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「低遅延がウリ」のワイヤレスヘッドフォン、ラジオ生放送でも使用できる? TREKKIE TRAXが実機検証!
音楽クリエイター向けのワイヤレス・スタジオモニターヘッドフォン、AIAIAI「TMA-2 Studio Wireless+」。遅延が命取りになる生放送での使用はどこまで可能なのか、使用感をインタビュー。
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国内販売がスタートした、音楽クリエイター向けのワイヤレス・スタジオモニターヘッドフォン・AIAIAI「TMA-2 Studio Wireless+」。 “人間の耳では遅延を全く感じることがないワイヤレス体験”との謳い文句だが、ワイヤレスで音楽制作にも使えるなんていう都合のいいヘッドフォンが本当にあるのだろうか。
今回、東京から世界のトップダンスミュージックレーベルと肩を並べ、プロデューサー/DJとして活躍するTREKKIE TRAXのメンバーが実機で検証を行ってみた。
今回の検証に協力してくれたのはblock.fmのレギュラー番組「TREKKIE TRAX RADIO」でもおなじみのSeimei、Carpainter、Masayoshi Iimori、andrewの4人。TMA-2 Studio Wireless+をラジオの生放送、さらには普段の音楽制作やレコーディングなどの用途で実際に使ってもらい、ワイヤレスでもスタジオモニターヘッドホンと呼べるクオリティの音質や、低遅延、安定性などに問題がなかったのか、気になる部分を根掘り葉掘り聞いてみた。
TREKKIE TRAX
4人のナビゲーター+ゲストでトーク&DJミックスを生放送する現場。ワイヤレスヘッドフォンは問題なく使えるのか?
ーまず本題に入る前に、普段はどのようなヘッドフォンを使っているのかを教えてください。
Seimei:DJと制作で別のヘッドフォンを利用しているのですが、DJの時はモニターで音がとりやすいSennheiserのHD25、制作ではJVCのXXシリーズのイヤフォンを使っています。
Masayoshi Iimori:DJ用ではAIAIAIのTMA-2 DJ、制作用ではSHURE SRH1840とRazerのゲーミング用イヤフォンを使っています。Razerのイヤフォンは、AirPodsのような最近のリスニング用イヤフォンの低音を気持ちいい感じに強調したサウンドなので、一般的なリスニング環境に近いサウンドで聴き比べるような感じで使っています。
Carpainter:僕は、DJ用はSennheiserのHD25。制作用は2種類使っていて、基本はaudio technica ATH-R70x。いわゆる開放型のヘッドフォンで普段のリスニング用としても使っています。ヘッドバンドの下にパッドがついていて、頭の頂点がヘッドバンドに当たらない構造になっているので長時間利用していても疲れないんです。もうひとつはTAGO STUDIO T3-01。フラットでナチュラルなサウンドで、しっかり聴いて音の確認をするときに使っています。
andrew:僕はDJではUrbanEars Zinken、制作ではKRK KNS-6400です。実際には両方制作でも使いますね。どちらも少しクセのある製品なんですが、使い慣れた耳馴染みのある聴き心地で、使っていてストレスのないものを選んでいます。フラットさというよりは自分が使っていて楽しい音だからという理由で選んでいるのかも。
Seimei:普段から使い込んでる耳馴染みのいいヘッドフォンだと、制作中に「この音ならクラブでは低音がこのくらい鳴ってるな」って頭の中で想像がつくんですよね。だから壊れたとしても耳が慣れている同じモデルをまた買ってしまいます。
ーBluetoothワイヤレスヘッドフォンやイヤフォンを使うことはありますか?
Carpainter:普段使いでは使うけど、制作には使っていないです。
Masayoshi Iimori:僕は制作で使っているんですが、Bluetoothをパソコンから送信ではなく、オーディオインターフェース経由で使いたくて、オーディオインターフェースのヘッドフォンジャックに接続できるBluetoothトランスミッター(無線での音の送信機)を別で買って接続して使っていました。
今回AIAIAIのTMA-2 Studio Wireless+を使わせてもらってすごくいいなと思ったのは「W+Link」という新技術を搭載した小さな専用トランスミッターが最初からついていること。これはクリエイターにとってはすごくいいですね。どんな機材でもヘッドフォンジャックさえあれば面倒な設定もなくワイヤレスでTMA-2 Studio Wireless+に接続ができます。iPhoneなどであれば普通にトランスミッターなしで接続できますし。
これまでのBluetoothヘッドフォンはゲームや動画、音楽リスナー向けに作られていたと思うんですが、AIAIAIのTMA-2 Studio Wireless+はワイヤレスでありながら音楽制作用に考えられた製品だと感じました。
TMA-2 Studio Wireless+と「W+Link」トランスミッター
ーおっしゃる通り、Bluetoothは利便性は高いですが、音質や遅延の面で制作や放送といったプロの現場で使える技術ではありませんでしたよね。一方でAIAIAIが独自に開発したという「W+Link」技術と専用トランスミッターの性能は、こう言った用途での肝となる部分だと思うのですが、実際にラジオの生放送で使用してみて遅延は感じましたか?
Seimei:遅延は全く気にならなかったです。
andrew:「W+Link」機能を使ってトランスミッターからサウンドを送った場合、全くないと言っていい感じです。ラジオではトークだけでなくDJミックスもあって、今までは当然ながら有線のヘッドフォンだったので、使用する前は「遅延があると使いにくいな」と思っていたんですが、実際に使ってみると全く問題なくて。
Seimei:ワイヤレスだっていうことを忘れてたくらいだよね(笑)。
TREKKIE TRAX RADIO放送中
ー放送でワイヤレスとなると動作の安定感も気になりますが。
andrew:まず、有線ヘッドフォンとの大きな違いとしてバッテリー駆動なんですが、低遅延モードは約15時間、Bluetoothモードは約80時間というスペックで、事前に充電しておけば全く問題ありません。block.fmのスタジオに導入されてから3回ほど使っていますが、放送中に音が途切れたりなどもないですね。
Seimei:普通にラジオ番組として話したり聴いたりしていて、支障があるようなことは一度もなかったですね。
Carpainter:放送中は僕だけDJブースにいるんですが、2メートルくらい離れていても普通に使えていました。機材など遮蔽するものがたくさんある場所で、2メートル以上離れるなどかなり動いて使っていた時には「ちょっと途切れた気がしたかな?」くらいのことはあったかもしれませんが、放送に支障はなかったです。
放送中はCarpainterのみDJブースから配信している
andrew:4台の無線ヘッドフォンが近い場所でつながっている状態で、混線なども全くなく普通に使えていたんで、よく考えるとすごいですね。
ーラジオ放送ではワイヤレスでのメリットは感じられましたか?
andrew:逆にメリットしかなかったです(笑)。1時間という放送時間で、有線ヘッドフォンで常にケーブルが首から垂れた状態とワイヤレスを比べると、明らかにストレスが少ない。
Seimei:4人で番組をやっていて、さらにゲストも来てDJミックスを放送するときなんかは、放送中にヘッドフォンを交換して使うこともあって。この時に有線だとケーブルが絡まったりするので結構神経を使っていましたが、それが全くなくなるのはすごくいいですね。
Carpainter:確かに。物理的なケーブルの制約があると「この場所に座る人はこのヘッドフォンで」みたいに気をつけなきゃいけないことも、全く意識する必要がなくなった。ラジオの放送中にDJするときは、トーク用のヘッドフォンとDJ用のイヤフォンを付け替えて使うんですが、僕の場合はここが一番スムースになったかもしれません。
トークではヘッドフォン、DJではイヤフォンを使用
Seimei:ケーブルが絡まって抜けたりとか、そういった心配が減って変なことに神経を使わなくて済むので、トークやDJに専念できるようになったよね。
Carpainter:専用トランスミッターのいいところとして、Bluetooth非対応の機器でも普通のヘッドフォンジャックにトランスミッターを接続するだけで、簡単にワイヤレス化できるのも素晴らしいと思います。
Seimei:TMA-2 Studio Wireless+のパッケージには有線接続用のケーブルなども付属していて、有線接続したい場合は有線にも切り替えられるのもいいですね。一つのパッケージで色々な状況に合わせて使えるように考えられていて、すごく親切なメーカーさんだなと思いました。
ーDJというお話が出ましたが、ラジオのトークよりタイミングがさらにシビアなDJ用途では遅延は問題になりえそうでしたか?
Carpainter:専用トランスミッターならまず問題ないと思いますよ。
Seimei:そうだね。万が一何らかのトラブルがあったとしても有線への切り替えができるので、念の為のケーブルを持っていけば何の心配もいらないと思います。アナログ盤でのDJなど、遅延にシビアな環境でも使えるのではないでしょうか。
当たり前と思っていた不便が実は大きなストレスだった。予想以上に快適なワイヤレス体験
ー制作での使用感についてはいかがでしょうか。
andrew:サウンドの面では、TMA-2 Studio Wireless+は解像度が高く使いやすい印象でした。音像としては音の距離感が感じられるような、スピーカーでのモニターに近い音だと感じました。密閉型なのでちゃんと密閉されているのですが、開放型のような感覚も感じるというか。
付け心地もすごく良くて、締め付けが強いヘッドフォンは長時間着けていると結構辛いんですが、TMA-2 Studio Wireless+は密閉感がありつつもストレスは感じませんでした。
Seimei:ヘッドフォンをつけているというよりは、包まれてる感のある装着感ですね。
Masayoshi Iimori:長時間使うので普段からヘッドフォンの付け心地の良さは重視しているんですが、TMA-2 Studio Wireless+はとてもよかったですね。
Carpainter:音の奥行きもあるのでスピーカー感覚で制作できますし、慣れてきたらこのヘッドフォンだけで完結もできると思います。音質の面では、人の声のあたりの中高域の解像度が特に高く綺麗に聴こえるような印象でした。
ー制作の際にワイヤレスだと利便性は感じられますか。
Masayoshi Iimori:制作の場合はデスクの上にMIDIコンやオーディオインターフェースなどの機材がおいてあると思いますが、その配置がかなり自由になりますね。僕はよく使うMIDIキーボードやコントローラーは手元の一番いい位置に置きたいので、オーディオインターフェースはその後ろあたりに置くんですが、ヘッドフォンジャックがどうやってもMIDIキーボードと当たってしまい、オーディオインターフェースにL字のヘッドフォンジャックをさしてからヘッドフォンに接続していました。
インターフェースはパソコンやスピーカー、電源などとも接続しているので、位置的に融通が効きづらいんですが、ヘッドフォンケーブルが解放されたのでボリュームのつまみにさえ触れれば、どこにおいてもよくなりました。
andrew:専用トランスミッターでのワイヤレス接続は、Bluetoothと違って一度接続してしまったら解除されることもないですし、ワイヤレス特有のストレスもありませんでした。先日ラッパーとのレコーディングで使用したときも全く問題なく使用できて、ケーブルが揺れたりして煩わしいということもなく良かったですね。
ーAIAIAIのヘッドフォンはモジュラー式で、自分で組み立てるヘッドフォンですが、このあたりはいかがでしたか。
Seimei:まず箱を開けるとモジュールがバラバラの状態で入っていて、これを組み立てていくのが僕は結構楽しかったです(笑)。あとは例えば片方だけ音が出なくなるとか故障した時に、簡単なパーツ交換をすれば自分で問題を解決できますよね。
andrew:ヘッドフォンはずっと同じものを使い続けて耳をヘッドフォンにチューニングさせていくみたいなところがあるので、ちょっとした故障で買い替えになったり、修理に出してしばらく使えなくなったりするのは辛いんですね。AIAIAIのヘッドフォンはパーツがばら売りされていて、必要なものだけ買って自分で交換できるのは本当にありがたいです。
Masayoshi Iimori:AIAIAIのTMA-2を前々から使っていたんですが、赤いケーブルが選べたので、それがかっこよくて使っています。DJ用のヘッドフォンは無骨な黒っぽいものが多いので目立ちますし、他のDJと交代する際にも他の人のものと混ざらないし。
Carpainter:SennheiserのHD25もモジュール式でパーツごとに買えるのですが、パーツ交換がかなり大変なんですね。ある程度修理に慣れているような人でないと難しい。以前イヤパッドの交換をしたのですが、本当に難しくて、もう破れる寸前くらいまで引っ張りながら外したりして…。初めて交換する人にはちょっとハードルが高いように感じました。
Seimei: AIAIAIの場合、最初に組み立て作業を行うので、そこで一回体験できているのもいいのかも。
Carpainter:あと単純にすごく組み立てやすい構造になってる。本当にはめるだけっていう感じで、初めての人が組み立てたり交換することが前提になっていると感じました。実はこの部分もかなり感動があったんですよね。
Seimei:説明書を見なくてもできる感じだよね。組み立てやすいのにデザインは犠牲になっていないし。
Carpainter:デザインの面でいうと、ヘッドバンドからドライバーを接続するLRのケーブルって、ちょっとむき出しになっている感じで乱暴に扱うとの付け根の部分に負荷がかかって断線しそうで怖いなって思うことが多いんですが、AIAIAIはそのケーブルの付け根に負荷がかからないようにデザインされているんです。交換できるだけでなく、そもそも長寿命で使えるように設計してるんだなって。こういうところはポイント高いですよね。
Seimei:全体的にすごく優しくて親切なんだよね。例えばヘッドバンドの位置を調整するにも固すぎず柔らかすぎず絶妙。本体の手触りもすごくいいし、細かい部分にすごくこだわって作っているのが伝わってきます。
Carpainter:初めてヘッドフォンを買う人にもお勧めです。
ー優しいという意味では環境保全をポリシーとしているので、地球に対しても優しい製品ですよね。組み立て式のヘッドフォンというのも、環境配慮から生まれたアイディアだそうです。
andrew:環境保全のための発想がユーザーの使用感を良くしているのがすごいですよね。環境のために機能や使用感を犠牲にしていたら、結局使わなくなってしまうと思うので。
Seimei:制作のヘッドフォンは有線が当たり前だと思って使っていたので、今まではそれが不便とか煩わしいと思っていなかったんですが、実際にワイヤレスを使ってみると「こんなに便利なんだ」って気がつきました。逆にケーブルがあることで生じるちょっとした制約が積み重なって、気づいていないけど結構なストレスになってたんだなと。今、有線で問題なく使えていると思っている人も、一度体験してみる価値はあると思います。
製品概要
メーカー名:AIAIAI
製品名:TMA-2 Studio Wireless+
内容物:Wireless+トランスミッターX01、Wireless+ヘッドバンド H10(USB-C 充電ケーブル付)、スピーカーユニットS05MKII、イヤーパッド E08、コイル状 1.5m ケーブル C02、保護ポーチ A01
国内発売日:2022年1月18日
販売価格:39,800円(税込)
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12312
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/299672/
TMA-2 シリーズをお持ちの方にアップグレード用モジュラーセット
メーカー名:AIAIAI
製品名:X01 H10 Bundle
内容物:Wireless+トランスミッターX01 、Wireless+ヘッドバンド H10(USB-C 充電ケーブル付)
国内発売日:2022年1月18日
販売価格:21,800円(税込)
AIAIAI 独自のモジュラーシステムにより、ヘッドバンド(H10)のみを交換し、付属のトランスミッター(X01)を使用することで、お手持ちのAIAIAIヘッドフォンを「W+ Link」技術を用いた超低レイテンシー・ワイヤレス/ロスレス・オーディオ及び Bluetooth 5.0 対応にアップグレードすることができます。
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12313
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/303017/
国内取扱代理店:
BEATINK https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12312
株式会社サウンドハウス https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/299672/
TMA-2 シリーズ日本語ページ https://www.soundhouse.co.jp/material/aiaiai-tma2/
AIAIAI の最新情報はこちらから。
https://aiaiai.audio https://www.facebook.com/aiaiaiaudio/
https://www.instagram.com/aiaiai.audio
https://twitter.com/AIAIAItweet
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