Eminem節全開の過激なリリックが詰まったシングル「Tobey」がリリース。MVも彼らしいパロディ要素満点

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4年ぶりのニューアルバム『The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)』のリリースを7月12日に控えているEminem(エミネム)が新たなリードシングル「Tobey」をリリースした。
この曲ではBig Sean(ビッグ・ショーン)、BabyTron(ベイビートロン)がフィーチャリングで参加。Eminemの地元デトロイトのチームアップが実現した形となっており、Lyrical Lemonade(リリカル・レモネード)のCole Bennett(コール・ベネット)によるMVも公開された。このMVでは、自身の初期を彷彿とさせる悪名高いジェイソン・マスクを着用。Eminemの分身であり別人格とされるキャラクター=Slim Shady(スリム・シェイディ)が復活している。
Eminemらしいパロディや過激なリリックも
フックでも登場する“Tobey Maguire”はスパイダーマン役の俳優、Tobey Maguire(トビー・マグワイア)のことで、タイトルの「Tobey」もそれを指している。さらにジャケット写真は、コミック『スパイダーマン』の有名な指差しミームからインスピレーションを得ており、パロディ要素満点の新曲だ。
かと思いきや、やはりEminem。「お前のトップ5ラッパーには興味がないぜ」と不特定多数を攻撃するかのようなリリックも。”トップ5ラッパー”は多くのアーティストがインタビューで聞かれるリストのひとつで、そこにはEminemの名前を挙げるアーティストも多い。ちなみに今回コラボしているBabyTronはEminemの名前を挙げて”いない”ことも興味深い。
続けてEminemは「なんで俺に負けたラッパーが俺より上にいるんだ」とラップ。”俺に負けた”とはビーフでの勝ち負けのことではなく、誰かとコラボした際のEminemの絶対的自信を表している。そしてこの際の“上”とは、昨年ビルボードが製作した「トップ50ラッパー」のランキング上での話のようだ。このリストでは1位にJay-Z(ジェイ・Z)、2位にKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、3位にNas(ナズ)、4位に2 Pac(2・パック)、そして5位にEminemとなっており、Eminemはそれぞれとコラボ曲をリリースしている経緯もある。
Eminemはデトロイトのベストラッパーではない ! ?
90年代後半から活躍し、今もシーンを盛り上げる存在である。そんなイメージを持つEminemだが、地元ではそうでもないという意見も。これはデトロイトのラッパー、Skilla Baby(スキラ・ベイビー)がPodcast番組に出演した際に話していたもので、「数字的に言えばEminemだけど、今のデトロイトで彼の曲を聴いている人はいないよ。自分も小さい時はファンだったけど、Eminemが地元のベストラッパーかと言えば、デトロイトはそうは答えないだろう」と語っている。
しかしこれはディスではない。Skilla BabyはTee Grizzley(ティー・グリージー)やSada Baby(サダ・ベイビー)などのラッパーの名前を挙げつつ「人気が続かないことが問題なんだ」と地元シーンを指摘。Big SeanやBabyTronだけではなく、Royce Da 5’9″(ロイス・ダ・ファイブ・ナイン)といったベテランなど、多くのタレントを生み出しているデトロイトだが、Skilla Babyの考えは”確かに”といった印象。しかし、それだけにまだラッパーとしてリリースの止まらないEminemの凄さも際立つ。