Dos Monos 吃音とリリックを語る

Dos Monosの荘子it、TAITAN、没が吃音や各自が書くリリックについて語る。
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2020.06.10 08:00

Dos Monosの3人がblock.fm『TOKYO BUG STORY』の中で吃音とラップのリリックについて話し合っていました。


番組情報

▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/728





荘子it:まあでも、どもりの話はね……。

TAITAN:なんかね、その「Dワード」は言っちゃいけないんだって。

荘子it:「吃音」は?

TAITAN:ああ、吃音だね。そうそう。まあ、でも俺はさ、吃音持ちだったから。で、吃音に話をスライドさせると面白いのがあって。俺がなんかね、宮城かどこかのライブに行く時に新幹線の中で荘子itと隣でブワーッと話していて。で、その時もそういう話しになって。「昔、吃音持ちでどうのこうの」って話になって。その時、荘子itが「吃音とはぬか漬けである」みたいな話をしたんだよね。その話、ちょっとしてよ。あれ、めちゃめちゃ面白いから。

荘子it:うんうん。俺、その時にぬか漬けにハマっていたからさ。ぬか漬けの何が面白いって、自分でこの菌をコントロールできないわけ。要はきゅうりを漬け込んだら、翌日にはぬか漬けになってるわけだけどさ。その漬ける日と漬け具合とかによっても全然違うわけだけど。それは要は塩味を足すとか、普通に調理するのと全く違って。もう自分は入れるだけだから。入れて混ぜるだけだから、あとは何が起きるかわかんないわけ。だけど、その野ざらし状態の中で味が変化していくっていう、なんかすごい大雑把なものの中で、でも普通の調味料とかでは絶対に作れない発酵の味っていうのが生まれるわけじゃん。

で、その発酵的なワードセンスっていうのがいわゆる吃音の中には可能性としてあるんじゃないか、みたいな話をして。要は、吃音っていうのはたぶん2種類あって。難発っていうのと連発っていう。「あ、あ、あ、ありがとう」って「あ」が何回も連発しちゃうやつと、「ありがとう」って言いたくても「う、う……」ってなって「ありがとう」って出てこないみたいな時。それは難発っていう。まあ、その2つがあって。

で、どっちにしろ、言葉の出口が見つからない状態。行き詰まっちゃって出てこない状態になると、じゃあその「ありがとう」の代わりに「あ、あ、う……サンクス」みたいに言うことによって別のワードを……普通の日常会話では出てこない変な言葉が。まあ、「サンクス」は普通に言うけども。そんな感じでだからどんどんパラフレーズされていくことによって、日常の言語仕様からちょっと離れた変な言葉が……タイタンってまさにそうやつだから。まあ、そういう可能性があるんじゃないだろうか、みたいな。要は、本人がコントロールできない言語仕様がある。

つまり、「水を何cc」とかやっても出てこない味が発酵食品は任せることよって、無意識的な味が出てくるみたいな。そういうことがあるっていう。

TAITAN:いや、本当に面白いと思って。それの話の入り口は「何で俺ってこんなにこまっしゃくれた言い回しとかをするんだろう?」って。で、結構いろんな人に指摘されるの。「お前の言い方、遠回りだからウザい」みたいにめちゃめちゃ言われて。

荘子it:「ウザい」っていう人と、あとは普通に「タイタンくんの言葉遣い、好きだわ」みたいなやつもいるよね?

TAITAN:そうそう。好意的に思ってくれる人もいるけど、でもまあ普通に「何でそういう口調になるんだろう?」っていうのはずっと思っていて。で、「それはなんとなく昔、中高生とかの時に吃音っぽくなっちゃうみたいなところに原因があるんじゃないかと思う」というのを彼に話したら、「それはぬか漬けと同じだね」って言って。

没:すごいいい話だな。

TAITAN:フフフ、いや、めちゃめちゃ面白い。本当にね、でもその通りで。出口が無数に……自分のコントロール外のところで発生していくっていう。それで脳がどんどん、まあかっこつけて言うと拡張される感じがちょっとあるんだね。

没:それってさ、その吃音してる時に、いろんな……他の言葉とかを思考するの?

TAITAN:ああ、なんかね、だから引き出しを無数に用意しておく感覚はあるよ。

没:別にどこのゴールにたどり着いても何とかなるみたいな?

TAITAN:そう。特にお前らと話してる時にさ、「わざとだろ?」って言われることもあるけど。わざとの場合もあるんだけども。全く入り口と出口がさ、接続できてない時ってあるじゃん? それとかはもうニュアンスだけ伝えればいいやっていうことで俺は発話しちゃうんだよね。具体例が思いつかないいけども。

没:もう最近、突っ込まなくなっちゃったよ(笑)。

荘子it:タイタンの場合は本当にふざけて言っている時と、マジでそうなってる時があるからね。本当に余計に見分けがつかないって感じだけど。まあまあ、さっき「言っちゃいけない」って言っていたけどさ、去年ぐらいの本で『どもる体』っていう本が出ていて。

TAITAN:ああ、『どもる体』は俺も……誰の本だっけ?

荘子it:伊藤亜紗さんっていう人だね。あの人は『目の見えない人は世界をどう見ているのか』とか、『目の見えないアスリートの身体論』とか、そういう本を書いているんだけども。その『どもる体』っていうのはつまり、どもるっていうことをいわゆる「克服すべき症状」としてではなくて、そのどもることによってどういう感覚が拡張されているのかとかを書いていて。ものすごいタイタンが読んだら面白いのかなって。

TAITAN:ああ、面白そう。今のその『どもる体』の話もそうなんだけども。俺は大学の時に一番影響を受けたのが松尾スズキなんだけども。演劇、大人計画のね。で、松尾スズキも吃音をずっと持っていて。で、彼も自分の劇の原点にあるのはそういった、吃音の原体験だったとか言っていて。で、彼の芝居の動きとかを見ると、本当にまさしく同じことを言っていて。「体をどもらせたい」みたいな。

要は「もっと自分のコントロール外のところまで役者が動いていってほしい」みたいにずっと言っていて。で、俺はそれを大学の時、そういう考えはめっちゃ面白いなと思ってたりして影響を受けてたんだけど。やっぱり、何て言うのかな? コントロール外のところで出口がどんどん開いていっちゃう感覚っていうのは面白いよね。ラップとかでもそういうのができたらいいんだけど。フリースタイルは俺、めっちゃ下手なんだよね。

荘子it:まあフリースタイルはね、別に様式化しちゃっていけば簡単なんだけどね。昨日もさ、俺、新曲をやる時とか……。(※編集部注:収録の前日に出演した『CROSSING CARNIVAL'20 -online edition-』)

TAITAN:ああ、あれはすごいなと思った!

没:急に入れてきたよね?

荘子it:久しぶりにライブしたからさ、なんかさ、アドレナリンが出ちゃって。単純に歌詞を飛ばしたからなんだけどさ。

TAITAN:いや、あれはすごかったね!

没:逆にお前が違う歌詞を言ったから、俺の歌詞が飛びそうになったよ(笑)。

TAITAN:いや、俺ね、これからアーカイブを見る人がいたら、その瞬間が白眉ですよ。本当に。白眉かチートかわからんなっていう。

荘子it:バースの半分ぐらいがフリースタイルになっちゃったんだよね。

TAITAN:そうそう。俺、背後で見ていて荘子が目をつぶり始めたから。「あっ、これは飛んだな」って思って。

荘子it:お前、どこに目がついてんだよ?(笑)。

TAITAN:いや、映像で目がギュッとなっていて。「こいつ、頭で思い出しているな? これは飛んでいるな」と思ったら、結構気の利いたことに落としていっていたから。「つまり、ここはDOMMUNE。マスター、お前のホームだ、見てるか?」みたいに言っていたんだよね。そしたら没が普通にオンで自分のリリックを重ねていって。そこね、白眉だった。

荘子it:フリースタイルとか絶対俺ら、普段の日常でやんないけど。たぶんね、フリースタイルは好きなんだけど。だから俺、俺ライブとかでもたとえばジャズ系の人とかと一緒にビートライブとかをやる時には意外と即興とかやるんだけどさ。ダンサーとやったりとか。ライブで人前でやるのはさ好きなんだけど、何だろうな? 練習してやるとさ……本当プロで即興のミュージシャンになるんだったらさ、もちろんジャズミュージシャン、サックスとかでアドリブの練習しなきゃいけないけどさ。なんかもう自分は即興もそういう感じ。さっきのライブの捉え方と同じ。たまにあるご褒美みたいな。

事故的に起きたら、それを振り返るとめっちゃ面白いと思うけど。まあまあ、日常的にはいいや、みたいな。基本的にはビートメーカーで。自分のコントロールされた世界観とかコントロールされた歌詞の世界観とかを大事に大事に作り込んで、それがライブでぶっ壊れちゃう時を自分でも待っているみたいな。別に自分のことを即興ミュージシャンとは思ってない。だけど結局、即興にさらされちゃう場というのも局面としてはあって。だから昨日がまさにそうだったけど。そういう時は振り返ると、やっぱり一番その時は楽しかったって自分でも思う。

TAITAN:あれ、気持ちいいだろう? 自分でバースを蹴り終わった後さ、「俺、できるじゃん!」って思ったろ?(笑)。

荘子it:フフフ(笑)。そうそう。日頃やらないからこそ、そういう時になんか「おおーっ!」って燃えるよね。やっぱり。

TAITAN:どこかのプロレスラーだか格闘家かなんかが、なんだっけな? ある、結構強い相手を10秒ぐらいで倒して。それでヒーローインタビューみたいなところで「10秒で倒したなんてすごいですね!」って言われた時に答えた一言が「10秒じゃねえ。これは35年間と10秒だ」って言ったっていう。だから、「その10秒が降りてくるっていうのは今までの35年間の蓄積の結果であって。10秒だけで判断をするな」みたいなことを言ったんだよね。それ、すごいかっこいいよね。

没:かっけーな。

TAITAN:昨日のね、だから荘子くんはだから3バースじゃなかったっていうことだよね。奇跡の3バースじゃなかったっていう……あ、ごめん(笑)。

荘子it:まあ、3バースでもないしね(笑)。

TAITAN:そう。あのわずか10秒ぐらい。一瞬で出てきたというよりかは、かなり今までの長い長い道程の中にあるっていうのは思うんだよね。

荘子it:でも「いいじゃん」って思っちゃった。あれ、普通に歌詞通りやるよりよかったよね。

TAITAN:っていうか、なんならそれを狙っているのかな?って。つまり、よく「In Fuji Rock!」みたいなもんでさ。

没:俺も狙ってやっていたと思っていたよ。

荘子it:いや、もうとにかくアドレナリンが出すぎていて。とにかく二言目ぐらいから違うことを言っちゃっていて。

TAITAN:いや、すごいなと思ったね。あれは本当、今からアーカイブを見る人、白眉ですよ。本当に……いや、本当に見てほしい。(※編集部注:アーカイブ公開期間は終了しています)

荘子it:まあ、そういったことも俺もあるということだけども。俺はでも、リリックを書く時はあんまりそういうことはしないし、日常会話でやっぱりそんなに別にすごい変なパラフレーズとかはしないんだけど。だからそのがタイタンとのリリックの書き方の違いでもあるとは思うんだけども。前、どこかのインタビューでも言ったけども。俺は結構割とさ……。

TAITAN:MUSICAだね。

荘子it:俺は割と固有名詞とかのさ、ある程度文脈あるものをあらぬつなぎ替えとかしたりするんだけど。まあその文脈は固く温存してるとか言うものなんだけども、タイタンはその文脈自体を壊すような、なんか全然関係ない言語を使用するみたいな。そういう使い方はあるかもね。だから、どんどん変な言葉に横滑りしていくみたいな。俺は意外と正直な言葉遣いをして。まあちょっと別の組み合わせをすることによって、編集で面白くするみたいなところがあるけども。そういう違いはあるね。

TAITAN:そうね。だから荘子itくんが言っていて結構面白いなと思ったのが、彼は「自分のラップは批評である」っていう……。

荘子it:「批評である」というか、別にまあ普通の文章を書くのとあんまり変わらないっていう。

TAITAN:そうそう。批評文を書くくらいで。

荘子it:「リリック」っていうとポエムとか詩みたいだけども、俺は結構普通に文章みたいに書いちゃう。だからそれをどんだけ壊せるかみたいな感じなんだよね。うん。

TAITAN:いやー、面白い話が聞けたところで……。

荘子it:でも、没もそういう話がしたかったんじゃないの? 「リリックの話がしたい」って。

没:俺、「リリックの話がしたい」って言ったっけ? ラップの話をしたかった。

荘子it:ああ、なるほどね。

没:ラップ自体の話。リリックはね、俺はマジで全然違う感じがするな。でも最近はどうだろうな? 俺は常に結構迷走しているよ。

荘子it:まあ没はリリックっていうことではそこにこだわりがないっていうことね?

没:いや、こだわりがないわけじゃないけど。

荘子it:「こだわりがない」っていうか、リリックが単体で読まれるものとして書いてるわけじゃないっていうことでしょう?

没:いや、一応書いてるよ。書いてるけど、やっぱり自分の中のものの方がすごく大きいな。そんな他の文脈とかからの引用はあんまりしない。ヒップホップ的じゃないけど、あんまりしないで、自分の感覚でしか分からないから。もしかしたら他の人には分からないかもしれないけど。

荘子it:うんうん。だから超ざっくり言っちゃうと、要は俺のリリックがあんまり詩的ではなくて散文的だとしたら、没のはもっとポエマータイプというか。その伝わる言葉遣いじゃないってことだね。だからまたタイタンとは別の意味だけど。タイタンは言葉のパラフレーズをめちゃめちゃ駆使することによって、もう全然違う言葉遣いになっていくみたいなことを言っていたけど。それで言うと没は自分の中のリアリティーの言葉を大事にしているから。それはあんまり伝わるようには作っていないっていう?

没:そう。だからわかる言葉遊びとかはあんまりないかも。ないこともないけども……。

荘子it:まあ、あんまり現代詩とかも俺は明るくはないんだけども。そういう感じなのかな? だから俺ってすごい言語感がすごい古くて。「言語なんか伝わってナンボ」みたいな。だからあとは音楽とかそういう、映像とかでさ、面白いことをすればいいわけじゃんみたいな。あんまり言語をある意味、一番重要視していない。「言語で遊んだところで所詮……」っていう感じがしているから、あんまり逆にそういう遊びができない。わかんない。自分の中の抑圧を開放したらめちゃめちゃ変な言葉遣いができるのかもしれないけども。なんだろうな? うん。そんなに言葉遊びに重きを置いていないのかもしれない。逆に俺は。

TAITAN:難しいよね。でも、時々インナー内で「荘子itの歌詞は地獄のジョイマンだ」とかさ、言う時もあるじゃん? 要は、結構とんでもない固有名詞同士でさ、踏んで。それで「ナナナナー、ナナナナー」なんて言っていたと思っていたらいきなり「共産党に投じる白票」みたいなさ、ことを言ったりもする。それは言葉遊びの意識はそんなにない?

荘子it:うーん。まあ、言葉を書くからには多少は遊びも入れるけど。まあ、そんなもんかなっていう感じかな?

TAITAN:結構鮮やかに決まるけどね。

荘子it:まあ、なんか「いい仕事をしようかな?」ぐらいの感じ。でも、俺はそれをあんまり表現だとは思っていないんだよね。

TAITAN:ああ、人に出すものとしての最低限のマナーみたいな?

荘子it:それだからね、吃音とも関係あるのかなとか思っちゃったりする。だから本当の自分のリアリティーを伝えようとすると言葉に詰まるんだけど、やっぱり俺って言葉で何かを伝えようと思っていないんだよ。究極的には。だからこんなに早口なんだけど。でも、情報さえ伝わればいいと思っている。あとは聞いてっていう感じだから、それ以外のことにあんまり関心がないからこそ、もう適当になんか論理だけでバーバーバーバーしゃべれるんだけど。やっぱりどうしても、その吃音ってどういうことかというと、意味を伝えるんじゃなくて、その意味よりも肉体性が勝っちゃう。要は身体性が先に出ちゃうから、言葉がそれじゃ正しくないっていう方にずっとズレていっちゃうんだけど。俺はそんなことは別に気にしないの。言葉も間違ってもいいから意味が伝わればいいし。論理展開と歴史性が伝わればいいと思っているだけだから。そんな感じだね。だからその言葉に淡白っていうか。

TAITAN:意外と俺と近いっていうことだね。情感だけ伝わればあとは……。

荘子it:いや、情感だけでもないんだよね。

TAITAN:なるほどね。なんか、めちゃめちゃコメントが……「没さんのソロのリリック、好きです」とか。

没:ああ、ソロとDos Monosは大分違うっすね。荘子itもたぶんそうだと思うけども。

荘子it:そうだね。俺もDos Monosはさ、自分の曲……全部、自分でトラック作ってるしさ、自分の世界観があるけども。逆に人の曲にフューチャーリングするっていう……今度、5月20日に出るSMTKっていう石若駿とか細井徳ちゃんとかマーティとか松丸契くんのやっているジャズバンドにフィーチャリングで1曲、参加してるんだけども。それとかも、まあなんか楽しいし。あとはSouth Penguinとやったやつとかも。


没:South Penguinのやつ。あれはマジでいいリリックだったよ。

荘子it:そうそう。とてもDos Monosでは書けないようなリリックを書けるから。そういうのはあるよ。音楽に書かされているんだよね、結局。

没:まさに……荘子itがどこまで考えているのかはわかんないんだけどさ。その「言葉で論理が伝わればよくて、あとは音楽とか映像に任せる」って言っていたけども。一番、その感覚的なところを伝えられるのは……言い切りたくはないけど、俺はむしろ逆にその言葉の情感みたいなのをすごい信じたいから、あんまり言い切りたくはないけど。でも、今のところは音楽の方がさ、感覚は伝えやすいっていうかさ。映像とか音楽の方が。感覚自体は伝わりやすくない?

荘子it:まあ、感覚じゃないんだよね。俺が伝えたいのはもはや感覚じゃなくて……。

没:体験っていうこと?

荘子it:体験っていうか、なんだろう? 美。美しさ。

没:自分の美学とか?

荘子it:美学とかじゃなくて、やっぱり「美」よ。「美学」は人間のものだけど、俺はいつもトラックを作る時になにを考えているかっていうと、この音楽の神がいてさ、音楽の神と自分というただのさ、大した才能もない1クリエイターの間に回路を作るみたいな。それが作品なんじゃないのかな。やっぱり……だから別に自分の美学なんて所詮、どうでもいい。自分のセンスとか自分のインプットしてきたものの知識量とかもたかが知れているわけだから。

それよりも、その向こう側にあるさ、音楽の根源的な美みたいなものとの接点を何とかさ、トラックメイクの間でも……さっきもタイタンも言っていたけども。ぬか漬けとかさ、吃音とかを駆使して、レコードをザッピングしていく中からこのサンプルから掘り当てるようにしてさ、そこの関係性を結ぶみたいな感じ。だから、自分の中にはないんだよね。だから俺、伝えたい……さっき「意味が伝わればいい」って言ったけど、さっきタイタンが言ったように情感も別になくていいんだよね。もっとだから、もう自分の中にない美とどうやって接続するかってことしか考えてないから。

没:それを荘子itは「美」と表現するんだ。面白いね。

荘子it:まあ、伝統的な言い方じゃない? その美っていうのは。まあ、そういうので言葉はそんなに大してそれでできないかなっていう。音楽の方が全然……。

没:俺は「美」とまではパーセクションはしてなかったけど。なんかそれを感覚と思っていた。

荘子it:感覚ね。まあ「感覚」っていうとなんかもっと生理学的なものじゃん。あんまり形而上学的な感じがしないじゃん。形而上学的なことを信じているわけでもないけど。

没:まあ、そうだね。第六感まで含めた意味の感覚っていうか。

荘子it:まあまあ、そこまで行っちゃえばね。

没:そう。俺はそういう意味で言っていた。五感とかじゃない。

荘子it:五感とか喜怒哀楽とかなんて別にたかが知れているから、そういうものはどうでもよくて。それを超えたものを表現したいわけね。

没:そう。

荘子it:っていう感じかな?

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放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

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荘子it(MC/トラックメーカー)、TAITAN(MC)、没 a.k.a NGS(MC/DJ)からなる3人組HIP HOPユニット”DOS MONOS”による番組『TOKYO BUG STORY』。圧倒的な音楽性の高さと、独自に作り上げた世界観を是非ラジオで体感してほしい。


written by みやーんZZ





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