Dos Monos『Mid90s ミッドナインティーズ』を語る

Dos Monosが映画『Mid90s ミッドナインティーズ』についてトーク!
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2020.09.30 06:00

Dos Monosの3人がblock.fm『TOKYO BUG STORY』の中で『Mid90s ミッドナインティーズ』について話していました。



番組情報


▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.


番組URL : https://block.fm/radios/728





TaiTan:それで、映画の話になると『Mid90s ミッドナインティーズ』は3人とも見たんじゃないですか?


没:フフフ、ぶった切ってきた(笑)。俺は普通に好きでしたね。


TaiTan:俺と荘子itは一緒に見に行きまして。あのー……上映後、一言もしゃべらずに別れた。だから俺、荘子itが何を思ってるのか、いまだに知らないから。で、ここ3週間くらい会ってないから。聞きたいですね。この場を借りて。


没:それってなんでしゃべらなかったの? 「ちょっと聞けない」みたいな感じだったの?


TaiTan:いや、俺はもうビクビクしていたのよ。俺はすごいよかったんだけど……。


荘子it:あれは上映前にずっとTaiTanがすげえ不機嫌だったのよ。エレベーターの中でずっと……なんかすごいいろいろタスクが溜まっていて。「あれも決めなきゃ、これも決めなきゃ……」みたいな感じで。とても映画の話をする雰囲気じゃなかったんだよ。


TaiTan:そう。だからあれだね。だから荘子itの家から2人で行ったんだ。そうだ、そうだ。それで俺がめちゃめちゃ追い込まれていたんだ。


荘子it:TaiTanがやることを5個ぐらい抱えていて。ずっとLINEを打ちながら舌打ちをしながら……(笑)。「さすがにちょっとこれは……」みたいな感じで。


TaiTan:いや、その意味で言うと、俺はめちゃめちゃすごいよかったんだよ。それでね。


荘子it:「そういう意味で言うと」ってどういうこと?


TaiTan:だからそういった面ではね。


荘子it:それで、わかった。TaiTanは上映前はあんなに不機嫌だったけど、まあ普通にいい映画だったし。普通に心が洗われてよかったのかなっていう風に俺は思っていた。何も言わずに。


TaiTan:だから荘子itはどうだったんですか?


荘子it:俺は別に、うん。特には別にそんな興味もないっていうか(笑)。


TaiTan:そうなんだよね。俺はさ、やっぱりさ、しかも離れた席に座っていたんで。俺は画面を見ながらも荘子itのことを思っていたわけですよ。遠くの荘子itのことをね。


荘子it:フフフ、人と映画を見るとさ、一緒に来たやつがどう思っているかとか気にするから。なんかめんどくさいよね(笑)。


TaiTan:そうなのよ。だから俺は隣に座られるの、すごい嫌なの。一緒に行く人に。だからバラバラの席を購入して。


荘子it:まあまあ、それがいい場合もあるけども。基本的にはね。


TaiTan:それで荘子itのことをさ、「今、彼は何を思っているかな?」みたいなことを思って。どう考えてもハマっているわけがないっていう。この映画にね。


荘子it:「ハマらない」っていうか、まあ普通にいいっていうかさ。ただ、そこにあるいい映画みたいな。


TaiTan:没はわかるでしょう? 荘子itは、没が一緒に行ったとしたら、あんまり終わった後にさ……。


没:めっちゃ気まずいよね。


TaiTan:そう。「めっちゃよかったわ!」って言ったらちょっと気まずくなっちゃうかもなっていう懸念はあるんだよね。


没:なんか一段階、意味を持たせないと「めっちゃいい」って言えない感じだよ。俺が説明をする力量を持たない限りは「めっちゃいい」って言えないみたいな感じ。


TaiTan:そう。だからあれ、本当に奇跡みたいなね、上映後のパルコから東急線の駅のホームまで。マジで本当にいろんな磁場が働きまくって。だから俺が不機嫌だったとか。荘子itのことを思って俺は向こうの……俺はよかったけど、荘子itはきっと好きじゃないから無言を貫こう、みたいな。


荘子it:なんだよ、それ(笑)。


TaiTan:荘子itは荘子itで「いや、TaiTanは上映前、あんな感じだったから話さないでおこう」みたいな。いろんな磁場が絡み合って一言もしゃべらないで……。


荘子it:TaiTan、一言しゃべったけどね。渋谷駅に近づいて別れる瞬間に「まあ、俺はなかなかに高く評価しているよ」って。


TaiTan:いやいや、そんな薄い言い方はしていないよ(笑)。おい、やめろ、やめろ(笑)。「まあ、俺は肯定派だけどね」っつって、それで帰っていったんだよ。


荘子it:ほとんど変わらねえじゃねえか(笑)。


没:「俺は肯定派だけどね」もヤバいよ(笑)。


TaiTan:どうしても言いたかったんだよ。荘子itにさ。寝る前にちょっとでも記憶に残しておきたかったんだよね。俺という存在を。


荘子it:「よかったぞ」と思っていることを?


TaiTan:荘子itって映画を見た後ってさ、なにするの? 『Mid90s ミッドナインティーズ』に関して言えば?


荘子it:なにするって……パンフレットを読むとか、あんまりしないからね。


TaiTan:そう。なんかさ、普通の人間だったら映画を見た後にさ、なんかネタバレサイトとか見たり、なんなり。それこと、人の感想とかをバーッと見たりするかもしれないけどさ。荘子itって映画を見終わったら何するの?


荘子it:まあ、それも楽しみのうちじゃない? 人の感想を見るのとかって。


TaiTan:ああ、なるほどね。じゃあ普通に東横線の中でパラッと見たりしてたんだ。


荘子it:いや、『Mid90s ミッドナインティーズ』は別にしてないけど。あれってそういう映画じゃないじゃん。それはたぶんお前もしないでしょう、もはや?


TaiTan:してないね。人の感想なんてどうでもいいね。『Mid90s ミッドナインティーズ』に関しては。


荘子it:そうそう。ただの尊い映画じゃん。普通に。


TaiTan:そう。各々が胸の中で愛でればいいっていう。あれもそうだったね。『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』も。


荘子it:まあ、またA24のさ、まさに普通にいい青春映画っていうものの……でも、たぶんそこはまあ、結構タイプは違うと思うけどね。『Mid90s ミッドナインティーズ』と『エイス・グレード』自体の。言ったら。それで『Mid90s ミッドナインティーズ』のさ、先輩キャラいるじゃん。そのコミュニティーの中のかっこいい先輩キャラ。あれがすごい……というか、没にその後に教えてもらったんだけども。あれ、すごいタイラー・ザ・クリエイター感あるよね。って思ったら、あいつ自身がオッド・フューチャーのメンバーの一員なんだね。


TaiTan:ああ、そうなんだ。あの黒人?


没:ナケル・スミスっていうね。


TaiTan:はいはい。いいねえ。


荘子it:あれさ、全く描かれていないけどさ。そのセクシャリティー的にはあれなんだろうね。ちょっとゲイっぽさを感じさせるじゃん? なんか、明示をされないじゃん。それで女の子たちが出てくるシーンでそっちに……なんかさ、「お前、やったのか? ウエーイ!」みたいなノリはめっちゃ楽しんでるんだけども。でも、そいつ自身……先輩のあいつ自身はさ、なんか興味ないみたいな、そういう感じがあってさ。あそこがちょっとエロいなと思ったんだよな。


TaiTan:いや、わかるわ。なんかやっぱりあのお兄ちゃんが一番色気あるよな。


荘子it:うん、そうそう。でもお兄ちゃんも外部のコミュニティーだとそんなに強キャラじゃないところとかもね。


TaiTan:そうそう。っていうかさ、俺は『Mid90s ミッドナインティーズ』、これは自分のポッドキャストとかでもちょっと話しちゃったんだけども。「こいつ、意外とザコな面が見えちゃうぞ」萌えってあるじゃん?


荘子it:まあ、あの兄貴もあったしね。


TaiTan:そうそうそう。


荘子it:コミュニティーの先輩とさらに……みたいな話で。


TaiTan:「あまりにも大きかった背中が実はただの人の背中だった」っていう。いや、でも兄貴の描写とかもいいよな。あのさ、兄貴にさ、「お前なんて友達もいねえ引きこもりのくせに。何言ってんだよ?」みたいな。


荘子it:兄貴の取り乱し方がさ、マジで半端なくてさ(笑)。


TaiTan:そうそう。あれ、マジでよかったね。あれを言われた時に、普段だったら暴力でさ、やられてるのに。その一言でも崩れ落ちる兄貴っていうさ。いやー、よかったですね。


荘子it:なんかね、ああいうのって人生の中で経験した方がいいのかね。やっぱり自分の兄貴に対して思ったりすることあるじゃん。俺もTaiTanも兄貴がいるからさ。


TaiTan:あるね。あるある。


荘子it:「おめーなんかクソだよ」みたいな(笑)。そういうことを言うとああいう感じになるのかな?って思って。まあ、言わない方がいいんだろうけど。


没:2人とも、別に言った経験はないんだ。


荘子it:ないでしょう?


TaiTan:俺はないね。言えないね。


荘子it:「言えない」っていうよりもなんか、言うことに価値を見い出せないというか。言うまでもないみたいな。「言うまでもなく、お前はクソである」みたいな。そんな認識で(笑)。


没:めちゃめちゃひどいやつじゃん。血も涙もない。


荘子it:いやいや、それは俺が思ってるだけで。向こうが俺のことをいじめたりとかしているしね。別になんかそれでいいみたいな。その階級闘争を乗り越えようとかいう意識すらない。「ただ俺は黙々といじめられてはいるが、お前はクソである」みたいな。社会に対するスタンスも基本的にそうみたいな。そういう感じだよね。


TaiTan:そうね。わかるわー。いや、なんか兄貴……なんか肉親の話にね、思いを馳せるとちょっとね、切なくなってくるなっていう。


荘子it:まあいろいろとね、個人的なあれに重ね合わされたりしてね。普通にいい映画だね。


TaiTan:そうね。タバコを無理やり吸っている歳の近い少年とかね。「ありがとうなんて言ってるんじゃねえよ」みたいなこと言ってくるやつ。


荘子it:あいつが一番最初に乗り越えられるザコか。っていうか本当にさ、さっきも言ったけどさ、図式的なまでに……ジャンプみたいなさ、さっきまで強かったやつがもっと強い枠組みが更新されていくよね。だからその同い年ぐらいのちょっとませているガキと、兄貴と、コミュニティーの先輩みたいな。で、あとは最後には青春のこの空間を作る外壁そのものにぶち当たって終わるみたいな、なんかそういう感じ。


TaiTan:でも一番いいのがさ、飛び越える相手ですらない、あの白人のちょっとノッポのさ……。


没:ビデオを撮っているやつ?


TaiTan:そうそう。ビデオグラファーいるじゃん。彼ってもう空気みたいに扱われてるけどさ。物語の最後にさ、彼の役割が非常に明確に明示されるじゃん。


荘子it:まあ「記憶すること」みたいなね。『ウォッチメン』と同じだよね(笑)。


TaiTan:本当にひでえな(笑)。俺、本当にあそこ構造に一番感動したけどね。


没:でも、本当にそうでしょう。それに尽きるでしょう。


荘子it:いや、あの構造は『ウォッチメン』でしょう?(笑)。


TaiTan:なんなんだよ、お前のそれ(笑)。


荘子it:物語をつづることが大事なのだ。記録していること。これを目撃していることが大事なのだ、みたいな。まあ、それはすなわち映画を見ている私たちであり、映画を撮る監督であり……。


TaiTan:そんなに難しく考えないのよ、俺らは。


荘子it:いや、難しくっていうか、それは基本的な……一番基本的なエモさを生み出す構図でしょう?


TaiTan:そうかー。だから見てない人にとってはね、ちょっとややネタバレですが。まあ、そこに注目してほしいっすね。


没:そうね。これ、結構重大なネタバレだわ。まあ、いいや。


荘子it:たしかに(笑)。「あいつが実はヤバい」みたいな(笑)。


TaiTan:そうそう。「あいつはショボい」みたいな(笑)。


荘子it:俺の今の説明とかも、理解されていればだけども、めちゃめちゃそのままネタバレだわ。


TaiTan:まあまあ……。



番組情報


▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.


番組URL : https://block.fm/radios/728


荘子it(MC/トラックメーカー)、TAITAN MAN(MC)、没 a.k.a NGS(MC/DJ)からなる3人組HIP HOPユニット”Dos Monos”による番組『TOKYO BUG STORY』。圧倒的な音楽性の高さと、独自に作り上げた世界観を是非ラジオで体感してほしい。



公式サイト

http://www.transformer.co.jp/m/mid90s/


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