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アマピアノ × UKドリルからFred again..、ハドモまで! 2022年の注目クラブミュージック作品をピックアップ

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革新的ベースミュージックや大活躍した注目プロデューサー作品など、押さえておくべき2022年の注目リリースをご紹介。
2022/12/31 14:00
Jun Fukunaga
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Text : Jun Fukunaga

2022年はBeyoncéやDrake、宇多田ヒカルといった音楽シーンのメインストリームで活躍する大物アーティストがダンスミュージックに接近したことも話題になったが、アンダーグラウンドなダンスミュージックシーンにおいても、革新的な作品が数多くリリースされた1年だった。今回はその中からblock. fmリスナーにおすすめしたい2022年の注目ダンスミュージック作品をピックアップして紹介する。

アマピアノ x UKドリルなど、革新的ベースミュジック作品 - Swimful『Rushlight』

アンダーグラウンドなクラブシーンにおいて、近年グローバルなシーンでも存在感を放っている上海のレーベル「SVBKVLT」より、リリースされたJamie CharltonことSwimfulのEP。

南アフリカ発祥の新興ダンスミュージックであるアマピアノやゴムからグライム、ダブステップ、UKドリルを掛け合わせ、独自のベースミュージックとして消化した本作は、DJ的にも"こんなのがほしかった"フロアキラーな5曲とリミックス2曲を収録。ダークなアマピアノ曲「Viatica」やパーカッシヴな「More Distant on Approach」のほか、UKドリルのフォーマットにアマピアノの象徴的なログドラムを盛り込んだ「Official Party Line」、ダブステップとログドラムの掛け合わせが強烈なボトムヘビーな「Backwards」など、これまでありそうでなかった最新ダンス/エレクトロニックミュージックの折衷的な仕様の楽曲はトラックメイカー的にも「なるほど」と思わず唸る革新性に富んだ作品だ。

今年最も躍進したプロデューサーによるピークタイムアンセムは必聴! - Fred again..『Actual Life 3(January 1 – September 9 2022)』

音楽シーンのレジェンド、Brian Enoにスタジオワークを学び、Rita Ora、Ed Sheeran、BTSからグライムヒーローのStormzyまで多岐にわたるプロデュース仕事でも知られる今、最も注目を集めるプロデューサーの1人であるFred again..。

2021年はthe xxのRomyと人気プロデューサーのHAAiとのコラボ曲「Lights Out」がクラブヒットしたが、2022年は人気ラッパーFutureの「Turn On the Lights」をEDMレジェンドのSwedish House Mafiaとともにリミックスした「Turn On the Lights again..」でスマッシュヒットを記録。また同年デビューしたBoiler Roomで披露したSkrillexとの未発表曲に大きな注目が集まるなど、アンダーグラウンドからメインストリームのクラブシーンを行き来する活躍ぶりは今年もっとも躍進したダンスミュージックプロデューサーと言っても過言はないはず。

そんなFred again..が昨年から発表しているリアルな日記的作品“Actual Life”シリーズの第3弾では、Four Tetもプロデューサーの1人として参加したピークタイム仕様の「Delilah (Pull Me Out of This)」のほか、大箱映えしそうな「Clara (The Night Is Dark)」、トランシーなシンセリフが鳴り響くブレイクビーツ曲「Kammy (Like I Do)」など、アップリフティングなクラブアンセム仕様の曲から心地よいシンセスケープのアンビエント「Mustafa (Time to Move You)」、「Winnie (End of Me)」なども収録されるなど、収録曲における"動と静"のバランス感覚が秀逸なアルバムになっている。

多幸感あふれるアゲな“ハドモ流レイヴトラック”に注目! - Hudson Mohawke『Cry Sugar』

2022年のクラブシーンで大きな話題になったことのひとつと言えば、人気ビートメイカー/プロデューサーのHudson Mohawkeのシーンへの帰還だろう。

2015年の『Lantern』以来の3rdアルバムとなる『Cry Sugar』では、ハウス、UKガラージ、2ステップ、ゴスペル、ヒップホップ、映画音楽など様々な要素が散りばめられたことで、これまでのマキシマリズム的なHudson Mohawkeの音楽表現がさらに進化。高速回転するハウシーなスタブのループやTB-303のアシッドなベースライン、破壊力のあるガバキックが鳴り響く「Bicstan」やレイヴィーなフーバーサウンド風のフレーズが印象的な「Dance Forever」やレイヴサウンドでも御用達のLyn Collins「Think」と思われるブレイクビーツ使いなど、アゲな“ハドモ流レイヴトラック”は、まさにアルバムの触れ込みにある“パンデミックを経てついにクラブやライブイベントに戻ってくるすべての音楽ファンのモチベーションを高める音楽”の代名詞として機能していた。

本人もインタビューで「最高のダンスミュージックの多くはパーティ・ミュージックだし、自分が好きなダンスミュージックはたいていかなり簡潔で直接的だ」と語っているが、パンデミックという非日常的でカオスな日々からの脱却が始まった今の時期は、こんな風にエナジーフルで盛り上がれる音楽が必要だ。

現代レイヴ・エクスペリエンスが詰まった渾身のデビューアルバム - Mall Grab『What I Breathe』

2010年代後半に勃興したローファイハウスシーンの旗手として注目を集めたことも今は昔。ブームが去った後も順調にキャリアを築き上げ、今やダンスミュージックシーンを代表するプロデューサー/DJの座に上り詰めた感のあるMall Grabによるファン待望のデビューアルバム。

USのハードコアバンドTurnstileのBrendan Yatesをフィーチャーした「Understand」や新世代ジャングルプロデューサー/シンガーのNia Archivesをフィーチャーした「Patience」といったエクスペリメンタルながらもキャッチーな歌モノ曲から、Jill Scott「Love Rain」をサンプリングした王道系ピアノハウス「Love Reigns」、レイヴなスタブが印象的な「Spirit Wave」、SFチックなサイバーさを感じるブレイクス「Intercity Relations」、良い意味でチープなトランス風シンセが鳴り響くアーメンブレイク使いの「Metaphysical」、グライムMCのD Double EとNovelistをフィーチャーしたドラムンベース風曲「Time Change」など、本作を通じて、Mall Grabがこれまでに数々のパーティーで体現してきた現代レイヴ・エクスペリエンスをまるっと楽しめる。

ちなみにMall Grabは2023年1月に来日ツアーを行うことが発表されたばかり。Mall GrabのDJプレイを生で体験したい人は、本作とあわせて最新のBoiler RoomでのDJセット(フィッシュマンズの「Long season」のエディットと思われる謎曲もプレイされる)もチェックしておけば、より来日ツアーを楽しめるはずだ。

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