Dos Monos『CROSSING CARNIVAL'20 -online edition-』と宇川直宏を語る

Dos Monosが出演した『CROSSING CARNIVAL'20 -online edition-』と宇川直宏についてトーク!
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2020.06.02 10:00

Dos Monosの3人がblock.fm『TOKYO BUG STORY』の中で、5月16日に出演した配信イベント『CROSSING CARNIVAL'20 -online edition-』とDOMMUNE宇川直宏から受けたアドバイスなどについて話していました。


番組情報

▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/728





TAITAN:そうですね。何の話をするか?って言ったら、当然昨日の『CROSSING CARNIVAL』。その話をしますって僕、Twitterとかで書いちゃったんで。だから荘子itくん、どうでしたか?


荘子it:昨日、素晴らしかったね。


TAITAN:うん、よかったよ。


没:めちゃくちゃ楽しかったっすね。


荘子it:まあ、事情を知らない人に言うと、『CROSSING CARNIVAL』っていうフェスがが本来あって。Dos Monosも……もちろん、他にもいろんなアーティストが出る、あれは街ナカフェスっていうの? わかんないけども。ライブハウスを使う……サーキットフェスか。で、元々出る予定だったんだけど、1回このコロナ禍の中で「会場で開催は無理」ということになって。で、出演者もグッと減ったんだけど、配信限定のフェスとしてやることになったやつを昨日、やってきたという。


5月16日にやるつもりだったやつを元々の予定通り配信でやろうということになって。出演者もだいぶ減って。本当だから前々回、ラジオのゲストで来てくれた菊地成孔さんのJAZZ DOMMUNISTERSとか。あとはすごい俺らが好きな先輩のOMSBくんとかMARIAさんとかも出るはずだった。で、「なんかちょっと一緒にやろうよ」とか言ったりしていたんだけど、全部なくなっちゃって。それはすごい残念で。


だったんだけども、昨日のライブはDos Monosも出るかどうかちょっと1回、話しあったんだけど。「配信ライブ」っていう形を……Dos Monosもあんまりその生配信ライブっていうのにその自分たちのパフォーマンスがフィットするのかどうか?っていうのが未知数だったから。まあ、未知数だからこそトライしたいっていう気持ちもありつつ、でも無策で臨むのも嫌だなっていうことだったので。要はね、本物の下位互換みたいなことをやってもしょうがないだろうと思ったんで、そこはいろいろ考えつつ臨んだわけだけど。まあ、宇川直宏さんのアイデアもありつつ、すごい良かったですね。


TAITAN:結果、DOMMUNEでやらせてもらって。それこそ宇川さんが俺らに結構、ディレクションじゃないけど。本当に配信の5分前ぐらいにね、「君たち、もっと自由に……」って。


没:本当に直前に「もっと出たら?」みたいな。


TAITAN:「もっと自由にやっちゃっていいのに」みたいに俺たちのリハーサルを見て言ってくれて。で、「荘子itくん、外に出ちゃいなよ」みたいなね(笑)。


荘子it:そうそうそう(笑)。ジャニーさんみたいな感じで(笑)。


TAITAN:ジャニー喜多川亡き後の世界で……みたいなね。


荘子it:だから、まあ俺らも別につまんないことをやるつもりもなかったけど、より奮い立たせてくれたっていうか。本当はスタジオの中でこぢんまりやらなきゃいけないものだと思っていたら、パルコの中の……今、DOMMUNEはパルコの中に移転したんだけど。今、その新しくできたパルコってDOMMUNE以外の全ての服屋とか、何もかもがこのコロナで閉まっていて。DOMMUNEだけがあの建物の中で営業してるんだよね。(編集部注:2020年5月の状況です)


TAITAN:あれ、怖いよな?


荘子it:あの超巨大なあのビルの中で、DOMMUNEの一室だけ明かりが付いている状態になっていて。そこでこぢんまりやるんだと思ったら、それはさすがにもったいないだろうってことになって。じゃあ、エレベーターとかエスカレーターとか、マイクのケーブルが届く距離まで……っていうことで。俺はワイヤレスマイクを持っていたからその電波が届くところまでっていうことで。照明とかも外まで作って。


TAITAN:10階まで行っちゃったね?


荘子it:いやいや、嘘つくなよ(笑)。いやいや、10階までは行ってなかったよね。あれ、9階だったんだっけ? そうか。9階と10階を行き来したっていうことね。そうそう。で、その2フロアを行き来して、自由にやらせてもらったわけだけども。


TAITAN:でも、本当に良かったよね。だからあれさ、俺はさっき、アーカイブでも見たんだけど。やっぱりあれ、生で見てないと……まあ全てのライブコンテンツはそうだと思うんだけどさ。感動が全く別物っていうかさ。やっぱり日本シリーズとかをいくら結果を知らずに収録の試合を見たとしてもさ、やっぱり生で見るのとはわけが違ってるわけじゃん。それと同じことで、何が起こるのかを全く知らなくても、やっぱり収録で見るのと同じ時間帯に「ああ、これが同時並行に起きているんだ」っていうのを体感するのではさ、全くわけが違うんだろうなって思って。それで昨日、Twitterとかもバーッていろんな人がコメントしてくれてるのを見て「放送事故だろ?」みたいなことを言ってくれているのとか……。


没:そんなコメント、あったっけ?(笑)


TAITAN:いたよ。でもね、そういうのが今ね、一番面白いなと思う。俺、冒頭でも言ったんだけど。ライブができないってなった時にさ、でも俺、ライブと同等の価値っていうか相当の快楽を得られるものはなんだろう?って考えた時に、いろんな人にたとえ話で言うんだけども。フジロックでELLEGARDENの復活ライブを目撃してしまうという、その熱狂はたしかにすごいものがあるじゃない? でもそれと同じくらい、Mステでt.A.T.u.がドタキャンした事件、あったじゃん? あれでさ、ミッシェル・ガン・エレファントがドタキャンしたt.A.T.u.の代わりに急遽、生演奏したみたいな。


あれをお茶の間で全国の5000万人ぐらいが目撃してしまうっていう。その事件を、その場にはいないんだけど一緒に見て共犯関係になっているみたいな。その熱狂ってさ、なんかほぼ同じっていうか。どんな名演よりもあの放送事故の方が心に残る場合もあったりするっていうか。なんか今、そこに……別にコロナ以前・以後っていうのを考えるのも結構しんどい話ではあるんだけど。ちょっと可能性を感じる部分があったから。だから昨日の『CROSSING CARNIVAL』はその意味でもなんかね、良かったですね。ああいうのができて。没くん、昨日の『CROSSING CARNIVAL』は?


荘子it:そう。没の感想が聞きたい。


没:めっちゃ楽しかったっすね。


TAITAN:なんだ、それ?


没:フフフ、別にそこから始めたってよくね? まあ、楽しくなかったら何も意味ないからね。でもやっぱり宇川さんのあの最初の機転に尽きるっていうか。


TAITAN:宇川さんの重鎮感、ヤバかったよね。部屋の扉入ってすぐのところに鎮座していて。割と俺、インした時に宇川さんのことを気づかなくて。それで普通にリハーサルしてたら声が飛んできて。ひょっこりと陰からさ、「君たち、もっとやっちゃいなよ」って。で、「うわっ、宇川さん、いるじゃん! ああ、これがDOMMUNEの歴史を作ってきた人か」っていう感動もひとしおで。


没:それこそまさにタイタンが言ってたことにもつながるけど。なんかタイマーズとかのリファレンスを出しながら。俺ら、別に何も示しあわせはしてないんだけど、その事故感とかを……すごい分かってる人でしたよね。まあ「分かった人」とか言うのも本当におこがましいんだけども。「うわっ、すごい人だな」って思って。


TAITAN:なんか俺、すげえなと思ったのがさ、「事故感を起こそうよ」とかは絶対に言わないんだよね。俺らがどれだけ遊べるかっていう、その余白をうまいことを作ってくれる。それが本当に上手っていうかさ。


荘子it:そうそう。「事故を起こそう」って言って起きる事故ほどつまんないもんはないからね。事故を設計するのは難しい。本当にやっぱりさ、経験に裏打ちされた……実践的にいろんなアイデアを出していく中で、事故的な面白いことが起きるっていうのもあるし。まあ、さっきのt.A.T.u.のやつはさすがに本当に狙ってできることじゃないと思うけど。まあまあ、さすが宇川さんだよね。宇川さん、Dos Monosをまだ聞いたことがなかったみたいで。昨日、そこで……。


没:リハではじめて聞いたんだよね。


荘子it:そこで一気にバイブスが上がって。「なんだ、こいつら。めっちゃかっこいいじゃん!」みたいになったところから一気に「じゃあ、こんなことをやっちゃおうよ!」みたいなところになるまで、ものの15分ぐらいの中でのバイブスの上がり方がすごかったね。


没:めっちゃすごかったね。


TAITAN:はじめてDos Monosを見てもらったのが昨日の瞬間で。しかも一緒に何かさ、物を作るっていう瞬間でめちゃくちゃ良かったよね。


没:あと、なんか音楽的にもね、やっぱりちょっとマニアックというか、わかりづらい話かもしれないけども。ライブが終わった後に宇川さんが知っている人は知っていると思うんだけども。『Ultimate Breaks & Beats』っていうヒップホップのブレイクをめっちゃ集めたみたいなシリーズがレコードであって。


で、結構ブーンバップとか90年代のに影響を受けている人はそれの影響を受けているんだけども。「君たちは『Ultimate Breaks & Beats』の『Ultimate』の部分だね」みたいなことをめっちゃ言われて。「うわっ、すげえわかってらっしゃるな!」って。それだけで「めっちゃわかっている!」みたいな。要するに、俺らはその90年代のやつにすごい影響を受けているけども。いわゆるブレイクビーツみたいなのはあんまりやっていなくて。それとは全然違う形で、それを荘子itくんが独自の形で……かなり消化した形になっているから。


聴感上は90年代風に聞こえたりもするんだけど、実はそうじゃないっていうのを端的に、「『Ultimate Breaks & Beats』の『Ultimate』の部分だけ」みたいな説明を宇川さんは一瞬でしてて。「マジですげえ人だな!」ってそこで2回思ったっていう。


TAITAN:なんかライブが終わった後、「クッキー食べる?」って言いながらめちゃめちゃ鋭いことを言うから(笑)。


没:クッキー缶の横でね(笑)。クッキーを配りながら……マジですごかったっすね。


TAITAN:キャラも面白いし。


没:だからずっとDOMMUNEとかに触れていた俺らからしたら、かなり嬉しいことでしたね。


荘子it:もう最初にいい思いをしすぎちゃってね。配信ライブの思い出がよすぎて。これはハードルが上がっちゃったけど。次はいつになるんだろうかね?


TAITAN:そうだね。まあ、あのDeathbombのフェスにも映像を納品したけど。あれは結構、一発じゃない?


没:まああれは映像パフォーマンスみたいな感じだったよね。


TAITAN:そうだね。アイデア一発っていうかさ。しかも1回しかできないやつじゃん? ZOOMで3人が別の場所なんだけど同期してるっていうさ。結構面白い映像を撮ったと思うけど。あれと同じことはもう2度とできないから。かつ、DOMMUNEみたいなさ、昨日みたいなああいう一夜限りのハプニングみたいなのもなかなか再生産できないっていうかさ。だから今後ね、オンラインライブをもしやる機会があったら、どういうことをトライしていけばいいか?っていうのはありますけどね。


没:それこそ、まだ正確には決まってないけど。「『JAZZ DOMMUNE』にも来てください」みたいなこともおっしゃってくださっていたし。いろいろとやっていけたらいいんじゃないかな。


TAITAN:荘子くんはなんかある? そういう、今後オンラインでやるとしたら。


荘子it:オンラインでやるとしたら……まあ、そうだね。ライブはそんなに別に元々……まあライブを喜んでもらえれば嬉しいけど、元々ライブを目指して音楽を作り始めたわけじゃないから。別に俺個人としてはそんなに、基本的に音源をじっくり作ることに集中するのはやぶさかではないわけなんだけど。昨日みたいなことはあるといいよねっていう感じで。まあ、いろんなところで俺、文章を書いたりとかしたり。コメントを言ったりとかさ、最近はあんまりしないけどツイートしたりする時でも、だいたい俺の基本スタンスってそんな感じで。


やっぱりライブしたり、人に会えたりするのは俺の人生にとってむしろ基本的には「おこぼれに与る」みたいな。棚ぼたみたいなもんだから。基本的に自分で好きなことやって、いいものを作ってるうちにだんだん、人に会ったり褒められるっていうパターンがあったら嬉しいし。そればっかりやってる時はそれが当たり前に思うけど。そんなに別に……本当に超個人的な話だね。人は知らないけど。そこまで別に自分が積極的に求めてるもんじゃないから。なんか、うん。今ぐらいのバランスって別にいいなって思っているけどね。


TAITAN:まあね。荘子の言うこともよくわかりますね。


没:それさ、荘子itは嫌がるかもしれないけど。そこもちょっとプリンスっぽいわ。


荘子it:ああ、なに? 俺がプリンスっぽいっていうことを没は言いたいのね?(笑)


没:そう。とりあえずそれを言っておきたい。プリンスも……なんだろうな?


荘子it:いや、俺はそうとしか考えられないから、逆に世の中の人が別にさしてそうじゃないんだなっていう感じがするよね。なんかこの歳になって気づくこととしては。


没:どうなんだろうね。ちょっとわかんない。別に。


荘子it:まあ、でも普通そうじゃない?


没:だけど、やっぱりコミュニティベースじゃないんだよな、Dos Monosは。


荘子it:あんまり場所から発生した感じがしないんだよね。


没:場所のグループじゃないから。


荘子it:と、言いつつね、同じ中学・高校だったりするんだけどね。そこが屈折しているっていうか(笑)。


没:だから、なんていうの? そっちの「場所」はあるけど。いわゆる今、活躍してる人たちの多くはたぶんシーンとか密接に関わり合ってる場所とかが結構あると思うけど。


TAITAN:レペゼンするものが本当に何もないんだよね。


没:そういうのはあんまないよね。俺ら自身でしかないっていうか。


荘子it:まあセカイ系っていうことね(笑)。


没:まあ、もちろんめちゃめちゃお世話にはなってるし、好きな場所はいっぱいあるけど。


荘子it:だから本来、音楽をやろうと思ったら普通、多くの人はまず上京したりする。それで盛り上がっているライブハウスでライブをしたりして、コミュニティで切磋琢磨して音楽を盛り上げていったりするのが場から育つもの。だからそれはつまり社会との結び付きがある音楽の発展の仕方だけど。俺らはもうなんか普通に、半ば必然的に中高一貫の学校に行って。そこで出会った仲間と仲良くなっているうちに、それでヒップホップグループが自然にできて。別にそこに何か主体性とかは大してないわけよ。


気が合うやつと勝手にやっているだけだから。それでいきなり……そんな風に自分勝手にやってるもんだから。それで世に出て、いざライブハウスクラブに行くと、ガラパゴスに進化しすぎちゃっていて、あまり話の合うやつもいないから。「じゃあ、もう海外のレーベルが出した方が早いや」ってことになって、一気に地元の中高の同級生からLAのレーベルから音源を出すみたいな感じになってしまうっていう。まあ、そんな感じだよね。


TAITAN:面白いよね。


没:なんかベッドルームミュージシャンの感じにやっぱり近いよね。


荘子it:むしろ、そういう風にしか発想できない。そういうのって結構さ、まあさっきは「セカイ系」って言ってたけど。ある意味、それには欠点もあるんだけど。まあ批判される気持ちも分かるんだけど、俺はもうそういう風にしか生きてきてないし、そういう風にしか考えられないから。


TAITAN:でもまあ、ああいうのが今後もできたらいいですよね。




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放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/728


荘子it(MC/トラックメーカー)、TAITAN(MC)、没 a.k.a NGS(MC/DJ)からなる3人組HIP HOPユニット”DOS MONOS”による番組『TOKYO BUG STORY』。圧倒的な音楽性の高さと、独自に作り上げた世界観を是非ラジオで体感してほしい。





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