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    レビュー|Taeyoung BoyからTAEYOへ。EP『ORANGE』が示すアーティストとしての普遍性

    2020/07/16 (Thu) 09:00
    admin

    【特集】TAEYOのメジャー1st EP『ORANGE』を、Taeyoung Boyとしての歩み、そして作品を共に作り上げる3人のプロデューサーから掘り下げる。

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    Taeyoung Boy(テヤンボーイ)からTAEYO(タイヨウ)へ、脈々と続く1人のアーティストの普遍性がパッケージされたEP『ORANGE』。シーンに新たな風を吹き込むであろうこの作品を、TAEYOというアーティストが歩んできた道のり、そして本作に関わる個性的な3人のプロデューサーとの関係から紐解いていきたい。

    Taeyoung BoyからTAEYOヘ。その歩み

    まずは、Taeyoung Boyとしての活動を振り返ってみよう。Taeyoung Boyは2015年にSoundCloud上で発表した音源が好評を博し、2017年にはkk、RICK NOVAとともにMSN(メセン)としての活動を開始。スキルフルでスタイリッシュ、三者三様の個性が入り混じる彼らは、アンダーグラウンドシーンで注目を集めた。MSNとしての活動は、Taeyoung Boyのキャリアのコアであることは間違いない。今ではそれぞれが個々で活動しているが、Taeyoung BoyはTwitterでRICK NOVAとの交流を懐かしむなど今もオーガニックな関係性がうかがえる。

    2018年にはTaeyoungBoyとして、トラックメーカー/プロデューサーDroittteとのコラボ名義によるアルバム『SWEAR』をリリース。リードトラックとして先行リリースされた「Fault」はSpotifyバイラルチャート1位を獲得した。YouTubeコンテンツ「ニートTokyo」への出演も追い風となり、Taeyoung Boyはその知名度をさらに広げていく。プロデューサーKMのアルバム『FORTUNE GRAND』収録曲「Distance」に Weny Dacillo、Lui Huaとともに参加したことも大きなトピックのひとつだ。

    その天性のスキルとタレント性を発揮したのは2019年にリリースされたアルバム『HOWL OF YOUNGTIMZ』だろう。プロデューサーには再びタッグを組んだDroittteをはじめ、haqu、KM、Chaki Zulu、starRo、そして宇多田ヒカルのRemixを担当したTeppeiが参加。客演にはACE COOL、Friday Night Plans、Pablo Blasta、Shurkn Pap、Tohji、WILYWNKAといった気鋭のラッパー/シンガーも参加した豪華な内容だ。

    アルバム『HOWL OF YOUNGTIMZ』では『SWEAR』でも見せた、ヒップホップを軸にしながらFuture BassやEmo、R&Bなどジャンルを横断する幅広い音楽性を、さらにアップデートした世界観が凝縮されている。多様なアーティストとプロデューサーたちの色を巧みに取り込みつつ自分のものとする、Taeyoung Boyの柔軟な感性が如実に表れた作品だった。後述する『THE BOY IS』や今作『ORANGE』にも通ずる根幹的な要素がこのときに出来上がっているといえよう。

    同年、12月25日のクリスマスにはTaeyoung Boyとしての最後のEP『THE BOY IS』をサプライズリリース。ファンたちに動揺と衝撃を与えた。CANDY、GAEA、KENYA、OZworldらを客演に迎え、アートワークはKing Gnu常田大希主宰のクリエイティブ集団、PERIMETRONが制作を手掛けている。

    この作品では先の『HOWL OF YOUNGTIMZ』で示された、“混ざってもTaeyoung Boy”が完成された印象を受けた。Taeyoung Boyが曲の中に存在することで楽曲が洗練され、格上げされるのだ。USのアーティストで例えるとすればDrakeのような、自分の色を持ったカメレオンアーティストとしてポストを確立したように思う。まさに“Taeyoung Boyとは”、というテーマを総括し、ひとつの答えを出した作品である。

    そして2020年5月、Taeyoung Boyとしてのラストソング「NAMINOUE」をリリース、TAEYOと名を変えメジャーデビューすることを発表。ラストソングとはいえ、そこには誇張のないTaeyoung Boyの心境が淡々と綴られていた。別れを告げる曲ではなく「みんなと一緒に 名前は変わっても俺は変わらない」そんな風に寄りそうような楽曲に、ファンは寂しさよりもTAEYOとしての活動にさらなる期待を抱いたはずだ。

    プロデューサーとの調和が生み出すEP『ORANGE』のグラデーション

    そうして2020年7月、満を持してリリースされたTAEYOとして初のEP『ORANGE』。今作には3人のプロデューサーが参加している。

    作品の冒頭、「Intro」を担当したのはBACHLOGIC。Taeyoung Boyのラストを飾った「NAMINOUE」も彼が手掛けた楽曲だ。“BL”としてヒップホップファンにはお馴染みのBACHLOGICは、SEEDA『花と雨』をプロデュースし、SALU、AKLOを見出した名プロデューサーである。彼の作り出す楽曲の強度はもとより、鋼田テフロン名義でシンガーとしても活動するそのメロディセンスは、音楽ファンの耳を惹きつけて離さない。

    「Intro」ではサックスとバックトラックが作り出す異質な世界観から一転、TAEYOから繰り出される怒濤のラップにこの作品への期待感が膨らんでいく。

    続く2曲目、リードシングルでもある「Let me down」をプロデュースしたのは東京最重要プロデューサーと名高いChaki Zulu。ケンガンアシュラ2期のEDテーマでもあるTAEYO「ASHURA」のプロデュースも手掛けた。ヒップホップクルー・YENTOWNをJNKMNとともに立ち上げ、Awich、kZmといったタレントをサウンド面でまとめあげるフィクサー的存在だ。

    そのChaki Zuluが手掛けた、ラテンのリズムを取り入れたナンバー「Let me down」はEPの中でもっともキャッチーで身体が動かしたくなる1曲。J.Balvin、Bad Bunny、Rosalíaといったアーティストに代表され、The Black Eyed Peas「RITMO」のヒットに挙げられるUSではもはやメインストリームな存在感を確立するラテンビートと、TAEYOの声の柔らかい雰囲気が融合し、ときに日本的な情緒をも感じさせる。ダンスミュージックとしても成立し、マスにもコアにも訴求する楽曲のバランスはTAEYO、Chaki Zuluコンビならではのクオリティだ。

    3曲目「All I have」からEPの中盤を支える3曲のプロデューサーはCELSIOR COUPE。手掛ける楽曲はモダンでジャジー、チルな雰囲気に加え、ディスコやエレクトロのようなダンサブルな要素がふんだんに盛り込まれているのが特徴だ。シンガー向井太一とは長年タッグを組みその信頼は厚い。

    「All I have」はレイドバックしたスローテンポのトラックから、海岸線をドライブしているような情景が浮かぶ楽曲。同時に、家の近くを散歩し、思いを巡らせているような日常に寄りそう親近感もある。「All I have」というタイトルからも自信を覗かせつつ、一方でどこか不安そうな表情もうかがえ、EP全体から感じる光の揺らぎと心情のコントラストがうまく表現されている。

    続く「Calm」はシンプルなギターの音でTAEYOが歌い上げる一曲だ。波の穏やかな凪のひとときを演出し、じっくりと聴かせる構成となっている。EP中、いちばんシンプルでビートレスなこの楽曲は、ギターのストロークがTAEYOのボーカルの抑揚とシンクロしエモーショナルに展開されていく構成は、彼の持つ表現の豊さを感じさせる。メタルやトラップを取り入れつつ、いきなりギターの弾き語りでメロディアスに歌い出すPost Maloneを彷彿とさせるジャンルレスなそのスタイルは、ヒップホップファン以外にも広く訴求する楽曲ではないだろうか。

    そしてEPのタイトルにもなっている「ORANGE」はラップとボーカル、トラックが絶妙に溶け合う1曲。2Stepとトラップをフュージョンさせたハイテンポなシンバルと、シームレスに転調するイーブンキックが入り混じる先鋭的なトラックを、TAEYOが自在に乗りこなしているのが気持ちがいい。

    「All I have」「Calm」「ORANGE」は同じプロデューサーが担当しながらもテクスチャが異なる。共通しているのはキーの高いボーカルを多く取り入れていることだろう。CELSIOR COUPEの手掛けた3曲は、TAEYOの持ち味であるボーカルとラップの融合において、とりわけボーカル部分を鮮明に打ち出し、そのふくよかな歌唱の魅力にフォーカスしているといえる。

    BACHLOGICが手掛けた「Alright」はEPとしての最後を飾る楽曲。前3曲から一転、ビートの主張が強い一曲だ。メロのラップ部分からプレコーラス、そしてサビへとシームレスに移行する構成は、劇伴のように徐々に盛り上がる展開を感じさせ、圧巻の一言。TAEYOの魅力と心情をパッケージした映画のエンドロールのような壮大さを感じさせる。しかし、この後もまだ物語が続いていくような余韻を残しており、まだ見ぬTAEYOの新作に繋がっていくような楽曲に感じた。

    CD限定でボーナストラックとして収録されている「Grey」は本作のラストトラックではあるが、時系列として「Intro」に次ぐ1曲目にもなりえるような印象。『ORANGE』作中において唯一、カラーパレットの違う曲である。TAEYOの中にある葛藤が「ORANGE」と対極の「Grey」というタイトルに言い表されているようだ。曇天の空を思わせる楽曲では、TAEYOとして道を切り拓き照らしていくような強い意志と、抱えている不安の両面が率直に感じられる。

    リリックの一節には、自身の弱さを素直に表現しつつ、つきまとう不安を振りほどこうとする懸命さや、洗練されたアーティスト像と対極の人間臭さを漂わせているのを感じた。雨雲が陽を覆い影を落とす夕立のあと真っ赤な夕焼けが浮かぶように、TAEYOとしてさらなるスケールで活躍していく姿を想像させてくれる楽曲だ。

    太陽の表情と重なるTAEYOの普遍性

    TAEYOがメジャーレーベルへ移行したのはとても自然なアクションだと思う。今まで積み上げてきたものを崩しかねない、と考える人もいるだろう。しかし、自分自身と向き合った結果として導き出された答えであれば、たとえ名義が変わろうと、メジャーレーベルからのリリースになろうと、そのコアとなる音楽性が損なわれることない。むしろ、“自分にとって必要な場所へ行ける”ということが実行できるのは一握りの人間だけだ。

    EP『ORANGE』は、アーティストとしての性格はそのままにアート性を拡張させた作品だと思えた。それは既存のファンやリスナーにとっても喜ばしいことであるし、新たな支持層を獲得していくことにも繋がるのではないだろうか。USのポップアーティストに見られるような、ヒップホップの要素を取り入れたジャンルレスなキャッチーさは、Taeyoung Boyがそもそも持っていた強みでもある。そのようなパーソナリティが強い芯として存在しているため、作品にブレがないのだ。自身が身を置く環境を存分に活かし、表現の幅を広げることに成功し続けるアーティストなのだろう。

    EP『ORANGE』を聴いて僕は、水平線から日が昇り、徐々に太陽の光が広がっていく朝焼けの光景が脳内に浮かんだ。太陽は季節や時間によってその表情を変えていく。しかし万物を照らすという本質は普遍的である唯一の存在だ。それはTAEYOのキャラクター、アーティスト性とも重なるように感じる。プロデューサー陣とTAEYOが持つ表現力がパズルのように組み合わさることで、陽の光の移ろい、それに伴って変わっていく情景や心模様が描かれているように思えた。『ORANGE』で夜明けを迎えたTAEYOがこれから更なる光を放ち、広がっていくことを期待したい。

    【リリース情報】

    ・TAEYO Major 1st EP「ORANGE」(読み方:オレンジ)

    ・発売日:2020年7月15日

    ・品番:PCCA.04959

    ・価格:税抜1,500円

    ・形態:CD Only (6曲入り)

    ・収録曲 

     M1.Intro (Prod. BACHLOGIC)

     M2.Let me down (Prod. Chaki Zulu)

     M3.All I have (Prod. CELSIORCOUPE)

     M4.Calm (Prod. CELSIOR COUPE)

     M5.ORANGE (Prod. CELSIOR COUPE)

     M6.Alright (Prod. BACHLOGIC)

    【プロフィール】

    TAEYO

    TaeyoungBoy(テヤンボーイ)から改名。 2015年、遊びで制作したラップの音源をSoundClooudにアップしたところ、予想以上の反響を受けたことから活動をスタート。hiphopの枠を超えたリリックとラッパーならぬメロディーセンスでネット上でファンを一気に獲得する。 また音楽だけに留まらず、ファッション+カルチャー面で大きな指示を得ており、モデルやレセプションでの稼働や ファッションブランドのとのコラボなど、ファッション業界からの期待値がとても高い。

    2018年「Fault」はSpotifyのバイラルチャートで1位を獲得する。

    2019年にリリースしたフルアルバム「HOWL OF YOUNGTIMZ」にはTohji、Pablo Blasta、ACECOOL、WILYWNKA、 Shurken Papら新世代ラッパーと、新鋭シンガーFriday Night Plansらが客演参加。 プロデュースには盟友Droitteやhaquに加え、東京の最重要プロデューサーであるChaki Zulu、グラミーノミネーターのstarRo、 宇多田ヒカルのRemixにも携わったTepppeiが参加。メロウな楽曲からクラブ・チューンまで網羅した彼の世界観を披露した。

    2020年5月にポニーキャニオンからのメジャーデビューを発表し、7月15日にMajor 1st EP「ORANGE」をリリースする。

    オフィシャルTwitter

    オフィシャルInstagram

    https://www.instagram.com/kidtizzle

    オフィシャルTikTok

    https://vt.tiktok.com/UJvcYG/

    オフィシャルYouTube

    https://www.youtube.com/channel/UC9cwB90G5R_xcgVBPC_d5Rg/featured

    written by 望月智久

    参考記事:

    Taeyoung Boyが自身最後の作品?となるEP「THE BOY IS」をリリース|OZworld、GAEA、KM、Ryo Takahashiらが参加

    https://news.ponycanyon.co.jp/2020/05/38240

    Taeyoung Boyが自身最後の作品?となるEP「THE BOY IS」をリリース|OZworld、GAEA、KM、Ryo Takahashiらが参加

    Taeyoungboy & Droittte / Fault

    https://natalie.mu/music/pp/taeyo

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