小室哲哉が引退。J-POPにレイヴ、ジャングル、エレクトロニックサウンドを紹介した変革者

90年代のJ-POPシーンを牽引した大物プロデューサーが引退を表明。しかし、彼が日本の音楽業界に与えたものは大きい
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2018.01.19 07:08

90年代のJ-POPシーンを牽引し、日本の音楽業界に多大な影響を与えた音楽プロデューサーの小室哲哉が音楽業界からの引退を発表した。 


「小室哲哉ならこういう音楽を作れるだろう」という期待に応えられない


今月18日発売の週刊誌で看護師との不倫疑惑を報じられていた小室哲哉は、本日記者会見を開き、その騒動で妻のKEIKO、家族、ファン、スタッフ、不倫相手に迷惑をかけたと謝罪。その後、自分なりのけじめとして音楽業界からの引退を発表した。 音楽業界からの引退に関して、小室哲哉は、昨年夏前から突発性難聴に近い状態になり、現在も左耳がほぼ聴こえない状態で睡眠障害があると告白。原因は不明なものの、ストレスによるものだろうと思うと語った。 また体調不良やストレスなどもあり、仕事にも支障が出ていることも明かし、音楽活動を続けていくことは困難だと判断。最近では、「小室哲哉ならこういう音楽を作れるだろう」という期待に応えられる音楽制作ができるのか、エンターテイメント業界に自分の才能が本当に必要なのか? と悩むことがあったことも告白した。 



レイヴ、ジャングルなどクラブカルチャー用語を一般に浸透させる


小室哲哉は、90年代には安室奈美恵、華原朋美、globe、TRFなど小室ファミリーと呼ばれるビッグアーティストをプロデュースし、数々のヒット曲を世に送り出してきたことはすでに広く知られていることだが、実はJ-POPシーンにクラブミュージックやエレクトロニックサウンドを持ち込み、紹介していた。 


 例えば、80年代に彼が活動していたTM NETWORKでは、当時の最先端デジタルシンセサイザーの「YAMAHA DX7」を使い、有名曲「Get Wild」を制作。またプロデュースするTRFの名前の由来は”TK RAVE FACTORY”で、レイヴというクラブカルチャーを意味することをJ-POPに持ち込んだ。それ以外にもダウンタウンの浜田雅功と結成したH Jungle with tでは、J-POPにベースミュージックのサブジャンル、ジャングルを採用。結果、デビューシングル『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント』は200万枚以上のCDを売り上げ、小室哲哉は海外メディアでも「世界初のジャングルで100万枚を売り上げたプロデューサー」として紹介されることになった。ユニットGABALLではテクノやトランスを取り入れたサウンドを追求。また近年はEDMをコンセプトにしたアルバム『DEBF3』を発表するなどしていた。



小室哲哉がJ-POPで表現したエレクトロニックミュージックは、厳密にはオーセンティックなクラブカルチャーサウンドとはまた違うが、先述のようにレイヴ、ジャングル、トランスなどエレクトロニックミュージックに関する言葉を一般層にまで知らしめた功績は大きい。インターネットが今ほど普及していなかった時代にいち早く海外の最新クラブ、エレクトロニックミュージックカルチャーに目をつけた小室哲哉。高感度な彼の感性は間違いなく当時最先端だった。それがなければ現在の日本の音楽シーンがまた違ったものになっていただろう。


参考: 

https://ja.wikipedia.org/wiki/H_Jungle_with_t 

https://ja.wikipedia.org/wiki/GABALL

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AE%A4%E5%93%B2%E5%93%89#%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC


Written by Jun Fukuanga 

Photo: Norio NAKAYAMA



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