【WHITE NIGHT WEEK 2019 レポート】Night Tempo、hype、hasが語る「インターネット視点でのクラブカルチャー」とは?

トークセッションではインターネットとクラブシーンとの関わりあいが語られたほか、DJセッションではジョニーハイボール片手に音楽を楽しむ人の姿が見られた。
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2019.11.25 10:00

「東京・渋谷から夜の経済振興・文化振興」をテーマに様々な議論の場と体感プロジェクトを通じて“東京のナイトカルチャー”を考える一週間、「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」の一環としてトークセッションイベント「WHITE NIGHT GROOVE」が11月5日(火)〜11月7日(木)にかけて、渋谷・TSUTAYA O-EAST Bldg. 5F 特設会場にて行われた。




Night Tempoらが「インターネット視点でのクラブカルチャー」について意見を交わす


同イベントは渋谷のクラブ&カルチャーシーンにおける重要人物や、渋谷の夜のシーンを築いているアーティストやオーガナイザー、そしてクラブ&バーなどの現場責任者が集まり、ナイトライフに関わる多様なテーマでトークセッションを行うというもので、11月5日DAY1には、今年WINK、杏里の公式リエディットのリリースやフジロックへの出演。さらに今月末から日本全国6都市をめぐるジャパンツアーを行う、話題のフューチャーファンクプロデューサーNight Tempoが、東京を拠点に活動するDJ/オーガナイザーのhype、hasとともに「インターネット視点でのクラブカルチャー」にトークセッションを行なった。


トークセッションでは、Night Tempoが初来日した2016年と現在の渋谷のクラブシーンについて語られたほか、SoundCloudやYouTubeとクラブシーンとの関わりあいやフューチャーファンクの初期と現在、SNSとクラブの関係、音楽の聴かれ方の変化とそれがクラブの現場に及ぼす影響などについて、3人が意見を交わした。





ネット生まれのブートレグはオンラインからオフラインのクラブの現場へ


ネットにアップされる”ブートレグ”の入手先であったSoundCloudについて、hypeは「2013年の頃、DJはSoundCloudを使っていたかもしれないが、現在のように誰でも使っている感じではなかった。その後、SoundCloudだけでなく、bandcampなどでもブートレグが手に入るようになった。最近、若いDJを探しにクラブに行くと、ハウス、テクノだけでなく、アイドル、アニメ、フューチャーベースといったジャンルのDJはブートをプレイすることが増えてきた」とSoundCloudやYouTubeにあるブートレグとクラブシーンとの関わりあいについて語った。


ブートレグとしてスタートしたフューチャーファンクのプロデューサーであるNight Tempoは、自分がSoundCloudに音源を初めてアップした時のことについて、「当時はアメリカやヨーロッパにネットの音楽仲間がすでにたくさんいた。だから、自分にとってはネット音楽は”普通”だった。たくさんの人に聴かせるというよりは、友人たちに聴かせるために音源をアップしてSNSのクローズドコミュ二ティでシェアしていた。ヴェイパーウェイヴ、フューチャーファンクが広がっていく中で、オフラインの友人たちも増えていった」とキャリア初期を振り返った。




「昭和歌謡をファンキーにエディットする方向性を定めたことで今がある」


またフューチャーファンクの初期と現在についてNight Tempoは、「元々はヴェイパーウェイヴから派生したもので初期のシーンはもっとヴェイパーウェイヴ的だったが、その後オタク系音楽の方に流れていった。今はさらに色々な方向に向かっている。その中でシーンのクリエイターたちはヴェイパーウェイヴを続ける人もいればEDMを始める人もいる。自分の場合は昭和歌謡をファンキーにエディットする方向性を定めた。その結果が今につながっている」と語った。


そのほかにSNSをどのように自身の活動に活用するかに話に及んだ際に、hypeは「どうやってイベントの情報を、SNSで知り合い以外に広げたらいいかを試行錯誤した。最近はTwitterよりもInstagramのストーリーズが1番見られるため、周知の面では効果的」と語り、hasはイメージを守るために「プライベートな面をだすのは気をつける」と続けた。


さらにNight Tempoは「自分の色、路線を守ることを意識している」と語り、TwitterとInstagramでは投稿内容の使い分けをしていて、最近ではTwitterで自分がエディットした昭和歌謡をファンに向けて投稿していることを明かした。






インターネットとクラブカルチャーのこれから


最後に過去と現在の活動、これからのシーンについてに話が及んだ際、「”古いものをどうやって新しくして聞かせるか?”を考えるのが大事。今後は音楽とともにアパレルのマーチャンダイズも作っていく」とNight Tempoが語ったほか、hypeは「若い人はSNSの使い方がうまい、動画の上げ方、公開のタイミング、告知にしても自由な発想で展開していくことで普段クラブに来ない人を巻き込んでいける」、hasは「クラブとバンドが昔のように融合していくと思う。音楽を聴く場は体感としてカフェ、バー、ホテルのように広がっている」とそれぞれ意見を付け加え、最後に「いつか映像を作って4D映画館でもやりたいですね」というNight Tempoの言葉でトークセッションを締めた。


今回のトークセッションは、DJがプレイするトラックにしろ、イベントの告知やアーティストとしてのスタンスにしろ、オンラインの世界であるインターネット周辺の音楽カルチャーとフィジカルに音楽を楽しむためのオフラインの世界であるクラブカルチャーの現場という、一昔前であれば、どこか別物として捉えられていたもの同士の距離が近づいていることを改めて感じる内容だった。


様々な分野の有識者が渋谷のナイトシーンについて語る


当日はこのトークセッションのほかに「ナイトシーンのリビングレジェンドが語る今昔、未来」、「東京・渋谷の夜を遊び続ける」といったテーマのもと、それぞれの分野の有識者が登壇し、意見が交わされた。


さらに会場ではDJセッションも行われ、その日はDJ NORI、DJ EMMAといった長きに渡り日本のクラブシーンを支えてきたリビングレジェンドが集まったクラブミュージック好きを大いに盛り上げた。また会場ではジョニーハイボールを片手に音楽を楽しむ人の姿も多々見られた。





written by Jun Fukunaga


photo: WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA 2019 




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