Dos Monos 黒沢清作品と俳優・没の可能性を語る

Dos Monosが『スパイの妻』など黒沢清作品と没の俳優としての可能性をトーク。
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2020.11.03 10:30

Dos Monosの3人がblock.fm『TOKYO BUG STORY』の中で『スパイの妻』など黒沢清についてトーク。さらに演技に興味を持ち始めた没の俳優としての可能性についても話していました。


番組情報


▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/728





TaiTan:10月でございますけれども。最初のトピックはですね、「最近、没は何をしてるのか?」っていう。「没って何なのか論」っていうのを話そうかなっていう。


没:こんなこと、初めてですよ。


TaiTan:没の私生活があまりにも見えてこないっていうことがちょくちょく聞かれるので。


没:そんなこと、聞かれないでしょう? どこでそんな話題になるの? 俺は結構晒している方じゃない? そんなことないの?


TaiTan:最近は何しているの?


没:最近? 最近はちょっと体調が悪くて。


TaiTan:フフフ、「最近は何をしているの?」って聞かれて状態で返してくるの、ヤベえな(笑)。


没:だから本当に俺、先月も言った気がするけど。アニメを見たりさ。


荘子it:それは俺だろう?


TaiTan:それは荘子itだよ。その領域、キャラは取られているんだよ。


没:そんなに言うほど見ていないしね。


荘子it:何を見たの?


没:えっ、普通に……。


TaiTan:何も明かさないじゃん(笑)。本当に黒だよな。マルホシだよな、お前(笑)。


没:公文書改ざんの黒塗り報告書みたいな。あ、でもピクサーはめっちゃ見ている。『バグズ・ライフ』……。


荘子it:それはTaiTanだろ? なぜお前は人の模写を……シャドウイングばっかりして。おかしいっしょ?


没:違うんだよ……。


TaiTan:今、お前「猛者」を「模写」って言ってたな? めっちゃかわいいことになってるぞ?


荘子it:いや、噛んだんじゃなくてこれはシャドウイングの「模写」ね。


TaiTan:ああ、そっちね。「猛者」じゃなくてね。


荘子it:なにが猛者なの?


TaiTan:そういうさ、領域の猛者。だから荘子itはアニメの猛者じゃん?


没:猛者の模写っていうこと?


荘子it:ああ、人の猛者っていう話? お前もちょっとそれ、パラフレーズしすぎてわけわかんないよ(笑)。


TaiTan:猛者の模写。もさもしゃ。


荘子it:それぞれの猛者ぶりの模写でお前、稼いでいるんでしょう?


没:で、稼げてないんだよね(笑)。


荘子it:ああ、それ、この前の話につながったわ。この前、ALIっていうバンドに客演をしたらさ、ALIっていうバンドの知り合いの子供みたいなのが来てて。その子供のエピソードで……。


没:KAHADIOくんの子供でしょう?


荘子it:ああ、KAHADIOくん。ALIのドラマーの息子さん、すごいちっちゃい男の子が来ていて。その子のかわいいエピソードを聞かされて。KAHADIOくんの息子とスマブラをやっていたらすごいひそひそ声で耳元でささやかれて。「ねえ、知ってる? カービィってね、なんでも相手の真似ができるんだよ」って耳打ちされたっていうかわいいエピソードを聞いてほっこりしたっていうのがそれだったのね。


没:えっ、どういうこと?


荘子it:だからその全てを模写するっていうのが……。


没:俺がカービィっていうこと?


荘子it:カービィだと思っているんだろう? お前、カービィすらも模写しているんでしょう? 模写をする特性を持つカービィを模写していたんでしょう?


TaiTan:メタモンであり、カービィであり……っていうね。もうミラーマンだな。


没:俺、そんなに人のミラーをしているかな?


TaiTan:海賊版なんだよ。没の人生は。


荘子it:空っぽなんだよ。俺、この前、黒沢清の『スパイの妻』のレビューを書いたからさ。それでちょっと『CURE』とかを見直してさ。『CURE』もひたすらさ容疑者がさ、尋問された時に「あんた、誰」しか言わないの。それで相手が言ったことに全然答えなくて。「刑事だよ」「いや、刑事じゃなくてさ、あなたは誰なの?」とかって言って。そうすると、聞かれている方が頭がおかしくなってきて殺人を犯してしまうっていう映画なんだけども。それじゃん?



没:俺、それ?


荘子it:ひたすら空虚。


TaiTan:たまに没と荘子itくんのスタジオから帰って、昔まで反対方向の電車に乗っていたから。彼を向いのホームに見ると、ちょっと怖い気持ちになる。それこそ黒沢清の映画みたいな……。


荘子it:黒沢清の映画に出ている、のんじゃん。


TaiTan:不穏……なんか不安な気持ちになるっていうか。


没:どう不安になるの?


TaiTan:「あの人は見ていい人なのか?」っていうかさ。向かいのホームにいると「ああ、距離があってよかった」って。「怖い」って。


没:俺、たぶんもしかしたら演技とかも上手いんじゃないかなって思っていて。最近、自分のポテンシャル的に。なんか何もないから……。


荘子it:認めたじゃん(笑)。お前ってさっきまで否定していたことをさ、結局やっぱり認めてたんじゃん?っていう話の論の展開の仕方するよね。


没:一応、だって最初は否定しないとさ(笑)。


荘子it:「じゃあ、さっきまでの問答はなんだったんだよ?」っていうぐらいさ、そのテイで話を進めるよな、お前は。俺、いつもそれを思っていた。


没:まあ、その場で考えているからだよ(笑)。


荘子it:じゃあ、最初の否定はなんなんだよ? 「はあ? お前、死ね!」とか最初に一言いうのに、それはただの撒き餌っていうか……なんの意味も示していないんだね。「違えよ」っていうのが。話の流れを追うと気づくんだよ。


没:いや、本当にその時はそう思っているんだよ。


荘子it:「でも違わなかった」って気づくんでしょう?


没:そうそう。あとで気づくっていう。まあ、気づくっていうか、そこで本当に考えが変わって。たぶん。


TaiTan:そのアップデートされる感じっていうのもメタモンっぽいしね。


荘子it:『Rojo』のアウトロでも言ってるしね。「アップデート」って(笑)。それもさっきまでのバースの内容が完全にアウトロでは変わっているっていうことでしょう?



没:そう。しかもあれ、前に書いたやつだし(笑)。もはや。もう全然違うバースから取ってきたやつだし。


荘子it:もはや全然、染谷将太じゃないっていう。


没:そう。全然染谷将太と関係ないアップデートだから。なんだろうね? 俺もわからないよ。


TaiTan:でも、没の演技っていうのは見てみたいんじゃないですか?


没:やってみたいよね。


TaiTan:やりなよ。


没:やろうかな? オーディション、応募しようかな?


荘子it:起死回生のチャンスはそこにしかないよ。


没:そうだよね。


TaiTan:たしかにでも、没 a.k.a NGSでなんか就職しようかなって言っていたけど、絶対にやめた方がいいよ。


荘子it:この後、没がバイトだからケツがあるわけだけど。バイト辞めてオーディションを……。


没:オーディション、受けようか。ちょっと行ってくるわ。


TaiTan:冨永(昌敬)さんに1回、頭を下げるか。


没:冨永さんとかじゃなくていいよ。


TaiTan:お前、失礼すぎだろ!


没:いや、違う。そういうことじゃないよ。


荘子it:それは、「恐れ多い」っていうね。いきなりそんな立派な人には……っていう。


没:別に俺は実績も何もないのに、そんなので行くのはちょっと……。


TaiTan:もうちょっと身近で手弁当で頑張っている監督とかに?


没:普通に知らないオーディション、行くっしょ。大河とか。


荘子it:大河ドラマ?


没:朝ドラとか。


TaiTan:お前が? 何するんだよ? 大河で。


没:いや、なんかあるっしょ?


TaiTan:お前、弁当の配膳係くらいの役だろ?


荘子it:集金係のオーディションとか。「怖い人だから払ってくれるんじゃないか?」っていう枠で。


没:それ、バイトじゃん(笑)。


TaiTan:俺、没が今、演技に目覚めている理由のひとつにね、さっきのALIの話にもつながるけど。この間のね、ALIのMVで丁半コロコロやってるシーンがあって。その時の没の演技がその現場でね、すごい盛り上がってたんですよね。


没:あれ、演技が盛り上がっていたわけじゃないでしょう?


TaiTan:それでたぶん没は目覚めた説っていうのがあって。


荘子it:たしかに。気持ちよくなっちゃったっていうね。


没:それはあるかもね(笑)。



TaiTan:板の上に立つ気持ちよさを知ったら、もう元には戻れない論と一緒で。


没:でも、それは前々からちょっと思っていたんだよ。「できそうだな」って。


TaiTan:どこで?


没:いや、自分で……家で1人で。


TaiTan:鏡の前で?


荘子it:シャドウイングしているんじゃん、やっぱり(笑)。


TaiTan:『タクシードライバー』のあいつじゃん(笑)。


没:結構映画ごっこみたいなのをやっていて。


TaiTan:なんだっけ? 鏡の前でずっと同じことを言うやつ。


荘子it:「You Talkin' to Me?」でしょう。


没:「You Talkin' to Me?」って。


荘子it:今、やってみなよ?


没:いや、今やる意味が……。


荘子it:それもまたシャドウイングだよ(笑)。


TaiTan:メタモン野郎っていう(笑)。


没:モノマネはちょっとできないよ。なんか、そういう感じで。


TaiTan:でも没が演技の世界に行くっていうのはちょっと面白いかもしれないね。


没:でも1回もやらないで終わるってもったいないから。ちょっと行ってみようかなって。


TaiTan:1回、冨永さんに撮ってもらった……『Clean Ya Nerves (Cleopatra)』か。あの時は自ウケしちゃって。それで俺、めっちゃイライラしたんだよね。



没:自ウケ?


TaiTan:自分でなんか、自分の演技に恥ずかしくて笑っちゃうのを自ウケっていうんだけども。なんか、そういうのはもう克服したっていうことね?


没:たぶん。


荘子it:それ、克服する経緯って別に今までなかったでしょう?


没:いや、より空虚になったんじゃない? より自我みたいなのが消えていったというか。


荘子it:ああ、もう空虚になったことで解消されたの? じゃあ、お前に何があったの? そんな空虚に……何でそんなに?


没:わかんないね。


荘子it:内面をかき出されたの?


没:1人でいる時間が長いからかな?


荘子it:フフフ、そんなことないと思うよ(笑)。Dos Monos史上最多他者面会率でしょう?


TaiTan:だっていつもGoogleカレンダーに「○○と飲み会」っていうのが帯で入っていたりするでしょ?


没:ああ、俺はiPhoneのノートに全部書いているよ。


TaiTan:iPhoneのノートに日程管理しているの、マジで怖えわ。マジで駅のホームの向かい側にいるの、怖えやつだわ(笑)。


没:iPhoneのノートが一番早くて楽じゃん?


TaiTan:そうか。いや、そこが面白いよね。没なんて一番人に会うのが好きなタイプというか。そう思えるんだけど。俺とか荘子itなんてやっぱ排他的だしさ。まあ排他的っていうか、あんまり人に会うのがそんなに好きじゃないっていうか。俺とか、仕事だったら会うけど、そんなに好き好んで会いはしないから。というか、飲み会がめっちゃ嫌いだから。


没:俺も飲み会はあんまり好きじゃない。できればサシとかの方が……。


荘子it:少人数?


没:うん。だって話せないじゃん? 俺、4、5人いるともう話せなくなっちゃうから。そしたらもう、それは流し飲みみたいな感じになっちゃうよ。でも、まあ人と会ったりはして。でも、別に俺から企画してないんだよね。誘われるんだよ。


TaiTan:なにをモテる男みたいに……。


没:違う、違うよ。


荘子it:まあ、役者はそうあるべきだよね(笑)。


没:マジで自分から企画することはほぼなくて。


TaiTan:そう。だからプロディーサータイプとアクタータイプっていうのがいるとしたら、アクタータイプだよね。場があってそこにパーツじゃないけども。役として呼ばれるっていうね。


没:そうかも。そう。なに、このラジオ? こんな回があってもいいの?


TaiTan:いや、没の内面を全部、放送しようっていう。


没:いやー、俺も本当に分かってないからね。だから2人と話している時にそれが出てくるんだと思うんだけども。基本的に自分でわかっているっていうのはないから。


荘子it:でもなんかちょっと俳優っぽいからね。わかんないけど。


TaiTan:でもたしかに、『桐島、部活やめるってよ』とかの東出くんポジっていうか。巨大な空洞っていう役じゃん。あれ、東出くんって。あれが没になっていても、たぶん日本アカデミー賞を取っていたと思う。



荘子it:フフフ、たしかに。それ、あるよね。どこまでこれを変えても、その同じ評価を得られたんだろうみたいな。それはあるね(笑)。俳優が仮に1人、没でもこの作品の強度だったら行けたんじゃないかっていう。


TaiTan:「おわかりいただけただろうか」っていうやつでしょう?(笑)。


荘子it:でも「おわかりいただけただろうか」って変える前を知らない人たちに没の状態しかこの世に存在しなくてアカデミー賞を取ったのか……それで没だけなら許せたとしても、もう1人、別の役がTaiTanでも大丈夫だったのか、みたいな。そうやって刻んで、どこまで強度を落としても大丈夫なのか?っていうのを(笑)。


TaiTan:『水曜日のダウンタウン』でやってほしいぐらいの説だよね(笑)。


荘子it:でも比較ができないんだよね。元ネタを知っちゃっているから。


TaiTan:アハ体験だったらまだ成立するけど。


荘子it:現実問題として、たとえばあの東出くんの役が没でもまあ、行けたでしょうって。


TaiTan;それ、やりたいね。なんかディープフェイクとかでさ。


荘子it:松岡茉優がTaiTanだったらさすがに無理だとかさ(笑)。


TaiTan:あの嫌な女子校生役でしょう?


没:それは行けるんじゃないの?(笑)。


荘子it:全然行けると思うよ。そしたら、アカデミー賞に行ったかもしれない。ジェンダーを超えてるから(笑)。


TaiTan:本家の方に行ったかもしれないよね。なんか松岡茉優が吹奏楽部の子の目の前でチューするシーン、あるじゃん? 「あれが自分だったら……」っていうのをちょっと今想像して。


荘子it:っていうかあれさ、東出とじゃなかった? あれが没とTaiTanっていうこと?(笑)。


没:フハハハハハハハハッ!


TaiTan:校舎の裏で。「ねえ。今、ここでキスして。早く」っつって。見せつけるっていう。


荘子it:で、心ここにあらずの没が(笑)。


TaiTan:それ、PVで今度1回、やろう(笑)。パロディーで。


荘子it:それをパロディーにしていること、誰も気づけないから(笑)。意味がわかんないよ。


TaiTan:で、お前があの愕然とする吹奏楽部の役ね。あれを見せられちゃう役で。それ、やろう。いや、没とキスかー。


没:いや、俺もお前とキスかよ……。


荘子it:それでもアカデミー賞を取れたのか?っていうね。


TaiTan:いいね。どこまで没に変えたら……。


荘子it:それ、すげえ思う。要はさ、映画史とか名作の歴史とかってあるじゃん? 黒澤明の『七人の侍』だの、フェデリコ・フェリーニ『道』だの。まごうことなき傑作みたいな。でも、まごうことなき傑作もさ、映画を撮ったことがある人なら当然わかるけど、現場によっていろんな挫折とかさ、思い通り行かないこととか全部あって。でも、もうそれしかないっていうことで観客に提示される作品だけどさ。仮にだから俳優がたまたまちょっと本意じゃないやつになることだって当たり前にくぐってきているわけだから。


だから「それで同じぐらいのレベルでちょっとずつレベルを下げていっても、どれだけあの同じ枠にとどまれるのか?」っていう。要は反復不可能な、ひとつの歴史しか知らないけど。それが代わりにちょっと、オルタネートバージョンでも同じように成り立つのか?っていう。だからどこまで行ったら要は『シュタゲ』的に世界線が乗り変わるのか?っていう。それのその刻みを……。


没:意外とすぐに入れ代わっちゃうんじゃない? だからなんか、その賞とかっていうのはさ、意外と大雑把だからさ、そんなに変わらないのかもしれないけども。


荘子it:だから賞みたいな分かりやすいものがやっぱり変わることによってさ、世界線が変わったみたいな感じになるじゃん? もう究極、言ってしまえば微細な差異は全てが変わってしまうけども。世界線って本当にここで俺が手を伸ばすか、伸ばさないかでも違う世界線になるというか。常に毎秒、素粒子のぶれによって世界が多世界的になっているわけだけども。それにしても、もうちょっと大きな映画史っていうものが塗り替わってるようなのにさ……なにを没に変えたら映画史は塗り替わるのか?っていう。


没:でも結構簡単に……だから蓮實重彦が「傑作だ」って言ってたやつが俺に変わったことによってめちゃめちゃけなされるってことはすぐに起こると思うよ。


荘子it:いや、まあ蓮實重彦はたぶん大丈夫じゃない? 俳優はあんまり、そんなに……。


没:まあ、それは知らんけど。それは例に挙げただけだけども。なんかそういう、人ひとりひとりの印象は結構すぐ変わっちゃう気がするよ。俳優が1人違うだけで。


TaiTan:さっきの荘子itの黒沢清『CURE』の「お前は誰だ?」って言ってくる空洞の方の役って本家では誰がやっているの? 役所広司?


荘子it:いや、役所広司は刑事の方。犯人の俳優の方は名前、忘れちゃったけど。(※注 萩原聖人)。


TaiTan:だから、没でもいいっていうことでしょう? 思い出せないっていうことは。


荘子it:まあ、ちょっと……そうだね。没はどうなんだろう? 行けるのかな? 行けない気がするけどな。『CURE』のあいつが没だったら……。


TaiTan:監督から「なんにもリアクションしないでそのまま『お前は誰だ?』って言っておけばいいから」って言われて。それで没が言えば、ねえ。役所さんが上手いことやってくれるんじゃない? AVとかもそうだけどさ。やっぱり男優側の受けが最も大事で。柔道もそうだけども。役所さんが受けてくれるならさ、没が座ってペラペラペラペラとセリフをオウムのように言っていても成立するんじゃないか?っていうのはなんか思うね。


荘子it:まあ、だからもちろん成立はする。でもそれが作品として強度をどこまで……どこまで下げるのか? あるいは逆に上げてしまう可能性もあるけども。どんぐらい、映画史みたいな割と大きな枠組みに作用するのか?っていう。もちろんひとりひとりの考える価値観のレベルでの評価はどんどん変わるけど。でもなんか、大枠が同じだったらさ、たぶん取る賞とかも同じじゃん、みたいな。そのぐらいの感じだよね。


TaiTan:具体例でなんかないの? たとえばこの映画のあの役が没に代わっていたら、ギリギリでアワードに引っかかる、引っかからないのラインが変わってしまうんじゃないか?っていう。荘子itが思う映画は? 俺は、やっぱり『桐島』の東出くん。だから、巨大な空洞役っていう。


荘子it:巨大じゃないからね。東出くんは超背がデカいから。


没:俺が背が高ければ……。


TaiTan:だから中肉中背の空洞役になるのか。


没:それは結構厳しくない?


荘子it:まあ、説得力はだいぶないよ。


TaiTan:でも、それは日本人じゃん。日本人がいかにもそうじゃん。だから平均的日本系の役。だから『トウキョウソナタ』とかも行けるんじゃない? 無理か。香川照之は。


荘子it:香川照之が没だったらもう全てがおかしいでしょう(笑)。『半沢直樹』のあの役が没だったら……とか、それは100パーセント(笑)。


TaiTan:100パーセント、日本のトップ視聴率なんて行ってないね。それはちょっとあれだね。怪演級は無理だね。だからいるだけで成立している系の映画だったら……そんな映画ってあるの? なに? いるだけで成立するって。


荘子it:結構でもアート系の映画ってそうじゃん? 割と。むしろ、だから『半沢直樹』みたいなのは無理よ。あれは全てがプロ仕事っていうかさ。ある意味アート映画ってそこが曖昧というか。


TaiTan:だから『ニーチェの馬』なんか没、行けるんじゃない? だってじゃがいもを食っているだけだよ?(笑)。



荘子it:お父さんが没って……娘の方がオーラあるな(笑)。


TaiTan:『ニーチェの馬』って4時間ぐらい没がずっと……(笑)。


荘子it:没がロバを引いてさ(笑)。


TaiTan:だんだん先行きが上手くいかなくなるっていう。


荘子it:まあゴダールの映画とかだったら1人ぐらい没に変えても全然成立する。役者もいっぱいいるし。


TaiTan:それはいいね。それってよく、リメイクものってあるじゃん? そういうもので実験ってできないのかな? 無理か? リメイクになったらそもそも全部キャストが変わっちゃうし。


没:あれじゃない? 不祥事を起こしてさ、差し替えるみたいな。だから、そういうのあるんじゃない? 全く同じシーンを別の俳優で撮った2つのものっていうのが。


TaiTan:まあ沢尻エリカと川口春奈とかね。『麒麟がくる』の。


没:あれは撮り直しじゃなくて、それ以降変えただけじゃないの? 撮り直ししたの?


TaiTan:撮り直ししたはず。


荘子it:すごいよね、それも。川口春奈と沢尻エリカって全然違うじゃんっていう(笑)。でも、それで行けるならたしかに……ってなるよな。いろいろと。


没:まあ、違うものとして割り切るんじゃない?


TaiTan:だから今、ある俳優を思い浮かべて彼が捕まった時に没が代替しても行けるかどうか?っていうのを検証すれば、想像しやすいんじゃない?


荘子it:まあ、そうだね。それは既に完成形を見ているから。だから『スパイの妻』にも東出昌大が出ているんだけども。でもね、『スパイの妻』の東出昌大の役は没、行ける可能性あるな。見てほしいんだけども。『桐島』はそれこそヒエラルキー上位で。『桐島』のナンバー2のイケメンで、いろいろとできて……みたいな感じだからさすがにちょっと没は違う。でも、『スパイの妻』の東出くんは要は主人公夫婦の奥さんの方の幼なじみみたいな感じで。


しかも「実はこいつ、好きだったんじゃね?」みたいな。でも、自分は軍隊に勤めているからスパイ容疑がある奥さんに対してめちゃめちゃつらく当たらなきゃいけなくて。でも昔から好きだったみたいな匂いを醸し出してるイモキャラだから。あれ、東出昌大がやっているっていうのも説得力があるけど、あれを没がやってもオルタネイトテイク可能な気がするな。で、しかもヴェネツィアで銀獅子賞だし。



没:俺が出ていても銀獅子は変わらないっていうこと?


荘子it:という説は俺は十分に……。


TaiTan:没はだから今、架空の世界で銀獅子賞と日本アカデミー賞を取ったっていう、そういう世界線がありえたかもしれないっていうことで。それでだいぶ光栄に思っていいんじゃないの?


没:ここだけで決まった話じゃない?


荘子it:まあ、そこは代替可能だと思うな。


TaiTan:あとは、なんにもしないけど存在感がある系の人だと、荒川良々とかは……なんか本当にすごいよね。あの存在感は。だから没があのポジションに行けるかどうかっていう。


没:それは無理だね。


荘子it:『呪怨』?


TaiTan:『呪怨』はちょっと主役を張っちゃっているからあれだけども。なんか、隣の席でメシを食ってるだけの役とかもあったりするんだけども。それとかは没に変わっていても意外と成立するかもなって思う。没。


荘子it:没……。


没:没……。


TaiTan:言っておいた方がいいんじゃない? 「こういう映画に出たい」とか。


没:ああ、別に特にはない。


荘子it:最近『眠る虫』を3回見たって。


没:ああ、見た。すげえよかった。金子由里奈さんの……あっ、言ってみようかな? ちょっと聞いてみようかな? でもなんか今日、それこそ朝、実家でテレビを見ていて。そしたらあの『スパイの妻』に出ている高橋一生が出ていたの。『スタジオパーク』みたいなやつに。それで、「好きな役とかやりたいんですか?」みたいな質問が来たら「好きなものは極力、追わないようにしてる」って言っていて。


荘子it:「追わない」とは?


没:「自分から好きなものはやらない」っていう。来ればやるけれども、自分から好きなものをやるみたいな感じの根回しは絶対しないんだって。


TaiTan:向こうから対等な立場で来た時のみ?


荘子it:売り込みをしないっていうことね。


没:たぶん、そう。自分の好きなものを追求しないみたいなことを言っていて。「ああ、それはすげえわかるな」って思った。


荘子it:お前、ベテラン俳優の精神性を……(笑)。


TaiTan:キャリアゼロの状態で役者の哲学を語っているじゃん(笑)。


荘子it:しかもシャドウイングだし(笑)。「ああ、わかるわ」って(笑)。


TaiTan:これはすごいよなー。


荘子it:でも高橋一生……あの人も結構デビューが遅いというか、遅咲きのスターじゃん?


TaiTan:だから舞台俳優としてはもう超スーパースターとして認知されてたけど。だよね?


荘子it:高橋一生、超上手いよね。


TaiTan:俺、『モザイクジャパン』っていうWOWOWでやっていたドラマ。それこそ『全裸監督』みたいな、AVプロダクションの社長の役をやっているやつがあって。それとか超いい。いや、かっこいいんだよ。狂ったプロダクションの社長みたいな。めっちゃ面白い。あれ。


荘子it:でも、『スパイの妻』なんかは逆に演技の方向性として割と、あれは舞台となる時代が1940年だから。その当時の人みたいな感じだし、なんならその当時の映画みたいな感じの演技といえば演技だから。ともすると、かなりキツい仕上がりにならざるをえない。


没:結構大げさな感じっていうこと?


荘子it:割と大仰な感じ。言葉遣いからしても。でもそれをね、成立させているっていうのはやっぱりすごいね。しかも黒沢清、ワンシーンを長回しとかでずっと撮っていてさ。まあ、すごいよ。やっぱり。


没:見たいな。


TaiTan:見よう。ちょっと1回没、一緒に見に行こうよ、これは。


没:ああ、いいよ。なんか画質とか結構しょぼいよね。でも。画質っていうか……。


荘子it:なんか撮影クルーが普通にNHKの、だからその前に『いだてん』とかを撮っていたクルーだから。


没:テレビドラマっぽいっていうかさ。


荘子it:そうそう。NHK制作だから。NHK 8Kかな? それもまた面白いよね。俺、レビューにも書いたけど。だから黒沢清ってあんまり映像のそのMV的なこだわりとかはある意味、究極的に一切ない人だから。全て、だからそういうテレビっぽい画質とかになっても、それはそれで成立させてしまう力があるよね。


TaiTan:『首長竜』とかね。



荘子it:そう。『首長竜』とか。なんでもそう。あの人、節操ないんだよ。MV的な、映像作家的な映像のこだわりとかないから。ただその、もちろん撮り方とか演出とかにはすべて黒沢イズムが入っているけども。なんかそこが……だからある意味、軽いんだよね。それは俺、レビューで書いたから。濱口竜介とかってもうちょい人間ドラマ描いたりとかして重みがあるんだけども、黒沢清はどこも徹底して軽い人だから。まあ現場であれこれコロコロ変えちゃうこともよしとするタイプの作家だから。


そういうところも全て含んで……でも、だからそれが行き過ぎて、ちょっと最近の10年代以降の黒沢清の映画とかって、もうほとんど黒沢ファンしか見ないみたいな感じの映画になっていたんだけど。久々にそういった濱口竜介とか、手堅い脚本があったことによって、普通に見れる作品になってるというか。普通にいい作品になっている。


TaiTan:荘子itに「『首長竜』を見に行け」って言われたかなんかで見に行って。それで驚いた記憶、あるもんね。


荘子it:あまりにもヤバくてね。


TaiTan:俺は全然ハマれなかったから。「えっ、なんでこれがある村では評価されるんだ?」っていう。


荘子it:『首長竜』は俺もビビったよ。「これはもう限界だな」って(笑)。


TaiTan:『グエムル-漢江の怪物-』までだな。モンスター描写で許せるのって。でもそれを遥かに超えてきたから(笑)。なんかな……って思って。


荘子it:そうそう。だからその刻みあいをどこまで許せるのか、みたいなのはシネフィルの領域でもすごい沼だからさ。まあ俺も『首長竜』は1周目でちょっとダメだろうって思ったけども。でも普通に、青山真治とかその当時、ツイートしていて。今でも覚えてるけども。「黒沢清の最高傑作」って言い張っていたからね。「いやいやいや……」みたいな(笑)。いや、すごい。ソムリエの世界は本当に奥が深いっすよ。Twitterで観測する限り、そのシネフィルソムリエたちは『スパイの妻』を切って捨てていたよ(笑)。


TaiTan:舌で転がすまでもなく。なるほどね。


荘子it:テイスティングの段階でなんか「泥水……」みたいな(笑)。


TaiTan:鼻でね、匂いの段階でね(笑)。


荘子it:「黒沢清は90年代まで。しかも哀川翔のVシネしか許さない。役所広司の時点でアウト」みたいな(笑)。『蛇の道』とか『復讐』シリーズしか許さないみたいな。


TaiTan:『首長竜』はあれ、主題歌がミスチルの曲なんですよね。ミスチルの10年代のあの、ちょっとそこまで行くとついていけないです……の時期にも重なっていたんで。なんか俺は二重に食らったね。うん。


荘子it:なんかあれをさ……でも、大学時代ぐらいだったじゃん? 大学時代ぐらいまでだから、まさにTaiTanも80年代のナンセンスとかもすごい好きだったし。俺もシネフィルカルチャーにそれなりに理解があった頃だったから。まあなんか、結構その刻みにある程度は許容できるっていうかさ。普通に、むしろウェルメイドなものよりはちょっと崩壊してるし、なんだこれ?っていうぐらいの方が面白いみたいな。


だから冨永さんの初期の『亀虫』とかっていうのは圧倒的に面白いじゃん? でも『首長竜』とかをあれを倒錯した面白さで愛でるっていう感性はちょっとなかったよね。だからシネフィルの複雑なところって、倒錯じゃないんだよね。あの人たちって素直に映画をめっちゃ徹底的見ると、あれが評価できてしまうっていう謎の罠があるみたいな。


TaiTan:謎のロジックが自分の中に。


荘子it:そうそう。だから俺らみたいに……結局、だから俺は自分のことを「シネフィルじゃない」って思うのはさ、ある意味その変なものの愛で方がちょっと逆張り感もあるっていうかさ。多少はね。その濃淡は俺とTaiTanの間とかでもいろいろとあるけども。だからそんなに理論的に突き詰めて、変なものをそのまま素で擁護するっていうよりは、もうちょっと普通にカジュアルな消費の仕方をしてるなっていうのを。


TaiTan:そこにはやっぱり差異があるんだね。なるほどね。面白いね。そうか。


荘子it:だからそこのね、面白さっていうのはいまだに黒沢清とかにはあると思うんだけど。でも、それも内側だけでやってると、そのシネフィルのソムリエ検定になっちゃうんだけど。でもその「素直に見るんだ」っていう謎のこだわり。この美学ってやっぱりさ、この逆張りにまみれた世界……だからバズるものほどある意味、王道を逸しているとかさ。全てに通底する話だけど。


だからそのポピュリズムに対抗する一縷の望みでもないんだけども。まあ聖域にはなってると思うから。そこを外在的に評価しているの。だからシネフィルって画面しか見ないっていう。つまり、めちゃめちゃ作品を内在的に語るっていうことを徹底しているんだけど。本人たちは認めないかもしれないけど、それの外在的な価値は俺、すごい高いと思っているな。っていうことをCINRAに書いたの。


荘子itが執筆 『スパイの妻』の「軽さ」が持つ倫理的な意味とは



TaiTan:TOHOシネマズで『鬼滅の刃』しか上映されなくなってしまう未来を止める止め石となっているというか。として機能してるっていう説ね。


荘子it:そう。でもとにかく、そのレビューでも書いたけども。アニメとの比較をしているんだけども。実写映画じゃなくて。だから『鬼滅の刃』とか、TaiTanも見ていたけども『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とか、『この世界の片隅に』とか。あとは『Fate』とか。俺が最近見て、劇場でヒットしているアニメ映画って全部、重いんだよ。「重い」っていうのは……まあ、レビューを読んでもらった方が早いんだけども。


まあ、とにかく黒沢清はそういうのを抜け出す軽さ、軽やかさがあるわけよ。しかも、あの太平洋戦争時代ってさ、今からしたらもうその時代の時点でちょっと重い話なのに。で、脚本も割と重いところにそれなりに踏み込んではいるんだけど。でもそれが、ああいう軽い映画になってしまうっていうこと。なんかこの居心地の悪さみたいなものが逆に倫理的な感覚を呼び覚ますっていうか。


だから『この世界の片隅に』とか、めちゃめちゃ良くできているし。もう文句なく、よくできているんだけど。やっぱりあれが肯定しているこの平和な世の中に対するなんか倫理的な疑いとかっていうのはさ、ある意味全て潰してしまうぐらいに圧倒的になんか正しく重たい映画じゃない? やっぱりそれとは別の回路があるなっていう。だからアニメとかってまさに「絵」でしかないからさ。「絵じゃん」って言われる辛さ。でも「絵じゃん」って言われるからこそ、逆説的に重い感動の方にどんどんと振り切っていくというか。


絵はだって、手がちょん切れても大丈夫なわけじゃん? アニメの絵だから。だから『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とかもさ、やすやすと腕がちょん切れてさ。まあ、その描写事態は超すげえ軽いんだけども、逆説的にだからまさに『この世界の片隅に』と一緒で。私たちはもう完全に交換可能な存在でしかないけども。完全に交換可能だからこそ、誰かの代替品として生きながらえられることもそれはそれで肯定されるみたいな。


まあ、一緒に見たからわかるよね。『この世界の片隅に』ってそうじゃん。最後。まあ、どこかで腕をなくして死んだ母ちゃんの代わりになったりとかさ。しかも夫も結局、前に好きだった女とかがいて……みたいな話で。それは『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の方で語られるけども。そんな感じで、「結局俺らは代用品でしかないんだ」っていうことを逆説的に肯定するみたいな。「絵でしかない、アニメの漫画のキャラクターみたいなものでしかないかもしれないけど、それで慰め合って生きていこう」みたいなさ。なんかそういう感じの感動的な話にもなるアニメだと。



荘子it:でも、黒沢清とかはそういう逆説的に感動をさせるんじゃなくて、もう本当に現実を映すんだけども、現実そのものがめっちゃ軽いっていうかさ。そんな気にさせてくれるっていうか。でも、そんな軽いもんじゃないだろうって思いたいこっちもあるから、そこで倫理的な葛藤が生まれるみたいな。


TaiTan:いやー、それは没がハマりそうだね。そういう軽い世界観の中に。


没:ああー。


荘子it:没はそこに出てくる人物だから(笑)。倫理的葛藤を呼び起こす側だから(笑)。没を見てみんな「ヤバい」って思うんだから(笑)。


TaiTan:幕の向こう側の人だよね。やっぱりね。


没:「こんな感じでいいのか?」っていうこと? 見てみないとわからないな。その「軽さ」ってすごい難しくない?


TaiTan:別の想像力を喚起させる装置だよね。没って。フィクションっていうか。


荘子it:だから本人が表現をしているというよりかは、「こんなに空虚でいいのか?」っていう風に人を思うようにさせるんだよ(笑)。


TaiTan:あと俺はね、山下監督の『リアリズムの宿』とかだったら没は結構ハマると思うね。演技させたりしたら。役として。そっちも残されていますね。没。


没:なんか、あれじゃない? ああ、わかんねえな……結構、その設定とか舞台はちゃんとあるみたいなところで。その中で空虚にやるみたいなのがいいんじゃない? わかんないけども。なんか自分を勝手に動かしてくるような何かがあった方がたぶんいい。主体的に動くやつよりかは。でもそれって何でもそうだけど。音楽も俺は割とそうだから。やっぱり外的な何かがあった上で……。


荘子it:まあシチュエーションみたいな感じ?


没:そうそう。だからDos Monosとかはすごい荘子itのあれが強いから結構楽なんだよ。やるのは。そういう上で、でも自分としては結構無だから。無じゃないんだけども、なんか、その上で出てくるカラーはあるんだけれども。基本、無の姿勢でいるから。だからブワーッと出てくるよね。だから自分だけでやるのは結構大変だったりするけど。だから、サンプリングとかいいよね。荘子itとは全然違う理由かもしれないけど、俺はそういう理由でサンプリングっていうか、他の人のものと触れ合うっていうのはすごい好き。まあ、音だけとかでもいいんだけども。それはたしかにあるかも。じゃあ、演技もその方向でやろうかな(笑)。


荘子it:まあ、でもそれは喜ばれるタイプだよね。そういうのは。黒沢清に限らず、割と結構……黒沢清は有名なさ、俳優に「この時、役者は何を思っているんですか?」とかそういうのを聞かれても、一切答えない。「僕も知りません」みたいなことしか言わないみたいな。作品ってそれで成立してしまうものだから。だからそこでムダに背景を作り込むよりは、喜ばれるタイプではあるよね。俳優、向いているんじゃない?(笑)。


没:やろう。ああいうのってさ、演技をちゃんと勉強しなかったらオーディションも落とされるの?


荘子it:そんなことはないよ、別に(笑)。


没:その場でイケてれば? あ、マジで行こう。今、だって動き出しているでしょう?


TaiTan:舞台役者からやってみたら?


没:舞台はね、無理だよ。


荘子it:舞台の方が技術を求められるでしょう?


没:舞台は絶対に無理。しかもだって毎晩毎晩さ、ちゃんと同じことをしなきゃいけないんでしょう? 絶対に無理。やっぱり、そうだよね。それはちょっと難しいんじゃない?


TaiTan:没のキャリア論ね。


没:しかも俺も舞台も……舞台自体はそんな見てないけど。その舞台っていう芸術を否定するわけじゃないけど。なんか映像の方がやっぱり好きかも。そこに記録するっていうのがすごい好きだから。


荘子it:それはやっぱりさ、俺らは複製芸術ファンだからさ。音楽にしろさ。やっぱりオペラを見るより普通に、もう生まれ年からロックとか、録音技術以降のもの。:複製を前提としたポップミュージックが好きなのと同じだよね。演劇の1回性のアウラよりも、映像の方が好きっていうのはまあ普通にデフォルトの感じだと思うね。


TaiTan:没はだから編集権が他人に譲渡されているものだと映える可能性があるっていうことよね。加工されることによって。


没:そうね。自分で編集もすごい好きだけど。まあそれはまた別の話って感じ。


TaiTan:うん。でも俺、マジで山下監督とかいいと思うけどな。


没:ちょっと挨拶しに行くか……(笑)。


荘子it:まあ自分でね。高橋一生の哲学を完全に無視して(笑)。それで積極的に売り込むっていうね。まあ、でも最初はそうしないといけないよね。


没:そうなのかな。でも、なんでもいいですけど。


TaiTan:没はいわゆる役者的な、結構ハードな下積みとかよりかは、いきなりなんかトントンって行きたい監督のところに行って「出させてください」みたいな方が合っているかもしれないね。


没:そうしよう。


TaiTan:そういうのは言っておいた方がいいんだよ。


没:そうだね。公共の電波に乗っけておいた方がね。お願いします。


TaiTan:「これ、書き起こししてください」って。


没:ああ、そうだ。お願いします。それ、みやーんさんじゃん(笑)。まず、ちょっと痩せるからお願いします。


荘子it:「Dos Monos、出たい映画を語る」(笑)。


没:ちょっとダイエットする(笑)。まあ、それは今、俺が単純に体調が悪いから。絶対にちょっと太ったから体調が悪い(笑)。



番組情報


▶「TOKYO BUG STORY」

放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.

番組URL : https://block.fm/radios/728


荘子it(MC/トラックメーカー)、TAITAN MAN(MC)、没 a.k.a NGS(MC/DJ)からなる3人組HIP HOPユニット”Dos Monos”による番組『TOKYO BUG STORY』。圧倒的な音楽性の高さと、独自に作り上げた世界観を是非ラジオで体感してほしい。






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