョンを上回る商業的成功を収めている。

なお、曲の前半部分で聴こえるファンキーなベースラインはEdwin Starr「Everybody Needs Love」からのサンプリング。またそのタイトルからTB-303関連記事などで言及されることも多い曲でもある。

Star 69(『Halfway Between the Gutter and the Stars』収録曲)

『You've Come a Long Way, Baby』での大成功のあとにリリースされた3rdアルバム『Halfway Between the Gutter and the Stars』からのセカンドシングルとしてリリースされた「Star 69」。Fatboy Slimお得意のルーピーなボイスサンプルをフィーチャーしたアシッドテクノスタイルの楽曲は、UKシングルチャート10位、UKダンスチャート2位を獲得したヒット曲だ。

"They know what is what, but they don't know what is what, they just strut. What the f***?"というボイスサンプルは、アメリカのハウスプロデューサーのRoland Clark「I Get Deep」からのサンプリング。ちなみに「Star 69」は、2017年のKaty PerryとNicki Minajのコラボ曲「Swish Swish」でサンプリングされているため、ホップスやヒップホップリスナーの中にもこの印象的なボイスサンプルを聴いたことがある人は多いのでは?

25万人以上の観客を集めた伝説のビーチパーティとロンドンオリンピック閉会式でのパフォーマンス

このようにFatboy Slimとして数多くのクラブヒットを持つNorman Cookだが、そんな彼をクラブシーンにおける伝説的な人物に押し上げたのが、自身が拠点とするイギリス・ブライントンで2002年7月13日に開催された「Big Beach Boutique II」という伝説的パーティだ。

「Big Beach Boutique II」には、ブライトンの人口の2倍にあたる25万人以上のクラバーが集結。その圧倒的な光景は、昨年同イベント開催20周年を記念しYouTubeで公開された動画「Live At Big Beach Boutique II, Brighton, 2002」で確認できる。この時のDJセットではTim Deluxe「It Just Won't Do」、X-Press 2「Lazy」、Camisra「Let Me Show You」、Fatboy SlimによるAll Saintsの「Pure Shores」のリミックス、そして、Underworld「Born Slippy」とFatboy Slim「Right Here, Right Now」のマッシュアップなど、当時流行していたクラシックなクラブヒットが多数プレイされている。

また「Big Beach Boutique」は、以前日本でも再現イベントが行われていたことから、日本のクラバーの間でもよく知られたビッグパーティだった。

そのほかに2012年ロンドンオリンピック閉会式にも出演。この閉会式ではSpice Girls、Ed Sheeran、Liam Gallagher率いるBeady Eye、Muse、Pet Shop Boys、The Whoなどイギリスを代表するアーティストがパフォーマンスを行うなか「Right Here, Right Now」と「Rocafeller Skank」をプレイしている。

現在も精力的に活動するFatboy Slim

2020年代に突入してからも、コーチェラ2022やグラストンベリーフェスティバル2023といったビッグフェスへの出演を始め、DJとして変わらず精力的に活動を行なっているNorman Cook。楽曲リリース面では、Fatboy Slimのオリジナルアルバムのリリースは2004年以降行われていないが、シングルのリリースは以前よりもペースが落ちはするものの継続中だ。直近では自身の設立したレーベル「Southern Fried Records」からEats Everythingとのコラボ曲「All the Ladies」や大御所テクノDJ/プロデューサーのCarl Coxとのコラボ曲「Speed Trials On Acid」といった楽曲をリリースしている。

そんななか、今年4月にはダンスポップ系シンガーのRita OraがFatboy Slimの代表曲のひとつ「Praise You」を再構築した楽曲をリリース。Norman CookはFatboy Slim名義でフィーチャーリングアーティストとしてクレジットされている。またグラストンベリーフェスティバル2023でのFatboy SlimのステージでもRita Oraを招き、同曲がパフォーマンスされている。原曲を知らない若い世代のポップミュージックファンの中には、Rita Oraのこの曲でFatboy Slimのことを知った人もいるのではないだろうか?

このようにFatboy SlimことNorman Cookのキャリアを振り返ると、いかに彼が伝説的なDJ/プロデューサーであることがよくわかるだろう。

ここで話を戻して、今回のFatboy Slim来日ツアーの目玉公演と言える「ageHa THE FESTIVAL」3日目に開催される「FATBOY SLIM LOVES JAPAN」にも再び触れておこう。


先述のとおり、同イベントではFatboy SlimとDJ Harveyというふたりのダンスミュージックシーンのリビングレジェンドが“おそらく”世界で初めて共演する。“おそらく”というのも、遥か以前にイビサの「Cafe del Mar」で2人は共演したかもしれないが、本人たちでさえ記憶が定かでないという。

しかしNorman Cookは、以前のViceのインタビューでかつてDJ Harveyが所属していたクルー「Tonka Sound System」のブライトンビーチで行われたパーティで、彼のDJプレイを初めて体験した時のことをこう振り返っている。

「DJが神格化されるのを見たのは、その時が初めてだった。DJ Harveyの風貌がイエス・キリストのような風貌だったこともそう思う要因だったはずだ。自分と同い年の人は、あのパーティを思い出すと目がうるうるしてしまう人がいるんだ」

また今回の共演について、Norman CookとDJ Harveyはそれぞれ、次のように述べている。

「DJ Harveyは最も尊敬するヒーローのひとりだ。DJの中のDJなんだよ。彼のプレイは何度も見てきたけれど、同じパーティでプレイすることはめったにないこともあって、今回の共演は楽しみであり、光栄なことなんだ」
ーFatboy SlimことNorman Cook

「旧友のNorman Cookから「Fatboy Slim loves Japan」でのプレイを依頼された時、とても興奮したよ。なぜならこれは断れないオファーだったから。今回は僕ら全員にとって信じられないようなショーになると思うよ」
ーDJ HARVEY

多くの日本のファンが待ち望んでいた6年ぶりのFatboy Slim来日公演。本稿でFatboy Slimの魅力を改めて感じた人は、ぜひ「FATBOY SLIM LOVES JAPAN」をはじめとした来日公演に足を運んでみてはいかがだろうか?

■ACiD presents FATBOY SLIM LOVES JAPAN TOUR
https://acid.tokyo

【イベント情報】


━━━━━━━━━━
ACiD presents
FATBOY SLIM LOVES JAPAN TOUR [東京]
━━━━━━━━━━
日 時:
10月6日(金)開場・開演23:00

会 場:
WOMB(東京)

料 金:
前売 6,000円

チケット購入:
https://acid.zaiko.io/e/FBSLOVESJAPANTOKYO

オフィシャルサイト:
https://www.womb.co.jp

━━━━━━━━━━
ACiD presents
FATBOY SLIM LOVES JAPAN TOUR [京都]
━━━━━━━━━━
日 時:
10月7日(土)開場・開演21:00

会 場:
WORLD(京都)

料 金:
前売 8,000円(SOLD OUT)

オフィシャルサイト:
http://www.world-kyoto.com/


━━━━━━━━━━
ageHa THE FESTIVAL
FATBOY SLIM LOVES JAPAN TOUR [東京・お台場]
━━━━━━━━━━
日 時:
2023年10月9日(月・祝)開場・開演12:00/終演20:30(予定)

会 場:
東京・お台場 青海R区画

料 金:
前売 8,800円
U-23(23歳以下)7,700円

出 演:
FATBOY SLIM
DJ HARVEY
FRANCESCO DEL GARDA
A.S.F (P-YAN & RYOKEI)
CELTER
CYK
FRAN-KEY
MILLION DOLLAR SOUNDS
MONKEY TIMERS
PIXIE
SAMO
SATOSHI OTSUKI
SISI
YAMARCHY

チケット購入:
https://acid.zaiko.io/e/fbslovesjapan
https://eplus.jp/sf/detail/1326990001

※VVIPをご希望の方は下記まで
reserve@ageha.com

オフィシャルサイト
https://www.thefestival.ageha.com

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