Dos Monos、最新アルバム『Dos Siki』より「Estrus」を語る

Dos Monosが最新アルバム『Dos Siki』から「Estrus」についてトーク。
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2020.09.04 03:00

Dos Monosの3人がblock.fm『TOKYO BUG STORY』の中で最新アルバム『Dos Siki』を全曲解説。3曲目の「Estrus」について話していました。


1、2曲目解説はこちら

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TaiTan:じゃあ、秋に。3曲目、『Dos Siki』から「Estrus」。



没:最高っすね。


荘子it:没の一番好きな曲(笑)。


没:ということを示すために一応今、「最高です」って言ったけども。いや、いいですよね。というか、普通にストレートにビートが来た時点で「これは勝った!」って。


TaiTan:これ、2人は何についてリリックを書いたの?


荘子it:俺は「Estrus」はでも、あれだよ。つまり「発情期」なんだけども。サルの発情期。秋だから。秋に該当するっていうことで「Estrus」にしたんだけども。一応、それをテーマに。


TaiTan:あれ? それ、教えてもらったっけ?


荘子it:教えたよ。それはお前、ただ単にLINEを見てないだけだよ。


TaiTan:ああ、だとしたら俺、別にそこを起点にしてないね。今回は。


荘子it:「街の灯り すべて塞いで」だもんね。どんな迷惑行為だよ?(笑)。


TaiTan:でも、セックスする時に街の灯り すべて塞いでって。発情期ですからね。


没:でも一応、発情について歌っているの?


TaiTan:いや、むしろ逆。ニヒルみたいな。


荘子it:逆なのかよ?(笑)。


TaiTan:わからないけど。そんな感じですね。発情期っていうのはどっちかっていうと夏かなって。


荘子it:全然違うじゃん、お前(笑)。


TaiTan:全然違うね(笑)。発情期なんて曲はない。強いて言うなら、春かな。


荘子it:「Estrus」をなんだと思っていたの?


TaiTan:俺? 「Estrus」はなんかふてくされる歌だなって。


荘子it:じゃなくて、“Estrus”っていう言葉を。


TaiTan:あ、知らない。いまだに知らないもん。


荘子it:フフフ、それはお前、LINEを見てないだけだよ。マジで(笑)。


TaiTan:知らないね。


没:それ、めっちゃ言っていたよ。


TaiTan:ああ、本当? Dos MonosのLINEね、流れが早い時と停滞している時の差が激しいからね。


没:ヤバすぎ(笑)。


TaiTan:じゃあ“Estrus”ってどういう意味なの?


荘子it:だから「発情期」だよ。


没:さっきから……今も言ったのに(笑)。


荘子it:ただ単に健忘症なだけ(笑)。


TaiTan:情報が長いと、ちょっとね。じゃあ、それで。はい。


没:じゃあ、俺から行く? 一応、順番で。俺はね、自分の中に発情期そのものじゃないけども。やっぱりその、発情してしまうなんかさ、有害な男性性ってめっちゃみんな言うけどさ。それが自分の中にあるわけじゃないですか。逆になんかそれを認めようとしないみたいな。ポリコレみたいなのでそれを全然認めようとしないみたいなのがあるから、なんか……それを認めてナンボでしょうみたいな歌詞で。


荘子it:アンチ・ポリティカル・コレクトネスですね。


没:まあ、そんな感じですね。だって「ない」って言うのは……。


荘子it:アンチ・ポリティカル・コレクトネス(APC)ね。


没:ま、別にそれで世の中をどうこうしたいとかじゃないんだけど。なんかそれを「ない」って言うのは嘘じゃん、みたいな。自分の中で。日々、俺は自分の中のそういうオヤジっぽい感じとか、めっちゃ見て「嫌だな」って思うから。でも、「それはあるものだ」っていうことを認める歌みたいな感じかな。別に何かメッセージを伝えたいわけではない。そんな感じ。でも、発情っていえば発情だから。


なんかさ、めっちゃ腑に落ちなかったんだけどさ。俺、エゴサをめっちゃするんだけど。「Dos Monos」で調べていたら、リリースした直後に「『Estrus』、めっちゃいいわ。でもなんか歌詞に『louis c.k.』っていう名前が出てきてめっちゃ失望しました」みたいなことを書いている人がいて。「お前、マジで?」って思ったんだけど。あれはだから、自分の中にもルイ・C・Kみたいなものが……でもルイ・C・K、実際に超好きなんですけど。


それも言ったらまた怒られるかもしれないけども。普通にコメディアンとしてとか、考える人としてすごい頭がいいなと思うんだけども。セクハラ事件を起こしちゃって、まあ失墜していったけどね。ここ1、2年ぐらい。でも、自分の中にもそういうものはあるでしょう、みたいな感じですよ。次の日にはそうなりうるっていう危険性があるよねっていうことを言いたかっただけで。なんかね、そういう風にその単語を出しただけで言われるっていうのは……そういうポリティカル・コレクトネスが一番いらねえわって思ったけどね。


TaiTan:難しいところですよね。


没:でもさ、その固有名詞だけでさ、そういう風に言うのっておかしい話じゃん。マジで。


荘子it:まあ、もちろん名前だしちゃいけないとかっていうのはキャンセルカルチャーそのものだからね。でもね、ポリティカル・コレクトネスっていうものに対してね、反論することっていうのは原理的に不可能なんだよね。ポリティカル・コレクトネスっていう言葉自体が、もはやポリティカル・コレクトネスを嫌ってる人しか使わない言葉になってしまったじゃん。ポリティカル・コレクトネスを礼賛する人っていないわけで。


没:たしかに。もう前提としてっていうか。


荘子it:そう。前提としてやっている人を指差す時の言葉としてポリティカル・コレクトネスっていう言葉は使われているわけだから。


没:でも、だからそれがポリティカル・コレクトネスってなんていうか、それもちゃんとわかってる人っていいんだけど。「ここまでの範囲内が前提としてありますよね」みたいなのがわかっていて。それ何かを言うんだったらいいんだけど。そうじゃなくてさ、何だろう? ぼやっとそういう意識だけあってさ。だから、そういう単語が出ただけですごい「嫌だ!」っていう拒否反応を示す人がいるじゃん。


荘子it:まあ、そうなんだけど。なんかね、俺はだからこの問題ってね、あんまりそのSNSとかのリベラル・ポリコレ言説をなんかね、まあいい意味で無視するというか。なんていうかね、本当の意味で無視するとは違って、それが目に入ってることをあんま高く評価しないっていう付き合い方が必要なんじゃないかなと俺は思っているけどね。


没:ああ、なるほどね。


荘子it:「そういう人がいる」っていう風に思わない。自分の問題として受け止める。でも、「こいつは一線を越えて過剰にポリコレのことを言ってるな」って思ったとしても、そういう過剰にポリコレを振りかざすやつが世にあふれてるっていう風には思わないようにするみたいな。


没:っていうか、たぶんそんなにいないからね。わかんないけども。SNSを見ていたら、そういう感じはめっちゃあるけどさ。


荘子it:まあ、メディアによって発言のさ、トーンは変わるものだからさ。その本人の生身の声とはまたそれも差があって。だからそれはね、難しいですね。


没:まあ、そうですね。だから、一概にそうと言うつもりもないけども。そういう状況でもあるかなって。


荘子it:わかる。没の言いたいこともすごいよくわかる。だからそれを、やっぱりTwitterではどうしても言えないよね。「ルイ・C・Kだ」みたいなことはとてもじゃないけど言えない。だから、それが曲になってるっていうのは最後の予防線だとは思う。だから、没が本気のことをツイートしていたら、東浩紀どころじゃない嫌われ方をするよ(笑)。


没:だから、そうそう。でもそういう自分を自覚してるからこそ、「そうですよ」っていうことを言ってみたみたいな感じですよ。だから、本当にめっちゃわかるんだよね。ハットリさんもそうですけど。


荘子it:ハットリさんを巻き込むなよ(笑)。


没:俺、特に本当にそうだと思う。だから、そんな無害な人だと思ってほしくないです。


TaiTan:没は別に無害な人だと思わないけどね。一番危険なやつだよ。


没:じゃあ、いい。それでいい。まあ、めっちゃダサい危険だけどね(笑)。


荘子it:まあ、各々がいろいろと考えてくださいよ。


没:お前は何を書いたの?


荘子it:俺も発情期だよ。だから俺も割と、なんだろうね。うーん。まあ、歌詞、俺はたぶん「Estrus」とかが一番さ、なにを言っているかだけは聞こえてくる曲だと思うから。まあ、それ以上付け足すことはないですね。ほとんど語りかけるような言い方をしているじゃん。基本的に。だからまあ、それを聞いてどう思うか?っていう感じですね。


TaiTan:そうですね。というところでの「Estrus」、発情の歌でございましたがなんとなんと、ここでお時間いっぱいいっぱいでございます。


荘子it:ふざけんなよ(笑)。なんかカットしろよ!


TaiTan:4曲目のマンモスの話は……。


荘子it:そんなわけねえだろ?(笑)。




【トークの続きはこちら】


Dos Monos、最新アルバム『Dos Siki』より「Mammoth vs. Dos Monos」を語る



番組情報


▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/728


荘子it(MC/トラックメーカー)、TAITAN MAN(MC)、没 a.k.a NGS(MC/DJ)からなる3人組HIP HOPユニット”Dos Monos”による番組『TOKYO BUG STORY』。圧倒的な音楽性の高さと、独自に作り上げた世界観を是非ラジオで体感してほしい。





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