音楽クリエイター必見! サンプリング許諾を個人で簡単にとれるサービス「Tracklib」を使ってみよう

誰でも合法的にリリースが可能になる専門サービスから今、”サンプリング音楽の新潮流”が生まれつつある。
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2019.12.09 02:00

ハウス、テクノ、ヒップホップといったエレクトロニックミュージックの発展に欠かせなかった要素といえば、サンプリング。 近年ではそれらのジャンルだけでなくEDMやネット発のヴェイパーウェイヴ、フューチャーファンク、ローファイヒップホップなどでもその手法は広く用いられ、時代ごとに新たに生まれたジャンルを支えてきた。


現在では、レーベルを通さずに個人で音楽クリエイターがYouTubeやSoundCloud、Spotify、Apple Musicなど様々な音楽プラットフォームに自作音源を公開し、収益化できるようになったが、その一方で著作権理管理システムも以前よりも厳格化されている。



サンプリング許諾を個人で簡単にとれる「Tracklib」とは? 


そんな中で無許可で行うサンプリングを先述のようなサービスを使い、配信する場合、有名ネタであればあるほど、著作権に引っかかる可能性が高いため、収益化を考える場合はなかなか難しい。また例えば、有名アーティストであればあるほど無許可サンプリングを行なっていた場合、それを訴えられるなんてことも多く、そういった音源を商用利用する場合は、なかなかリスキーである。そのためサンプリングで音源を制作、そして配信し、マネタイズを考える場合、通常であれば、サンプリングの許諾を得る必要があるが、その処理の複雑さや料金の高騰などもあり、それを個人で行う場合は実際にはなかなかハードルが高いといえるだろう。 


しかし、そういった音楽クリエイターの課題を解決してくれるのが、サンプリングライセンス販売のためのオンラインサービスサイト「Tracklib」。こちらでは著作権フリーのループやワンショット素材ではなく、実際に曲の中から気に入ったパートを抜き出して作るサンプリング・ミュージックのサンプリング許諾を迅速かつ簡単に行うためのサービスを提供している。 すでにこのサービスは実際にPrince Paul、Erick Sermon、Hank Shockleeら多くの海外の有名プロデューサーたちが利用しており、今後は”サンプリング音楽の新潮流はここから生まれる”と発言をする者もいるくらい評価も上々だ。





ジャンル、地域、キー、BPMなど様々な条件でサンプリングネタを検索できる  


Tracklibでは、ロック、ブルース、ジャズ、ヒップホップ、エレクトロニックなど様々なジャンルのサンプリングネタとなる曲をカタログに抱えている。ユーザーはそのカタログから自分がサンプリングしたいネタ曲を探し出し、その曲からどれくらいの尺をサンプリングするかを申請、その長さに応じた料金を支払うことでサンプリング許諾を得ることができる。



使い方は簡単。ユーザーはまず、自分がネタにしたいジャンル、北ヨーロッパ、中東、南アフリカといった地域、曲のキー、マスタートラック、ベース、ドラムなど曲単体や曲のパート、BPM、リリース年など、好みの条件でTracklibが管理しているカタログに検索をかけ、元ネタになる曲をディグしていく。  


実際にループさせたいパートを試聴しながらサンプリングネタ選び可能 


その検索結果の中から試聴しながら自分がサンプリングしたい曲を発見した場合、それをiTunes StoreやBeatportなどで音源をゲットする場合と同じようにカートに入れ、購入。ちなみにこの試聴段階では、Beatportのように波形が表示されており、自分が聴いてみたい箇所をクリックすると音源が再生されるが、下の動画のようなループ機能を使えば、自分が気になった箇所を実際にサンプリングした時のようにループさせながら聴くことも可能だ。またこのループ機能では2小節から16小節までの好みのループ尺で再生可能になっている。





サンプリング権利許諾料と収益分配率はカテゴリーによって異なる 


そうして購入したサンプリングネタ曲を使い、まずはDAWやサンプラーに曲を読み込ませてトラックメイク。それが終わったら 次は許諾のために申請を行う。その際のポイントは、Tracklibでは3種類のライセンス販売を用意している点だ。 用意されているのは、カテゴリーA、B、Cの3種類。その違いは元ネタ曲ごとにカテゴライズされており、例えばカテゴリーCなら1ライセンスごとに50ドル、Bなら500ドルと異なり、自分が購入した曲に応じた権利許諾料を支払う必要がある。 

 


またその際に元ネタ曲のどの部分からどの部分をサンプリングしたかを申請。そして、サンプリング秒数に応じて、ライセンス料を自分がサンプリングしたオリジナル曲の収益から分配するための登録を行う。その際の分配は、例えば、下の画像のように 2秒まで、15秒まで、60秒までの3パターンに分かれており、元ネタ曲からサンプリングした秒数に応じて収益からの分配率は異なる。




ちなみにこのサンプリングした秒数とは、元ネタ曲から抜き出して作ったサンプル尺の長さを指す。例えば元ネタのイントロから5秒サンプリング、アウトロから10秒サンプリングした場合は、5+10=15秒サンプリングしたという計算になる。また先述の5秒のサンプルを最初の1分間ループさせ、次に10秒のサンプルを1分間ループさせて合計2分の曲を制作したとする。その場合も元ネタからサンプルした部分は5+10=15秒となる。


また先述の曲のカテゴリーによってもこの分配率は異なり、例えばカテゴリーC曲を15秒サンプリングした場合の収益の分配率は10%だが、カテゴリーA曲の場合は25%になるので注意が必要だ。  




そして申請が終わるとまずは個人使用のみできる下の画像のような「UNLICENSED」の登録完了画面が表示できるようになる。

 

次に権利許諾料支払いに進むと、サンプリング使用の条件が表示されるのでそれに同意する場合は会計を進める。




その後、正式に申請されることになり、審査が完了して許可がおりると晴れてサンプリングの権利を個人で許諾を取ることができたというわけだ。そうなれば、今後はこの曲をCDにプレスしたり、各種オンラインストアや音楽配信プラットフォームに公開し、合法的にマネタイズができるようになる。ただし、実際にリリースする際にはサンプリング許諾料支払い後に日本だとCPRAのような著作権管理団体にサンプリングした曲とそれを使用した自作曲の登録する必要がある。これらの作業はサンプリング許諾を得た後にtraklibで申請のためのガイドリンクに沿って行うことができる。



提携ディストリビューションサービスから配信すると"煩わしい作業"からも解放される!? 


なお、サンプリングネタの権利許諾済みの音源の配信を個人で行う際、Tracklibでは提携しているディストリビューションサービスのDISTROKIDを利用することを推奨している。その理由は同サービスを利用することで、申請時に設定した権利者への収益の分配処理報告を自動で行ってくれるからだ。正直、この作業を個人で行うのはかなり煩わしい。もし、特別な理由がないのならTracklibがいうとおりにDISTROKIDを使う方が良いだろう…。 



そんなわけでサンプリングベースで曲を作り上げる、かつ、合法的にその曲でマネタイズしたい場合は、是非このTracklibを使ってみてはいかがだろうか? 


もし、サンプリングセンスとトラックメイクに自身があり、さらに制作資金が潤沢な場合は、DJ Shadowがサンプリングを駆使して作り上げ、ギネス・ワールド・レコーズに”初の完全なるサンプリングアルバム”として登録された名盤『Endtroducing…..』のような作品も個人で合法的にリリースできるようになるぞ!




■Tracklib
https://www.tracklib.com/

written by Jun Fukunaga

source:

https://www.tracklib.com/

https://support.tracklib.com/hc/en-us/articles/360001890952-I-just-got-a-sample-license-what-do-I-need-to-do-

https://support.tracklib.com/hc/en-us/articles/360020597951-How-do-I-release-distribute-my-music-


photo: Tracklib

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