DÉ DÉ MOUSE「中学の頃はクラシックギターでX JAPANを弾いていた」Primula、Yackleらと共に振り返る思春期

Primula、Yackle、ONJUICY、☆Takuとともに振り返る思春期のエピソード。とある機材がDÉ DÉ MOUSEの運命を変えた?
SHARE
2019.04.29 08:00

block.fmが贈るスペシャルな1週間「block.fm MASSIVE WEEK」では各番組に豪華なゲストを招致しエクスクルーシヴなコンテンツを放送している。特番として4月24日(水)にかねてよりblock.fmと親交のあるDJ/プロデューサーDÉ DÉ MOUSEのプログラムが配信された。


DÉ DÉ MOUSE SPECIAL

アーカイブ視聴はこちら

https://block.fm/radios/708





まさかの遅刻! DÉ DÉ MOUSE不在で始まった『DÉ DÉ MOUSE SPECIAL』


番組が始まると、ホストであるはずのDÉ DÉ MOUSEが電車の遅延によってまだスタジオに着いていないことが、DOUBLE CRAPPERS/block.fmのGrimeラッパー、ONJUICY(オンジューシー)から伝えられる。


ゲストとしてDÉ DÉ MOUSEに迎えられるはずだったPrimula(プリムラ)、最近高校を卒業したばかり、block.fmのインタビューにも登場した話題のDJ/プロデューサーYackle(ヤックル)、そしてm-flo/block.fmのチェアマン☆Taku TakahashiがオープニングからDÉ DÉ MOUSEの身を案じつつ、到着を待つというトンデモ展開に。


急遽、DÉ DÉ MOUSEの主宰するレーベル「not records」から5月15日にアルバム『Gone』をリリースするPrimulaがDÉ DÉ MOUSEの代理となり、番組を進行した。


アルバム『Gone』収録のDÉ DÉ MOUSEとONJUICYとの新曲「Buck in the day(Air Max)」を番組冒頭で披露している最中に、無事DÉ DÉ MOUSEが登場。Primulaとの出会いや、楽曲ができるまでのエピソードを明かした。


「Buck in the day(Air Max)」制作秘話


Primula:DÉ DÉさんのレーベルから『Gone』というアルバムを出すんですけど、その中の曲です。ラップを入れたいと思ってて、目に留まったラッパーがONJUICYくんでした。


DÉ DÉ MOUSE(以下:DÉ DÉ):違うよ!  渋谷のVISIONでさ。


Primula:そっから話しますか? 


DÉ DÉ:たしか「Track Maker」※1かな。僕が楽屋にいたらPrimulaとONJUICYくんも遊びに来て。居合わせた2人の邂逅を見て、この2人でやったら面白いんじゃないかって思ったんです。次の日、武蔵小杉の串カツ田中で2時間Primulaを説得したんですよ。ONJUICYと一緒にやろう! って。でもPrimulaは考えますって言ってて。


☆Taku Takahashi(以下:☆Taku):ONJUICYとやるのどう? って言われて、考えますって言ったの、正しい選択だったと思う(笑)。


Primula:いや違うんですよ(笑)。アルバム完成したと思ってたんで。もう出すのかなって思ってたところでもう1曲ってなったからハードルが。


ONJUICY:(リリース)間近だったんですね。


Primula:ONJUICYくんにも急なお願いになっちゃったんですけど、快く引き受けてくれて。バッチリ決めてくれましたね。


☆Taku:彼、10分くらいあれば書けますからね。


DÉ DÉ:Primulaを説得するのに、絶対ラップ1曲あった方がいいよーって言ったんです。それも、TRAPよりもGRIMEの方がいいんじゃないって。どちらかというと日本のGRIMEってあんまりないから。まあそんなことがありつつ、PrimulaとONJUICYの2人が出会ってできた曲です。


Primula:もう今週中に先行配信されます。映像も作りましたので。僕、ひとりでダンスするという芸があるんですけど。この曲に合わせて、土手でダンスしたのをDÉ DÉさんに編集してもらったMVになってます。


DÉ DÉ:Primulaの他のMVを撮ってたんですよ。で、時間が余ったからもう一本撮ろうよって言って。だけど彼の着る衣装がなくて、着てたシャツとズボンを脱いで、白いTシャツとパンツ一枚で土手で踊ったっていうMVなんです(笑)。


☆Taku:楽しみですねえ。それ、外ですよね?


DÉ DÉ:多摩川の土手です。


☆Taku:大丈夫なんですか?(笑)


Primula:あの、なんかある種のマジックがかかってたみたいで(笑)。皆さんにこやかに通り過ぎていってくれましたね。


一同:(笑)


☆Taku:それはDÉ DÉさんの趣味なんですか? 


Primula:着るものがないなら、脱ぐしかないという発想です(笑)。



この翌日、楽曲とともにMVがリリースされた。ある種のマジックがかかっていたと語る、その全貌をぜひチェックしてほしい。




DÉ DÉ MOUSE、Primulaとの出会いに「ガッカリした」


“青春音楽家”の肩書きを持つPrimulaは、DÉ DÉ MOUSEとの共通のキーワードでもあるという青春やノスタルジーをテーマに楽曲をレコメンド。


邦画サントラが好きということで、原作・吉本ばなな、牧瀬里穂主演、1990年公開の映画『つぐみ』のサントラから楽曲をセレクトした。時代を遡るエモい選曲と、失恋の心境を音楽とともに映像化した自身の楽曲「Aquarius」をバックミュージックに、DÉ DÉ MOUSEとの出会いやそれぞれの青春時代、DJを始めたきっかけなど胸アツなトークを展開。




Primula:この「Aquarius」はDÉ DÉさんと出会う前の曲なんですけど、この曲のMVを観てDÉ DÉさんが連絡をくれたんです。


DÉ DÉ:TwitterからDMしました。水兵さんの格好をしてPrimulaが踊っているんですけど、曲が終わると寂しいんですよね。その世界観に惹かれて何度も観てしまったんです。


Primula:僕、思春期が好きで。『つぐみ』も思春期の映画なんですけど。思春期をテーマに、それをいかにしてダンスミュージックに落とし込むかっていうのをやってるんですね。


DÉ DÉ:失恋のときの気持ちを、音楽に落とし込んだっていうのがこの「Aquarius」という曲で。気になっちゃって知り会いを通じて紹介してもらい、DMを送りました。


Primula:僕そのとき、ご飯食べてて。震えましたね。マジか、って。


☆Taku:ご飯食べてていきなりDÉ DÉ MOUSEからDM来たらヤバイね。


DÉ DÉ:ファンです! って言ってね。


Primula:なんて返そうか、本気で悩みましたけど、結局、こちらこそ宜しくお願いしますとしか返さなかったんです。


DÉ DÉ:Primula、凛々しい顔してるから、コワい人なのかと思ってて。実際会ったら割とホワホワした人で、ガッカリしたんです。「あ。どうも。Primulaっす」って強気なの期待してたから。


Primula:え? ガッカリしてたんですか? 頑張って会話したんですよ? 


☆Taku:まあ、実際会ったらイメージと違う人っていますもんねえ。


Primula:やっぱりDÉ DÉ MOUSEに会うって緊張するじゃないですか。“孤高の音楽家”ってイメージがあったので。僕らと同世代くらいの人で、ズドーン! と行った人ですし。





それぞれの青春時代をプレイバック


DÉ DÉ:Primulaは思春期に素敵な思い出がたくさんあったんですか? それだけ思春期に固執しているというのは。


Primula:思春期に素敵な思い出ってそんなにありますか? そうか、Yackleはちょっと前くらいか。


DÉ DÉ:Yackleはまだ思春期なんじゃないですか? 


Yackle:いつまでを思春期っていうんですかね。


DÉ DÉ:第二次成長期。


Primula:なんだろう。キュンとしました。そのフレーズ。


DÉ DÉ:なのでいちばん思春期に近いYackleに話聞いた方がいいんじゃないですか。


Yackle:やっぱ、学校は楽しいですね。文化祭でDJしたり。学校内でも、そういう音楽で盛り上がってくれる子はたくさんいるんで。


Primula:ちなみに何委員会だったんですか? 


Yackle:中学生のときは、放送委員に入ってました。給食の時間に好きな曲をかけられるんですよ。喋るのよりも好きな曲を学校で聴きたいっていう理由でした。


DÉ DÉ:ちなみに☆Takuさんは、中学時代そういうエピソードありますか? 学校で好きな曲をかけたりとか。


☆Taku:中学生の時は確かDJ始めたころ、かなあ。


DÉ DÉ:へえ。最初って何がきっかけで始めたんですか? 


☆Taku:学校でダンスパーティがあったんですよ。インターナショナルスクールだから。そこで好きな音楽かけたいっていうのでやってましたねえ。


DÉ DÉ:カッコイイ〜。最初はどんなのかけてたんですか? 


☆Taku:DJ始めたかった理由はユーロビートだったんですよね。ユーロビートって言ってもビーマニとかDDR※2とかじゃなくて、えーっと、Hi-NRG(ハイ・エナジー)※3でもなくて。もっとStock Aitken Waterman(ストック・エイトキン・ウォーターマン)※4的な。


DÉ DÉ:いちばんいいユーロビートじゃないですか。Kylie Minogue(カイリー・ミノーグ)※5とか。


☆Taku:イタリアのユーロビートとかね。それとあとBillboardですね。良く聴いてたのは。


DÉ DÉ:オシャレだなー。


☆Taku:いや全然オシャレじゃないっすよ。普通にFMで流れてるようなものとかハマってました。逆にDÉ DÉさんはどんな音楽を聴いてたんですか。


DÉ DÉ:僕、小学校の頃はほとんど音楽を聴いてなくて。アニメのオープニング、エンディングくらい。世代的にはTM NET WORKとか流行ってましたね。TM NET WORK好きだとイケてるやつ、みたいな風潮はありました。


☆Taku:「逆襲のシャア」※6のエンディング、TM NET WORKでしたね。


DÉ DÉ:そうそうそう! あの頃ですね。中学校に入って、X(JAPAN)が大ブーム。みんなXを聴いていて。バンド組み始めたりとかしてね。僕はお父さんが持ってたクラシックギターしか家にないから、クラシックギターでXの曲弾いてました(笑)。


☆Taku:やっぱり通ったんですね。そのへん。


DÉ DÉ:でも一方でジュリアナがすごい流行ってて。そこからやっぱりダンスミュージックの方が“都会さ”を感じて。当時でいうと小室(哲也)さんとか、シンセサイザーたくさん並べてたりしてて、すごく都会的だなって憧れたんですよ。ロボットが好きだから、メカ感あるじゃないですか。ギターよりもダンスミュージックがいいなあと。




もしもEOSを使っていたら、DÉ DÉ MOUSEはここにいなかった


☆Taku :それこそ、EOS※7とか売ってましたもんねえ。


DÉ DÉ:EOS欲しかったですよ。僕の住んでた近くの楽器屋さんになくて。Rollandのシンセを買ったから今があるんですよ。


☆Taku:それは良かったですね。


DÉ DÉ:そうなんですよ。EOS使ってたら、今ここにいなかった。全然違う音楽やってたかもしれないし。音楽やれてなかったかも。そこが本当に運命の分かれ道だった気がして。というのも、EOSって入ってる音がポップス向けの音が多い。リズムとかも。


☆Taku:ぶっちゃけ、ダンスミュージックテイストなモノをポップスに持ち込んだのは間違いなく小室さんなんだけど、と同時に音は間違ってるじゃないですか。


DÉ DÉ:ハハハ。でもそれに影響受けた世代なんですよ(笑)。


☆Taku:良くも悪くもとれるんだけどね(笑)。だって、シンセの音とか、ドラムの音色の選択とか、絶対間違ってたと思うし。小室さん本人がお話されてたのは、当時なんにも情報がないなかで、どうやったらこのキックの音になるのか全くわかんない状態でやってたって言ってて。


DÉ DÉ:ああ〜。黎明期って感じですごくいいエピソードですね。それは。


☆Taku:で、まあ、ほんとEOS行ってたらどうなってたのかと思うよね。


DÉ DÉ:いや、ほんとにそう。僕、Rollandのオールインワンシンセサイザーって言ってシーケンサーも内蔵されてるやつ買ったんですけど。やっぱり音もたくさん入ってるし変な音もいっぱい作れて。それが今につながっている。


☆Taku:それがDÉ DÉ MOUSEになっていったと。





このあとプログラムは予想通り時間が足りなくなり、バタバタとエンディングを迎えることになるのだが、DÉ DÉ MOUSEが日の目を見る前の苦労時代に、スーパーマーケットの激安食材で食いつないでいた思い出と、ボンビーなアイデア料理の数々を発表するなど、洗練されたイメージのあるDÉ DÉ MOUSEの意外な一面を見ることができた。さらにメジャーデビューしてからインターネット上で批判された経験を経て、それを克服するメソッドやマインドセットなど濃密なエピソードが数々飛び出した。DÉ DÉ MOUSEがタフな生活とハードな経験を乗り越えてきた苦労人であることを知り、背中を押されたリスナーも多いのではないだろうか。



オープニングに遅刻した原因も電車の遅延はもとより、音楽づくりに没頭し時間に余裕を持たなかったことがそもそもの理由だと明かし、番組冒頭で謝罪の意を表したDÉ DÉ MOUSE。それもなんというか、イメージしうるDÉ DÉ MOUSEらしさと言える。


80年代〜90年代のダンスミュージックの変遷、ルーツや交遊関係、楽曲制作の初期衝動に至るまで、『DÉ DÉ MOUSE SPECIAL』というタイトルにふさわしい内容だった。


参加アーティストの中で、高校を卒業したばかりのYackleがいちばん落ち着いていて、大人な風格と品格を漂わせているのも面白かった。そして、このプラグラムのホストである、DÉ DÉ MOUSEがどんな楽曲をレコメンドしたのかは、アーカイヴをぜひチェックしてみてほしい。


【番組情報】




DÉ DÉ MOUSE SPECIAL

アーカイブ視聴はこちら

https://block.fm/radios/708



※1「Track Maker」

渋谷VISIONで開催されている人気イベントのひとつ。注目を集める新進気鋭のDTM、打ちこみ系のDJ/プロデューサー/シンガー/ラッパーといったアーティストが多数出演し人気を集める。ジャンルレスで幅の広いアーティストキュレーションにより、毎回違うフレッシュな顔ぶれ、コラボレーションが見られる筆者個人としても好みなクラブイベントである。


※2ビーマニとかDDR

KONAMIのゲーム、『ビートマニア』と『ダンスダンスレボリューション』の略称。音ゲーブームを牽引したタイトルシリーズ。筆者が小学生のころ、ダンスミュージックに触れたのはまさにこの2作品だった。


※3 Hi-NRG

(High Energy, ハイエナジー)は、1980年代初期にディスコやクラブで人気の高かったダンス・ミュージック。ディスコから派生し、電子楽器によるダンスミュージック(Hi-NRG,EURO BEAT,HOUSE,TECHNO等)の中でも最初に登場したといわれる。


※4 Stock Aitken Waterman(ストック・エイトキン・ウォーターマン)

イギリスの音楽プロデューサーユニット。1980年代初頭に流行し始めたHi-NRGを進化させ、ポップスとして完成させたといわれる。1985年以降に現れたEURO BEATと呼ばれる音楽ジャンルを牽引した。頭文字を取って“SAW”と言い表される。


※5 Kylie Minogue(カイリー・ミノーグ)

オーストラリア・ビクトリア州メルボルン生まれのシンガーソングライター、女優。SAWのレーベル「PWL」からSAWプロデュースの「ラッキー・ラヴ」を発売。イギリスのヒットチャートで6週連続1位を記録した。


※6 「逆襲のシャア」

1988年3月12日(土)に松竹系で劇場公開されたガンダムシリーズのアニメ映画。主要キャラであり、ガンダムの2大主人公、アムロ・レイとシャア・アズナブルの最後の戦いを描く。主題歌はTM NETWORK「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」。


※7 EOS

ヤマハのシンセサイザー。「Entertainment Operating System」の頭文字を取ったもので、初めてシンセサイザーを入手した人でも、音を作り演奏し、さらには曲作りまで楽しめるというコンセプトで企画された。10数年に渡りシリーズ化され、1988年「B200」発売時にはイメージキャラクターとして小室哲哉氏が起用されている。その後、小室哲哉氏はイメージキャラクターだけではなく、後継機の企画開発に携わった。




▶Primula 『GONE』

リリース:2019年05月15日 (水)

レーベル:not records


Tracklist:

01. Make My Day feat. DÉ DÉ MOUSE

02. GONE feat. Maika Loubté

03. Our Trouble

04. A Disappearing Rainbow

05. Primula Express

06. Back in the Day (Air Max) feat. DÉ DÉ MOUSE & ONJUICY

07. Tangling

08. Lost Over

09. Swimming in the Memory Pool

10. Classroom 5

11. Dantism

12. The New Blue


※CD:紙ジャケット仕様


Primula オフィシャル・サイト

http://primulakyun.com/


written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki



SHARE