境界線の破壊に挑む男。伝説のギタリスト=トム・モレロ初のソロアルバムをリリース

唯一無二のギタリストが提唱する"全く新しいジャンルの音楽”とは? TJOがTom Morelloを特集!
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2018.11.22 13:06

 トム・モレロという名前を知っているだろうか?正に生きる伝説。もし仮に名前を知らない世代がいたとしても、彼が組んできたバンド、発信してきたサウンド、そして音楽だけにとどまらない活動を知ればその影響力に驚くであろう。


彼を語るのに欠かせないのが、1991年に結成したバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンだろう。「レッド・ツェッペリンとパブリック・エナミーの融合」と評され、ロックとヒップホップを融合したサウンドは後のミクスチャー・ロック、オルタナティブ・ロックの先駆けとして大きな影響を与えた。さらにチェ・ゲバラやマルコムXなどからの思想的影響を受けた政治的なメッセージも合わさり、世界を熱狂の渦に巻き込んだ。


リリースしたアルバム4作のうち2作が全米1位。さらにグラミー賞には7 度ノミネートされた。


「ベスト・メタル・パフォーマンス」&「ベスト・ハード・ロック・パフォーマンス」の複数受賞を果たしたトム・モレロは、エフェクターを駆使した既成概念にとらわれない超絶ギターテクニックを極め、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」にも選出されるなど、一時代を築いた。



 2000年のレイジ解散以降も、新たにサウンドガーデンのヴォーカル、クリス・コーネルを迎えオーディオスレイヴを結成。ここでも全米1位を叩き出す。


彼の活動は留まらず「ナイトウォッチマン」名義でのソロ活動、アメリカを代表するアーティストであるブルース・スプリングスティーンとのコラボレーションなど多岐にわたる。


2016年にはパブリック・エナミーのチャック D、 DJ ロード、サイプレス・ ヒルの B リアルというヒップホップのレジェンド達をプロフェッツ・オブ・レイジを結成する。


 そんな"生ける伝説"が新たに2018年に挑むのが、キャリア初のソロ・アルバム『ジ・アトラス・アンダーグラウンド』である。


キャリア30年にして初のソロ作品というのも驚きだが、今作はロックとヒップホップの垣根を早い段階から飛び越え、境界線を破壊してきた彼らしい作品となっているのだ。


さらにダンスミュージックも巻き込んで各シーンを代表する多数の豪華なメンツ、それこそ彼と同時期に時代を作ってきたアーティスト、そして彼に大きな影響を受けてきたアーティスト達がこれでもかと集結している。


EDMシーンを代表するスティーブ・アオキとナイフ・パーティー。アメリカで絶対的な人気を誇るベース・ミュージックのプロデューサーであるベースネクターと、新鋭のヒーローバスト。2014年のグラミー賞最優秀エレクトロニック/ダンス・アルバム賞にダフト・パンクやカルヴィン・ハリスと並んでフリーダウンロード作品がノミネートされ話題を集めたプリティ・ライツ。そしてblock.fmが注目する若干19歳ながらチャーリーXCXやデュア・リパとコラボを果たし、タイ・ダラー・サインや1Dのゼインの公式リミックスや、チェインスモーカーズのツアーでオープニングアクトも務めた、信じられないキャリアを突き進んでいるウェザンというアーティスト。彼はLouis the Childとも親交が深いなど、新世代ビート系の筆頭株として注目されている。


ロック・シーンからはイギリスの人気バンド「マムフォード・アンド・サンズ」からヴォーカルのマーカス・マムフォード、そして「フィール・イット・スティル」が世界的ヒットを果たしたポルトガル・ザ・マン。


そしてヒップホップ・シーンからはウータン・クランのRZA & GZA、アウトキャストのビッグボーイ、キラー・マイクといった大御所から、ヴィック・メンサ、女性ラッパーのレケイリー47といったフレッシュなラッパーまで実に幅広いラインナップとなっている。


 これ以上ないほどのメンツが揃ったのもトムのなせる技。「リフとビートから制作に取り組んでいたけど、各アーティストのすばらしい才能が俺の創造性を未知 の領域へと運んでくれたんだ。俺は音楽的にも、そして世の中の不公平にたいしても常に情熱をもって取り組んできたつもりだけど、今こそこの地球を救うために最後の力を振り絞って仲間を集結させるべきだと感じたんだ。音楽の境界に挑戦することで、少しでも社会の現状を変えるきっかけをつ くりたかったんだ」と語る通り、ラインナップだけでなくサウンド面もさらにアップデートされ、そして彼の音楽キャリアの根源ともいえるメッセージ性(トムは優れたギタリストのみならず活動家の両親を持ち、本人もハーバード大学卒というエリート!)もしっかりと作品に落とし込まれている。


「『ラビッツ・リベンジ』や『リード・ポイズニング』の歌詞では、世界中で様々な理由によって苦しんでる人たちの想いを代弁してあげたかったんだ」とも語っている。



 このソロアルバムの前哨戦となる面白いエピソードがある。2016年にアメリカのマイアミで行われた世界フェス「ウルトラ・ミュージック・フェスティバル」の最終日、メインステージの大トリを飾ったのがナイフ・パーティーで、前進バンドであるペンデュラムと共にトムもサプライズとして登場したのだった。演奏され、観客の熱狂を煽ったのが本作にも収録されているコラボ曲「バトル・サイレンズ」だ



すでに2年前から本作品の種は蒔かれていたといっても過言ではない。トム節全開の印象的なリフにスティーブ・アオキのエレクトロ要素が加わり、ナイフ・パーティー、ベースネクター、ヒーローバストがベース・ミュージックの要素を加えることによりミクスチャーロックの最新系を聞かせてくれる。そしてプリティ・ライツ、ウェザンの新鋭達によって新世代の新しい風が与えられた。



 音楽の境界線を破壊してきた「生ける伝説」は、キャリア初のソロ・アルバムにしてさらに自らが育んできたファミリー・ツリーによってその進化を加速させている。境界線の破壊に挑み続ける彼のサウンドをぜひ体感してほしい。


【新作リリース情報】

 Tom Morello | The Atlas Underground

トム・モレロ | ジ・アトラス・アンダーグラウンド

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、オーディオスレイヴ、プロフィッツ・オブ・レイジといった数々の 世界的人気ロック・バンドの設立者の一人であり、常にロックに変革を求め続け今なお"生き る伝説"として圧倒的人気と高い評価を誇るミュージシャン/ギタリスト=トム・モレロ。そんな彼 のソロ名義としては初となるアルバム『ジ・アトラス・アンダーグラウンド』がリリース。初回限定版のみステッカーも封入!

試聴・購入リンク:https://SonyMusicJapan.lnk.to/TomMorello_TAU


『Atlas Underground』について深く語るApple Musicのインタビューはこちらからチェック!


Tom Morelloの制作をインスパイアしたプレイリストも聴こう!


Written by TJO.

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