『ボバ・フェット』シーズンファイナル大考察|ビッグカメオの可能性

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Text:☆Taku Takahashi
※この記事は『ボバ・フェット』のネタバレを含みます。ドラマを視聴の上、お読みください。※
いよいよ『ボバ・フェット』シーズン最終話。ボバ・フェットが率いるゴートラ(ギャングファミリー)とパイク・シンジケートの戦争が始まる。信じられない展開が続いていて、現段階だと本当になんでもあり得る状態。今回の考察は『ボバ・フェット』のシーンと、ディズニープラスで観られる作品をヒントにさまざまなアングルを並べていく。
ジョン・ファヴローのサービス精神
第5話、第6話だけでも数多くのカメオが登場した。『オリジナル・トリロジー』からルークとR2-D2、『クローン大戦』からアソーカとキャド・ベイン、『マンダロリアン』からグローグー、アーマラー、パズ・ヴィズラ、コブ・ヴァンス、ペリ・モットー、『プリクエル・トリロジー』からコルサントの501クローン部隊とナブー・N-1・スターファイターなど。どの世代の『スター・ウォーズ』好きでも気付けるようなファンサービスが詰まっていた。まさにカメオの大渋滞状態。
ここまで出したら、もうカメオは出ないだろうと思ってもおかしくない。ただ、まだもう一つ大きな瞬間が待っている可能性もある。それはジョン・ファヴローのサービス精神の強さ。ディズニープラスにある『ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン』という『マンダロリアン』のドキュメンタリーがある。シーズン2第1話の12分55秒、ジョン・ファヴローとデイブ・フィローニの会話のやりとりを観てほしい。フィローニが止めにかかるのだが、ここでいかにファヴローのサービス精神が強いかが伺える。

Jon Favreau at the premiere for The Jungle Book in Sydney, Australia
最終話のカメオの可能性
1話から4話でわかること。それは、この物語はボバが今まで孤独で復讐心と生き抜くために凌いできた後に成長し、真の家族と言える仲間を「ギャング」として集めていく話だということだ。
カメオ①キーラ
「ギャング」がテーマだとしたらパイク以外のギャングが出てくる可能性がある。キャド・ベインが「シンジケート」と言って「パイク・シンジケート」とは言っていない。これは単純に略しただけかもしれないが、シンジケートを翻訳すると「組織」。ジャバの死以降、ハット・カルテルが弱体化しているとしても、パイクのみが来るだけでハット族の双子がそのままタトゥイーンを諦めるのか?それを考えるとキーラ率いるクリムゾン・ドーンがパイクと連合を組んでいる可能性もなくはない。
カメオ②ボスク
この物語でトランドーシャンは幾度となく出てきている。そこからつながるのはep5『帝国の逆襲』に初登場したボスク。もし、パイクとの戦いで中立を誓ったトランドーシャンが戦争に加わるのなら、ボスクを登場させる可能性はワンチャンあるかもしれない。ただ、キャド・ベインの存在感を出したい場合、ボスク登場は物語を描くのを難しくする要素になってしまう可能性がある。
カメオ③オメガ
ジャンゴ・フェットに唯一、息子として育てられたとはいえ、ボバ・フェットもクローン・トルーパー同様、彼もクローンだということだ。オメガはボバと同様、成長速度を調整されないまま育てられたジャンゴのクローン。バクタ治療のあとにボバが「またあの夢だ」、そしてフェネックの「心の傷は癒えたの?」というセリフから、クローンの知識の高い彼女の登場を憶測していた。
ビッグカメオの可能性
3人のカメオを述べたが、実はこれらのキャラクター以上に登場しそうな人物たちがいる。サービス精神の強いファヴローが仮に最終話にカメオを出すとしたら誰を選ぶか?『マンダロリアン』シーズン2の最終話でルークがビッグカメオとして登場した。その手前でヒントとしてアソーカがディンにジェダイを探すことを述べていた。可能性としてあったのがアニメ『反乱者たち』の主人公エズラ・ブリッジャー、もしくはルークだった。
私の願望としてはエズラだったのだが、ファヴローはルークを選んだ。最終話で皆をびっくりさせるためには、やはり皆が観たことのあるキャラクターを登場させるのは理解できるし、私の願望とは違う方向とはいえ、大きなカタルシスを感じた。それを考えると、もしファヴローがカメオを出してくるのなら、スター・ウォーズ的「大物」を出してくる可能性が高い。画面ごしで皆が「ウソ!」って叫ぶ人を出したがると思う。そうなると誰か?
ボバは父親と一緒にいられない寂しさをバクタの夢やタスケンとのビジョンで観ている。そこで出てくるのが父の仇、メイス・ウィンドゥだ。ep3『シスの復讐』でパルパティーン最高議長と戦ったとき、高層ビルから転落している。台本には「死んだ」と書かれているが、ダース・モールの復活を考えると、彼が生きているという可能性もある。しかもサミュエル・L・ジャクソンのパンチは強い。ただ、もしそれをした場合、彼がオリジナル3部作のときにまったく出てこなかった理由をファンは求めるだろう。
それを考えると、ディープフェイク技術、幾度となく出てくる電車シーンから連想される「彼」が浮上する。あえて名前を言わない。というか言えない(笑)。人気キャラのトップ3に入る「彼」が出てきたら世の中の『スター・ウォーズ』ファンからしてみれば大きな衝撃になるが、納得のいく登場の仕方をする必要になる。さらに、気になるポイントとしては新共和国に加盟していないタトゥイーンにXウィングが惑星軌道上にいたところ。そうなると「彼」の妻(この時点では彼女かも)の方が出てくる可能性もある。
『ブック・オブ・ボバ』でなく『ブック・オブ・マンダロリアン』について
数多くの人たち、いや、むしろ全員が第5話と第6話はまるで『ブック・オブ・マンダロリアン』に感じるほどディン・ジャリンが話の中心となっていた。そういったところから、物足りなさを感じているボバ・フェットのファンたちもいるかもしれない。『マンダロリアン』は一つの物語の世界観に集中されていたが『ボバ・フェット』は前よりも『スター・ウォーズ』の世界観全体を描こうとしている。他の作品を例えるとすればマーベルの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のようなアプローチをとっている。
もう一つの大きな複線テーマがマンダロアの思想「忠誠と結束が我らの道」すなわち絆だ。ボバの予想外の成長などにもこのテーマは当てはまる。そういった意味でディンのとグローグーのシーンは単に『ブック・オブ・マンダロリアン』を表現したかったのではなく、物語の伝えたいメッセージとして描かれていると考えられる。冷酷非常なボバを求めるファンに希望を持たせるポイントはキャド・ベインの登場だ。最終話のヴィランとしてボバとの対決は避けられない展開。果たして決着がつくのか?
考察の楽しみ方
ここまで様々な可能性を考察してきたが、大事なことがある。考察とは物語の今後の展開を楽しむ、あくまで「ゲーム」だということ。自分が期待していた考察の通りになるように期待はしてはいけない。なぜなら考察に引っ張られて、楽しい物語も楽しめなくなってしまうおそれがあるからだ。考察というフォースを暗黒サイドにひっぱられないように最後まで楽しむよう、心がけていくことが必要だ。
カメオやビッグカメオが出ようが出まいが、より最終回を皆で楽しみながらフォースの調和が生まれることを祈る。最後に、シーズン最終話の前にディズニープラスで楽しめる作品を紹介しよう。この作品たちを観たら最終話をより楽しく観られるようになるかもしれない。フォースが共にあらんことを。
『ハン・ソロ』
文字通りハン・ソロを描いた話。パイク・シンジケートやクリムゾン・ドーンが描かれている。
ep2『クローンの攻撃』
子供のころのボバ、そして父のジャンゴ・フェットが出てくる。
『クローン大戦』
1エピソードがだいたい30分以内。この物語は1話完結のエピソードばかりなので、最初から全てを観る必要はない。
■ボバ登場エピソード
シーズン2第20話『デス・トラップ』
■ボバとボスク登場エピソード
シーズン4第20話『その手に掴むもの』
■キャド・ベイン登場エピソード
シーズン2第1話『ホロクロン強奪』
『バッド・バッチ』
こちらは1話完結ではなく続きものではないので、頭から観ることをおすすめする。全体的にオメガの話で、第9話でフェネック・シャンドとキャドの対決が観られる。
『ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズ:マンダロリアン』
どのエピソードも楽しめると思うが、シーズン2第1話でのファヴローとフィローニの会話が面白い。
▶ディズニープラス公式HP:https://disneyplus.disney.co.jp/