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    YOSHIKAが語る、自分の手で音楽を生み出す喜びと葛藤 ミニアルバム『こんな暗闇の中で』インタビュー

    2019/10/04 (Fri) 06:00
    admin

    シンガーソングライターのYOSHIKAがミニアルバム『こんな暗闇の中で』をリリース。全て自分の手で作り上げたというアルバムについてインタビューを行った。

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    「ここ、懐かしいなぁ〜!」block.fmのスタジオに入ったとたん、嬉しそうに声を上げるYOSHIKA。m-flo・☆TakuとVERBALの2人と初めて会って、lovesの話をしたのがこの場所らしい。「let go」のブレイク後、ソロとしても着実にキャリアを積み重ねている彼女は、8月にミニアルバム『こんな暗闇の中で』をリリース。全て自分の手で作り上げたというアルバムについて、インタビューを行った。

    YOSHIKA

    1983年横浜生まれ。シンガーソングライター。17歳からCM音楽の活動を始め、アル・クーパーの名曲をカバーした『JOLIE』が2002年のSONY Cyber-ShotのTV-CMに起用される。2004年11月にリリースされた「m-flo loves YOSHIKA」名義のシングル『let go』は日本レコード協会ゴールドディスクを受賞。2006年 メジャー1stフルアルバム『timeless』(オリコンチャート20位)をリリース。結婚、出産を経て2010年に音楽シーンに復帰。2012年、イラストレーターの利光春華等とともにクリエイターユニット「ARMATEL」を結成。2015年のYOSHIKAとしては5年ぶりのオリジナルフルアルバム『YOSHIKA』、2018年のミニアルバム『About a Beautiful Mistake』に続き、2019年、待望の7曲入りミニアルバム『In Such Darkness(邦題:こんな暗闇の中で)』をリリース。



    ー去年EP『About a Beautiful Mistake』をリリースされて、その続編のようなミニアルバムになった、ということですが。

    YOSHIKA(以下、Y):出来上がってみて、比べてみたらなんとなく続編ぽい感じになってるというか。意図的に続編を作ったわけではないんですけど、自分が今作ってる音が自然とそう感じさせるのかなと思います。

    ーとはいえ、前回のEPと聴き比べるとだいぶ雰囲気が違いますよね。幅が広いなぁと思いました。


    Y:確かに、けっこう幅広いかもしれないですね。歌い方とか声量の感じで全然違う雰囲気になるからかも。あとは、前回のEPは歌を一発録りしてるんですよ。エンジニアさんにお願いして、1曲目から5曲目までオケを全部つなげて一気に録ったんです。一方今回のアルバムは、全部自分で録りました。家で少しずつ作って。そういう過程の違いもありますね。

    ー制作ツールも変わったとか?


    Y:そうなんです。GarageBandからLogicにちょっとグレードアップしたっていうだけなんですけど(笑)。

    ートラックから作ることが多いんですか?

    Y:そうですね、トラックから作るかな。でも一番最初にざっくりとラインを作るのはギターか鍵盤です。なんとなくのコード感とメロディーラインが出てきたら、それを打ち込みで変化させてくという感じですね。

    ーそこからメロディーと歌詞を乗せていく?

    Y:そうです。私の曲はコーラスワークが多いので、ふわっとしたメロディーを入れたらコーラスを組み立てて。歌詞も同時かな。メロディーと同時になんとなく、収まりのいい言葉が見つかって、構築していくみたいな感じです。

    ーコーラス、すごく綺麗ですよね。繊細なんですけどすごく深いっていうか。

    Y:嬉しい。トラックとかで細かなことが本当にできないので。その分、コーラスで曲をしっかり説明してる感はあります。

    ーそれがYOSHIKAさんの色になってるんですね。

    Y:キーがぶつかってちょっと気持ち悪く聞こえるかな、みたいなところも、声だとじゅわって馴染むんですよね。あとはウィスパーにするとかでも音が馴染むし。だからトラックはわりとシンプルにしておいて、コーラスワークで絶妙なコード感みたいなものを説明してる部分はあるかもしれないですね。トラックも難しいことできないし、コードも単純なものしか弾けないので(笑)。

    ートラック作りも全部独学で?

     Y:独学っていっても勉強もたいしてしてないんですけど(笑)。自分の「好きな音」っていうのはあるんですけど、プロのトラックメイカーさんに比べると、その好きな音を探すのに​絶対的に​時間がかかるんです。まだまだ始めたばかりなので、しっくりくる音を見つけるのに時間がかかって。だからトラック作るのに一番時間かけましたね。もう、☆Takuとかに言ったら怒られるんじゃないかなと思うくらいの作り方です(笑)。

    ートラック自体は音数も少なくて、すごくシンプルじゃないですか。でもすごく耳に残るし新鮮に聴こえます。

    Y:びっくりするぐらいトラック数少ないですよ。他のアーティストさんの曲だったら、画面スクロールしないと下のトラックまで表示できないと思うんですけど、私の曲はスクロールなしで全部表示できちゃうくらい。それに比べて、コーラスの量が異常に多くなってて。 ボーカルトラックの方が断然多いですね。

    ー2曲目の「Don’t Make Me Cry」は、そのコーラスの厚みをすごく感じます。

    Y:☆Takuがかっこいいって言ってくれた曲です!曲の感想を送ってくれたんですよ。この曲はここが良くて、とか、この曲に関してはトータル的に音も声もバランスも良い、みたいな感じで、すごく丁寧にメッセージが届いて。☆Takuにビートメイクのワークショップやってもらいたいくらい(笑)。でもそういうふうに言ってもらえてすごく嬉しかったですね。分からないなりにやっていかなきゃと思ってたので、背中を押してもらえたというか。


    ーミニアルバムを全てご自身で作ろうと決めた理由はどういったことなんでしょう?

    Y:m-floさんの「let go」の頃とかソロとして活動し始めた頃は、プロデューサーがいて、 トラックメイカーの方がいて、ミュージシャンの方がいて、私はメロディーとコーラスと歌詞だけ作るという感じだったんですけど。もちろんその時はそれで「音楽作ってる」​という気持ちで頑張ってたんです。でもやっぱり、自分の力で形にできないといけないなぁと思って。「こういう曲作りたい」とか「こういう曲作ったよ」​と、​他の人に分かってもらう基本的なことを自分で出来るようにならないといけないなと。それがきっかけですかね。

    ーそれはいつ頃から思われてたんですか?


    Y:7年前ぐらいかな。子供を産んでお休みしてた間です。10年ぐらい前からちょこちょこ自分で作り始めて​はいて​、ちゃんと形になったのがここ5年ぐらいですかね。

    ー2015年のアルバム『YOSHIKA』の頃でしょうか。

    Y:そうです。『YOSHIKA』は全曲自分で作ったんですけど、プロデュースは​origami PRODUCTIONS​のミュージシャンの方たちにお願いしてるんですね。なのでアレンジとかは変化してるんですけど。去年のEPに関しては自分の音のまんまです。

    ー「自分の手で」ってところがさらに濃縮されたのが今回のアルバムなんですかね。

     Y:そうかもしれないです。でも私ずっと、「ひとりじゃ音楽作れない」って言ってたんですよ。かっこいいトラック作れる人​が​いっぱいいるし、頼みたいって。でも事務所としてはYOSHIKAっていうアーティストがちゃんと自立できるように考えてくれていて。プロデュースを自分でやってごらんっていう流れに持っていってくれたのは今の事務所​です。

    ー全てを自分で作るっていう流れ。


    Y:そうです。自分から動かないと歌えない!って感じだったんですよ。「リリースしませんか?」って事務所に​相談しても​、「​自分でやってみなさい!」​となる​から。周りが何かしてくれるんじゃなくて、どうしてもやりたくて作って出したいっていうところまで自分で持っていかないといけない。

    ー実際に形になって、今どんなお気持ちでしょうか。

    Y:自分の中に2つの思いがある感じで。片方は、自分に自信持っていこうという気持ち。 私、子供が書いた絵が好きなんですけど、子供の絵って上手に書こうとも下手に書こうともしてなくて、とにかく表現したいものをそのまま表現してる。音楽もこういうことでいいんじゃないかなと思って。今の自分にしかできないことが絶対あるから、今目の前にあるものと自分が内に持ってるものを最大限に出すことに集中しようと。だから私の音楽は誰にも似てないでしょうっていう自信の気持ち。もう片方は、恥ずかしくて死にそう...本当に誰かトラック作ってください...みたいな気持ち(笑)。女の人って波があるから、今日は自信持って頑張れる!って日と、何やっても今日はダメだ〜みたいな日を繰り返しながら現在に至っています(笑)。

    ー気持ちが落ちた時はどうモチベーションを上げてるんですか?

    Y:音楽聴きます、やっぱり。結局音楽なんだなって思います。気持ちがのってる時も下がってる時も、その自分のモチベーションに合わせた音楽を聴くと気持ちが落ち着く。音楽に助けられることが多いです。同じようにセルフプロデュースっていうか、自分の部屋で音楽作ってるようなアーティストの活動を見たりすると、私も頑張ろうみたいな気持ちになったりもします。


    ー今回のアルバム制作中にはどんな音楽を聴いていましたか?

    Y:セルフライナーノーツにも書いたんですけど、Ella VosとOrion Sunっていうアーティストですね。Orion Sunは全部自分で作ってる感じの女の子で。インスタをよくチェッ クするんですけど、カフェでヘッドホンして音作ってる動画とかも載せてたりして。細かく繊細にビートメイクできなくても、ざっくりなループのビートに対して独自の歌を歌ってる感じとか。すごくオリジナリティがあって、元気もらってました。Ella Vosは若い頃からミュージシャンだったわけじゃなくって、子供を産んでお母さんになってから突然音楽を始めた人みたいなんです。鍵盤が弾けるので、それで作ってるのかな​と思います​。最初見つけたときは衝撃を受けましたね。ジャケットも手作り感があるし、Ella Vosのお母さんがiPhoneで撮ったミュージックビデオとかあるんですよ。​そういう、手作りをセンス良く楽しんでいるアーティストをよく聴いてました。

    ーそういう新しい音楽ってどういうところで出会うことが多いですか?

     Y:やっぱり、SpotifyとApple Musicが主ですね。SNSだとインスタグラム。みんないい音楽をどんどんシェアしてくれるし。自分の好きなアーティストがこれいいよって言ってるものをすぐ​聴​いたりとか。そうやって広げていってます。Ella Vosを見つけたのはSpotifyかな?ニューミュージックみたいなプレイリストに入ってきて、声がすごいタイプだったのですぐフォローして。

    ー2人とも自由に音楽を作ってる感じがYOSHIKAさんともリンクしますね。今回のアルバムでは、ミックスダウンを誰が担当するかYOSHIKAさんには内緒だったとか。いつもはそういうやり方ではないんですよね?

    Y:こんなこと初めてです!ミックスダウンとマスタリングって最後の大事な作業じゃないですか。最終的な音は​自分で整えられないからプロの方に!とお願いして。そうしたら事務所が「7曲​それぞれ​違うエンジニアの方にお願いしようかな、誰がやるかは内緒ね」と言い出して。色々聞いてもなんにも教えてくれなかったんです(笑)。だからどうなるかもわからない、っていう状態だったんですけど。でも自分ひとりで作ってきたので、他の人たちのエッセンスが入るのはすごく嬉しくて。この曲をどう解釈するのかなって、楽しみにしてました。

    ーじゃあ、不安っていうよりはワクワクが大きかったんですね。

    Y:そう、ワクワクのほうが大きかったですね。プロの​方​にこれ聞かせて大丈夫?って何回も言いましたけどね(笑)。でもみなさん「いい曲ですね」「楽しく作業しました」と嬉しいメッセージと一緒に音源を返してくださって。返ってきた音は全部すごくかっこよくて、 気持ちがいっぱいになっちゃいました。しかも、それぞれの曲でベストな方角をバチッと決めて示してくれて。すごく嬉しかったですね。

    ーその方角はご自身の考えとフィットしました?

    Y:フィットしました。特に、アルバムタイトル曲になってる「こんな暗闇の中で」は、私からすると意外な音の仕上がりだったんです。でもすごく引っかかる曲に仕上がってるし、 最終的にこれでいいんだなって背中を押してもらえた曲でもありますね。

    ーファンの方も「こんな暗闇の中で」が一番好きって言ってる方が多いですよね。


    Y:そう言ってもらえてすごく嬉しいです。​大切​な曲になるだろうなって最初から思ってたので。

    ータイトルはお子さんとのやり取りから生まれたそうですね。

    Y:そうなんです。子供って本当に毎日予期せぬ出来事が満載なので。自分の視界じゃないところからいろんなことを見せてくれるのが面白いなぁと思っていて。その時もぱっと「“こんな暗闇の中で”って響き良いな」と思ってすっと決まりました。家族に「決まった、これにする」と言ったら子供たちも「“こんな暗闇の中で”、へ〜」「いいじゃん、いいじゃん」 みたいな感じで言ってましたね。

    ーYOSHIKAさんって生活の一部に音楽がある感じがすごくします。音楽だったら音楽に入りこんで、終わったら普通の生活、みたいな人もいらっしゃるじゃないですか。でも、 YOSHIKAさんは生活と同時に音楽があるというか。

    Y:そう、混ざり込んでる。切り離せないんですよね。子供を産む前は中心に自分がいて、 その周りに生活があってって感じだったんですけど、今中心にいるのは子供や家族。私はその周りを動いてるみたいな感覚です。子供が学校行ってる時に中心がぽかっと空いて、そこに音楽が入り込んで、私がその周りをぐるぐる回って。で、「ただいまー!」って帰ってきちゃったらもう中心は子供。「やめて、今すごくいいところなのにー!」ってなっても待ってくれない。だから生活と音楽が一緒なのかも。混ざり込んでるっていうか、同じレベルで捉えてるのかもしれないです。

    ーお子さんはYOSHIKAさんの音楽を聴いてどんなことを言ってくれるんですか?

    Y:う〜ん、寝る。私の音楽聞くと寝ちゃうんですよね(笑)。私の声聞くと寝ちゃうって人結構周りにも多くて、友達にもよく言われるんですけど。確かに、自分のデモとか聞いてると私自身も寝ちゃうんですよね。私の曲はわかりやすい感じじゃないし、英語の詞も多いからちっちゃい子供たちには難しいかなと思うけど、子供たちも「お母さんの歌〜」って言って聴いて​くれて​ますね。

    ー最後に、YOSHIKAさんはデビューして15年ほど経って、今後の活動はどのように考えていますか?

    Y:私の場合休んだりと、ずっとメジャーシーンに​いた訳でもないので​、そんなに経ったんだという感じ。でもずっと歌ってきたなぁという感じもあるし。表現の仕方とか趣味嗜好もどんどん変わっていくので、常に新しい気持ちで今表現できることを表現してるっていう感じですね。やっぱり、少しずつ変化してる自分でありたいと思っているので。だから歌とか音楽も幅広くなってるのかもしれないし、今後も変化し続けたいですね。

    ー今回のアルバムをライブでも聴きたいです。

    Y:ライブやりたい!ちゃんとしたクオリティでライブもできるように頑張らなきゃですね。ライブより先に、次に向けて制作を始めるかもしれないですし。リスナーの方はもちろん、同業のミュージシャンの方も含めて、たくさんの人に知ってもらって、いいなと思ってもらえるように進んでいきます。


    【リリース情報】

    YOSHIKA『こんな暗闇の中で』

    1. Heart Beat

    2. Don't Make Me Cry

    3. こんな暗闇の中で

    4. Alright

    5. HELP

    6. smile, like

    7. 雨と晴れの隙間

    ■ iTunes

    https://www.tunecore.co.jp/to/itunes/544624

    ■ Apple Music

    https://www.tunecore.co.jp/to/apple_music/544624

    ■ Spotify

    https://www.tunecore.co.jp/to/spotify/544671

    【ライブ情報】

    RED HOLE RED MADAM

    日程:10月19日(土)

    OPEN:19:00

    会場:cafe&bar CALLAS

    詳細:https://callastokyo.com/

    m-flo 20th Anniversary Live "KYO"

    日程:11/22(金)、11/23(土)

    会場:Zepp Tokyo

    開場/開演:18:00/19:00(2日共通)

    詳細:https://block.fm/news/mflo_kyo_loves

    YOSHIKA Official Site http://yoshika.info/

    YOSHIKA Instagram @yoshika.info

    ARMATEL Official Site http://armatel.net/

    Photo by Ki Yuu

    written by Moemi

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