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人気急上昇中DAWソフトウェア「Studio One」最新版リリース インタビュー

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ライブ・パフォーマンス用ショー・ページなど強力な機能が多数搭載したStudio One 5の魅力とは?
2020/07/21 08:00
admin
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PreSonusよりDAWソフトウェア「Studio One」の最新版が発表された。Studio Oneは多くの人気ソフトウェアがひしめく音楽制作ソフトウェアのマーケットでも、特に注目を集めているソフトウェアの一つだ。

音楽制作の主要なアプリケーションとして知られる、Pro ToolsやCubase、Logic、ビートメイカーにおなじみのAbleton Live, FL Studioなど多くのソフトウェアは、ITバブル前後から存在する現役20年超えの大ベテランばかり。そんな多くの大御所ソフトウェアがひしめき合うこのマーケットで、Studio Oneは2009年発売と後発にも関わらず力強くシェアを伸ばしている。

Studio Oneの発売当時、PreSonusはオーディオインターフェースやマイクプリなどのハードウェア製品で広く知られていたメーカーだった。とはいえ、当時すでに群雄割拠の状態だったDAWソフトのマーケット。発売した頃には多くのDAWユーザーが、Studio Oneがここまで急成長すると予想できなかったのではないだろうか。

約10年たった今となっては、プロから初心者まで多くの音楽制作ユーザーに支持される定番アプリの一つとして知られており、オーソドックスなDAWソフトウェアの伝統を受け継ぎながらも、バージョンアップのたびにユニークな機能を増やしている。

今回リリースされたバージョン5の新機能について、国内販売代理店のエムアイセブンジャパンにお話を伺うことができた。

ーまずはStudio Oneについて、これまで既にリリースされている主要な機能を含め、主な特徴を教えてください。

エムアイセブンジャパン(以下MI7):Studio Oneは2009年9月27日に誕生しました。バージョン1は自宅で生楽器を演奏/録音しているレコーディング・ミュージシャンをメインターゲットとして考え、録音、編集、ミックス、そしてマスタリングまでをトータルに行える環境を提供しました。バージョン2ではCelemonyとARAテクノロジーを共同開発し、Melodyneの統合により高度なオーディオ処理/編集を実現しました。バージョン3ではスクラッチパッドやアレンジトラックなどコンポーザー向け機能を搭載し、バージョン4ではコードトラック/ハーモニー編集やパターン機能などEDM/トラックメーカー向け機能を拡充。そして、2020年7月7日に楽譜機能やライブ機能を搭載したバージョン5をリリースしました。

ーバージョンを重ねるごとに、着々と計画的に新しいユーザーのニーズに対応していますね。バージョン5の新機能について、代表的な新機能や効果的な使い方を簡単に紹介してください。

MI7:代表的な新機能としてはスコアリング機能とライブ・パフォーマンス用ショー・ページの2つです。スコアリング機能は、記譜法を使用して音符を入力/表示/編集できるようになり、楽譜に慣れている方には待望の機能だと思います。ショー・ページは、制作したデータをそのままステージやネット配信などのパフォーマンスに利用できる環境です。これにより、普段の制作環境をそのままステージに持ち込むことができますし、ステージ用データを一から作る必要もなくなりました。

ースコアリング機能もStudio Oneのなかで利用できるようになるということで、Studio One単体で楽譜も扱えるようになるとスコアの必要なユーザーにはとても便利ですね。別売りの楽譜制作ソフトNotionとの違いはどのような部分になりますか。

MI7:Studio Oneに新たに搭載されたスコアリング機能は、音符での入力/表示/編集に加えて、強弱記号やトリル/トレモロ/ルペジオとグリッサンド/アクセント/スタッカートを追加することもできます。また、Notionのコアエンジンを移植しているため自動で美しい表示になっています。これに対してNotionは楽譜作成専用のソフトウェアのため、楽譜作成に特化した高度なツールが多数用意されており、タブ譜や歌詞が含まれた楽譜からオーケストラスコアまで自在に作ることができます。

ーライブ・パフォーマンス用ショー・ページについては、これまでのDAWの概念にはなかった新しい部分ですね。具体的にどのようなことが出来るのでしょうか。

MI7:ショー・ページは、DAWで制作した楽曲データをそのままステージやネット配信などのパフォーマンスに利用できる環境です。

Studio Oneは、録音/編集/ミックスしたものをそのままマスタリングまで行うことができますが、ショー・ページにより、録音/編集/ミックスしたものをそのままステージでも利用できるようになります。ショー・ページでは、先ずセットリストを作成し、ソングデータから必要な要素をドラッグ&ドロップすればバックトラック、インストルメント、エフェクトなどが設定されます。後は最高のパフォーマンスを披露するだけです。

ー曲作りとライブの仕込みは通常別作業となるので、ライブパフォーマンスを行うアーティストにはとても便利な機能ですね。Melodyneとの統合も大きな特徴の一つですが、そのMelodyneも5へアップグレードときいています。具体的にはどのような機能が追加されるのでしょうか。

MI7:2011年にARAをCelemonyと共同開発してから、Studio OneにはMelodyne統合機能が実装されています。今回、Melodyne 5になったことで、大幅に向上されたボーカル編集ツール、コード検出、コード・グリッドが追加されます。Melodyneを使用してコードを検出し、検出したコードをStudio Oneのコードトラックに直接エクスポートもできます。逆に、Studio One独自のコードトラックから直接Melodyneのスケールグリッドを抽出することも可能になっています。

ーコードなどもさらに便利にStudio Oneと連動できるようになるのは楽しみですね。デフォルトのプラグインもアップデートとありました。機能的にもかわった部分はあるのでしょうか。

MI7:アナログ系に関しては、PreSonusの状態空間モデル・ドライブ・ステージが採用されており、倍音豊かでよりアナログライクなサウンドになっています。メイン・イコライザーであるProEQは、ProEQ2となり1/12オクターブ分析モードとリニアフェーズ・ローカット・フィルターが追加されています。また、ダイナミクス系プラグインには全てサイドチェーン入力が搭載されたためEDMでのお馴染みの処理も多数のプラグインで対応可能になっています。

ーこういった独自の新機能はユーザーフィードバックによるものなのでしょうか。

MI7:Studio Oneの新機能は、世界中のユーザーコミュニティからの意見を元に開発/実装しています。やはり、Studio Oneを使用するユーザーに直接ヒアリングすることがソフトウェアにとって重要だと考えています。ただし、単に新機能を実装するのではなく、Studio Oneの基本となっている直感的な操作性やパフォーマンス/レスポンスへは影響がないように慎重に行っています。

ーStudio Oneは主要なDAWの中でもコンスタントにアップグレードがある印象です。開発体制は以前より拡大しているのでしょうか。

MI7:はい、スタッフも増えています。Studio Oneの開発を行っているドイツのPreSonus Softwareでは、Studio Oneだけでなく、楽譜作成ソフトウェアNotion、コントロールアプリに加えて、PreSonusハードウェア製品に実装されているエフェクトなどのDSP開発も行っています。PreSonusはソフトウェアとハードウェアを提供するメーカーですから、これらの統合機能などアイディアは尽きません。

ーDAWとしては後発ですが、ユーザー層はどのくらい拡大しているのでしょうか。

MI7:特にアメリカ、ドイツ、日本、イギリスではシェアを急速に拡大しています。日本の音楽制作系WEBメディア2社が実施したユーザーアンケートでは、Studio Oneはいずれも2位になっているとのレポートもあります。PreSonusの製品カテゴリーシェアでもソフトウェア部門は大きな比率を占めるようになってきています。

ーStudio Oneはマルチに対応出来るDAWだと思いますが、とくにこんな使い方がおすめという特徴があれば教えてください。

MI7:Studio Oneは歴史がそれほど長くないソフトウェアですが、逆に言えば古くからの作法や固定概念などの影響を受けません。携帯からスマホに変わったように、Studio Oneはバージョン1からドラッグ&ドロップ操作を前程としていますし、複雑なメニュー階層などもありません。マスタリング機能が搭載されているのも、将来のセルフマスタリングやネット配信を見越してです。今の感覚にあった音楽制作環境を提供しているのがStudio Oneだと思いますし、そういう意味では、音楽を作ってみたい人に理想的だと思います。とにかくドラッグ&ドロップしてみてください。

ーStudio OneやPreSonousの今後予定されている展開やコンセプトがあれば教えてください。

MI7:PreSonusは、ハードウェアとソフトウェアを提供するブランドであり、ユーザーのクリエイティブ構想の実現を支援するエコシステムを形成しています。例えば、ハードウェアとソフトウェアをシームレスに統合させることで、煩わしい設定の必要もなく直ぐに音楽制作を始められます。また、ハードウェアミキサーのエフェクトはPreSonus Softwareチームが開発しており、そのアルゴリズムはStudio Oneでも使用されています。これによりミキサーとStudio Oneは同一のサウンドを実現し、つまりはホームスタジオとステージが同じ環境になっているのです。今後もこれらのエコシステムを拡充し、よりハードウェアとソフトウェアが融合する製品をリリースして行くと思います。

ー最後に何か一言あれば!

MI7:バージョン1のリリースから10年経ちました。10年間の準備期間を経て誕生したStudio One 5をお試しください。

Studio Oneの豊富な機能はここでは語り尽くせないので、気になったという方は是非MI7の公式サイトで詳細を確認して欲しい。

尚、Studio Oneは国内に強力なユーザーコミュニティが存在し、FacebookYoutubeチャンネルでも積極的に活動しているのも特徴的だ。このバージョン5のリリース後すぐに解説動画も公開されている。

こちらのYoutubeチャンネルでは多くの動画が公開されており、これからDAWを始める方や別のDAWからの乗り換えを検討されている方も安心して使い始めることが出来る。使い方などが気になる方はこちらもチェックしてみよう。

written by Yui Tamura

source:

https://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/new/

photo:

https://www.presonus.com/products/studio-one/

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