さまざまな作品で世界を驚かせたバンド・The Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)について

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さまざまな要素がミックスされたバンド・The Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)
The Mars Voltaは前身バンドのメンバーであった、セドリックとオマー・ロドリゲスによって結成されたバンドである。
プログレッシブロックの作風に、ラテンなど様々な要素をミックスした音楽性で知られている。既存の音楽にカテゴライズされない作品を数多く発表した、日本でも人気が高いバンドだ。
The Mars Volta結成から活動休止までの流れ
2001年に前進バンドが活動休止になった後、これまで演奏していてポストハードコアから幅広いジャンルを取り入れたThe Mars Voltaが結成された。ファーストアルバムの制作では有名バンドのベーシストとして全面的にサポートを行い、同バンドのギタリストがゲスト参加してことで話題を集めている。2003年には夏フェスで初来日し、続く2004年には単独でツアーを行い日本での人気を高めた。2006年には長年バンドを支えてきたドラマーが解雇され、2007年に音楽大学出身のドラマーが正式にバンドメンバーとして加入した。
2009年に第51回グラミー賞において最優秀ハードロックパフォーマンス賞を受賞したが、2013年にボーカルのセドリックがSNS上で脱退したことを表明し活動休止が続いている。
サウンドの要であるオマーのギターについて
The Mars Voltaのギタリストであり、サウンドの要であるオマー・ロドリゲスはバンドにより担当楽器やプレイスタイルを柔軟に変えている。出身であるプエルトリコで流れるラテンミュージックやパンクロックなどジャンルレスに影響を感じさせるのが魅力であり、先進的なサウンドを奏でるだけでなく叙情的な曲も作曲している。ライブでは即興性を重視しており、同じ曲でもスタジオ録音されたバージョンとは違った構成のが特徴だ。
また、オマー・ロドリゲスがThe Mars Voltaで使用してきたギターは本人のシグネイチャーモデルである。シングルサイズのピックアップが1基搭載されているシンプルで軽量なギターを使っているため、演奏中に派手なパフォーマンスが可能だ。さらにギターの音を変化させるエフェクターを数多く使用しており、その場で演奏したフレーズをループさせてギターを重ねる奏法をライブで披露している。
The Mars Voltaのライブパフォーマンスについて
圧倒的なステージパフォーマンスはThe Mars Voltaの大きな魅力である。衝動や激情をストイックにぶつけるアンサンブルや、セドリックとオマーの激しいステージアクションは大きな話題となった。カリスマ視されることも多く、実験精神と初期衝動が保たれたアルバムと同時にライブも世界中で評価されている。
The Mars Voltaが発表してきたアルバム
The Mars Voltaの最初のアルバムは前身バンドのプログレッシブな側面を押し広げた作品であり、亡くなった友人に捧げられたコンセプト作品である。変拍子を大胆に導入したリズムに、ラテンミュージックを導入した哀愁あふれるギターが特徴的だ。
続く2枚目のアルバムもバンド仲間の死がテーマとなっており、5つの組曲から成った大作である。フリージャズやサルサなど1枚目のアルバムと比較してさらに大胆な要素を導入しており、奇妙なアルバムジャケットも話題になった。コンセプトを設けずに作成された3枚目のアルバムではオマーはプロデュースに集中しており、ギターパートのほとんどをサポートメンバーに任せている。
4枚目のアルバムはドラムの手数が増えたテンションの高い作風が特徴であり、曲が短く聴きやすくなったことから前身バンドのリスナーも引きつけた。活動休止前に発表された5枚目のアルバムはこれまで聴かれたようなオマーの特徴的なギターは影を潜めて、歌メロを重視した曲が大半を占めている。この他、メンバーのソロアルバムや他のアーティストでの客演などThe Mars Voltaに関連する作品は数多く発表されている。
Photo:https://www.facebook.com/pg/TheMarsVolta/photos
Written by 編集部