Written by Jun Fukunaga　Photo by nenadmilosevic.co 人気DAWソフトのひとつであるAbleton Liveを販売するメーカーAbletonに関する最近の話題ののニュースと言えば、Ableton Live用のMax for Liveなどを開発するメーカーCycling '74の買収。この企業買収による合併によって、今後、次に発表されるであろうAbleton Liveの新バージョンにユーザーからの関心が高まっているが、今のところ、現行のLive 9からのメジャーアップデートに関する情報はない。しかしながら、ユーザーとしては情報がなんら公開されることはなくても、ついつい期待してしまうのはそれだけAbelton Liveがトラックメイカーに愛されるDAWだからなのだろう。人気DAWにただならぬ愛情を注ぐ、あるデザイナーが最近、自身が考えた、”未来のAbleton Live”のデザインイメージを公開した。そのイメージを公開したのは自身でも20年以上に渡り、エレクトロニックミュージックを制作してきたというインタフェースデザイナーのNenad Milosevic。なんと彼は、Abletonのユーザーフォーラムや、ユーザーによるFacebookグループで、独自にユーザーに次のアップデートに求める機能や、現行バージョンにおける改善すべきポイントに関するアンケート行い、その300人以上からのフィードバックと自分のアイデアを元にスケッチを書き起こし、新たにユーザーインターフェースを作成したという。

下の写真はセッションビューのデザインイメージ。現行の形を踏襲しながらも、例えば、SendやPanの部分に文字が入るなど見やすくなっていたり、ヘッダー部分に表示できるものが追加されているのが確認できる。ちなみにヘッダー部分はカスタマイズできる仕様らしい。

Photo by nenadmilosevic.co次に面白いのがブラウザー部分。こちらでは、どうやらエフェクトやプラグインのCPU使用率の履歴が表示され、それを参考にしながら、トラックメイクができるようになっているようだ。DTMはCPU使用率との戦いという面も少なからずあるので、これは地味に嬉しいという人も少なくなさそうだ。

Photo by nenadmilosevic.coそして、このバージョンではウィンドウを自分好みにカスタマイズできるようにデザインされているようで、ユーザーは必要なセクションを自分が思う所定の位置にドラッグ & ドロップすることで配置できるようになっているのもポイント。

Photo by nenadmilosevic.coその他にもクリップビューやデバイスラックなどが非常に細かくアンケートの意見を取り入れながら設計されているため、空想のままで終わらせるのはもったいないくらいだ。デザイナー自身もその出来に対してそう思ったのかどうかは定かではないが、なんと彼はこのデザイン案を直接FacebookのAbletonの企業ページを通して送ったのだからその行動力には感服する。このデザインが今後のAbleton Liveに採用されるかどうかは定かではないが、Ableton側も彼の提案に対し、無視することなく感謝の意を表す返信をしているのでその可能性は決して高いとは言えないが、もしかしたら次のメジャーアップデートではこのデザインのアイデアが採用されることがあるかもしれない。もし、あなたがAbleton Liveユーザーで独自のアイデアを持っているなら、彼のようにAbletonにポートフォリオを送ってみると良いかも。と言いたくなるエピソードだ。このデザインの全貌はこちらでチェックできるので、気になる人はチェックしてみよう。参考:http://nenadmilosevic.co/ableton-live-redesign/https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10211199609940511